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コストパフォーマンスと拡張性を両立し、シンプルな設計で自作PC初心者にも優しい新シリーズ”Pop”は発売と同時に20種類近いバリエーションが展開されていますが、今回はMicroATX対応のミニタワーPCケースのPop Miniを検証します。
エアフローに優れたメッシュフロントパネルを採用し、3基のLEDファンとLEDコントローラーを標準搭載した「Fractal Design Pop Mini Air RGB Black TG Clear Tint(型番:FD-C-POR1M-01)」をレビューしていきます。
代理店公式ページ:https://www.ask-corp.jp/news/2022/06/fractal-design-pop.html
製品公式ページ:https://www.fractal-design.com/ja/products/cases/pop/
レビュー目次
1.Fractal Design Pop Mini Air RGBの梱包・付属品
2.Fractal Design Pop Mini Air RGBの外観
3.Fractal Design Pop Mini Air RGBの内部構造の概要
4.Fractal Design Pop Mini Air RGBの裏配線スペース
5.Fractal Design Pop Mini Air RGBのストレージ設置スペース
6.Fractal Design Pop Mini Air RGBのグラフィックボード設置スペース
7.Fractal Design Pop Mini Air RGBの電源ユニット設置スペース
8.Fractal Design Pop Mini Air RGBのファン・ラジエーター設置スペース
9.Fractal Design Pop Mini Air RGBのビルドギャラリー
10.Fractal Design Pop Mini Air RGBのレビューまとめ
【機材協力:Fractal Design(国内正規代理店アスク)】
Fractal Design Pop Mini Air RGBの梱包・付属品
早速パッケージを開封して、Fractal Design Pop Mini Air RGBの外観からチェックしていきます。「Fractal Design Pop Mini Air RGB」では製品のオリジナルプリントがされた茶色の段ボール箱にPCケース本体が収められています。
幅29cm×奥行51cm×高さ47cmなのでMicroATX対応ミニタワーPCケースのパッケージサイズとしては標準的です。側面には持ち手の穴があるので成人男性であれば問題なく運べると思います。


段ボール箱の天面を開くとマニュアルとPCケース本体が現れます。
一部のFractal Design製PCケースでは段ボール箱の内側にメーカーロゴが大量に格子状に描かれていてハチの巣みたいでギョッとする光景でしたが、「Fractal Design Pop Mini Air RGB」は普通に無地でちょっと安心しました。

PCケースを保護する緩衝材については発泡スチロールが採用されていました。発泡スチロールは処分のため解体する際に小さい破片が飛び散るので、個人的には固めのスポンジを採用して欲しいです。

強化ガラスサイドパネルには傷防止の保護フィルムが貼られています。

裏配線側サイドパネルを開くと、ビニールジップ袋に封入された各種付属品はフロントIOケーブルに縛ってありました。

付属品は各種ネジ類とケーブルタイのみと非常にシンプルです。」

欲を言えば、他社製品の例ですがネジの種類別に完全に小分けできる仕切り付きパックに最初からネジが収納されていると使い勝手が良いので、ネジ収納はこのタイプになってくれると嬉しいです。
Fractal Design Pop Mini Air RGBの外観
続いて「Fractal Design Pop Mini Air RGB」の外観について詳しくチェックしていきます。「Fractal Design Pop Mini」にはまず基本設計として静音性重視のSilent、エアフロー重視のAirの2種類が展開されています。

静音性重視の「Fractal Design Pop Mini Silent」はフロント/サイド/トップが密閉されたソリッドパネルで、裏側に高密度吸音素材シートが貼られています。前面がフラットなスチールパネルなので、フロントパネルの側面フレームに設けられたエアスリットから吸気する設計です。

Pop Mini Silentにはマザーボード側サイドパネルが吸音材付きソリッドパネルの「Fractal Design Pop Mini Silent Black Solid(型番:FD-C-POS1M-01)」と、強化ガラス製ウィンドウパネルの「Fractal Design Pop Mini Silent Black TG Clear Tint(型番:FD-C-POS1M-02)」がラインナップされています。

一方、エアフロー重視の「Fractal Design Pop Mini Air」は、フロントパネルの大部分が六角形で構成されるカーボン風な網目模様のメッシュパネルとなっており、PCケース天面にもファンマウントスペースが確保されています。
Pop Mini Airについてはいずれも付属ファンがLEDイルミネーション搭載、マザーボード側サイドパネルが強化ガラス製ウィンドウパネルとなります。

