G.Skill Trident Z5 Neo RGB 6400MHz C30


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G.SkillのハイエンドOCメモリ Trident Z5シリーズから、8分割ARGB LEDイルミネーションを搭載し、AMD EXPOによる6400MHz/CL30の高速メモリクロックかつ低遅延なメモリOCに対応する16GB×2枚組み=32GBのメモリキット「G.Skill Trident Z5 Neo RGB(型番:F5-6400J3039G16GX2-TZ5NR)」をレビューします。
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G.Skill Trident Z5 Neo RGB レビュー目次


1.G.Skill Trident Z5 Neo RGBの外観
2.G.Skill Trident Z5 Neo RGBのLEDイルミネーション


3.メモリOC検証機材、メモリOCの基本と手順

4.F5-6400J3039G16GX2-TZ5NRのメモリOCを試す

5.G.Skill Trident Z5 Neo RGBのレビューまとめ




代理店公式ページ:https://www.links.co.jp/brand/gskill/
製品公式ページ:https://www.gskill.com/product/165/390/1723430306/F5-6400J3039G16GX2-TZ5NR







【機材協力:G.Skill 国内正規代理店 リンクスインターナショナル】



G.Skill Trident Z5 Neo RGBの外観

まず最初に「G.Skill Trident Z5 Neo RGB」の外観をチェックしていきます。
G.Skill Trident Z5 Neo RGBシリーズは製品イラストがカラー刷りされた紙製パッケージで梱包されており、メモリ本体はプラスチック製スペーサーで保護されています。
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G.Skill製メモリの国内正規代理店は、リンクスインターナショナル、アユート、OVERCLOCK WORKSなどがありますが、いずれも国内正規品であれば購入品の卸元である代理店を介してG.Skill製メモリのライフタイム保証を受けることができます。
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紙製の外パッケージを開けると「G.Skill Trident Z5 Neo RGB (型番:F5-6400J3039G16GX2-TZ5NR)」はデュアルチャンネル対応の16GB×2枚組メモリキットなのでプラスチック製スペーサーに2枚のメモリが収められていました。
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G.Skill Trident Z5 Neoシリーズにはブラック/シルバー/ホワイトのカラーバリエーション、LEDイルミネーションの有無などいくつか種類がラインナップされています。鏡面仕様ヒートシンクや宝石のようなLEDバーを搭載したRoyalシリーズもあります。
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今回入手したのはARGB LEDイルミネーションを内蔵した「G.Skill Trident Z5 Neo RGB」で、ヒートシンクのカラーはブラックです。
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DDR4メモリで登場したG.Skill Trident Zシリーズというとヒートシンク表裏で色の違うツートンカラーなデザインが特徴でしたが、「G.Skill Trident Z5 Neo RGB」を含めG.Skill Trident Z5シリーズは今のところ、シンプルに表裏は共通カラーです。
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G.Skill Trident Z5 Neoシリーズのブラックカラーはロゴが描かれた中央ラインを除いて、全体がサンドブラスト表面処理で統一されています。あとサンプルイメージでは分かり難いところで、中央のラインは細く薄っすらとヘアラインアルミニウム仕上げです。
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AMD EXPO対応モデルのG.Skill Trident Z5 Neoでは流線の縁に銀色のアルミニウム素地が出ていますが、Intel XMP対応モデルのTrident Z5ではそのまま黒色塗装となっており、微妙にデザインが異なります。
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ヒートシンク上面についてもチェックしてみると「G.Skill Trident Z5 Neo RGB」ではアルミニウム製ヒートシンクの中央に、LEDIイルミネーションの光を拡散する白色半透明なプラスチック製ディフューザーが装着されています。
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この部分は、LEDイルミネーション非搭載のG.Skill Trident Z5 Neo無印版の場合は黒色のプラスチックカバーになります。
DDR4メモリのG.Skill Trident ZだとLEDの有無で天面のアルミヒートシンク放熱フィンが2重か3重かで違いがありましたが、G.Skill Trident Z5シリーズでは2重で統一されています。
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なおG.Skill Trident Z5シリーズの放熱フィン部分、特に左右中間あたりはエッジがかなり鋭くなっていましたが、最近のロットでは上面の面積が広くなり、メモリをマザーボードに装着する時に指を切る可能性は下がっています。
ただ、まだ角の面取りは不十分なので万全を期すなら綿手袋をつけて作業するのがオススメです。
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G.Skill Trident Z5 Neoシリーズはヒートシンクを含む全高が43mm程度と背が高めのOCメモリです。
ヒートシンクなしのメモリと比較して、「G.Skill Trident Z5 Neo RGB」の全高は12mm高くなっているので、空冷CPUクーラーを組み合わせる場合はクリアランスに注意してください。
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「G.Skill Trident Z5 Neo RGB」をCPUソケット右側にメモリスロットが4基あるマザーボードに取り付けるとこんな感じになります。
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G.Skill Trident Z5シリーズのLEDイルミネーション

