
スポンサードリンク
ATX3.0電源規格に準拠し最大600W給電のPCIE5.0電源(12VHPWR)にも対応、50%負荷時に92%以上の優れた変換効率を証明する80PLUS Platinum認証取得で、電源容量1300Wのハイエンド電源ユニット「MSI MEG Ai1300P PCIE5」をレビューします。

代理店公式ページ:https://www.ask-corp.jp/products/msi/power-supply/meg-aip-pcie5.html
製品公式ページ:https://jp.msi.com/Power-Supply/MEG-Ai1300P-PCIE5

MSI MEG Ai1300P PCIE5 レビュー目次
1.MSI MEG Ai1300P PCIE5の外観や概要について
2.MSI MEG Ai1300P PCIE5のケーブルや電源端子について
3.専用アプリ「MSI Center」:セットアップと基本的な使い方
4.MSI MEG Ai1300P PCIE5のファン制御やOCP設定
5.MSI MEG Ai1300P PCIE5の負荷別のファンノイズについて
6.MSI MEG Ai1300P PCIE5のレビューまとめ
【機材協力:MSI】
MSI MEG Ai1300P PCIE5の梱包・付属品
早速パッケージを開封して「MSI MEG Ai1300P PCIE5」の外観や付属品をチェックしていきます。「MSI MEG Ai1300P PCIE5」のパッケージの構造はN式箱で、天面を短辺方向に開くので開封時のスペースが最小限です。キャラメル箱型の外スリーブや長辺方向に開くN式箱でないのは個人的に好感が持てるところです。


パッケージを開くと、左側にスポンジのスペーサーで保護された電源ユニットが、右側にはモジュラーケーブル各種とACケーブルが収められています。

プラグインケーブル以外に、固定ネジ、ACケーブル、USBケーブル 2種類、ケーブルコームが付属します。

「MSI MEG Ai1300P PCIE5」はWindows上で専用ソフトウェアから電力情報・温度・ファン速度のモニタリング、ファン制御、OCP設定が可能なので、PCと接続するためのUSBケーブルが付属します。
電源ユニット側はMini USB端子、マザーボード側は内部USB2.0ヘッダーとなっています。PCケースの外へケーブルを出す必要がありますが、リアI/OのUSBポートにも接続できるようにType-A端子のUSBケーブルも付属しています。


「MSI MEG Ai1300P PCIE5」本体をチェックしていきます。
「MSI MEG Ai1300P PCIE5」の電源ユニット本体は次のようになっています。



「MSI MEG Ai1300P PCIE5」はその名の通り、同社ハイエンドゲーミングブランド”MEG”に属する製品となっており、MEG ACEシリーズのようなゴールド(正確にはアンティークゴールド、シャンパンゴールド的な色味)の金属製プレートがアクセントとして装着されています。


電源ユニット側面のドラゴンロゴやMEG/MSIのロゴプレートはマグネットによる着脱式となっており、電源ユニットの設置向きに合わせて、正しい向きでディスプレイできるようになっています。


「MSI MEG Ai1300P PCIE5」は電源容量1300Wの大容量ながら50%負荷時の変換効率92%以上を保証する80PLUS Platinum認証を取得していて低発熱なので奥行きは160mmと省スペースです。

「MSI MEG Ai1300P PCIE5」には電源ユニット冷却ファンとして、引張強度と熱膨張率に優れる液晶ポリマー素材をファンブレードに採用し、従来製品よりも高い風量・静圧と静音性を実現した高性能ファン MSI MEG SILENT GALE P12を搭載しています。



「MSI MEG Ai1300P PCIE5」は低温・低負荷において冷却ファンが停止するセミファンレス機能にも対応しています。

「MSI MEG Ai1300P PCIE5」はATX24PINからPCIE補助電源まで全てのケーブルが着脱可能なフルプラグイン式になっているので環境に合わせて使用するケーブルが選択できます。PC接続用のUSB端子も右端に実装されています。

「MSI MEG Ai1300P PCIE5」のACコンセントケーブルは国内のPC関連でよく使われる3PINタイプの端子です。コンセントからの電力供給を簡単にカットできるロッカー型ハードウェアスイッチも付いています。

