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G.SkillのハイエンドOCメモリ Trident Z5シリーズから、8分割ARGB LEDイルミネーションを搭載し、Intel XMP3.0による7600MHzのメモリOCに対応する24GB×2枚組み=48GBのメモリキット「G.Skill Trident Z5 RGB(型番:F5-7600J3848F24GX2-TZ5RK)」をレビューします。
代理店公式ページ:https://www.links.co.jp/brand/gskill/
製品公式ページ:https://www.gskill.com/product/165/374/1687228623/F5-7600J3848F24GX2-TZ5RK
G.Skill Trident Z5 RGB レビュー目次
1.G.Skill Trident Z5 RGBの外観
2.G.Skill Trident Z5 RGBのLEDイルミネーション
3.メモリOC検証機材、メモリOCの基本と手順
4.F5-7600J3848F24GX2-TZ5RKのメモリOCを試す
5.G.Skill Trident Z5 RGBのレビューまとめ
---【注意】--------------------------
メモリOCで有名なXMPプロファイルは「インテル エクストリーム・メモリー・プロファイル」の略称でありIntelの策定した規格なので、AMD Ryzen環境において”XMPでOCする”等の表現をするのは厳密には正しくありません。
ちなみに2022年後半にはXMPのRyzen版である『AMD EXPO Technology』がRyzen 7000シリーズCPUと同時に登場し、各社からEXPO対応メモリが発売されています。
XMPプロファイルに収録されたメモリ周波数とタイミングの設定値からAMD Ryzen環境に合わせたメモリOCプロファイルを自動生成する機能として、ASUS D.O.C.PやMSI A-XMPなどが各社マザーボードのBIOS上に機能として用意されています。
実質同じようにOCできるので、AMD製CPU環境においてもXMPプロファイルを流用したメモリOCを当記事中では便宜上細かいことを気にせずに”XMPを使用したOC”などXMPとして表記することがあります。
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【機材協力:G.Skill 国内正規代理店 リンクスインターナショナル】
G.Skill Trident Z5 RGBの外観
まず最初に「G.Skill Trident Z5 RGB」の外観をチェックしていきます。G.Skill Trident Z5 RGBシリーズは製品イラストがカラー刷りされた紙製パッケージで梱包されており、メモリ本体はプラスチック製スペーサーで保護されています。
G.Skill製メモリの国内正規代理店は、リンクスインターナショナル、アユート、OVERCLOCK WORKSなどがありますが、いずれも国内正規品であれば購入品の卸元である代理店を介してG.Skill製メモリのライフタイム保証を受けることができます。
紙製の外パッケージを開けると「G.Skill Trident Z5 RGB (型番:F5-7600J3848F24GX2-TZ5RK)」はデュアルチャンネル対応の24GB×2枚組メモリキットなのでプラスチック製スペーサーに2枚のメモリが収められていました。
G.Skill Trident Z5シリーズにはブラック/シルバー/ホワイトのカラーバリエーション、LEDイルミネーションの有無などいくつか種類がラインナップされています。
今回入手したのはARGB LEDイルミネーションを内蔵した「G.Skill Trident Z5 RGB」で、ヒートシンクのカラーはブラックです。
DDR4メモリで登場したG.Skill Trident Zシリーズというとヒートシンク表裏で色の違うツートンカラーなデザインが特徴でしたが、「G.Skill Trident Z5 RGB」を含めG.Skill Trident Z5シリーズは今のところ、シンプルに表裏は共通カラーです。
G.Skill Trident Z5シリーズのブラックカラーはロゴが描かれた中央ラインを除いて、全体がサンドブラスト表面処理で統一されています。あとサンプルイメージでは分かり難いところで、中央のラインは細く薄っすらとヘアラインアルミニウム仕上げです。
ちなみにシルバーカラーは右上と左下のエリアに斜めの細いストライプが描かれています。
ヒートシンク上面についてもチェックしてみると「G.Skill Trident Z5 RGB」ではアルミニウム製ヒートシンクの中央に、LEDIイルミネーションの光を拡散する白色半透明なプラスチック製ディフューザーが装着されています。DDR4メモリのG.Skill Trident Zシリーズと比較するとLEDイルミネーションは発光面は狭くなっています。