続いてG.Skill Trident Z5シリーズのメモリヒートシンク上面に搭載された8分割アドレッサブルLEDイルミネーションをチェックしていきます。
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G.Skill Trident Z5シリーズはソフトウェア制御を行わない標準状態でも、アドレッサブルな発光パターンでLEDイルミネーションが点灯します。標準の発光パターンはCPUソケットを左、メモリスロットを右として、各メモリで上から下へと順番に七色に変化していきます。


ただしソフトウェア制御を行わない場合、起動直度は色の変化が一致しているのですが徐々にズレてきてランダム然とした発光パターンになってしまいます。
複数のメモリ間で発光パターンを綺麗に同期させたい場合は純正アプリ Trident Z Lighting Control、もしくはマザーボードのライティング制御機能で同期させるのがおすすめです。
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G.Skill Trident Z5シリーズは、G.Skill公式から配布されているG.Skill Trident Zシリーズ専用アプリTrident Z Lighting Controlによってライティング制御が可能です。
専用アプリ Trident Z Lighting ControlはG.Skillの公式ダウンロードページから入手できます。
公式DLページ:https://www.gskill.com/download/1502180912/1551690847/Trident-Z-RGB-&-Trident-Z-Royal

Trident Z Lighting Controlのインストール自体は普通のインストーラー同様にポチポチクリックするだけなのですが、一部の環境ではインストール時にエラーが発生するので、エラーが発生した時の解消方法を説明しておきます。
ASUS AURA Syncなどマザーボードのライティング制御ソフトウェアをインストールしたことのあるユーザーは、別バージョンのENB RGB HALがインストールされていると表示されて、Trident Z Lighting Controlのインストールを正常に完了できないことがあります。
このエラーが出た場合は、インストール済みのENB RGB HALをアンインストールする必要がありますが、コントロールパネルには表示されないため、インストーラーを個別に選択する必要があります。
ASUS AURA Syncを過去に使用したユーザーの場合は、マザーボードのサポートページからソフトウェアをダウンロードして、奥の方に格納されている「AacENEDramSetup.exe」から手動でアンインストールしてください。
Trident Z Lighting Control_setup


早速、「Trident Z Lighting Control」の操作方法をチェックしていきます。
G.Skill Trident Z5シリーズは1メモリモジュール当たり8分割のアドレッサブルLEDイルミネーションなので、LED1~8の8つのアドレスが表示されます。
Trident Z Lighting Control_1

Trident Z Lighting Controlからはシステムに設置されているメモリを一括制御や個別制御が可能です。
左に配置されたメモリアイコンを選択すると「Sync」や「DRAM〇」と表示され、「Sync」なら全てのメモリを同期設定し、「DRAM〇」は選択したメモリモジュールだけをライティング制御します。
Trident Z Lighting Control_2

Trident Z Lighting Controlにおいて発光パターンはウィンドウ右側にあるLighting Effectから選択できます。
選択可能な発光パターンとしては、「Static(固定発光)」「Breathing(ゆっくり明滅)」「Strobing(点滅)」「Cycle」「Rainbow」「Breathing Rainbow」「Comet」「Comet Rainbow」「Flash」「Flash and Dash」「Wave」「Glowing yoyo」「Starry-Night」「Default」、以上の14種類が用意されています。
Trident Z Lighting Control_2a

まず「Static(固定発光)」「Breathing(ゆっくり明滅)」「Strobing(点滅)」の3種類については、名前の通り選択した発光カラーに固定して発光、もしくはゆっくり明滅、点滅させることができます。
具体的な設定方法として、カラーサイクルもしくはカラースライダーから発光カラーを選択でき、右端のスライダーは輝度(Brightness)を設定できます。中央上のLED〇というアイコンから発光カラーを設定する部位を選択できます。
Trident Z Lighting Control_1
G.Skill Trident Z5シリーズのLEDイルミネーションは1つのメモリモジュール上の発光部分は8分割されており、それぞれに発光カラーを設定することが可能なアドレッサブル型になっています。以後、個別に発光カラーを設定できるものについては「カラーセット」と呼ぶことにします。
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また発光カラー編集アドレスアイコンの一覧の右上にある同期ボタンを使えば全て部位の発光カラーを統一して変更することができます。
Trident Z Lighting Control_3
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「Color Cycle」では全てメモリ全てのアドレスのLEDイルミネーションの発光カラーが同期して七色に緩やかなグラデーション変化を行います。