MSI MEG Ai1300P PCIE5はPCIE補助電源やEPS電源など12V電源出力がシングルレールの最大108Aと非常にパワフルな電源ユニットです。
10コア以上のウルトラメニーコアCPUへ電力供給を行うEPS電源や、TGP300W超のウルトラハイエンドGPUへ電力供給を行うPCIE補助電源では、それだけで20Aを超える出力を要求することもありますが、「MSI MEG Ai1300P PCIE5」はそれらに対して安定した電力供給が可能な容量を備えています。
「MSI MEG Ai1300P PCIE5」は全てのコンデンサに日本メーカー製105℃コンデンサを採用しています。

また「MSI MEG Ai1300P PCIE5」はIntelが策定した電源ユニット新規格であるATX3.0(2022年2月のデザインガイド)に準拠しています。

ATX3.0の特に大きな特徴として、将来的に最大600Wの電力供給が可能な12VHPWR電源、瞬間的に電源容量の2倍の出力が可能な2X Peak Power Excursionに対応しています。

12VHPWRの規格として供給可能な電力は最大600Wですが、12VHPWRで接続されたPCIE拡張カード側から認識できる電源ユニットの供給可能電力は600W/450W/300W/150Wの4種類に分けられます。
12VHPWRには実際に電力供給を行う12PINに加えて、電源ユニットとPCIE拡張ボードが供給可能電力や稼働状態を伝えるサイドバンドシグナルのための4PINがあります。
この4PINのうちSense0(S3)とSense1(S4)の状態によってPCIE拡張ボードは接続された電源ユニットが供給可能な電力を認識できます。
例えば電源ユニットがSense0を開放、Sense1を接続(グランド)とすることで、PCIE拡張ボードはその電源ユニットが最大450Wまでの電力供給に対応している、と認識できます。

12VHPWR対応電源ユニットといっても必ずしも最大値の600W給電に対応しているわけではなく、上記の通り、600W/450W/300W/150Wの4種類があるので、IntelのATX3.0デザインガイドでは電源ユニットや電源ケーブル自体が対応している最大電力を12VHPWRケーブルに明記するよう規定されています。

以上を踏まえて、「MSI MEG Ai1300P PCIE5」の話に戻ります。
公式ページにおいて『ネイティブ16ピンPCIeコネクタを備えたこの電源ユニットは、GeForce RTX 40シリーズグラフィックカードに対応しています。最大600Wの電力をPCIe 5.0グラフィックスカードに自由に供給することができます。』と表記されています。

実機を確認したところ、「MSI MEG Ai1300P PCIE5」に付属する12VHPWR電源ケーブルにはちゃんと”600W”の記載がありました。
「MSI MEG Ai1300P PCIE5」に付属する12VHPWR電源ケーブルをGeForce RTX 4090グラフィックボードに使用した場合、ファクトリーOCや手動設定による450W以上への電力制限解除に対応しているモデルにおいて450W以上への設定が可能でした。

MSI MEG Ai1300P PCIE5のケーブルや電源端子について
「MSI MEG Ai1300P PCIE5」に実装されている電源コネクタの種類やケーブル長についてチェックしていきます。
「MSI MEG Ai1300P PCIE5」に付属するプラグインケーブルは12VHPWR端子に接続するケーブルを除いて全て、黒色の個別スリーブ化ケーブルが採用されています。個別スリーブ化ケーブルは見栄えが良いというメリットがある一方で、フラットなリボンケーブルと比較してスペースを大きく占有します。

個別スリーブ化ケーブルはその名の通りケーブル1本1本が個別にスリーブ化されているので、そのまま使用すると1つのプラグインケーブルでも各ケーブルが無造作にバラけてしまいます。
「MSI MEG Ai1300P PCIE5」には標準でケーブルコームと呼ばれるスリーブケーブルガイドも付属しています。手間がかかるので自作PC初心者には少々ハードルが高いのですが、綺麗に配線できれば非常に見栄え良く仕上がります。