この部分は、LEDイルミネーション非搭載のG.Skill Trident Z5無印版の場合は黒色のプラスチックカバーになります。
DDR4メモリのG.Skill Trident ZだとLEDの有無で天面のアルミヒートシンク放熱フィンが2重か3重かで違いがありましたが、G.Skill Trident Z5シリーズでは2重で統一されています。
なおG.Skill Trident Z5シリーズの放熱フィン部分、左右中間あたりはエッジがかなり鋭くなっています。メモリをマザーボードのスロットに装着する時に、この部分を指で押すと指を切る可能性があるので注意してください。
G.Skill Trident Z5シリーズはヒートシンクを含む全高が43mm程度と背が高めのOCメモリです。空冷CPUクーラーを組み合わせる場合はクリアランスに注意してください。
ヒートシンクなしのメモリと比較して、「G.Skill Trident Z5 RGB」の全高は12mm高くなっています。
「G.Skill Trident Z5 RGB」をCPUソケット右側にメモリスロットが4基あるマザーボードに取り付けるとこんな感じになります。
G.Skill Trident Z5 RGBのLEDイルミネーション
続いて「G.Skill Trident Z5 RGB」のメモリヒートシンク上面に搭載された8分割アドレッサブルLEDイルミネーションをチェックしていきます。「G.Skill Trident Z5 RGB」はソフトウェア制御を行わない標準状態でも、アドレッサブルな発光パターンでLEDイルミネーションが点灯します。標準の発光パターンはCPUソケットを左、メモリスロットを右として、各メモリで上から下へと順番に七色に変化していきます。
ただしソフトウェア制御を行わない場合、起動直度は色の変化が一致しているのですが徐々にズレてきてランダム然とした発光パターンになってしまいます。
複数のメモリ間で発光パターンを綺麗に同期させたい場合は純正アプリ「Trident Z Lighting Control」やマザーボードのライティング制御機能で同期させるのがおすすめです。
「G.Skill Trident Z5 RGB」は、G.Skill公式から配布されているG.Skill Trident Zシリーズ専用アプリ「Trident Z Lighting Control」によってライティング制御が可能です。
専用アプリ「Trident Z Lighting Control」はG.Skillの公式ダウンロードページから入手できます。
公式DLページ:https://www.gskill.com/download/1502180912/1551690847/Trident-Z-RGB-&-Trident-Z-Royal
「Trident Z Lighting Control」のインストール自体は普通のインストーラー同様にポチポチクリックするだけなのですが、一部の環境ではインストール時にエラーが発生するので、エラーが発生した時の解消方法を説明しておきます。
ASUS AURA Syncなどマザーボードのライティング制御ソフトウェアをインストールしたことのあるユーザーは、別バージョンの「ENB RGB HAL」がインストールされていると表示されて、「Trident Z Lighting Control」のインストールを正常に完了できません。
このエラーが出た場合は、インストール済みの「ENB RGB HAL」をアンインストールする必要がありますが、コントロールパネルには表示されないため、インストーラーを個別に選択する必要があります。ASUS AURA Syncを過去に使用したユーザーの場合は、マザーボードのサポートページからソフトウェアをダウンロードして、奥の方に格納されている「AacENEDramSetup.exe」から手動でアンインストールしてください。
早速、「Trident Z Lighting Control」の操作方法をチェックしていきます。
「G.Skill Trident Z5 RGB」は1メモリモジュール当たり8分割のアドレッサブルLEDイルミネーションなので、LED1~8の8つのアドレスが表示されます。
「Trident Z Lighting Control」からはシステムに設置されているメモリを一括制御や個別制御が可能です。左に配置されたメモリアイコンを選択すると「Sync」「DRAM〇」と表示され、「Sync」なら全てのメモリを同期設定し、「DRAM〇」は選択したメモリモジュールだけをライティング制御します。
「Trident Z Lighting Control」において発光パターンはウィンドウ右側にあるLighting Effectから選択できます。
