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Lenovoの高性能グラフィックボード搭載ゲーミングPCブランドLegionシリーズの中でアッパーミドルに位置する「Lenovo Legion T550i」の専用PCケースをレビューします。
ゲーミングPCとして完成度の高い「Lenovo Legion T550i」は、購入後にグラフィックボード、SSD、マザーボード、電源ユニットなどの各種パーツの増設・換装が可能なのか自作er目線で徹底解説していきます。
Lenovo Legion T550i 専用PCケース レビュー目次
1.Lenovo Legion T550i 専用PCケースの外観とフロント・リアI/O
2.Lenovo Legion T550i 専用PCケースの内部構造の概要
3.Lenovo Legion T550i 専用PCケースの裏配線・電源ユニット設置スペース
4.Lenovo Legion T550i 専用PCケースのストレージ設置スペース
5.Lenovo Legion T550i 専用PCケースのグラフィックボード設置スペース
6.Lenovo Legion T550i 専用PCケースのファン・水冷ラジエーター設置スペース
7.Lenovo Legion T550i 専用PCケースのレビューまとめ
【注意】
今回検証するのはレビュー用の貸出機であり一般販売されてユーザーの手元に届く新品ではないので、製品や梱包に若干の傷や傷みがある場合があります。通常は新品で綺麗な状態のものが届くはずなので、サンプル機に傷等があっても無視してください。
今回のレビュー記事では「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」を採用するPCから型番:90NC00KKJMを例にして紹介します。
【機材協力:Lenovo】
【執筆:2021年5月5日】
Lenovo Legion T550i 専用PCケースの外観とフロント・リアI/O
「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」のPCケース外観をチェックしていきます。「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」の本体サイズは高さ456mm×幅185mm×奥行457mm、後方のハンドル部分で全高が40mm程度高くなっているため、容積は28L程度とデスクトップPCとしてはコンパクトなミニタワーPCケースです。完成品の重量は内蔵パーツによって若干前後しますが、参考重量は14~15kgとなっています。
「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」は近年の自作向けPCケースで流行りのフラットデザインをベースに曲面も取り込み、スマートさだけでなく柔らかい印象も与えるデザインです。
フロントパネルのLenovo LegionロゴにはLEDイルミネーションが内蔵されており青色に発光します。発光カラーは青色で固定ですが、定常発光や明滅、完全に消灯などの設定は専用アプリから行えます。
「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」はスチール製シャーシにも外から見える背面は綺麗な黒塗装が施されており、後ろから見ても安っぽさを感じさせることはありません。
天面後方の盛り上がった部分には背面側に手を入れる穴があり、持ち運びの際にハンドルとして使用できます。
「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」のフロントI/Oはトップパネル前方に実装されています。向かって右から順に、パワースイッチ(パワーLED)、ヘッドホン&マイク用4極3.5mmジャック、2×USB3.0 Type-A端子が実装されています。
「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」の背面IOを見ると、上側にマザーボードリアI/Oとリアファンスペース、中央に4段のPCIE拡張スロット、下側に電源ユニットという近年のミニタワーPCケースとしては標準的なレイアウトです。なおマザーボードやグラフィックボードのIOポートの種類・数量はBTO PCのモデルによって変わります。
「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」のPCケース底面は、電源ユニット用の吸気スリットもなく、黒塗装スチール板のシンプルな形状です。
PCケース足として丸形ゴム足が四隅に配置されています。底面に吸気エアスリットもないのでゴム足の高さは5mm程度と低めです。
Lenovo Legion T550i 専用PCケースの内部構造の概要
続いて「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」の内部構造の概要をチェックしていきます。「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」の左右側面に装着されたパネルは背面のハンドスクリュー2つをそれぞれ外し、パネルを後方に引っ張ると取り外すことができます。
ちなみにフロントパネルも取り外しが可能です。左右サイドパネルを取り外してから、フロントパネルをシャーシに引っ掛けているツメを左右3カ所ずつ取り外すと、フロントパネルが外れます。
マザーボード側の俯瞰写真は次のようになっています。
「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」は前方に5インチベイなど拡張ベイがなく、近年主流なオープンレイアウトに近い設計です。
一方でPCケースボトムに設置される電源ユニットをチャンバー分けして、電源ケーブルを隠すPSUシュラウドは採用されておらず、電源ユニットの吸気面は上向きです。電源ユニットの前方には3.5インチストレージベイがありますが、リベット止めなので着脱は不可能です。