「MSI MEG Ai1300P PCIE5」で使用可能な電源ケーブルの長さやコネクタ数の一覧は次のテーブルのようになっています。
MSI MEG Ai1300P PCIE5の電源ケーブルについて個別にチェックしていきます。
MSI MEG Ai1300P PCIE5のATX24PINケーブルは大型フルタワーPCケースにも対応可能な600mmの個別スリーブ化ケーブルが採用されています。

PCIE補助電源とEPS電源のケーブルは見分けるのが面倒ですが、「MSI MEG Ai1300P PCIE5」のプラグインケーブルではコネクタの側面に「PCIE」と「CPU」と表記されて、自作PC初心者にもわかりやすくなっています。

「MSI MEG Ai1300P PCIE5」にはEPS電源ケーブルとして700mmのケーブルが2本付属します。
メインストリーム向けでも高級なマザーボードではEPS電源として8+4PINや8PIN×2を要求するものもありますが、「MSI MEG Ai1300P PCIE5」ではEPS電源8PIN端子は2基搭載されているので問題なく対応可能です。


EPS電源ケーブルのEPS端子をチェックすると、片方はシンプルな固定8PINですが、もう一方は8PINを構成する2つの4PINはロックピンで簡単に固定・分離できる構造です。

「MSI MEG Ai1300P PCIE5」に付属するPCIE補助電源ケーブルは、長さが600mmで、8PINコネクタが1個だけのケーブルです。PCIE補助電源の8PINコネクタはいずれも6+2PINに分離可能なタイプです。

「MSI MEG Ai1300P PCIE5」のPCIE補助電源ケーブルは、上記のケーブルが6本付属しており、さらに後述のPCIE補助電源 8PINの2分岐ケーブルも付属するので、最大で8個の8PINコネクタを使用できます。

PCIE/EPS電源ケーブルを装着するプラグイン端子を複数使用してPCIE5.0電源(12VHPWR)ケーブルを接続する電源もありますが、「MSI MEG Ai1300P PCIE5」ではPCIE5.0電源(12VHPWR)ケーブル専用コネクタが実装されています。

「MSI MEG Ai1300P PCIE5」にはNVIDIA GeForce RTX 4090にも採用されているグラフィックボード用補助電源の新規格に対応した、PCIE5.0電源(12VHPWR)ケーブルも付属しています。PCIE5.0電源ケーブルの長さは600mmです。

電源ケーブルのコネクタに記載されているように「MSI MEG Ai1300P PCIE5」は12VHPWRによる600Wの電力供給を正式にサポートしています。


電源ユニット側の12VHPWR端子に接続するケーブルとして、12VHPWR電源ケーブルだけでなく、従来規格のPCIE補助電源 8PIN×2に分岐するケーブルも付属しています。長さは600mmです。
電源ユニットの8PINプラグイン端子2つによってグラフィックボードの12VHPWR電源を供給するケーブルでは”ない”ので注意してください。


SATA電源ケーブルは4コネクタで全長950mm(500 + 150 + 150 + 150 mm)のケーブルが4本付属します。SATA端子は16基使用可能となっており多数のHDDストレージを搭載するようなサーバー機用の電源としても使用できます。


4PINペリフェラル電源ケーブルは4コネクタで全長950mm(500 + 150 + 150 + 150 mm)のケーブルが1本付属します。先端からはさらにフロッピー電源も伸びています。

専用アプリ MSI Centerについて
「MSI MEG Ai1300P PCIE5」の電力モニタリングや冷却ファンの制御を行う専用アプリケーションについてチェックしていきます。「MSI MEG Ai1300P PCIE5」に搭載された各種コンポーネントは、MSI CenterというMSI製品エコシステムの統合コントロールソフトで制御します。

制御アプリケーションには、MSI CenterというMSI製品エコシステムの統合コントロールソフトを使用します。
MSI Centerは「MSI MEG Ai1300P PCIE5」の公式サポートページからダウンロードが可能です。MSI製マザーボードの各種制御にも使用するアプリですが、他社製マザーボード環境でも使用できます。
サポートページ:https://jp.msi.com/Power-Supply/MEG-Ai1300P-PCIE5/support