選択可能な発光パターンとしては、「Static(固定発光)」「Breathing(ゆっくり明滅)」「Strobing(点滅)」「Cycle」「Rainbow」「Breathing Rainbow」「Comet」「Comet Rainbow」「Flash」「Flash and Dash」「Wave」「Glowing yoyo」「Starry-Night」「Default」、以上の14種類が用意されています。
まず「Static(固定発光)」「Breathing(ゆっくり明滅)」「Strobing(点滅)」の3種類については、名前の通り選択した発光カラーに固定して発光、もしくはゆっくり明滅、点滅させることができます。
具体的な設定方法として、カラーサイクルもしくはカラースライダーから発光カラーを選択でき、右端のスライダーは輝度(Brightness)を設定できます。中央上のLED〇というアイコンから発光カラーを設定する部位を選択できます。
「G.Skill Trident Z5 RGB」のLEDイルミネーションは1つのメモリモジュール上の発光部分は8分割されており、それぞれに発光カラーを設定することが可能なアドレッサブル型になっています。以後、個別に発光カラーを設定できるものについては「カラーセット」と呼ぶことにします。
また発光カラー編集アドレスアイコンの一覧の右上にある同期ボタンを使えば全て部位の発光カラーを統一して変更することができます。
「Color Cycle」では全てメモリ全てのアドレスのLEDイルミネーションの発光カラーが同期して七色に緩やかなグラデーション変化を行います。
「Rainbow」ではマザーボード毎のメモリスロット番号順に(検証機材ではCPUソケットから順に3/1/4/2)、上から発光カラーが次の色に変化していき右下まで次の発光カラーに変化すると右上が次の発光からに変化して……を繰り返します。変化する範囲は七色のカラーサイクルを一周する「Cycle」とカラーサイクルの一部を切り取る「Gradient」から選択可能で、変化スピードも5段階で設定できます。
「Breathing Rainbow」ではゆっくり明滅しながら、赤→オレンジ→黄色→緑→……、と発光カラーが七色で順番に変化していきます。
「Comet」では任意の発光カラーで全てのメモリが同期して上から下へ順番に発光していきます。点滅箇所以外は消灯しています。「Comet Rainbow」は基本的な発光パターンはCometと同じですが、発光カラーが七色で順番に変化します。
「Flash」はCometに似ていて任意の発光カラーで全てのメモリが同期して上から下へ順番に発光していきますが、Cometでは点滅箇所以外は消灯しているのに対して、「Flash」は輝度最小で全体が点灯しています。「Flash Rainbow」は基本的な発光パターンはFlashと同じですが、発光カラーが七色で順番に変化します。
「Wave」は波のように上から下に明るくなっていき、発光カラーも七色で次々に変化していきます。
「Glowing yoyo」は各アドレスの発光カラーが異なる既定のカラーセットで輝度最小で発光した状態で、上から下に順番に点滅し、さらに全体が明滅してから、カラーセットを変えて同様の変化を繰り返します。
「Starry-Night」は任意のカラーセットについて、輝度最小で全体が点灯した状態で星が瞬くようにランダムにいずれかのアドレスが点灯します。
上の発光パターンの中からG.Skill Trident Z5 RGBの動画をいくつか撮影してみました。
またG.Skill Trident Z5 RGBに搭載されたLEDイルミネーションは、マザーボード国内主要4社であるASRock、ASUS、GIGABYTE、MSI製マザーボードの一部が対応するライティング制御機能による操作に対応しています。
ASRockではASRock Polychrome RGB Sync、ASUSではASUS AURA Sync、GIGABYTEではGIGABYTE RGB Fusion、MSIではMSI Mystic Lightの名前でライティング制御機能が用意されており、G.Skill Trident Z5 RGBはこれらと互換性があります。なお各ライティング制御機能ごとに選択可能な発光パターンは異なります。
メモリOC検証機材、メモリOCの基本と手順
「G.Skill Trident Z5 RGB」の定格動作やXMP/手動設定を使用したオーバークロックの検証を行う前に、検証機材の紹介と、メモリOCの基本・手順についての説明をしておきます。「G.Skill Trident Z5 RGB」の検証を行う環境としては、Core i9 14900K&Z790マザーボードで構成される検証機を用意しました。
テストベンチ機の構成 | ||
CPU |
Intel Core i9 14900K (レビュー) |
|
M/B 2xメモリスロット |
【第14世代CPU向け】 ASUS ROG MAXIMUS Z790 APEX ENCORE |
【第13世代CPU向け】 ASUS ROG MAXIMUS Z790 APEX |
M/B 4xメモリスロット |
