「ガレリア専用 SKケース (ATX)」をレビュー。まだまだ現役、自作PC的アップグレードの素体にもなるBTO筐体を完全解説

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ドスパラのゲーミングBTO PCブランドGALLERIAにおいてATX対応ミドルタワーPCのスタンダードモデルに採用されているPCケース「ガレリア専用 SKケース (ATX) スタンダード ガンメタリック」をレビューします。

メモリ・SSD枯渇の影響でPC新調によるグラボ・CPUの更新が難しい昨今、まだまだ現役な「ガレリア専用 SKケース (ATX)」を採用したBTO PCをベースに、自作PC的にグラボやCPU&マザーボードをアップグレードする参考になるよう、同PCケースについて解説していきます。

【機材協力:サードウェーブ】

2020年に公開したレビュー素材を元に記事をリメイクしました

2025年現在、最新モデルへのリニューアルでSK/SKMケース採用PCはリニューアル記念のクリアランスセールで少しお求め安くなっていること、メモリ・SSDの高騰・枯渇を受けて既存PCの買い替えではなく、グラボやMB・CPUなど一部パーツのアップグレードを検討する人も増えそうという事情を受けて、2020年に公開したレビュー素材を元に記事をリメイクしました。

「ガレリア専用 SKケース (ATX) スタンダード ガンメタリック」を採用するPCからGALLERIA XA7C-R70S、GALLERIA ZA7R-R38Tなどを例にして紹介します。

また一般販売されてユーザーの手元に届く新品ではなく、レビュー用の貸出機なので、製品や梱包に若干の傷や傷みがある場合があります。通常は新品で綺麗な状態のものが届くはずなので、サンプル機に傷等があっても無視してください。

目次
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クリアランスセールが開催中

ドスパラのゲーミングPCブランド「GALLERIA(ガレリア)」のリニューアルに合わせて、ガレリア専用 SKケースを採用する従来モデルが”最大4万円安くなる”クリアランスセールも開催中です。

2025年リニューアルで製品シリーズが4種類+αに

「GALLERIA(ガレリア)」の従来モデルはデザイン面で実質的に1種類でしたが、2025年のリニューアルで見た目や機能が大きく異なる4種類以上に増えました。

  • Sシリーズ
    • 性能・造形美、すべてを極めたフラッグシップ。
    • ブランド内で最上位に位置づけられ、あらゆるハイエンドパーツの搭載に対応し、優れた冷却性能によってその実力を最大限に引き出します。
  • Fシリーズ
    • GALLERIA初のピラーレスデザイン。
    • ゲーム、推し活、ハマってる世界観などを光の演出で表現することで、飾り立てるのではなく、自分らしさを映し出すステージとして提案するシリーズです。
  • Xシリーズ
    • 新たなスタンダードとなるシリーズ。
    • ブランド立ち上げ当初から積み重ねてきた信頼と実績を受け継ぎながら、冷却性能・メンテナンス性・用途分離といった現代的な要件に応えることで、ゲーミングもクリエイターもカバーします。
  • Eシリーズ
    • スモールフォームファクタ採用のコンパクトモデル。
    • 2026年発売予定。
  • GSL (GALLERIA Special Line)
    • 協業パートナーと創り上げる特別生産モデル群。
    • 特別なパートナーシップによって限定的にブランディング、マーケティング、パートナーシップ戦略上のスペシャルリクエストに基づいて製造されるモデル群の総称です。生産期間や販売期間が限定的であったり、特別な特典がつく場合があります。

NVIDIA GeForce RTX 5070&Intel Core Ultra 7 265Fのモデルを例にすると、最新モデルは25.5万円ですが、クリアランスセールの同等スペックモデルは24万円のように結構お求めやすくなっています。このモデル比較の場合、SSDが1TBから500GBに減っています)

従来モデルのSK/SKMケースは2025年現在も普通に通用するPCケースなので、価格重視ならクリアランスセールを狙うのもアリだと思います。

GALLERIA 旧デザインモデルのクリアランスセールへ

外観とフロント・リアI/O

「ガレリア専用 SKケース (ATX)」のPCケース外観について解説します。

ガレリア専用 SKケース (ATX)の概要

GALLERIAの新型PCケースには今回レビューするATXマザーボード対応ミドルタワーSKに加えて、MicroATXマザーボード対応ミニタワーSKMの2モデルがラインナップされています。