「Rainbow」ではマザーボード毎のメモリスロット番号順に(検証機材ではCPUソケットから順に3/1/4/2)、上から発光カラーが次の色に変化していき右下まで次の発光カラーに変化すると右上が次の発光からに変化して……を繰り返します。変化する範囲は七色のカラーサイクルを一周する「Cycle」とカラーサイクルの一部を切り取る「Gradient」から選択可能で、変化スピードも5段階で設定できます。

「Breathing Rainbow」ではゆっくり明滅しながら、赤→オレンジ→黄色→緑→……、と発光カラーが七色で順番に変化していきます。

「Comet」では任意の発光カラーで全てのメモリが同期して上から下へ順番に発光していきます。点滅箇所以外は消灯しています。「Comet Rainbow」は基本的な発光パターンはCometと同じですが、発光カラーが七色で順番に変化します。

「Flash」はCometに似ていて任意の発光カラーで全てのメモリが同期して上から下へ順番に発光していきますが、Cometでは点滅箇所以外は消灯しているのに対して、「Flash」は輝度最小で全体が点灯しています。

「Flash Rainbow」は基本的な発光パターンはFlashと同じですが、発光カラーが七色で順番に変化します。

「Wave」は波のように上から下に明るくなっていき、発光カラーも七色で次々に変化していきます。

「Glowing yoyo」は各アドレスの発光カラーが異なる既定のカラーセットで輝度最小で発光した状態で、上から下に順番に点滅し、さらに全体が明滅してから、カラーセットを変えて同様の変化を繰り返します。

「Starry-Night」は任意のカラーセットについて、輝度最小で全体が点灯した状態で星が瞬くようにランダムにいずれかのアドレスが点灯します。

上の発光パターンの中からG.Skill Trident Z5シリーズのLEDイルミネーションについて動画をいくつか撮影してみました。







またG.Skill Trident Z5シリーズに搭載されたLEDイルミネーションは、マザーボード国内主要4社であるASRock、ASUS、GIGABYTE、MSI製マザーボードの一部が対応するライティング制御機能による操作に対応しています。
ASRockではASRock Polychrome RGB Sync、ASUSではASUS AURA Sync、GIGABYTEではGIGABYTE RGB Fusion、MSIではMSI Mystic Lightの名前でライティング制御機能が用意されており、G.Skill Trident Z5 Neo RGBはこれらと互換性があります。
なお各ライティング制御機能ごとに選択可能な発光パターンは異なります。
G.Skill Trident Z5 Neo RGB_MB-Lighting



メモリOC検証機材、メモリOCの基本と手順

「G.Skill Trident Z5 Neo RGB」の定格動作やXMP/手動設定を使用したオーバークロックの検証を行う前に、検証機材の紹介と、メモリOCの基本・手順についての説明をしておきます。

「G.Skill Trident Z5 Neo RGB」の検証環境は次のテーブルの通りです。
テストベンチ機の構成
CPU
AMD Ryzen 7 9800X3D
M/B 【AMD 800シリーズ】
ASUS ROG CROSSHAIR X870E HERO
レビュー
ASRock X870E Taichi
レビュー
GIGABYTE X870E AORUS MASTER
レビュー
MSI MPG X870E CARBON WIFI
レビュー
【AMD 600シリーズ】
CPUクーラー Fractal Design Celsius S36
レビュー
Noctua NF-A12x25 PWM
レビュー
グラフィックボード
PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8
レビュー
MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC
ファンレス (レビュー
システム
ストレージ
Samsung SSD 990 PRO 1TB (レビュー
OS Windows 11 Home 64bit
電源ユニット
Corsair HX1500i (レビュー
ベンチ板 STREACOM BC1 (レビュー