【第14世代CPU向け】 ASRock Z790 Nova WiFi (レビュー) ASUS ROG MAXIMUS Z790 DARK HERO ASUS ROG MAXIMUS Z790 APEX ENCORE ASUS ROG STRIX Z790-A GAMING WIFI II (レビュー) MSI MEG Z790 ACE MAX (レビュー) |
【第13世代CPU向け】 ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO (レビュー) ASUS ROG MAXIMUS Z790 APEX |
CPUクーラー | Fractal Design Celsius S36 (レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
|
グラフィックボード |
PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8 (レビュー) MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC ファンレス (レビュー) |
|
システム ストレージ |
Samsung SSD 990 PRO 1TB (レビュー) | |
OS | Windows 11 Home 64bit | |
電源ユニット |
Corsair HX1500i (レビュー) | |
ベンチ板 | STREACOM BC1 (レビュー) |
ベンチ機のシステムストレージには「Samsung SSD 990 PRO 1TB」を使用しています。
Samsung SSD 990 PROは、PCIE4.0対応SSDで最速クラスの性能を発揮し、なおかつ電力効率は前モデル980 PRO比で最大50%も向上しており、7GB/s超の高速アクセスでも低発熱なところも魅力な高性能SSDです。これからPCIE4.0対応プラットフォームの自作PCを組むなら、システム/データ用ストレージとして非常にオススメな製品です。
・「Samsung SSD 990 PRO 1TB」をレビュー。性能も電力効率もトップクラス!
システムメモリについては必要な容量(現在のゲーミングデスクトップPCなら16~32GBあれば十分)さえ満たせば、OCによる性能の向上はCPUやGPUのOCに比べると実感しにくい部類である、というのがAMD Ryzen CPU登場以前は通説でした。
そのため管理人も一口にOCメモリと言っても性能向上を狙うよりはオシャレなヒートシンク目当てに自作PCの装飾的な感覚で購入するのが個人的にはオススメな買い方だと思っていました。
Intel XMPに対応したOCメモリがあるとはいえ、当時はいまいち安定性が良くないというか、マザーボードとの相性問題が厳しかったのも一因です。今のようにOCプロファイルを当てて一発安定ではなく、各自でOC設定の微調整が必要で、メモリOCの知識を求められました。
その評価が変わり始めたのはAMD Ryzen/Threadripper CPUの登場以降です。
初期のRyzen環境では『Infinity FabricというCPU内外のコンポーネントを相互接続するインターコネクトの動作周波数がメモリ周波数に同期する』という構造上、メモリ周波数がエンコードや3Dゲームを含めた総合的なパフォーマンスに大きく影響することからOCメモリが重要視されました。
性能に影響が大きいと分かるとCPU/マザーボード/メモリの各メーカーが最適化を進めたので、1,2年もするとOCプロファイルを当てればDDR4の3200MHz/C16、3600MHz/C18のような定番設定が一発で動くようになり、メモリOCのハードルがグンと下がりました。
Ryzen 3000/5000シリーズ以降、IF周波数はメモリ周波数/メモコン周波数と非同期設定が可能になったものの、それでも高周波数で1:1同期させた方が低遅延、高性能になるので3600MHz/C16のようなDDR4メモリが性能を追求するなら最適であり、最新のRyzen 7000シリーズでは6000MHz/CL30のDDR5メモリが高性能のスイートスポットとしてAMD公式からもアピールされています。
またIntel環境においても144FPS~360FPSのハイフレームレートなPCゲーミングではCPUボトルネックの緩和にメモリ周波数のOCが効いてきます。
下の記事はCPUのゲーム性能比較がメインの内容ですが、OCメモリのゲーム性能についても検証しています。
Core i9 14900K&RTX 4090の環境において、定格5600MHzのDDR5メモリと7200MHz OCのDDR5メモリでゲーム性能にどれくらい差が出るのか、最新18タイトルの実ゲームベンチマークで比較しているので参考にしてみてください。
G.Skill Trident Z5 RGBのメモリOCを試す