本体サイズはミドルタワーSKケースが高さ480×幅220mm×奥行440mm、ミニタワーSKMケースが高さ425×幅220mm×奥行440mmです。完成品の重量は内蔵パーツによって若干前後しますが、参考重量は14~15kgとなっています。

またGALLERIA新型PCケースSK/SKMには、重厚かつ落ち着いた雰囲気のガンメタリック塗装のスチール外装パネルを採用する「Standard」に加えて、洗練されたスマートな印象を与えるへアライン表面処理アルミニウム外装パネルを採用する「Premium」の2種類があります。

GALLERIAの2020年以降発売の新モデルではR/X/Z/Uの4シリーズがありますが、R/X/Zの3シリーズは「Standard」、最上位のUシリーズでは「Premium」が採用されています。

ちなみにR/X/Zの下位シリーズでもカスタマイズ項目からアルミニウム外装パネルを採用する「Premium」にアップグレードが可能です。

「ガレリア専用 SKケース (ATX)」は近年の自作向けPCケースで流行りのフラットデザインをベースに曲面も取り込み、スマートさだけでなく柔らかい印象も与えるデザインです。

フロント&トップはマットな黒色パネル、スタンダードモデルでは両サイドに重厚かつ落ち着いた雰囲気のガンメタリック塗装のスチール外装パネルを採用し、ブラックとガンメタルのツートンカラーをベースにして鮮やかなブルーがアクセントに加える配色には遊び心を感じさせます。

目を凝らして見ると若干ラメ感のあるガンメタル塗装なので、ヘアライン仕上げアルミニウムの上位モデルと遜色ない高級感を放ちつつ、暗めのカラーリングで落ち着きを感じます。

スチール製シャーシにも綺麗な黒塗装が施されており、後ろから見ても安っぽさを感じさせることはありません。

フロントがエアスリットのないフラットパネルなので、サイドパネルの前方寄りにある青色メッシュ部分を吸気スペースとしています。

スムーズな吸気ができるようにファンが固定されているシャーシとフロントパネルの間には50mm厚程度のスペースが確保されていました。

右側サイドパネルにはブラックスモークのアクリルウィンドウが搭載されています。

PCケース内部のCPUクーラーやグラフィックボードがさりげなく見えるところも、高性能ゲーミングPCの所有欲を満足させてくれます。

「ガレリア専用 SKケース (ATX)」のPCケース底面は、前方にストレージシャドウベイ用のネジ穴スリット(GALLERIAの多くのモデルでは未使用ですが)、後方に電源ユニット用の吸気スリットがあり、見た目としては黒塗装スチール板のシンプルな形状です。

PCケース足としては、四角錐型で先端が正方形のゴムになっているインシュレーターが四隅に配置されています。グラつきもなくしっかりと安定しています。

LEDイルミネーション

「BREAK THE NORMAL(常識を打ち破れ)」をスローガンにリニューアルされた「ガレリア専用 SKケース (ATX)」ではそれを象徴するゲート(門)をモチーフにしたLEDイルミネーションがフロントパネルに搭載されているところも大きな特徴の1つです。

ちなみに新型PCケースの外観デザインは、コンセプトカーや工業プロダクトデザインを手掛けるデザインハウスが担当したとのこと。

LEDイルミネーションはフロントパネルから伸びるRGB対応4PIN汎用LEDケーブルによって、主にマザーボードのLEDヘッダーから給電されています。

出荷時の標準構成では青色に発光するように設定されているようですが、各BTO PCモデルの採用マザーボードによっては、マザーボードのライティング制御機能から発光カラーや発光パターンが調整できそうです。

5インチベイ搭載

「ガレリア専用 SKケース (ATX)」には5インチデバイスの増設スペースが1基分実装されています。

GALLERIAの標準構成において5インチデバイスは非搭載ですが、カスタマイズ項目からDVD/Blu-rayの光学ドライブを追加可能です。

5インチベイ未使用時はカバーで覆われていますが、隙間や段差のないカバーなので、5インチベイがブランクでも目立ちません。またPCケース内部的には5インチベイのブラケットはネジ止めの着脱式になっていて、ブラケットを取り外すことも可能です。(ファンなどと特に排他利用になっているわけでもないのですが)

