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GeForce RTX 3080 TiグラフィックボードとしてPalitからリリースされた、3スロット占有3連ファンGPUクーラー搭載のスタンダードモデル「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro(型番:NED308T019KB-132AA)」をレビューしていきます。
GeForce RTX 3080 Ti搭載GALLERIA(ガレリア) ゲーミングBTO PCの中身、「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」が、前世代最上位のRTX 2080 Tiをどの程度上回るのか、また初期モデルRTX 3080や競合のRadeon RX 6800 XT/6900 XTと比較してどれくらいの性能を発揮するのか、実ゲームベンチマークでグラフィック性能を徹底比較します。
製品公式ページ:http://www.palit.biz/palit/vgapro.php?id=4152&lang=jp
Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro レビュー目次
1.Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingProの外観
2.Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingProの分解
3.Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingProの検証機材
4.Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingProのゲーム性能
・レイトレーシング&DLSSの性能を検証
5.Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingProの温度・消費電力・ファンノイズ
6.Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingProのレビューまとめ
Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingProの外観
早速、Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingProを開封していきます。キャラメルボックス型の外スリーブから取り出した黒色段ボールの内パッケージを開くと、スポンジスペーサー&静電防止エアパッキン袋という一般的な梱包でグラフィックボード本体が鎮座していました。
付属品はクイックマニュアルとPCIE 6PIN*2 to PCIE 8PIN変換ケーブル、そしてアクリルプレート型GPUホルダー「SAG Holder」です。
「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」のグラフィックボード本体を見ていきます。
「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」の外装の大部分は黒色プラスチック製ですが、中央から右を覆うように装着された銀色のアルミニウムプレートの光沢とのコントラストで安っぽさは感じません。近年のPalit製オリファンモデルのデザインとしてはかなり当たりな気がします。
GPロゴの描かれた中央を左上から右下に縦断するラインにはアドレッサブルLEDイルミネーションが内蔵されており、七色に点灯します。
「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」の全長は294mmとなっており、300mm超のモデルも多いRTX 3080オリファンモデルとしては比較的に短い製品です。とはいえほぼ300mmなので、近年主流なオープンスペースタイプのPCケースなら干渉の心配はありませんが、PCケースフロントにストレージベイがある少し古めのPCケースではグラフィックボード設置スペースのクリアランスに注意が必要です。
「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」は全長こそ長いものの基板とGPUクーラーがPCIブラケットの高さとほぼ同じ背の低いデザインです。
「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」の3連ファンGPUクーラーには85mm径の冷却ファンが3基設置されています。3基のファンは「左&中央」と「右」の2つに分けて、専用アプリケーションで個別に速度制御が可能です。
「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」はTDP300W超の発熱に対応するため、大型放熱フィンを採用したヒートシンクが搭載されており、PCIEスロットを3スロット占有します。
「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」の補助電源数はRTX 3080 Tiとしては一般的なPCIE 8PIN×2となっています。
「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」のビデオ出力はHDMI2.1×1、DisplayPort1.4×3の4基が実装されています。
「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」にはオリジナルイラストのプリントされた金属製バックプレートが装着されています。基板の反りや破損を防止する保護プレートとしての役割に加えて、VRAMチップ背面との間にはサーマルパッドが貼られているので冷却補助の役割を果たします。
「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」のバックプレート右端にはヘックス型エアスリットが設けられており、ファンからヒートシンクを通って背面に直接風が抜けるフロースルー構造が採用されています。
なおグラフィックボードの重量はPalit GeForce RTX 3080 GamingProが1190g、Gainward GeForce RTX 3080 Ti Phoenixが1190gに対して、「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」は1198gでした。
バックプレート等で基板の反りは防止されていますが、重量は1kgを軽く超過しているのでPCIEスロットへの負荷を考えると、付属のGPUホルダーを使用するか、市販のVGAサポートステイなどで垂れ下がりを防止したほうがいいかもしれません。
ちなみにGeForce RTX 3080 Tiを搭載するGALLERIAの新型PCケースでは超重量級グラフィックボードを強固に保持するGPUホルダー「リジッドサポート」が付属します。(一部モデルではカスタマイズ対象)