「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」のマザーボードトレイには標準でMicroATXに合わせたスペーサーが装着されています。PCIEスロット数はMicroATXフォームファクタと同じ計4段が設置されています。
マザーボード自体は一般的なMicroATXサイズですが、電源スイッチ等のフロントI/Oケーブルが特殊なので、市販のマザーボードに換装するのは難易度が高く、かなり自作PCの知識を要求されます。あとリアIOシールドも特殊です。市販マザーボードのものに対応していると思いますが。
「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」は最大で全高159mm程度までの空冷CPUクーラーに対応します。
なお標準搭載CPUクーラーがプッシュピンではなく、専用バックプレートを使用して固定するタイプの場合、マザーボードトレイにはCPUクーラーメンテナンスホールがないので、CPUクーラーの交換にはマザーボードを取り外す必要があり、かなりハードルが高いです。
ケースファンについてはフロントに2基とリアに1基の120mm角ファンが搭載されていました。いずれもマザーボード上ファン端子からの給電となっています。
Lenovo Legion T550i 専用PCケースの裏配線・電源ユニット設置スペース
「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」の裏配線スペースと電源ユニット設置スペースをチェックしていきます。まずはマザーボード裏側の裏配線スペースの俯瞰写真は次のようになっています。
「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」の裏配線スペースには、電源ケーブルが配線されているだけで、CPUメンテナンスホールやストレージ設置スペースはありません。
「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」には一応、裏配線スペースがあり、電源ケーブル各種が配線されていますが、リード線1つ1つがバラバラな電源ケーブルを10mm未満の厚みスペースで配線しています。
純正の組み合わせでも裏配線側パネルにケーブルが当たってしまうため、一度開くと閉じるのが大変なので、市販の電源ユニットでは裏配線を活用するのは難しいと思います。
続いて「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」の電源ユニット設置スペースをチェックしていきます。
「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」では最近のPCケースで主流なボトム吸気型の配置構造やPSUシュラウドは採用されておらず、電源ユニットの吸気面もPCケース内に向いています。この辺りの設計はやや古めです。
「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」では電源ユニットの固定方法として、単純にPCケース内から電源ユニットを配置して外側からネジ止めする構造が採用されています。
電源ユニットの奥行のクリアランスについて、「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」では電源前方に取り外し不可のストレージベイがあるので、使用可能なスペースは最大で奥行200mmまでとなります。
電源ユニット自体は一般的なATX規格なので、奥行き140~160mm程度の電源ユニットであれば換装できると思いますが、裏配線を活用するのは難しいので注意が必要です。
Lenovo Legion T550i 専用PCケースのストレージ設置スペース
「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」のストレージ設置スペースをチェックしていきます。まず「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」のレビュー用サンプル機として使用している90NC00KKJMではNVMe M.2 SSDがマザーボードのCPUソケット下M.2スロットに装着されていました。Lenovo LegionオリジナルのM.2 SSDヒートシンクも使用されています。
採用マザーボードにも依りますが、空きのM.2スロットがあればそこにNVMe M.2 SSDの増設が可能です。
ポート数はマザーボードによって異なりますが、Micro-ATXマザーボードの場合、基本的には少なくとも4基くらいは空きのSATAポートがあるはずなので、後述のストレージ設置スペースを使用して、2.5インチSSDや3.5インチHDDの増設が可能です。
なお「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」にはスワップ式の3.5インチストレージベイがあるのでSATAポートのうち2基は標準で使用済みになっています。
「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」の主なストレージ設置スペースはボトム前方に設置された3.5インチストレージベイだけです。
SATAポートには十分な空きがあり、内部スペースにもかなり余裕があるので、2.5インチSSDを2基固定できるスペースも用意しておいて欲しかったところ。
3.5インチストレージベイはスワップ構造が採用されており、出荷状態でSATA通信ケーブルやSATA電源ケーブルが接続されているので、ストレージをトレイに装着するだけで簡単に着脱できます。
ストレージの固定にはプラスチック製のトレイを使用します。トレイは3.5インチストレージの側面ネジ穴に出っ張りを挿しこむだけのツールレス構造です。2.5インチ互換のネジ穴等はないので、2.5インチSSDを使用したい場合は、2.5インチto3.5インチ変換アダプタを用意する必要があります。
Lenovo Legion T550i 専用PCケースのグラフィックボード設置スペース