「ガレリア専用 SKケース (ATX)」はフロントパネルも簡単に着脱できます。

フロントパネルは自作向けPCケースでもよくある、太めのプラスチックのツメで固定する方式ですが、輸送時や持ち運び時に不意にフロントパネルが外れてしまうことがないように、セーフティのネジ止めも採用されています。つまり、この固定ネジを外して、前方にパネルを引っ張ればフロントパネルの着脱が可能です。

フロントIOとリアIO

「ガレリア専用 SKケース (ATX)」のフロントI/Oはトップパネル前方に実装されています。

床置きや机置きなど場所を問わずアクセスしやすい設計として、斜め45度のデザインを採用しています。

  • パワースイッチ(パワーLED)
  • リセットスイッチ
  • ストレージLED
  • USB3.0 Type-A端子×4
  • ステレオ出力3.5mmジャック
  • マイク入力3.5mmジャック


「ガレリア専用 SKケース (ATX)」のフロントI/Oには4基のUSB 5Gbps対応Type-A端子がありますが、2基ずつが内部USB3.0ケーブルによってマザーボードと接続されていました。

またスタート・リセットスイッチ、電源・ストレージLEDなどフロントIOパネルコネクタは個別に分離しておらず10PINコネクタで一纏めのリボンケーブルです。

ケーブルがばらけないで取り回しが良く、今後、マザーボードの交換を行う時も自作PC初心者的に優しい構造です。

「ガレリア専用 SKケース (ATX)」の背面IOを見ると、上側にマザーボードリアI/Oとリアファンスペース、中央にPCIE拡張スロット、下側に電源ユニットという近年のミドルタワーPCケースとしては標準的なレイアウトです。

1点挙げるとすれば、PCIEスロットがATX+1の8段あるところは特長的かもしれません。

IOポートの種類・数量はBTO PCのモデル(採用されているマザーボードやグラフィックボード)によって変わるので写真は一例です。

サイドパネル

まずは「ガレリア専用 SKケース (ATX)」のサイドパネルについて解説します。

SKケースのスタンダードモデルについては重厚かつ落ち着いた雰囲気のガンメタリック塗装のスチール外装パネルがサイドパネルに採用されています。

目を凝らして見ると若干ラメ感のあるガンメタル塗装なので、ヘアライン仕上げアルミニウムの上位モデルと遜色ない高級感を放ちつつ、暗めのカラーリングで落ち着きを感じます。メッシュの鮮やかなブルーをアクセントに加える配色に遊び心を感じさせます。


裏配線側の左サイドパネルはシンプルなソリッドパネルですが、マザーボード側の右サイドパネルにはブラックスモークのアクリルウィンドウが搭載されており、PCケース内部のCPUクーラーやグラフィックボードがさりげなく見えるところも、高性能ゲーミングPCの所有欲を満足させてくれます。

さらにGALLERIA SK/SKMケースのサイドパネルには、今回レビューしている「Standard」で採用される重厚かつ落ち着いた雰囲気のガンメタリック塗装のスチール外装パネルに加えて、「Premium」で採用される洗練されたスマートな印象を与えるへアライン表面処理アルミニウム外装パネルの2種類があります。

左右の両サイドパネルはPCケース背面において上下2か所のハンドスクリューでそれぞれ固定されていて、ネジを外して後方にスライドさせるとサイドパネルを開くことができます。

上下左右に位置を合わせてからシャーシの溝にスライドツメを嵌め込む構造です。

位置合わせを間違えると、ガタンっとパネルを落としてしまうので、欲を言えば、下端をヒンジにするようにサイドパネルをシャーシに乗せてから閉じ、スライドしてロックするような構造を採用して欲しかったところ。

トップパネル

続いて「ガレリア専用 SKケース (ATX)」のトップパネルについて解説します。

「ガレリア専用 SKケース (ATX)」のPCケース天面には、ひし形(正確には45度回転の正方形)のエアベントが設けられたマットな黒塗装のスチールパネルが装着されています。エアベントはありますが、フラットな形状なので、キーボードなど物を置くことも可能です。

トップパネルは、エアベント外装パネル、ダストフィルター、ファン・ラジエーターマウントブラケット(PCケースシャーシ)の3層構造になっており、前2つはPCケースシャーシから着脱が可能です。


トップパネルは背面2か所のネジで固定されており、ネジを外して後方へスライドさせるとトップパネルを取り外すことができます。

ただしトップパネルがサイドパネルの内側にあるので、トップパネルを外すには先に左右両側サイドパネルを外す必要があります。トップパネルに中にはダストフィルターもあるので、メンテナンス性を考えると若干引っかかる構造でした。