GALLERIAの新型PCケースは自作PCユーザーの目線から見ても非常に拡張性が高く、ユーザビリティーに優れた設計になっていて、見た目もスマートでカッコいいので、自作PC専用筐体を採用するBTO PCメーカーの中でも特にオススメです。
・「ガレリア専用 SKケース (ATX)」をレビュー。新生GALLERIAを完全解説
Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingProの分解
「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」を分解してGPUクーラーやグラフィックボード基板についてチェックしていきます。なお今回は自己責任で(もしくはレビュー用サンプル貸出先の協力のもと特別に許可を頂いて)分解を行っています。GPUクーラーの取り外し(分解行為)は、一部を除く多くのメーカーではグラフィックボードの正規保証の対象外になる行為です。今回はレビューのために分解していますが、繰り返しますが保証対象外になるので基本的には非推奨の行為なのでご注意下さい。
【暇があれば追記予定】
「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」はRTX 3080 Tiリファレンス基板が採用されており、既存のRTX 3080/3090のリファレンス基板とレイアウトはほぼ共通なので、EKWB製のRTX 3080/3090リファレンス基板用水冷ブロックでDIY水冷化が可能です。
「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」は、RTX 3080 Tiオリファンモデルの中でも安価かつ流通数が多くて入手しやすく、またPCIEブラケットが基板左端の上下2か所に加えて、さらにビデオ出力側にもベースプレートとは別に3か所ネジ止めポイントがあり、水冷化に最適なモデルです。
Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingProの検証機材・GPU概要
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」を検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | ||
ベンチ機1(温度・消費電力) |
ベンチ機2(ゲーム性能) |
|
OS | Windows10 Home 64bit (1909) |
|
CPU |
Intel Core i9 9900K (レビュー) Core/Cache:5.1/4.7GHz |
Intel Core i9 10900K (レビュー) Core/Cache:5.2/4.7GHz |
M/B | ASUS WS Z390 PRO (レビュー) |
ASUS ROG MAXIMUS XII EXTREME (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z Black F4-4400C19D-16GTZKK DDR4 8GB*2=16GB (レビュー) 4000MHz, 17-17-17-37-CR2 |
G.Skill Ripjaws V F4-4000C15Q-32GVK DDR4 8GB*4=32GB (レビュー) 4000MHz, 15-16-16-36-CR2 |
システム ストレージ |
Samsung 860 EVO M.2 1TB (レビュー) |
Samsung 860 PRO 256GB (レビュー) |
データ ストレージ |
Samsung 860 QVO 4TB (レビュー) | |
CPUクーラー |
Fractal Design Celsius S36(レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
|
電源 ユニット |
Corsair HX1200i (レビュー) |
|
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」のGPUクーラー中央にはアドレッサブルLEDイルミネーションが搭載されています。
Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingProのGPU概要
Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingProに搭載されているGPU「GeForce RTX 3080 Ti」のスペックについて簡単に確認しておきます。「GeForce RTX 3080 Ti」はGA102-225コアが使用されておりCUDAコア数は10240、GPUコアクロックはベース1365MHz、ブースト1665MHzです。VRAMには従来よりも高速な19.0GbpsのGDDR6Xメモリを12GB容量搭載しています。
典型的なグラフィックボード消費電力を示すTGPは350Wに設定されており、PCIE補助電源として8PIN×2以上を要求します。
「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」については、ブーストクロック1665MHz、パワーリミット(TGP)も350WでRTX 3080 Tiのリファレンス仕様通りの設定です。電力制限は+4%で最大365Wまで解除が可能です。
今回の検証ではResizable BARを使用していませんが、GeForce RTX 3080 Ti搭載グラフィックボードの「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」は、出荷時のvBIOSで最初からResize-BARに対応しています。 対応するプラットフォーム(CPU&MB)において、マザーボードBIOS設定からResize-BARを有効にし、最新ドライバをインストールすれば機能を有効化できます。
NVIDIA GeForce RTX 3080 Ti 詳細スペック比較 | ||||
GPU名 | RTX 3090 |
RTX 3080 Ti |
RTX 3080 | RTX 2080 Ti |
GPUダイ | GA102-300 | GA102-225 | GA102-200 | TU102-300 |
製造プロセス | Samsung 8nm |
Samsung 8nm | Samsung 8nm | 12nm FinFET |
CUDAコア数 | 10496 | 10240 | 8704 | 4352 |
TMU/ROP | 328/112 | 320/112 | 272/96 |
272/88 |
ベースクロック | 1395MHz | 1365MHz | 1440MHz | 1350MHz |
ブーストクロック (FE) |
1695MHz | 1665MHz | 1710MHz | 1545MHz (1635MHz) |
メモリ | 24GB GDDR6X | 12GB GDDR6X | 10GB GDDR6X | 11GB GDDR6 |
バス幅 | 384-bit | 384-bit | 320-bit | 352-bit |
メモリクロック | 4875 MHz | 4750 MHz | 4750 MHz | 3500 MHz |