Pop Mini Airにはブラックカラーの「Pop Mini Air RGB Black TG Clear Tint(型番:FD-C-POR1M-06)」と、ホワイトカラーの「Pop Mini Air RGB White TG Clear Tint(型番:FD-C-POR1M-01)」がラインナップされています。

カラーバリエーション&サイドパネル、LEDイルミネーションの有無などで計4種類存在するFractal Design Pop Miniシリーズの中から、今回レビューするのはメインカラーがブラックで、3基のLEDファンとLEDコントローラーを標準搭載した「Fractal Design Pop Mini Air RGB Black TG Clear Tint」です。

「Fractal Design Pop Mini」はMicroATXマザーボードに対応し、寸法が奥行432mmm×幅215mm×高さ393mmのミニタワーPCケースです。



「Fractal Design Pop Mini Air RGB」はフロントパネルの大部分が六角形で構成されるカーボン風な網目模様の金属製メッシュパネルとなっており、エアフローを得やすい高冷却性能なPCケースです。六角形はポリゴン的な凹凸があるので見る角度によっても陰影が変わり飽きがこないデザインです。


「Fractal Design Pop Mini Air RGB」の左側面は強化ガラスパネルが採用されていますが、トップや右側面はスチールパネルとなっており、傷や指紋の目立ちにくい粒度小さめのシボ塗装で質感も良好です。


「Fractal Design Pop Mini Air RGB」のフロントI/Oはトップパネル前方、正面から見て右寄りに実装されています。

手前(下写真では右)から順にパワースイッチ、リセットスイッチ(RGB版の場合はLEDスイッチ)、ヘッドホン出力3.5mmジャック、マイク入力3.5mmジャック、USB3.0 Type-A×2が実装されています。USB3.0 Type-Aの隣にはUSB Type-C用の空きポートが用意されています。

フロントI/Oと繋がっている内部ケーブルとして、フロントパネルケーブル(RGB版は電源スイッチのみ)、内部USB3.0ケーブル、ヘッドホン・マイク用HDオーディオケーブル、フロントI/Oケーブルがあります。

Pop XLシリーズのうち「Fractal Design Pop Mini Air RGB」にはARGB LEDに対応したLEDコントローラーが標準で搭載されており、リセットスイッチが発光パターンの切り替えボタンになっています。
フロントIOケーブルが伸びている基板上にARGB対応VD-G型汎用3PIN LEDヘッダーが1基実装されています。コントローラー含め、SATA電源を電力源として動作します。

USB Type-C(内部USB Type-Cヘッダーで接続)は別売りオプション「USB-C 10Gbps Cable – Model D」で増設が可能です。

「Fractal Design Pop Mini Air RGB」のフロントパネルはPCケースシャーシから取り外しが可能です。底面にある窪みに指をかければツールレスで着脱できます。


フロントパネルはプラスチックの爪でPCケースシャーシに固定されています。PCケース内部からツメを解除してパネルを取り外すのではなく、割と強引にパネルをシャーシから引き剥がす感じでフロントパネルの着脱を行います。
フロントパネルの着脱には比較的力がいるので(従来モデルよりはツメが弱くなっていますが)、ツールレス構造にしてもボールキャッチなどもう少し着脱の容易な構造を採用して欲しかったところ。

「Fractal Design Pop Mini」のフロントパネルにおいて、上側の大部分はAirならメッシュパネル、Silentなら吸音材付きソリッドパネルですが、それとは別に下側には小さくマグネット着脱式のパネルがあります。Fractal Designロゴの布製タグが付いているので、これを引っ張ると簡単に着脱が可能です。


このスペースには標準で小物入れとして使用できるトレイが設置されています。付属トレイはPSUカバー内のHDD trayと同時に利用できます。地味に需要がありそうなので、2つ使用できるように、このトレイもアクセサリとして販売して欲しいところ。

「Fractal Design Pop Mini」はPSUカバー内、フロント寄りに5インチベイが2台分用意されています。5インチベイはそれぞれPSUカバー内のHDD trayと排他利用です。
ケースボトムに5インチベイが配置されているので光学ドライブを使用してもPCケース上側のエアフローが妨げられないという、賢い設計です。

今回レビューしているのは「Fractal Design Pop Mini Air RGB Black TG Clear Tint」なので、マザーボード側に内部を一望できる強化ガラス製サイドパネルが搭載されています。