「G.Skill Trident Z5 RGB(型番:F5-7600J3848F24GX2-TZ5RK)」をIntel第14世代Core&Z790マザーボードの検証機材にセットアップしてメモリオーバークロックの動作検証を行っていきます。G.Skill Trident Z5シリーズにはメモリ周波数、枚数、容量などスペックに応じて多種多様なモデルがラインナップされています。加えてヒートシンク外装カラーやLEDイルミネーションの有無も。
なおOCプロファイル(Intel XMP, AMD EXPO)についてはあくまでメーカーによる”動作確認済み”の選別品であって”動作保証ではない”ので注意してください。
マザーボードやCPUとの相性によってはOCプロファイル通りに動作しない場合もあります。メーカー製品公式ページでは型番ごとにQVL(Qualified Vendor's List)として組み合わせ使用が推奨されるマザーボード/プラットフォームもリストアップされているのでG.Skill Trident Z5シリーズのOCメモリの購入前にはそちらも合わせて参考にしてください。
Intel第13/14世代CPU向けにG.Skillから発売されたOCメモリには8000MHzや8400MHzといったさらにハイクロックなものもありますが、基本的にメモリスロットが2基のOC特化マザーボードでないと起動すら難しいOCメモリです。
今回検証しているF5-7600J3848F24GX2-TZ5RKは7600MHz/CL38のハイクロックですが、G.Skill公式のQVLにはメモリスロットが4基のZ790マザーボードの名前も挙がっています。
製品公式ページ:https://www.gskill.com/qvl/165/374/1680070806/F5-7600J3848F24GX2-TZ5RK-QVL
G.SkillのOCメモリにはBIOSからマニュアル設定もしくはXMPプロファイルでOCして故障したとしても、焼損・破損がなければ無期限に新品と交換可能という非常に手厚い保証があるのでメモリのオーバークロックを安心して行えます。保証期間も基本的に無期限の永久保証です。
G.Skill製メモリモジュール 保証規定 (リンクスインターナショナル)--------
正しい使用方法に従った上で製品が正常に動作しなかった場合、かつ、保証期間内と認められた場合に限り無償修理対応を致します。保証の対象は製品単体及び製品の付属品までとなります。
G.Skillメモリについては、マザーボードBIOS(UEFI)でIntel XMPプロファイルの適用、及び動作クロック・タイミングや駆動電圧の変更などに起因する故障で、かつ、製品に焼損・破損等がみられない場合においては保証対象となります。保証期間内であっても次の項目に該当する場合は保証対象外となります。
--(https://www.links.co.jp/support/gskill/)--------
OCプロファイルによるメモリ周波数7600MHz/メモリタイミングCL38のオーバークロックに対応する24GB×2枚組み48GB容量のメモリキット「G.Skill Trident Z5 RGB(型番:F5-7600J3848F24GX2-TZ5RK)」については、OC耐性の高さに定評のあるSK Hynix製メモリモジュールが採用されていました。
(製品型番およびスペックはそのままでも、メモリモジュールについてはロットやバージョンで変更される可能性があります。)
「G.Skill Trident Z5 RGB(型番:F5-7600J3848F24GX2-TZ5RK)」は定格5600MHzのメモリモジュールをベースにしているので、OCプロファイルを適用しない場合、Intel第13/14世代CPUなど対応環境であれば、JEDEC準拠の5600MHz/CL45で動作します。
「G.Skill Trident Z5 RGB F5-7600J3848F24GX2-TZ5RK」はIntelプラットフォームのOCメモリ規格、Intel XMP3.0に対応したDDR5メモリとなっており、メモリには7600MHz/CL38のOCプロファイルが1つだけ収録されていました。
前置きはこの辺りにして「G.Skill Trident Z5 RGB (F5-7600J3848F24GX2-TZ5RK)」のメモリOCを実践していきます。
まずはIntelのメインストリーム向けCPUである第14世代Core-Sの24コア32スレッドモデルCore i9 14900KとZ790マザーボードの環境で「G.Skill Trident Z5 RGB (F5-7600J3848F24GX2-TZ5RK)」のOCプロファイルによるOCを実践してみました。Intel Z790マザーボードにはASRock Z790 Nova WiFiを使用しています。
ASRock Z790 Nova WiFi(BIOS:3.09)の環境では、XMPプロファイルを適用するだけで24GB×2枚組み48GBで7600MHz/CL38のメモリOCが安定動作しました。