トップパネルの下にはマグネット固定で着脱が簡単な防塵メッシュフィルターが設置されています。

その下にはPCケースシャーシの天面ファン・ラジエーター設置スペースがあり、広範囲に渡ってヘックス型エアベントが設けられています。

縦長のネジ穴スリットが複数列用意されており、マザーボードに寄せるor離す形でオフセット配置も可能となっており、最大で2基の140mm角ケースファンや、240サイズ水冷ラジエーターに対応します。

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内部構造の概要

続いて「ガレリア専用 SKケース (ATX)」の内部構造の概要について解説します。

「ガレリア専用 SKケース (ATX)」は、前方に5インチベイが1基あるものの、基本的には近年の自作向けPCケースで主流なオープンレイアウトをベースに設計されており、PCケースフロントは大きく開放されています。

また近年のPCケースの流行としてPCケースボトムに設置される電源ユニットをチャンバー分けして、電源ケーブルを隠すPSUシュラウドも採用されています。PSUシュラウド上はストレージベイが2基設置されています。

ATXマザーボード対応

「ガレリア専用 SKケース (ATX)」は標準的なATXサイズのマザーボードに対応しています。マザーボードトレイには標準でATXマザーボードに合わせたスペーサーが装着済みです。

マザーボードトレイ右側のケーブルホールが使えるかは怪しいですが、ATXに幅+20~30mm程度のE-ATXマザーボードも設置自体はできそうです。PCIEスロット数はATXフォームファクタの7段に+1段で計8段が設置されています。

DDR5/DDR4メモリの見分け方

自分が今使っているPCのシステムメモリの規格が最新のDDR5メモリか、1つ前のDDR4メモリかを確認する方法を解説します。

2025年末現在、最新のDDR5メモリを含めシステムメモリが異常な高騰、品薄になって、BTO PCも新規受注を中止したり、納期が数週間と遅延するメーカーが増えています。

グラボ・CPUを更新するためにPCを新調しようと思ってたのにメモリ・SSD枯渇の影響で新規PCが購入できない、どうしようと困っている人も多いかと思いますが、システムメモリは流用が効くパーツなので、グラフィックボードやCPU&マザーボードを自作PC的にアップグレードすることで数年はやり過ごせます。

システムメモリを流用してCPU&マザーボードをアップグレードする時に注意が必要なのは現在使用しているシステムメモリの規格がDDR5メモリなのか、DDR4メモリなのかです。

ここ3,4年のゲーミングPCだとシステムメモリの容量として32GBを推奨している記事や動画が多いので容量を選んだ記憶にあると思います。一方でDDR5/DDR4の規格については気にしていないという人も多いと思うので、いくつか見分ける方法を紹介します。

コントロールパネルから確認する

Windowsのコントロールパネルからシステムメモリの種類を確認できます。

パフォーマンス、メモリの順番に開いて、速度の項目が「4400~6400 MT/秒」ならDDR5メモリ「2400~3200 MT/秒」ならDDR4メモリです。

実機で確認する

DDR5メモリにはPMICというメモリ電圧を制御する素子がメモリモジュールに実装されています。

PCケースの中を見て、PMICの有無を確認すればDDR5メモリなのか、DDR4メモリなのか確認できます。

CPUで確認する

AMD/Intel製CPUは世代によってDDR5/DDR4メモリのサポートが異なります。

既存のシステムメモリを流用してCPU&マザーボードをアップグレードする場合は、対応するメモリ規格に注意してください

DDR5メモリDDR4メモリ
【2025年最新】
Ryzen 9000(3D)シリーズ
Ryzen 9 9900Xなど
対応非対応
Ryzen 7000(3D)シリーズ
Ryzen 9 7900Xなど
Ryzen 5000(3D)シリーズ
Ryzen 9 5900Xなど
非対応対応
Ryzen 3000シリーズ
Ryzen 9 3900Xなど
それ以前

全高180mmの空冷クーラー対応

標準搭載のCPUクーラーが空冷かAIO水冷かはBTO PCのモデル次第ですが、「ガレリア専用 SKケース (ATX)」は最大で全高180mm程度までの空冷CPUクーラーに対応しています。