強化ガラスサイドパネルというと、電源ユニットがあるPCケース下側やPSUカバーも含めて左側側面全体をカバーする製品が多いですが、「Fractal Design Pop Mini Air RGB」はPSUカバーの側面とガラスパネルが繋がるというショーケース風デザインです。

強化ガラスサイドパネルはスモークなしで無色透明なClear Tintで、ガラスパネルの存在を極力感じさせず、PCケース内部を鑑賞できます。ガラスパネルの品質によっては強く緑色がかることもありますが、綺麗な透明でした。

裏配線側サイドパネルはフラットなスチールパネルです。透明なガラスパネルではないので裏配線にこだわるのが面倒という人には嬉しい設計です。


「Fractal Design Pop Mini Air RGB」の左右サイドパネルは下側をシャーシに引っ掛けてから、前方へスライドさせて、最後に後方の上下2カ所でネジ止めという固定構造です。

裏配線側サイドパネルは下側ヒンジになる構造なので、下側を引っ掛けさえすれば、着脱時にパネルを落とす心配はなく、一定角度以上に外へ倒れることもありません。
一方でマザーボード側サイドパネルはシャーシの溝に突起を挿入するので、下にそのまま脱落することはありませんが、前方にスライドさせてロックがかかるまでは手で支えておかないと外へ倒れてしまいます。

「Fractal Design Pop Mini Air RGB」のPCケースボトムを見ると、電源ユニット部分にはエアスリットがあるものの、それ以外はスチール板で塞がっており、シンプルな形状です。

PCケースボトムの四隅には前後に長いプラスチック製のケース足があり、底面には滑り止めのゴムシートが貼り付けられています。ケース足の高さは25mmほどです。

Fractal Design Pop Mini Air RGBの内部構造の概要
続いて「Fractal Design Pop Mini Air RGB」の内部構造について各種要素ごとに細かく見ていく前に内部構造の概要をチェックしていきます。サイドパネルを外してマザーボード側を俯瞰すると次のようになっています。

「Fractal Design Pop Mini Air RGB」のマザーボードスペース前方はストレージベイや5インチベイなど何もなく開放されている近年主流なオープンレイアウトが採用されています。

「Fractal Design Pop Mini Air RGB」には近年のPCケースの流行としてPCケースボトムに設置される電源ユニットをチャンバー分けして、電源ケーブルを隠すPSUカバーが採用されています。

「Fractal Design Pop Mini Air RGB」のPCケース内部にはフロントに2基の120mm角、リアに1基の120mm角で計3基のケースファンが標準で搭載されています。

Fractal Design Pop Mini Air RGBのマザーボードトレイやその周辺レイアウト、および各種マザーボードとの互換性についてチェックしていきます。
Fractal Design Pop Mini Air RGBのマザーボードトレイには標準でMicroATXに合わせたスペーサーが装着されています。PCIEスロット数はMicroATXフォームファクタに合わせて4段が設置されています。

マザーボード固定用スペーサーを装着するためのネジ穴にはA、M、Iの添え字が刻印されており使用するマザーボードに合わせて使うべきレイアウトが一目で分かります。またマザーボード固定用スペーサーのうち中央の1つはネジ穴ではなく、凸状の出っ張りになっています。

マザーボードのネジ止めの際には中央スペーサーの出っ張りにマザーボードを引っかけて位置を固定することができるので、マザーボードのネジ止めが容易になる賢い構造です。

今回、「Fractal Design Pop Mini Air RGB」のレビューでは検証用マザーボードとして後述のサンプルビルドを含めて、Intel第12世代CPUに対応したB660チップセット搭載MicroATXマザーボードのASUS ROG STRIX B660-G GAMING WIFIを使用しています。
「Fractal Design Pop Mini Air RGB」にMicroATXマザーボードを設置すると下のようになります。
マザーボードトレイの上下と右側には大きくケーブルホールが開けられているので各種配線もスムーズに行えます。


空冷CPUクーラーの高さクリアランスについて、公式仕様では全高170mmまでが確保されているとのことでしたが、実測の高さクリアランスも170mm程度でした。大型のハイエンド空冷CPUクーラーでもPCケースサイドパネルとの干渉の心配はありません。

Fractal Design Pop Mini Air RGBの裏配線スペース
「Fractal Design Pop Mini Air RGB」の裏配線スペースについてチェックしていきます。左サイドパネルを取り外すとFractal Design Pop Mini Air RGBのマザーボード裏スペースにアクセスできます。Fractal Design Pop Mini Air RGBの裏配線スペースの全体は次のようになっています。