MSI Centerのインストール手順はダウンロードしたインストーラーを実行するだけですが、初回起動時のみ「管理者として実行」でインストール作業を完了させる必要があります。


MSI Centerをインストール後、デスクトップアイコンやスタートメニューの一覧からアプリを起動すると下のような画面が表示されます。

ウィンドウ左上にある”機能特長”を選択すると互換機器一覧メニューが表示されるので、「MSI MEG Ai1300P PCIE5」の場合は”Power Supply Unit”を選択します。この手順で冒頭のスクリーンショットのように、「MSI MEG Ai1300P PCIE5」の設定画面が表示されます。

MSI MEG Ai1300P PCIE5のファン制御やOCP設定
専用アプリMSI Centerを使用したMSI MEG Ai1300P PCIE5のファン制御とOCP設定について紹介します。MSI CenterでMSI MEG Ai1300P PCIE5の管理ページを開くと、次のような画面が表示されます。
タイル形式となっており上段には各種モニタリング情報、左下にOCP設定(DC出力、シングルレール/マルチレール)、その右隣にファン速度設定があります。

MSI CenterでMSI MEG Ai1300P PCIE5の管理ページ右上にある”リアルタイムダッシュボード”を選択すると各種モニタリング情報のリアルタイムグラフがポップアップします。

リアルタイムダッシュボードのウィンドウ右下には”CSVとして保存”のボタンがあり、モニタリング項目を選択して、指定時間の間、ログを取ることができます。スタートを選択するとログの保存先をエクスプローラーで任意に選択できます。なおログ間隔は今のところ1分です。

「MSI MEG Ai1300P PCIE5」は電源負荷や内部温度に応じて電源ユニット冷却ファンの速度が自動制御されますが、任意のファン速度に固定することも可能です。
ファンスピードの項目にあるカスタマイズのタブを開き、”適用”のアイコンをクリックするとファン速度の手動設定モードに切り替わります。ファン速度はスライダーによって調整でき、設定可能な最小速度は700RPMでした。

なお手動設定モードでファン速度を固定できるのは電源負荷50%以下の時に限られ、負荷が50%を超えると自動制御(パフォーマンスと同じ動作)に切り替わります。
また内部温度が閾値を超えるなど電源ユニットの保護機能が有効になった場合も、ファン速度は自動制御に切り替わります。

「MSI MEG Ai1300P PCIE5」の標準設定は12Vがシングルレールですが、いくつかの組み合わせに分割して上限値を適用するマルチレールのOCP設定にも対応しています。


MSI MEG Ai1300P PCIE5のファンノイズ
「MSI MEG Ai1300P PCIE5」の負荷に対する冷却ファンの動作をチェックしてみました。「MSI MEG Ai1300P PCIE5」の検証機材は次のようになっています。
テストベンチ機の構成 | |
OS | Windows10 Home 64bit |
CPU |
Intel Core i9 9900K(レビュー) Core/Cache:5.1/4.7GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
M/B | ASUS WS Z390 PRO (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z Black F4-4400C19D-16GTZKK DDR4 8GB*2=16GB (レビュー) 4000MHz, CL17-17-17-37-CR2 |
システムストレージ |
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB MZ-N6E1T0B/IT (レビュー) |
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
上記のベンチ機でグラフィックボードをGeForce GTX 1650、GeForce RTX 3050、GeForce RTX 3060 Ti、GeForce RTX 3070、GeForce RTX 3080、GeForce RTX 3090、Radeon RX 6800 XT、Radeon RX 6900 XTなどに変え、もしくは電力制限等から調整を行って、特定の消費電力に対する負荷時の電源ファンのファンノイズを測定しました。測定負荷にはTime Spy/Extreme グラフィックテスト1を15分以上ループさせています。
消費電力の測定にはBluetooth接続でスマホから消費電力を見られるワットチェッカー「ラトックシステム REX-BTWATTCH1」を使用して、電源ユニットの変換損を含めたシステム全体の消費電力をチェックしています。
なお同ワットチェッカーでは消費電力は1秒ごとにW単位で表示されますが、平均的な数値になっており実際の瞬間最大値はさらに高い値を取っている場合があります。記事中では表示値からおおよその平均を取って表記しますが、実際には+100Wから+200Wの瞬間的な負荷が発生することがあるので注意してください。