ベンチ機のシステムストレージには「Samsung SSD 990 PRO 1TB」を使用しています。
Samsung SSD 990 PROは、PCIE4.0対応SSDで最速クラスの性能を発揮し、なおかつ電力効率は前モデル980 PRO比で最大50%も向上しており、7GB/s超の高速アクセスでも低発熱なところも魅力な高性能SSDです。これからPCIE4.0対応プラットフォームの自作PCを組むなら、システム/データ用ストレージとして非常にオススメな製品です。
「Samsung SSD 990 PRO 1TB」をレビュー。性能も電力効率もトップクラス!
Samsung SSD 990 PRO 1TB



システムメモリについては必要な容量(現在のゲーミングデスクトップPCなら16~32GBあれば十分)さえ満たせば、OCによる性能の向上はCPUやGPUのOCに比べると実感しにくい部類である、というのがAMD Ryzen CPU登場以前は通説でした。
そのため管理人も一口にOCメモリと言っても性能向上を狙うよりはオシャレなヒートシンク目当てに自作PCの装飾的な感覚で購入するのが個人的にはオススメな買い方だと思っていました。

Intel XMPに対応したOCメモリがあるとはいえ、当時はいまいち安定性が良くないというか、マザーボードとの相性問題が厳しかったのも一因です。今のようにOCプロファイルを当てて一発安定ではなく、各自でOC設定の微調整が必要で、メモリOCの知識を求められました。

その評価が変わり始めたのはAMD Ryzen/Threadripper CPUの登場以降です。
初期のRyzen環境では『Infinity FabricというCPU内外のコンポーネントを相互接続するインターコネクトの動作周波数がメモリ周波数に同期する』という構造上、メモリ周波数がエンコードや3Dゲームを含めた総合的なパフォーマンスに大きく影響することからOCメモリが重要視されました。
性能に影響が大きいと分かるとCPU/マザーボード/メモリの各メーカーが最適化を進めたので、1,2年もするとOCプロファイルを当てればDDR4の3200MHz/C16、3600MHz/C18のような定番設定が一発で動くようになり、メモリOCのハードルがグンと下がりました。


Ryzen 3000/5000シリーズ以降、IF周波数はメモリ周波数/メモコン周波数と非同期設定が可能になったものの、それでも高周波数で1:1同期させた方が低遅延、高性能になるので3600MHz/C16のようなDDR4メモリが性能を追求するなら最適であり、最新のRyzen 7000シリーズでは6000MHz/CL30のDDR5メモリが高性能のスイートスポットとしてAMD公式からもアピールされています。
またIntel環境においても144FPS~360FPSのハイフレームレートなPCゲーミングではCPUボトルネックの緩和にメモリ周波数のOCが効いてきます

下の記事はCPUのゲーム性能比較がメインの内容ですが、OCメモリのゲーム性能についても検証しています。
Core i9 14900K&RTX 4090の環境において、定格5600MHzのDDR5メモリと7200MHz OCのDDR5メモリでゲーム性能にどれくらい差が出るのか、最新18タイトルの実ゲームベンチマークで比較しているので参考にしてみてください。
Intel Core i9 14900K_D5-7200_game_dif_per-game_1920_avg_vs-5600





G.Skill Trident Z5 Neo RGBのメモリOCを試す

「G.Skill Trident Z5 Neo RGB(型番:F5-6400J3039G16GX2-TZ5NR)」を検証機材にセットアップしてメモリオーバークロックの動作検証を行っていきます。


G.Skill Trident Z5シリーズにはメモリ周波数、枚数、容量などスペックに応じて多種多様なモデルがラインナップされています。加えてヒートシンク外装カラーやLEDイルミネーションの有無も。
なおOCプロファイル(Intel XMP, AMD EXPO)についてはあくまでメーカーによる”動作確認済み”の選別品であって”動作保証ではない”ので注意してください。
マザーボードやCPUとの相性によってはOCプロファイル通りに動作しない場合もあります。メーカー製品公式ページでは型番ごとにQVL(Qualified Vendor's List)として組み合わせ使用が推奨されるマザーボード/プラットフォームもリストアップされているのでG.Skill Trident Z5シリーズのOCメモリの購入前にはそちらも合わせて参考にしてください。

今回検証しているF5-6400J3039G16GX2-TZ5NRは6400MHz/CL30なので、G.Skill公式のQVLにはメモリスロットが4基の一般的なAMD 800シリーズチップセット搭載マザーボードの名前が挙がっています。

製品公式ページ:https://www.gskill.com/qvl/165/390/1723430306/F5-6400J3039G16GX2-TZ5NR-QVL
F5-6400J3039G16GX2-TZ5NR_QVL