マザーボードトレイのCPUクーラーメンテナンスホールは大きくとられていて、Intel LGA1700やAMD AM4といった近年主流なCPUソケットがしっかりと収まり、バックプレート型のCPUクーラーでもマザーボードをPCケースに装着したままで着脱が可能です。

裏配線スペースの厚さはマザーボードトレイやシャーシの凹凸で若干前後しますが、前方寄りの深い部分で35mm程度、後方寄りの浅い部分で25mm弱が確保されています。


Fractal Design Pop Mini Air RGBのストレージ設置スペース
続いて「Fractal Design Pop Mini Air RGB」のストレージ設置スペースをチェックしていきます。「Fractal Design Pop Mini」は標準でSSD tray×1とHDD tray×2が付属しています。
SSD trayには2.5インチストレージを2基、HDD trayには2.5インチストレージと3.5インチストレージを1基ずつ設置できるので、標準構成のままでも4台の2.5インチSSDと2台の3.5インチHDDを設置できます。

ストレージトレイは「HDD tray kit – Type D, Black(型番:FD-A-TRAY-003)」と「SSD bracket kit – Type D, Black(型番:FD-A-BRKT-004)」の名前で増設アクセサリとして販売されます。
SSD trayを追加購入することで、最大で6台の2.5インチSSDと2台の3.5インチHDDを設置できます。

2.5インチストレージトレイについて
まずは2.5インチストレージトレイについてチェックしていきます。「Fractal Design Pop Mini Air RGB」のマザーボードトレイ裏、メンテナンスホールの下には2基の2.5インチストレージを設置可能な2.5インチストレージトレイが装着されています。

2.5インチストレージトレイは2.5インチストレージを2基設置可能な1枚板のスチール製プレートになっており、トレイ短辺(PCケースで左向き)にある2カ所の爪と、逆側の脱落防止機能付きハンドスクリューでPCケースに固定する構造です。

この2.5インチストレージトレイはPSUカバー上にも設置可能です。「SSD bracket kit – Type D, Black(型番:FD-A-BRKT-004)」の名前で増設アクセサリとして販売されているので、追加購入することでマザーボードトレイ裏とPSUカバー上の2カ所を同時に使用できます。

3.5インチストレージトレイについて
PCケースボトムに固定されている3.5インチストレージトレイについて詳しくチェックしていきます。「Fractal Design Pop Mini Air RGB」のPSUカバー内の前方寄り上下2カ所に3.5インチストレージトレイの設置スペースがあり、標準で2基の3.5インチストレージトレイが付属しています。

PSUカバー内部には3.5インチストレージトレイを上下に2つ設置できますが、それぞれ上段と下段の5インチベイと位置が重なっています。付属トレイや奥行の小さいファンコン等なら問題ありませんが、光学ドライブ等の奥行きが大きいものは干渉するので排他利用です。

3.5インチストレージトレイは底面のスリットと手前のハンドスクリューで固定されており簡単に着脱が可能です。
3.5インチストレージトレイにHDDを設置することを想定して防振ラバーパッドが付属しています。2.5インチストレージは底面のネジ穴に直接固定します。

Fractal Design Pop Mini Air RGBのグラフィックボード設置スペース
「Fractal Design Pop Mini Air RGB」のグラフィックボード設置スペースについてチェックしていきます。まず製品スペックを見ると、「Fractal Design Pop Mini Air RGB」のグラフィックボード設置における長さ方向のクリアランスについて、最大365mmのスペースが確保されています。
実測でもPCIEブラケットからファンを固定するためのフロントのシャーシ内壁までちょうど365mm程度でした。なおPop XL Silentの場合は付属ファンがファンマウントの内側に付属ケースファンが設置されているので(フロントパネル側面から吸気する構造上)、グラフィックボードの長さクリアランスは340mm程度になります。

写真のように全長300mmかつ3スロット占有GPUクーラー搭載の超巨大オリファンモデル「ASUS TUF-RTX3090-O24G-GAMING」でも余裕をもって収納できるスペースがあり、クリアランスも十分なのでオープンレイアウトではグラフィックボードの互換性を心配する必要はありません。