・ラトックシステムのスマホ対応ワットチェッカー第2世代を試す

電源ユニットのファンノイズはサウンドレベルメーターを利用してノイズレベルを測定・比較していきます。
電源ユニットは机の上に横置きとし、電源ユニットの吸気面と向かい合わせにして50cmほど離した位置にサウンドレベルメーターを設置しています。

消費電力とファンノイズの測定結果は次のようになりました。
「MSI MEG Ai1300P PCIE5」のファンノイズについては、シングルグラフィックボード環境で一般的に消費される400Wはもちろん、TGP400W超のRTX 4090を搭載した600W、さらにメインストリーム向け最上位CPUを組み合わせた700~800Wの電源負荷さえもノイズレベルは33dB以下という極めて優れた静音性を発揮しました。
800W前後の負荷がかかってもノイズレベルは33dB以下に収まるので、「MSI MEG Ai1300P PCIE5」がグラフィックボードやCPUクーラーを押しのけて騒音上のボトルネックになることはないはずです。
900~1000W以上でやっとノイズレベルが38dB前後になり、PCに組み込んだ状態だと体感的にはついに冷却ファンが動き出したな、という感じです。
「MSI MEG Ai1300P PCIE5」の電源ユニット冷却ファンのファン速度は主に電源負荷に比例しています。(内部温度依存でセーフティ的に速度が上がる可能性はあります)
電源負荷の変化に対してファン速度の変化には数秒の遅延挿入もあるのでスパイク的な電力負荷が発生してもファン速度が乱高下することはありません。
「MSI MEG Ai1300P PCIE5」は、RTX 4090などTGP400W超のグラフィックボードにCore i9 13900KやRyzen 9 7950Xといったメインストリーム向け最上位CPUを組み合わせた時のピーク負荷に近い700~800W程度の消費電力でもファンノイズは33db以下に収まります。
シングルグラフィックボード環境なら電源ユニットのファンノイズが煩く感じることはまずない、というかPCケース内からファンの動作を認識するのも難しいレベルだと思います。

「MSI MEG Ai1300P PCIE5」は標準動作モードにおいて、低負荷・低温で冷却ファンが停止するセミファンレス機能に対応しています。
公式情報ではファン停止の条件は公表されていませんが、実機で動作確認したところ、電力負荷の閾値は50%(750W)以下でした。

750W以下の電源負荷に対してはファンが即座に始動することなく、内部温度等のセーフティ機能が働かない限り、ファンは停止したままです。内部温度のセーフティでファンが始動して温度が十分に下がると再びファンが停止し、また始動というのを繰り返します。
一度ファンが始動すると電力負荷が100W前後など十分に下がってもしばらくは停止せず、700W以下の負荷に対してはファン速度850RPM前後の一定値で動作します。
ファンが停止する条件は低負荷(750W未満)かつ低温の状態で10分程度経過することのようです。なおPCをシャットダウンしてから起動しなおすとすぐにファンが停止した状態になります。
セミファンレス機能に対応した電源ユニットの一部ではファン始動時、瞬間的にファンが全速になり大きなファンノイズを発することがありますが、「MSI MEG Ai1300P PCIE5」は始動時の急激なファン速度の変化もなく、静かに始動します。温度セーフティで始動する時も同じです。
最後に少し補足として、GeForce RTX 4090と12VHPWRについては電源コネクタ周りの問題が噂されていますが、当サイトで検証した限り、RTX 4090の付属変換アダプタや「MSI MEG Ai1300P PCIE5」の12VHPWR電源ケーブル、いずれも正常動作を確認しています。
NVIDIA公式からの発表待ちではあるものの、ちゃんと電源コネクタを挿して普通に運用する分には問題はないはずです。