裏配線・電源ユニット設置スペース

「ガレリア専用 SKケース (ATX)」の裏配線スペースと電源ユニット設置スペースについて解説します。

CPUクーラーメンテナンスホール

マザーボードトレイには十分に大きいCPUクーラーメンテナンスホールが設けられています。

縦長でメンテナンスホールからはみ出しやすいAM4/AM5マザーボードもしっかりと収まります。バックプレート型のCPUクーラーでもマザーボードをPCケースに装着したままで着脱が可能です。

ケーブルマネジメント

PCケース前方寄りの裏配線スペースの厚みが大きい2段構造や、マザーボード側スペースと繋ぐ3分割のケーブルホールが採用されていて、フロントI/Oケーブルや電源ユニットからの電源ケーブルの動線を綺麗に確保でき、ケーブルマネジメントにも優れた設計です。

裏配線スペースの厚さはマザーボードトレイやシャーシの凹凸で若干前後しますが、マザーボードトレイの裏が18mm前後、ケーブルホールよりも前方の凹み部分は30mm程度が確保されています。

電源ユニット設置スペース

「ガレリア専用 SKケース (ATX)」の電源ユニット設置スペースについて解説します。

「ガレリア専用 SKケース (ATX)」では最近のPCケースで主流なボトム吸気型の電源ユニットのボトム配置構造を採用、マザーボード側からは電源ユニットや電源ユニットから伸びるケーブルを隠してケース内をキレイに見せるPSUシュラウドも採用されています。

「ガレリア専用 SKケース (ATX)」では電源ユニットの固定方法として、単純にPCケース内から電源ユニットを配置して外側からネジ止めする構造が採用されています。

なお2020年リリースの初期モデルでは専用のPSUアダプタを使用して外から電源ユニットをスロットインする構造が採用されていたのですが、2021年6月に確認したところ仕様が変更されていました。スロットイン構造の方が便利なので残念です。

「ガレリア専用 SKケース (ATX)」はボトムスペースにストレージ用のシャドウベイ等は一切ないので、PSUシュラウド内は基本的に全て電源ユニットや電源ケーブルのスペースとして利用でき、自作PC向け電源ユニットを想定すれば奥行クリアランスの制限はありません。

電源ユニットがPCケース底面から吸気を行う構成なので、PCケース底面にはスライド式で簡単に着脱可能なナイロンメッシュの防塵ダストフィルターが付属しています。

PCケース底面には電源ユニット冷却ファンが吸気するためのエアスリットがありますが、幅100mm、奥行15~150mmのレイアウトになっていて、ファン吸気面の大部分はカバーできているものの、幅は若干狭めです。

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ストレージ設置スペース

「ガレリア専用 SKケース (ATX)」のストレージ設置スペースについて解説します。

M.2スロットの位置や数、SATAポートの数は採用されているマザーボードによって異なります。

まず「ガレリア専用 SKケース (ATX)」採用ゲーミングPCではシステムストレージとして基本的にNVMe M.2 SSDが使用されています。

採用マザーボードに標準搭載のM.2 SSDヒートシンクがある場合は、ヒートシンクによって放熱が補助されています。

BTO PCモデルによって採用されているマザーボードが異なりますが、基本的には2つ以上のM.2スロットを搭載しているはずなので、空きのM.2スロットを使用してストレージの増設が可能です。

加えてポート数はマザーボードによって異なりますが、基本的には少なくとも4基くらいは空きのSATAポートがあるはずです。

後述のストレージ設置スペースを使用して、2.5インチSSDや3.5インチHDDの増設が可能です。フロントには5インチベイも1基あるので、光学ドライブも増設できます。

2.5/3.5インチストレージ

「ガレリア専用 SKケース (ATX)」の主なストレージ設置スペースは裏配線側にあり、マザーボードトレイ裏面の2.5インチストレージトレイ、およびPSUシュラウド上の3.5インチストレージトレイ×2の2か所です。

3.5インチストレージトレイはマザーボード側のPSUシュラウド上に固定されていますが、手前のネジを解除すると簡単に取り外すことができます。

3.5インチストレージトレイはスライドさせて左右に広げることができ、3.5インチHDDを置いてから閉じるだけでツールレスに装着できます。

3.5インチストレージトレイの底面には2.5インチストレージ規格のネジ穴もあるので、市販のミリネジを用意すれば2.5インチSSDも使用できます。裏配線に貫通しているケーブルホールもあるので、SATA通信・電源ケーブルの配線も容易です。