「Fractal Design Pop Mini Air RGB」のグラフィックボードのクリアランスは、一般的な25mm厚ファンだけであればシャーシ外側に固定するので影響はありませんが、簡易水冷のラジエーターなどを内側に設置すると影響があります。
とはいえファン&ラジエーターで52~55mmの一般的な簡易水冷クーラーであれば330mm程度のスペースを確保できるので、TGP300W級のグラフィックボードでも問題なく設置できるはずです。

グラフィックボードの高さ方向について、PCIEブラケットからサイドパネルまで80mm程度と十分な余裕があるので、補助電源ケーブルはもちろん、背の高い基板のオリファンモデルにDIY水冷のフルカバー水冷ブロックを装着してもターミナル部分がサイドパネルと干渉する心配はありません。

管理人がPCケースをチェックする時の重箱の隅をつつくような細かい項目、PCIEスロットの固定ネジとシャーシの干渉についてですが、「Fractal Design Pop Mini Air RGB」では固定ネジ上にシャーシが被っておらずしっかりとクリアランスが確保されています。これならドライバーを使用した拡張ボードのネジ止めも簡単です。

Fractal Design Pop Mini Air RGBの電源ユニット設置スペース
Fractal Design Pop Mini Air RGBの電源ユニットの設置個所付近をクローズアップしていきます。まずは電源ユニットの設置についてですが、「Fractal Design Pop Mini Air RGB」では最近のPCケースで主流なボトム吸気型の電源ユニットのボトム配置構造を採用、マザーボード側からは電源ユニットや電源ユニットから伸びるケーブルを隠してケース内をキレイに見せるPSUカバーも採用されています。
PSUカバー天面にはエアスリットが設けられているので、セミファンレス機能対応で上向きに電源ユニットを固定するレイアウトでも使用できます。

Define/Meshifyなど上位PCケースでは専用のPSUアダプタを使用して外から電源ユニットをスロットインする構造が採用されていますが、「Fractal Design Pop Mini Air RGB」については単純にPCケース内から電源ユニットを配置して外側からネジ止めする構造です。

ケース内部の電源ユニット設置スペースに注目してみると、吸気スリットの両サイドには電源ユニットの安定した固定と電源ユニット冷却ファンの振動によるPCケースとの共振を防止するためゴム足がスタンドとして設置されています。

今回は同社から発売されている、80PLUS Platinum認証を取得かつ電源容量860Wのハイパフォーマンス電源ユニット「Fractal Design Ion+ 2 Platinum 860W」を設置してみました。
・「Fractal Design Ion+ 2 Platinum 860W」をレビュー

電源ユニットの奥行のクリアランスについて、「Fractal Design Pop Mini Air RGB」のPCケースボトムにはフロント寄りに3.5インチストレージトレイが搭載されており、奥行方向に約210mmのスペースがあります。
下の写真では奥行150mmの電源ユニット Fractal Design Ion+ 2 Platinum 860Wを使用していますが60mm程度のスペースしかありません。電源ケーブルが太いor硬いと収納には少し苦労するかもしれません。

3.5インチストレージトレイはハンドスクリュー1本でツールレスに着脱が可能なので、フルプラグイン式の電源ユニットでも一時的にトレイを外せば簡単に電源ケーブルを着脱できます。


「Fractal Design Pop Mini Air RGB」は電源ユニットがPCケース底面から吸気を行う構造なので、PCケース底面にはスライド式で簡単に着脱可能なナイロンメッシュの防塵ダストフィルターが付属しています。

PCケース底面には電源ユニット冷却ファンが吸気するためのエアスリットがありますが、幅100mm、奥行(後端から)10~140mmのレイアウトになっています。
奥行き150mmのFractal Design Ion+ 2 Platinum 860Wだとほぼピッタリなサイズですが(若干幅が足りない感はあるものの)、エアスリットの奥行は短めなので180~200mmのような長い電源ユニットを使用するとファンとエアスリットの位置がズレるかもしれません。

Fractal Design Pop Mini Air RGBのファン・水冷ラジエーター設置スペース
続いて「Fractal Design Pop Mini Air RGB」の冷却ファンと水冷ラジエーターの設置スペースについてチェックしていきます。ファン・ラジエーター設置スペースの概要
Fractal Design Pop Mini Air RGBのファン・ラジエーター積載可能数について簡単にまとめると、PCケースリアには120サイズ or 140サイズ、PCケースフロントには最大で240サイズ(120mm×2) or 140サイズ(140mm×1)、PCケーストップには最大で240サイズ(120mm×2) or 140サイズ(140mm×1)のファンもしくはラジエーターを設置することが可能です。「Fractal Design Pop Mini」はフロントに120mm×2 or 140mm×1、トップに120mm×2 or 140mm×1、リアに120mm×1のケースファンを設置できます。