G.SkillのOCメモリにはBIOSからマニュアル設定もしくはXMPプロファイルでOCして故障したとしても、焼損・破損がなければ無期限に新品と交換可能という非常に手厚い保証があるのでメモリのオーバークロックを安心して行えます。保証期間も基本的に無期限の永久保証です。
G.Skill製メモリモジュール 保証規定 (リンクスインターナショナル)--------
正しい使用方法に従った上で製品が正常に動作しなかった場合、かつ、保証期間内と認められた場合に限り無償修理対応を致します。保証の対象は製品単体及び製品の付属品までとなります。

G.Skillメモリについては、マザーボードBIOS(UEFI)でIntel XMPプロファイルの適用、及び動作クロック・タイミングや駆動電圧の変更などに起因する故障で、かつ、製品に焼損・破損等がみられない場合においては保証対象となります。保証期間内であっても次の項目に該当する場合は保証対象外となります。
--(https://www.links.co.jp/support/gskill/)--------
G.Skill Trident Z Neo F4-3600C16Q-64GTZN review_05784_DxO


OCプロファイルによるメモリ周波数6400MHz/メモリタイミングCL30のオーバークロックに対応する16GB×2枚組み32GB容量のメモリキット「G.Skill Trident Z5 Neo RGB(型番:F5-6400J3039G16GX2-TZ5NR)」については、OC耐性の高さに定評のあるSK Hynix製メモリモジュールが採用されていました。
G.Skill Trident Z5 Neo RGB_F5-6400J3039G16GX2-TZ5NR_CPU-Z
(製品型番およびスペックはそのままでも、メモリモジュールについてはロットやバージョンで変更される可能性があります。)

「G.Skill Trident Z5 Neo RGB(型番:F5-6400J3039G16GX2-TZ5NR)」はRyzen 9000シリーズCPU向けのハイクロックなメモリOCに対応したモデルですが、SPDプロファイルとして収録されている最大スペックはJEDEC準拠の4800MHzです。
OCプロファイルを適用しない場合、CPUがサポートする定格最大メモリ周波数の5600MHzではなく、JEDEC準拠の4800MHz/CL42で動作します。
G.Skill Trident Z5 Neo RGB_F5-6400J3039G16GX2-TZ5NR_def

「G.Skill Trident Z5 Neo RGB F5-6400J3039G16GX2-TZ5NR」はAMDプラットフォームのOCメモリ規格、AMD EXPOに対応したDDR5メモリとなっており、メモリには6400MHz/CL30のOCプロファイルが1つだけ収録されていました。
G.Skill Trident Z5 Neo RGB_F5-6400J3039G16GX2-TZ5NR_profile (1)
G.Skill Trident Z5 Neo RGB_F5-6400J3039G16GX2-TZ5NR_profile (2)


前置きはこの辺りにして「G.Skill Trident Z5 Neo RGB (F5-6400J3039G16GX2-TZ5NR)」のメモリOCを実践していきます。
まずはAMDの最新メインストリーム向けCPUであるRyzen 9000シリーズCPUの3D V-Cache搭載モデル Ryzen 7 9800X3DとX870Eマザーボードの環境で「G.Skill Trident Z5 Neo RGB (F5-6400J3039G16GX2-TZ5NR)」のOCプロファイルによるOCを実践してみました。
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AMD Ryzen 9000シリーズCPUでは前世代に引き続き、6000MHz/CL30などメモリ周波数が6000MHzで低レイテンシなOCメモリが性能のスイートスポットとされています。
7000~8000MHzのようなハイクロックになるとメモリ周波数とUCLK(メモリコントローラー周波数)を1:1同期させるのは無理ですが、Ryzen 9000シリーズではUCLKのOC耐性が若干伸びていてメモリ周波数 6400MHzなら1:1同期が可能です。(CPU個体差も影響しますが)