グラフィックボード設置スペース

「ガレリア専用 SKケース (ATX)」のグラフィックボード設置スペースについて解説します。

長さ300mm以上のグラボに対応

「ガレリア専用 SKケース (ATX)」はPCケース前方にドライブベイなどがないオープンレイアウトなので、長さ方向のクリアランスも300mm以上と十分です。最新ハイエンドグラフィックボードでも設置スペースの互換性を心配する必要はありません。

グラフィックボードの高さ方向についても、PCIEブラケットと同じ高さからPCケースサイドパネルまでが80mm程度と十分な余裕があります。

PCIEブラケットから大きくはみ出すような背の高いオリファンモデルでもPCIE補助電源ケーブル/コネクタがPCケースと干渉する心配はありません。

PCケースフロントにAIO水冷ラジエーターを設置したとしても、ファン&ラジエーターで一般的な60mm厚以下であれば、グラフィックボードの長さクリアランスとして340mmを確保できます。

配線やユーザービリティ

PSUシュラウドの側面には標準では金属カバーがあって塞がれていますが、ケーブルホールがあり、PCIE補助電源ケーブル等を通すことも可能です。なお金属カバーは一度外してしまうと固定のバリが折れて元には戻せないので注意してください。

PSUシュラウド側面のケーブルホールを使用すれば、PCケースフロントに簡易水冷ラジエーターを設置していても余裕のある配線ができます。

「ガレリア専用 SKケース (ATX)」ではPCIE拡張ボードの固定ネジ穴がPCケースの外側にあるので、拡張ボード着脱用マージンとなるPCIEブラケットの手前に穴を隠すための開閉式カバーも設置されています。

開閉カバーは手前のノブを引くとロックが外れてワンタッチかつツールレスで開くことが可能な構造です。インチネジのネジ穴もあるので、カバーをセキュアに固定することも可能です。

筆者がPCケースをチェックする時の重箱の隅をつつくような細かい項目、PCIEスロットの固定ネジとシャーシの干渉についてですが、「ガレリア専用 SKケース (ATX)」では固定ネジがシャーシの外側にあって、シャーシがネジに被っておらず、ドライバーを使用した拡張ボードのネジ止めも簡単です。

GPUホルダー(リジッドカードサポート)

ガレリア専用 SKケース (ATX)の大きな特徴の1つは、重量級グラフィックボードを支える独自GPUホルダー「リジッドカードサポート」です。

ガレリア専用 SKケース (ATX)のGPUホルダー「リジッドカードサポート」は、コの字に折り曲げ加工された頑丈なスチール製フレームがPCケースを縦断し、天面フレームとPSUシュラウドにしっかりとネジ止めされています。

グラフィックカード自体の保持構造も、単純にしたから支えるタイプのGPUホルダーではなく、L字型の下側ホルダーに加えて、上側ホルダーで挟み込む形になっています。

上下左右どの方向に強い力が加わっても、グラフィックボードをシッカリと保持するので、マザーボードPCIEスロットへの負荷も軽減され、1kgを超える超大型GPUクーラーを搭載するハイエンドグラフィックボードでも安心です。


リジッドカードサポートは頑丈なスチール製ですが、高価なグラフィックボードに傷が付かないよう、グラフィックボードを接する部分にはラバーパッドが挟んであるところもポイントです。

インチネジでガッシリと固定されており、スリット上ネジ穴なので、グラフィックボードに合わせて装着位置を微調整でき、将来的にグラフィックボードを換装しても「リジッドカードサポート」はそのまま使用できます。

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ファン・水冷ラジエーター設置スペース

「ガレリア専用 SKケース (ATX)」の冷却ファンと水冷ラジエーターの設置スペースについて解説します。

PCケース リア(後方)

PCケースリアには120mm角もしくは140mm角のケースファンを1基設置可能です。

固定ネジ穴は縦長のスリット状になっているので、120mm角ケースファンであれば、上下方向に若干のオフセット配置が可能です。

水冷ラジエーターは120mmサイズでもシャーシと干渉する可能性が高く基本的に設置できません。

PCケース フロント(前方)

PCケースフロントには120mm角もしくは140mm角のケースファンを2基設置可能です。

水冷ラジエーターは120/140/240サイズは問題なく設置できます。280サイズも内部スペース的には問題ないのですが、ネジ穴スリットの上下間隔が足りず、6点止めになります。

PCケースフロントはサイドパネル前方が吸気面となっていますが、PCケース内への埃の混入を抑えるため側面のメッシュ部分がダストフィルターの役割も果たすので吸気スペースに使用するのがおすすめです。