「Fractal Design Pop Air」のトップパネルはPCケース天面に固定されており、ファンマウント部の直上のみマグネット式で着脱可能なメッシュフィルターがあります。
なお「Fractal Design Pop Silent」のPCケース天面はソリッドパネルで塞がっているのでファンやラジエーターのスペースとしては使用できません。

「Fractal Design Pop Mini」の水冷ラジエーター積載可能数を見ると、Pop Mini Airであればトップとフロントに240mmのラジエーターを設置できます。

付属ファンについて
「Fractal Design Pop Mini Air RGB」には定格1200RPMの120mm冷却ファン「Aspect 12 RGB」がフロント3基&リア1基で計4基付属します。Aspect 12 RGBはPWM速度調整に非対応の3PIN DCファンですが、定格(最大)ファン回転数が1200RPMと低速なので、最大速度でもファンノイズが煩く感じることはあまりないと思います。
白色ブレードは軸受け部分に内蔵されたLEDイルミネーションの光を拡散し、ブレード全体に鮮やかな色を行き渡らせる特殊素材です。

Aspect 12 RGBは、軸受にMTTF(平均故障時間)がトップクラスの90,000時間であるライフルベアリングを軸受けに使用しています。
固定用の支柱は空気力学に基づいて気流の乱れを抑えるステータストラットを採用、ファンブレードに対して垂直になっており、ファンブレードが支柱を通るときに通常発生するノイズを抑制する効果があります。

ファンブレードの後縁付近には航空機の翼のデザインによくみられるトリップワイヤー技術という構造をしており、マイクロ乱流層を発生させ全体的に効率の良い静かなエアフローを実現するそうです。

Aspect 12 RGBからは3PINファンケーブルに加えて、ファンに内蔵されたLEDイルミネーションに給電およびライティング制御するためのARGB対応VD-G型汎用3PIN LEDケーブルが伸びています。
ファンとLEDの両ケーブルはいずれも接続コネクタがオス・メスに分岐しており、複数のファンを数珠つなぎに接続するデイジーチェーンが可能です。

ファン・ラジエーター設置スペースを実機でチェック
上で解説した概要を念頭に、「Fractal Design Pop Mini Air RGB」のファン・ラジエーター設置スペースについて実機写真からチェックしていきます。
ファン・ラジエーターの固定ネジ穴は縦長のスリット状になっているので、上下方向に若干のオフセット配置が可能です。120サイズや140サイズのラジエーターを採用する簡易水冷CPUクーラーや簡易水冷グラフィックボード用にも使用できます。

PCケースフロントのファン・ラジエーター設置スペースについてですが、フロントパネル裏には標準で2基の120mmサイズ冷却ファンが吸気構成で設置されています。
個別に着脱が可能な防塵ダストフィルターはありませんが、Pop Mini Airは高エアフローなフロントのメッシュパネルが大きな特徴なので付属ファンやマルチファン簡易水冷クーラーで吸気スペースに使用するのがおすすめです。

PCケースフロントのファン・ラジエーター設置スペースのサイズ・数量については上で紹介したとおり、240サイズ(120mm×2) or 140サイズ(140mm×1)です。ファン・ラジエーター固定用のネジ穴は縦長スリットなのでラジエーターのネジ穴間隔に合わせて設置が可能です。

PCケーストップのファン・ラジエーター搭載スペースについてですが、最大で240サイズ(120mm×2) or 140サイズ(140mm×1)のファン・ラジエーターに対応します。
天面にはシャーシに直接ファンマウントがあり、正六角形を構成する三角形の穴で天面に広くエアスリットが設けられています。ネジ穴スリットは外側の1列を基準に、マザーボード側の2列でそれぞれ120mm幅と140mm幅に対応します。

天面について、ファン・ラジエーターを固定するシャーシ内壁からマザーボード上端までクリアランスは30mm弱しかありません。
一般的な簡易水冷クーラーだとファン&ラジエーターで52~55mm厚になるので、マザーボードのVRM電源クーラーやシステムメモリに被さってしまいます。干渉を心配するのであれば、トップはケースファンのみを推奨します。