Intel第13/14世代CPUでDDR5メモリを使用した場合、IMC周波数はGear2もしくはGear4で動作しますが、今回のOC検証ではAuto設定のままでもIMC周波数は2:1で同期するGear2でした。
上記のメモリストレステスト中にメモリ温度はソフトウェアモニタリングで65度前後でしたが、サーモグラフィーで確認してみてもヒートシンク外装温度が65度前後になっていました。
続いて、メモリOC耐性を重視してメモリスロットが2基だけ実装されたOC特化モデル ASUS ROG MAXIMUS Z790 APEX ENCOREです。
4xメモリスロットのMBでも安定動作した以上、メモリOCに特化したモデルなので当然と言えばそうですが、ASUS ROG MAXIMUS Z790 APEX ENCORE(BIOS:0801)の環境でも、XMPプロファイルを適用するだけで24GB×2枚組み48GBで7600MHz/CL38のメモリOCが安定動作しました。
また上記APEX ENCOREの前モデルにあたるASUS ROG MAXIMUS Z790 APEX(BIOS:1801)の環境でも、XMPプロファイルを適用するだけで24GB×2枚組み48GBで7600MHz/CL38のメモリOCが安定動作しました。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 APEXは第13世代CPU向けに発売されたマザーボードですが、メモリスロット2基のOC特化MBだけあって流石のメモリOC耐性です。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 APEX ENCOREやASUS ROG MAXIMUS Z790 APEXは2基のメモリスロットが隣り合っていてメモリモジュール間に隙間がないので、同じメモリ電圧1.350Vでも4xメモリスロットのMBで検証した時と比較してメモリ温度は10度前後高くなりました。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 APEX ENCOREにはマザーボード付属品にメモリ用冷却ファン増設キットがあるので、こういうスポットクーラーを使用してメモリ冷却を補助した方がよさそうです。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 APEX ENCOREに付属するメモリ用冷却ファン増設キットを使用すると(ファン速度は3000RPMに固定)、同じようにメモリ周波数7600MHz OCでメモリストレステストを実行しても、メモリ温度は50度程度に収まり、上記のパッシブ空冷の状態と比較して25度前後も温度が低下しました。
メモリスロットが4基のマザーボードに話を戻します。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 DARK HERO(BIOS:0801)の環境でも、XMPプロファイルを適用するだけで24GB×2枚組み48GBで7600MHz/CL38のメモリOCが安定動作しました。
ただし、ASUS ROG MAXIMUS Z790 DARK HEROは同メモリのQVLに掲載されているマザーボードですが、今回の検証ではXMPプロファイルを適用するだけでは、メモリストレステストを開始してから15~30分程度が経過するとエラーが検出されました。
XMPプロファイルを適用するだけでは安定動作しなかったものの、手動設定でメモリ電圧とDRAM VDDQ電圧の2つを1.390Vに昇圧するだけの調整で上のスクリーンショットのようにメモリストレステストをクリアできました。
ただしメモリ電圧を昇圧しているので、メモリ間に隙間のある4xメモリスロットでもメモリ温度は高くなっています。
以上、成功例を紹介しましたが、7600MHzのメモリOCはIntel第14・13世代CPU&Z790環境の場合、2xメモリスロットのOC特化マザーボード専用ではないものの、4xメモリスロットのマザーボードについては安定動作する製品をかなり選ぶので注意が必要です。
失敗例についても説明しておくと、
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO(BIOS:1801)、 ASUS ROG STRIX Z790-A GAMING WIFI II(BIOS:0801)、MSI MEG Z790 ACE MAX(BIOS:7D86vA1)については、「G.Skill Trident Z5 RGB F5-7600J3848F24GX2-TZ5RK」でメモリ周波数7600MHzのOCを安定させることはできませんでした。
上記MBの場合、XMPプロファイルを適用するだけでOSは起動し、軽い負荷で即落ちするほど不安定ではないものの、メモリストレステストを実行すると数秒でエラー検出、もしくはBSOD・フリーズ等のクラッシュになりました。