PCケースフロントはAIO水冷ラジエーターの設置にも対応しています。固定用ネジ穴は縦長スリットなのでラジエーターのネジ穴間隔に合わせて固定できます。

PSUシュラウド前方にはフロント側ファンマウントスペースとの間に厚み70mm程度のホールがあります。一般的な簡易水冷クーラーでファン&ラジエーターの厚みは60mm以下なので、PSUシュラウドとファン&ラジエーターが干渉する心配はありません。

PCケース トップ(天面)

 PCケーストップには120mm角もしくは140mm角のケースファンを2基設置可能です。

水冷ラジエーターは120/140/240サイズは問題なく設置できます。280サイズはネジ穴的には問題ないのですが、マザーボードやメモリと干渉する可能性が非常に高いです。

加えてPCケース天面のファン・ラジエーター設置スペースは、マザーボード上端との間隔が25mm程度しかありません。

水冷ラジエーターを使用する場合はマザーボードやメモリとのクリアランスが少々厄介なので、AIO水冷クーラーが1基だけであれば、ラジエーターはPCケースフロントに設置するのが推奨です。

レビューまとめ

最後に「ガレリア専用 SKケース (ATX)」を検証してみた結果のまとめです。

良いところ / 特長

  • BTO PC用オリジナル筐体とは思えないスタイリッシュな外観
    • ガンメタルスチールとヘアラインアルミニウムの2種類
    • ブラックスモークのアクリルウィンドウを搭載
    • ゲートを模したLEDイルミネーション搭載(ライティング制御にも対応)
  • 自作向けPCケースでも主流なオープンレイアウトを採用
  • 300mm超の大型グラフィックボードに対応、PCIEスロットを8段搭載
  • 1kg超のグラフィックボードを確実に保持できる独自GPUホルダー
  • 240mmサイズ水冷ラジエーターを搭載可能
  • ゆとりのある裏配線スペースで綺麗なケーブルマネジメントが可能
  • 5インチベイ対応ドライブを1基増設可能
  • 2.5インチストレージを2基増設可能
  • 3.5インチストレージを2基増設可能(2.5インチ互換)
  • 電源ユニットスペースに奥行制限はなし
  • スライド式で着脱の容易な電源ユニット用ダストフィルター

悪いところ / 注意点

  • トップパネルが左右サイドパネルを外した状態でないと着脱できない
  • サイドパネルの着脱はシャーシに上から乗せる構造にして欲しかった
  • 天面はMB上端との間隔が25mm程度なので水冷ラジエーター設置に不向き
  • フロントUSBポートをフルに使うにはマザーボード上に内部USB3.0が2基必要

2025年現在でも自作PC的アップグレードが可能なBTO PC筐体

「ガレリア専用 SKケース (ATX)」は、近年の自作向けPCケースのトレンドをふんだんに取り入れ、デザイン面では鮮やかな青色メッシュを組み込むなど美しさの中にユニークさも感じられ、自作er目線でも高評価なPCケースでした。

自作PC入門への第1歩としても良い出来栄えで、今後中身を総取っ換えするとしても長く使えるPCケースだと思います。

同社の2025年リニューアルで追加されたFシリーズのようにBTO PC専用筐体でもピラーレスや強化ガラスパネルでPC自体を魅せることを重視した採用した製品は増えつつあるので、デザイン面では少し古さはあるものの、PCパーツを搭載するケースとしての機能面は余裕で現役です。

堅牢な独自のGPUホルダーを搭載

「ガレリア専用 SKケース (ATX)」で特に注目なのは1kg超のグラフィックボードを確実に保持できるGPUホルダー「リジッドカードサポート」です。

これに関しては自作PC向けケースを超えているというか、組み立て済みで輸送時の破損を気にするBTO PC専用筐体だからこそ、考え抜かれた構造です。

近年のハイエンドグラフィックボードは巨大かつ重量も非常に大きいのですが、リジッドカードサポートは単純に下から支えるだけでなく、挟み込んで上下左右の振動からしっかりと保持する構造です。

輸送時の破損の心配がなく、長期的観点でもグラフィックボードの基板たわみやPCIEスロットの垂れ下がりを防止してくれるユーザーフレンドリーな独自機能です。

以上、「ガレリア専用 SKケース (ATX)」のレビューでした。

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