「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」のグラフィックボード設置スペースについてチェックしていきます。「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」を採用するゲーミングPCではグラフィックボード右端に装着された固定器具によって、グラフィックボードがPCIEスロットから脱落したり、PCIEスロットで支え切れず垂れ下がるのが防止されています。
市販のグラフィックボードに換装したりすると流用するのは難しいですが、PC購入時に輸送時の衝撃等でグラフィックボードやマザーボードが破損する可能性は大きく軽減されるので嬉しい機能です。
「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」はPCケース前方にドライブベイなどがないオープンレイアウトで、写真のように長さ方向のクリアランスも300mm以上と十分なので、長さ方向についてはグラフィックボードの互換性を心配する必要はありません。
PCIEブラケットは一般的なネジ止めではなく、専用の金属製カバーで挟み込み、金属製カバーを内側からネジ止めする構造です。この構造上、PCIEブラケットよりも背の高いグラフィックボードに換装するのは難しいので注意してください。
Lenovo Legion T550i 専用PCケースのファン・水冷ラジエーター設置スペース
続いて「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」の冷却ファンと水冷ラジエーターの設置スペースについてチェックしていきます。「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」はフロントパネルの側面や、前面右側のスリットに吸気用エアスリットがあり、フロントから吸気を行い、リアに排気するというエアフロー構造です。
PCケースリアのファン・ラジエーター設置スペースについて、120mm角のケースファンを1基設置可能です。ネジ穴は丸穴なので位置は固定です。
水冷ラジエーターについては120mmサイズでもシャーシと干渉する可能性が高く基本的に設置はできません。
PCケースフロントのファン・ラジエーター設置スペースについて、120mm角×2のケースファンを設置可能です。ネジ穴は丸穴なので位置は固定です。
『ネジが縦長スリットではなく丸穴なのでラジエーターのネジ穴間隔が合わない可能性がある』、『ネジ穴間隔が合っても、右側ギリギリ(裏配線との隔壁ギリギリ)の位置なのでラジエーターが干渉する可能性がある』などの理由で、240サイズ水冷ラジエーターを設置できません。
内部スペース的には十分に余裕があるので、240サイズ簡易水冷には対応していて欲しかったです。
Lenovo Legion T550i 専用PCケースのレビューまとめ
最後にLenovoのゲーミングPCブランドLegionにおいてMicroATX対応ミニタワーPCのスタンダードモデルに採用されている「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- BTO PC用オリジナル筐体としてはスタイリッシュな外観
- Lenovo LegionロゴのLEDイルミネーション搭載(ライティング制御にも対応)
- 300mm超の大型グラフィックボードに対応、PCIEスロットを4段搭載
- 全高159mmまでの空冷CPUクーラーに対応
- 3.5インチストレージを2基増設可能
- CPUクーラーの換装にはマザーボードの取り外しが必要
- 簡易水冷クーラーには基本的に非対応
- フロントIOが特殊なので市販マザーボードへの換装はハードルが高い
- 裏配線スペースの厚みが小さいので、市販電源では活用が難しい
- 2.5インチSSDの設置スペースがない
- PCIEブラケットよりも10mm以上背の高いグラフィックボードは換装できない
ミニタワーPCケース「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」は一般的なミドルタワーPCケースよりも一回り以上小さい28Lサイズに、全長300mm超のグラフィックボードや全高159mm以下の空冷CPUクーラーを搭載でき、アッパーミドルクラスのゲーミングPCを組み込む筐体としては必要十分なスペックです。
「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」は近年主流なフラットデザイン、LegionロゴにLEDイルミネーションを内蔵するなど出来合いのPCとしてはスマートな見た目です。シャーシ内部こそスチール素地が剥き出しですが、背面にはしっかりと黒色塗装が施されており、外見については隙の無い仕上がりです。
一方で自作er目線では、市販のPCケース同様に各種パーツ交換ができるかというと、不可能ではないものの自作PCの知識を必要以上に要求されたり、細かい部分で独自仕様に阻まれる感じがあり、正直なところ微妙でした。改善が難しくない項目ばかりなので、なおさらに勿体なく感じます。
以上、「Lenovo Legion T550i 専用PCケース」のレビューでした。
・RTX 30&Intel第10世代CPU搭載「Lenovo Legion T550i」の販売ページへ
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Lenovo製ゲーミングPC Legionの中でアッパーミドルに位置する「Lenovo Legion T550i」の専用PCケースをレビュー。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) May 21, 2021
購入後にグラフィックボード、SSD、マザーボード、電源ユニットなどの各種パーツの増設・換装が可能なのか自作er目線で徹底解説https://t.co/I7SyGBBVD5 pic.twitter.com/PKV9g92BNE
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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