有効メモリクロック | 19500 MHz | 19000 MHz | 19000 MHz | 14000 MHz |
メモリ帯域 | 936 GB/s | 912 GB/s | 760 GB/s | 616 GB/s |
PCIEレーン | PCIE4.0x16 | PCIE4.0x16 | PCIE4.0x16 | PCIE3.0x16 |
マルチGPU |
NVLink SLI | - | - | NVLink SLI |
TGP(TDP) | 350W |
350W | 320W | 250W (FE:260W) |
補助電源 |
8PIN×2~ | 8PIN×2~ | 8PIN×2~ | 8PIN×2~ |
対応ビデオ出力 |
DP1.4 HDMI2.1 |
DP1.4 HDMI2.1 |
DP1.4 HDMI2.1 |
DP1.4 HDMI2.0 USB Type-C |
登場時期 |
20年9月24日 |
21年6月3日 | 20年9月17日 | 18年9月 |
価格 | 1499ドル~ | 1199ドル~ | 699ドル~ | 999ドル~ FE:1199ドル |
今回レビューするGeForce RTX 3080 Tiをはじめとして、GeForce RTX 30シリーズに採用されるAmpereアーキテクチャにおいて、前世代Turingと比較してスペック上のCUDAコア数が2倍に激増していることについて簡単に説明しておきます。
まず純粋に事実として、複数のCUDAコアからなるCUDAコア群のストリーミングマルチプロセッサ(Streaming Multiprocessors:SMs)の『FP32スループットがTuring世代と比較してAmpereでは2倍に向上』しています。これは間違いありません。
一度、前世代Turingを振り返ると、TuringアーキテクチャではFP32とINT32を同時に実行できる(データパスが独立に用意されている)ことがアーキテクチャとしての新しい特徴でした。Turingでは1基のSMにFP32とINTが1:1割合で実装されていました。
Turingがこのようなアーキテクチャを採用したのは、PCゲームではFP32だけでなくINT32も実行されるから、というのが理由でしたが、同時に公表されていた統計を思い出すと、ゲームによって多少変動はあるもののFP32に対してINT32はせいぜい2:1の割合でした。
であればAmpereでは2つのデータパスのうち、INT32用のデータパス上にINT32の実行ユニットだけでなくFP32の実行ユニットも乗せれば、FP32とINT32の割合が現実に即した理想的な比率になり、省スペースに実装もできるというのは理にかなった話だと思いました。(下はSMの1/4を抜粋)
従来では『CUDAコア数 = FP32実行ユニットの数』とカウントしていたので、同じく単純にFP32実行ユニットの数をカウントするとAmpereアーキテクチャのGeForce RTX 30シリーズでは、CUDAコア数が2倍に爆増します。確かに1クロックで同時に実行できるFP32の最大数は2倍になったのですが、即ちCUDAコア数が2倍になったとカウントするのかというとやや疑問も残ります。
GTX700からRTX2000まで4世代ほどは、『CUDAコア数の増加による比例』×『コアクロックの上昇やアーキテクチャ改良による性能向上』が次世代GPUの性能指標だったので、GTX10からRTX20でCUDAコア数が2倍であれば実際の性能は2倍以上ですが、RTX20からRTX30ではCUDAコア数が2倍になっても実際の性能は2倍以下なのでどうしても違和感が残ります。
ともあれPCゲームを含め実際のアプリケーションではINT32も使用されるので、実性能を見るとGeForce RTX 30シリーズはCUDAコア数に比例して単純に2倍の性能にはならず、INT32/FP32混合データパスの使用状態に応じて、性能の伸び幅(Performance gains)が変動します。
ただFP32など一般的なシェーダーだけでなく、レイトレーシング用コアやテンサーコアも新世代へアップグレードされているので、レイトレーシング表現やDLSSに対応したPCゲームであればRTX20に対して2倍に迫る性能も発揮できるようです。
またGeForce RTX 30シリーズの諸機能について、前世代RTX 20シリーズとの大きな違いとして、8K/60FPS映像を取り扱えるHDMI2.1に対応し、それに伴ってハードウェアデコーダのNVDecが第5世代にアップデートしています。第5世代NVDecでは、8Kなど超高解像度映像に使用されるAV1コーデックのデコードに対応しています。
ゲーム実況などリアルタイム配信・録画において好評を博したNVEncについてはRTX 20シリーズと同じく第7世代が採用されています。
Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingProのゲーム性能
「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」の性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には「GeForce RTX 2080 SUPER」、「Radeon RX 6900 XT」、「Radeon RX 6800 XT」、「GeForce RTX 2080 Ti Founders Edition」、「GeForce RTX 2080 SUPER」を使用しています。(特定のモデルや型番を指名していない場合、各GPUメーカーのリファレンスモデルもしくはリファレンス仕様のオリファンモデルです)
「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkで現在主流なDirectX11のベンチマーク「FireStrike」による比較になります。
FireStrike | Extreme | Ultra | |
RTX 3080 Ti Palit GamingPro |
46577 | 23350 | 11990 |
RTX 3080 |
41710 | 20733 | 10553 |
RX 6800 XT |
51159 | 25012 | 12412 |
RX 6800 XT |
51159 | 25012 | 12412 |
RTX 2080 Ti FE |
34955 | 16797 | 8179 |
RTX 2080 SUPER |
29145 | 13866 | 6800 |
「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkのDirectX12ベンチマーク「TimeSpy」、およびレイトレーシング対応ベンチマーク「Port Royal」による性能比較となります。
TimeSpy | Extreme | Port Royal |
|
RTX 3080 Ti Palit GamingPro |
18708 | 9496 | 12592 |
RTX 3080 | 17407 | 8674 | 11163 |
RX 6900 XT |
18511 | 8922 | 9720 |
RX 6800 XT |
17462 | 8401 | 8938 |
RTX 2080 Ti FE |
14309 | 6813 | 8839 |