またASUS ROG MAXIMUS Z790 DARK HEROと違って、メモリ電圧の昇圧など簡単な微調整を施しても安定動作は無理でした。
一応補足すると、7600MHzのメモリOCに失敗したマザーボードも、過去にレビューした24GB×2枚組み48GB容量で7200MHz/CL36のメモリに対応するモデルF5-7200J3646F24GX2-TZ5RKは安定動作したので、決してメモリOC性能が低いわけではありません。
G.Skill Trident Z5 RGBのレビューまとめ
最後に「G.Skill Trident Z5 RGB(型番:F5-7600J3848F24GX2-TZ5RK)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 流線形に生まれ変わった新生Trident Zデザイン
- 簡単にメモリのOCが可能なXMP3.0プロファイルを収録
- ユーザーが自由に書き換え可能なプロファイルが2つ
- Intel第14世代CPU環境でXMPによって7600MHz, CL38が正常動作
- OC特化MBだけでなく、一部の4xメモリスロットのマザーボードでも正常に動作する
- 【RGBのみ】 8分割でライティング制御が可能なARGB LEDイルミネーション搭載
- 【RGBのみ】 専用アプリ Trident Z Lighting Controlによってライティング制御が可能
- 【RGBのみ】 ASRock/ASUS/GIGABYTE/MSIなどMBのライティング制御機能に対応
- 焼損・破損がなければメモリOCで故障しても無期限に新品と交換可能な保証
(https://www.links.co.jp/support/gskill/)
- 7600MHzのOCは第13/14世代向けZ790のハイエンドMBでも動作しない可能性あり
- ヒートシンク上部が鋭利なのでメモリ装着時に手を切らないように注意、綿手袋推奨
- OC選別モデルなので24GB×2枚組みで4.1万円と高価(2024年2月)
「G.Skill Trident Z5 RGB (F5-7600J3848F24GX2-TZ5RK)」の検証ではメーカー動作確認済みのOCプロファイルを使用することによって、Intel第13/14世代Core-S&Z790マザーボード(基本的に公式QVLに記載のあるもの)環境においてメモリ周波数7600MHz/CL38のオーバークロックが手軽に行え、安定動作が確認できました。
最新の高画質やハイフレームレートなゲーミングシーンではシステムメモリもボトルネックになることはあるので、ゲーム性能を追求する人はOCメモリの導入も検討する価値はあると思います。
Intel第13/14世代CPU環境におけるメモリ周波数7600MHzのメモリOCは、7200MHzのメモリOCが安定するような各社ハイエンドクラスのマザーボードでも安定させるのが難しい領域なので注意してください。
ただ、2xメモリスロットのOC特化MBだけでなく、一部製品には限られますが4xメモリスロットのマザーボードでも安定動作するので、8000MHz超に比べればハードルは低いと思います。
欲を言えば、XMP3.0ではメーカー用OCプロファイルが最大3つまで使用できるので、一部他社製品のようにもう少し緩めのOCプロファイル、F5-7600J3848F24GX2-TZ5RKなら7200MHz/CL36や6400MHz/CL34なども収録されていると良かったのですが。
「G.Skill Trident Z5 RGB」は専用ライティング制御ツールによって操作可能な8分割アドレッサブルLEDイルミネーションが搭載され、ASUS AURA SyncやMSI Mystic Lightなど主要4社のマザーボードで利用可能なライティング制御機能とも互換性があります。
アドレッサブルLEDイルミネーションを自由自在に操作して自作PCをカッコよくライトアップできるので、最新環境に最適化されたハイパフォーマンスな動作のみならず、PCをオシャレに装飾したいユーザーにとっても非常に魅力的な製品です。
以上、「G.Skill Trident Z5 RGB」のレビューでした。
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G.SkillのハイエンドDDR5メモリキット「Trident Z5 RGB」をレビュー。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) March 1, 2024
7600MHzのメモリOCに対応する24GB×2枚組みモデル F5-7600J3848F24GX2-TZ5RKをCore i9 14900K&Z790で試してみた。https://t.co/9m5LMj09DE
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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