また「Fractal Design Pop Mini Air RGB」の天面にはマグネットで簡単に着脱可能なナイロンメッシュフィルターが装着されています。


「Fractal Design Pop Mini Air RGB」の天面はフラットなのでキーボードなど物を置くこともできますが、天面にファン・ラジエーターを設置する場合はエアフローの妨げになってしまいます。
「Fractal Design Pop Mini Air RGB」の天面を物を置くスペースとして活用したいのであれば、「PC MAGLAS ガラストップ」というPCトップガラスカバーがオススメです。
続いてFractal Design Pop Mini Air RGBのPCケースフロントで対応が明記されている240サイズラジエーターについて、サンプルビルドに組み込むCPUクーラーとして240サイズ簡易水冷の「Fractal Design Lumen S24」を使用し、実際にPCケースフロントに設置してみます。

・「Fractal Design Lumen S24」をレビュー。色付くようなARGB LEDが綺麗!

マザーボードを設置した状態のPCケースを横倒しにしてラジエーターとファンでフロントのファンマウントを挟むようにしてネジ止めします。あとは水冷ヘッドを固定するだけです。


PCケースフロントは最大で240サイズのラジエーターにも対応するので、スペックの通り240サイズ簡易水冷CPUクーラー Fractal Design Lumen S24を設置できました。



Fractal Design Pop Mini Air RGBの自作PCギャラリー
「Fractal Design Pop Mini Air RGB」を使用した自作PCを組んでみたのでその作成例のギャラリーとなります。






「Fractal Design Pop Mini Air RGB」には標準でLED付きファンが3基付属しており、今回のサンプルビルドで使用しているFractal Design Lumen S24など同社製LED付きPCパーツをまとめて制御できるLEDコントローラーもPCケースに内蔵されているので、その日の気分に合わせて様々な発光カラー・発光パターンを選ぶことができます。


Fractal Design Pop Mini Air RGBのレビューまとめ
最後に「Fractal Design Pop Mini Air RGB」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- シンプルでスタイリッシュなデザイン、白色もラインナップ
- 奥行432mmm×幅215mm×高さ393mmの、MicroATX対応ミニタワーPCケース
- マザーボード側は内部を一望できる強化ガラス製ウィンドウパネル
- PSUカバーとガラスパネルで2分するショーケース風デザイン
- 裏配線側はスチール製ソリッドパネルなのでケーブルマネジメントが気楽
- フロント下側に2基の5インチベイを搭載、付属トレイは小物入れになる
- トップ/フロントは240サイズ水冷ラジエーターに対応
- トップ/PSUには着脱の容易な防塵ダストフィルター搭載
- 2.5インチ2基、3.5インチ2基で計6基のストレージを設置可能
- 別売りストレージトレイを追加購入すれば最大で2.5インチ4基、3.5インチ2基に対応
- 【Air RGB】 LEDファン&LEDコントローラーが標準で付属
- 【Silent】 高密度吸音材がフロントパネルやサイドパネルに貼ってある
- フロントIOのUSB Type-Cポートは別売りアクセサリ扱い
- 電源ユニット冷却ファン用のエアスリットは奥行が少し短め
「Fractal Design Pop Mini Air RGB」は、コストパフォーマンスと拡張性を両立し、シンプルな設計で自作PC初心者にも優しい新シリーズ”Pop”の設計思想をMicroATX対応のコンパクトサイズへ落とし込んだ、300mm超のハイエンドグラフィックボードや240サイズAIO水冷CPUクーラーに対応するミニタワーPCケースです。
また「Fractal Design Pop Mini Air RGB」は、標準で3基のARGB LEDファンが付属し、フロントパネルにARGB LED機器を制御できるコントローラーまで内蔵しているところも魅力です。
同社からは付属LEDコントローラーで制御可能なARGB LED搭載簡易水冷CPUクーラーも発売されているので組み合わせれば、サンプルビルドのようにさらにド派手もしくはスマートにお好みでライトアップすることが可能です。
以上、「Fractal Design Pop Mini Air RGB」のレビューでした。

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エアフローに優れたフロントメッシュ、3基のLEDファンとLEDコントローラーを搭載した「Fractal Design Pop Mini Air RGB Black TG Clear Tint」をレビュー。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) September 27, 2022
MicroATXで240サイズ水冷や300mm超グラボに対応する小型モデルを徹底検証https://t.co/Ef5MnfLgdf pic.twitter.com/Aifea0NFdf
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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