ただ、多くのAMD 800シリーズチップセット搭載マザーボードではメモリ周波数 6400MHzのメモリOCを適用すると、MCLK/UCLKが自動設定のままだと2:1同期になってしまいます。
G.Skill Trident Z5 Neo RGB_F5-6400J3039G16GX2-TZ5NR_OC-def
今回は6400MHz/CL30のOCプロファイル適用に加えて、MCLK/UCLKの同期設定を1:1同期に指定し、またSOC電圧も1.280Vに昇圧しています。これ以外に別の設定を加える場合は適宜、補足します。
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ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO(BIOS:0706)の環境では、OCプロファイルを適用するだけで16GB×2枚組み32GBで6400MHz/CL30のメモリOCが安定動作しました。
MCLK/UCLK同期も手動で1:1同期に指定していますが、SOC電圧を1.280Vに昇圧するだけでメモリストレステストもエラーなしです。
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ASRock X870E Taichi(BIOS:3.16)の環境でも、OCプロファイルを適用するだけで16GB×2枚組み32GBで6400MHz/CL30のメモリOCが安定動作しました。MCLK/UCLKも1:1同期です。
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GIGABYTE X870E AORUS MASTER(BIOS:F4i)の環境でも、OCプロファイルを適用するだけで16GB×2枚組み32GBで6400MHz/CL30のメモリOCが安定動作しました。MCLK/UCLKも1:1同期です。
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MSI MPG X870E CARBON WIFI(BIOS:1.A21)の環境でも、OCプロファイルを適用するだけで16GB×2枚組み32GBで6400MHz/CL30のメモリOCが安定動作しました。MCLK/UCLKも1:1同期です。
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G.Skill Trident Z5 Neo RGBのレビューまとめ

最後に「G.Skill Trident Z5 Neo RGB(型番:F5-6400J3039G16GX2-TZ5NR)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • 流線形に生まれ変わった新生 Trident Zデザイン
  • 簡単にメモリのOCが可能なIntel XMP3.0/ AMD EXPOプロファイルを収録
  • ユーザーが自由に書き換え可能なプロファイルが2つ
  • AMD Ryzen 9000環境でOCプロファイルによって6400MHz, CL30が正常動作
  • 手動設定でMCLK/UCLKの1:1同期も可能
  • 【RGBのみ】 8分割でライティング制御が可能なARGB LEDイルミネーション搭載
  • 【RGBのみ】 専用アプリ Trident Z Lighting Controlによってライティング制御が可能
  • 【RGBのみ】 ASRock/ASUS/GIGABYTE/MSIなどMBのライティング制御機能に対応
  • 焼損・破損がなければメモリOCで故障しても無期限に新品と交換可能な保証
     (https://www.links.co.jp/support/gskill/)
悪いところor注意点
  • 6400MHzでMCLK/UCLKの1:1同期はCPUのメモコン個体差にもよる
  • ヒートシンク上部が鋭利なのでメモリ装着時に手を切らないように注意、綿手袋推奨
  • OC選別モデルなので16GB×2枚組みで2.3万円と高価(2025年1月)

「G.Skill Trident Z5 Neo RGB (F5-6400J3039G16GX2-TZ5NR)」の検証ではメーカー動作確認済みのOCプロファイルを使用することによって、AMD Ryzen 9000シリーズCPU&X870Eマザーボード環境においてメモリ周波数6400MHz/CL30のオーバークロックが手軽に行え、安定動作が確認できました。

手動設定が必要になるのと、CPUのメモコンOC耐性の個体差が影響しますが、Ryzen 9000シリーズCPU環境ならメモリ周波数6400MHzでMCLK/UCLKの1:1同期も可能なので、PCゲームなど実用性能的にも狙う価値のあるスペックです。

最新の高画質やハイフレームレートなゲーミングシーンではシステムメモリもボトルネックになることはあるので、ゲーム性能を追求する人はOCメモリの導入も検討する価値はあると思います。


欲を言えば、Intel XMP3.0/AMD EXPOなどDDR5メモリでは最大5つのOCプロファイルのうち、メーカーが2つ~4つまで使用できるので、一部他社製品のようにもう少し緩めのOCプロファイル、F5-6400J3039G16GX2-TZ5NRなら6000MHz/CL30や、Ryzen 9000シリーズCPUの定格であるJEDEC準拠の5600MHzなども収録されていると良かったのですが。


「G.Skill Trident Z5 Neo RGB」は専用ライティング制御ツールによって操作可能な8分割ARGB LEDイルミネーションが搭載され、ASUS AURA SyncやMSI Mystic Lightなど主要4社のマザーボードで利用可能なライティング制御機能とも互換性があります。
ARGB LEDイルミネーションを自由自在に操作して自作PCをカッコよくライトアップできるので、最新環境に最適化されたハイパフォーマンスな動作のみならず、PCをオシャレに装飾したいユーザーにとっても非常に魅力的な製品です。

以上、「G.Skill Trident Z5 Neo RGB」のレビューでした。
G.Skill Trident Z5 Neo RGB 6400MHz C30




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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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