400~450Wの負荷を1時間程度かけ続けましたが、電源コネクタに異常や変化はなし。

MSI MEG Ai1300P PCIE5のレビューまとめ
最後に「MSI MEG Ai1300P PCIE5」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- MSI MEGシリーズと親和性の高いデザイン
- 電源容量1300W、変換効率92%以上のPlatinum認証取得のハイエンド電源
- +12Vは108Aのシングルレール出力
- 600W対応のPCIE5.0電源(12VHPWR)ケーブルが標準で付属、ATX3.0規格に準拠
- 電源容量1300Wで奥行160mmとコンパクト
- シングルグラフィックボード環境の500W以下の負荷に対してノイズレベルは32dB未満
- 700~800Wの負荷でもノイズレベルは33dB以下
- セミファンレス機能に対応、実測で電源負荷50%以下においてファンが停止
- MSI Centerによる電力モニタリングやファン制御に対応
- 10年間の長期保証
- 個別スリーブ化ケーブルは配線が少し難しい
- 税込み6.2万円と非常に高価(2022年11月現在)
「MSI MEG Ai1300P PCIE5」は50%負荷時の変換効率が92%以上の80PLUS Platinum認証を取得かつ電源容量も1300Wの大容量、+12V出力はシングルレール108Aとなっており、GeForce RTX 4090/4080やRadeon RX 6900/6800 XTなどTGP300W超級グラフィックボードにも余裕で対応できます。
「MSI MEG Ai1300P PCIE5」はIntelが策定した電源ユニット新規格であるATX3.0(2022年2月のデザインガイド)に準拠しており、GeForce RTX 40シリーズで本格的に採用が始まっている12VHPWR電源ケーブルが標準で付属するところも魅力の1つです。
12VHPWR端子を搭載するGeForce RTX 40シリーズには従来のPCIE 8PIN補助電源を複数使用する変換ケーブルも付属しますが、ネイティブな12VHPWR電源ケーブルならケーブル1本で配線がよりスマートになります。

冷却ファンの静音性についても「MSI MEG Ai1300P PCIE5」は極めて優れた性能を発揮しました。一般的なシングルグラフィックボード環境における400W程度から、TDP300W超な最新ハイエンドGPU環境における500W程度、さらには700~800W程度というハイエンドゲーミングPCのピーク負荷まで、一般的なPCゲーミングシーンで想定される負荷に対してノイズレベル33dB未満に収まりました。
「MSI MEG Ai1300P PCIE5」は冷却ファンの制御において標準でセミファンレス機能に対応しており、電源負荷750W以下において冷却ファンを完全に停止させることが可能です。
セミファンレスで問題になりがちな、ファン始動時の急激なファン速度の上昇や、始動と停止を繰り返すことで(落差が大きいため)耳障りに感じるといった現象もありません。
以上、「MSI MEG Ai1300P PCIE5」のレビューでした。

記事が参考になったと思ったら、ツイートの共有(リツイートやいいね)をお願いします。
80PLUS Platinum認証取得で、電源容量1300Wのハイエンド電源ユニット「MSI MEG Ai1300P PCIE5」をレビュー。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) November 7, 2022
ATX3.0電源規格に準拠し、最大600W給電のPCIE5.0電源(12VHPWR)にも対応。https://t.co/AboUJw24MK pic.twitter.com/JOtOiRxNIM
関連記事
・自作PC電源ユニット(PSU)の徹底解説とおすすめ電源の選び方
・「CORSAIR HX1500i (2022)」をレビュー。1000W負荷でもほぼ無音!

・「XPG CYBERCORE 1300W」をレビュー。TGP300W超グラボでも高静音!

・Titanium認証1600Wで奥行200mmの最強電源「Corsair AX1600i」をレビュー

・「ASUS ROG ROG Thor 1200W Platinum」をレビュー

・「ENERMAX MaxTytan 1250W」をレビュー

・「CORSAIR HX1000i (2022)」をレビュー

・「Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 1250W Titanium」をレビュー

(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
スポンサードリンク