RTX 2080 SUPER |
11696 | 5412 | 7032 |
「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードについて、近年普及しつつあるHTC VIVE Pro 2やValve Index、Oculus Quest 2のPCモードなどVR HMDを使用したVRゲームに関する性能を測定する最新ベンチマーク「VRMark」による性能比較となります。
Orange Room |
Cyan Room |
Blue Room |
|
RTX 3080 Ti Palit GamingPro |
16093 | 18485 | 5967 |
RTX 3080 | 16244 | 17084 | 5241 |
RX 6900 XT |
14780 | 20798 | 5744 |
RX 6800 XT |
14472 | 19202 | 5354 |
RTX 2080 Ti FE |
15938 | 13994 | 4675 |
RTX 2080 SUPER |
15532 | 11080 | 3755 |
続いて近年の最新PCゲームを実際に用いたベンチマークになります。同一のグラフィック設定で同一のシーンについてフルHD(1920×1080)とWQHD(2560×1440)と4K(3840×2160)の3種類の解像度で平均FPSを比較しました。
ベンチマーク測定を行ったゲームタイトルは、Anthem(ウルトラ設定プリセット)、Assassin's Creed Odyssey(最高設定プリセット)、Battlefield V(最高設定プリセット, DirectX12)、CONTROL(高設定プリセット, DirectX12, AMD製GPUはDirectX11)、DEATH STRANDING(最高設定プリセット, TAA)、The Division 2(ウルトラ設定プリセット, DirectX11)、Final Fantasy XV(最高設定プリセット, NVIDIA GameWorksはVXAOを除き有効)、Gears 5(最高設定プリセット)、Ghost Recon Breakpoint(ウルトラ設定プリセット)、Horizon Zero Dawn(最高画質設定プリセット)、Marvel's Avengers(最高設定プリセット, TAA)、Metro Exodus(エクストリーム設定プリセット, DirectX12)、MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット, DirectX12)、Shadow of the Tomb Raider(最高設定プリセット, TAA, DirectX12)、Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)以上の15タイトルです。
Anthem(ウルトラ設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Assassin's Creed Odyssey(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Battlefield V(最高設定プリセット, DirectX12)に関する「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
CONTROL(高設定プリセット, DirectX12, AMD製GPUはDirectX11)に関する「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
DEATH STRANDING(最高設定プリセット, TAA)に関する「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
The Division 2(ウルトラ設定プリセット, DirectX11)に関する「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorksはVXAOを除き有効)に関する「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Gears 5(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Ghost Recon Breakpoint(ウルトラ設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Horizon Zero Dawn(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Marvel's Avengers(最高画質設定プリセット, TAA)に関する「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Metro Exodus(エクストリーム設定プリセット, DirectX12)に関する「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット, DirectX12)に関する「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Shadow of the Tomb Raider(最高設定プリセット, TAA, DirectX12)に関する「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingProなど6種類のGPUについて実ゲーム性能の比率の平均を出してみたところ、Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingProは、前世代最上位RTX 2080 Tiを平均で40%程度、ベストケースでは50%も上回る圧倒的な性能を発揮しました。RTX 30シリーズのナンバリング最上位であるRTX 3090と遜色ない性能です。
実際に測定した上のベンチマーク結果であるフレームレートを見ての通り、4K/60FPSゲーミングは当たり前、4K/120FPSにも手が届く4KゲーミングモンスターなGPUです。
レイトレーシング&DLSSの性能を検証
上では一般的なPCゲーミングシーンにおける「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」の性能を比較検証してきましたが、ここからはGeForce RTX 30シリーズの大きな特徴である、前世代GeForce RTX 20シリーズよりも改良された、レイトレーシング表現やDLSSの性能をチェックしていきます。なおレイトレーシング表現の性能やDLSSの性能についてはGeForce RTX 3080 Tiリファレンス仕様の性能検証の結果を引用する形で紹介していきます。
最初に、レイトレーシング表現やDLSSについて簡単に紹介しておきます。
まず、レイトレーシング(Raytracing)表現では、照明や光源(エリアライト)や太陽光(グローバルイルミネーション)の影響を厳密に再現し、光の反射や透過も現実に即して忠実に描写されます。
レイトレーシングを採用したわかりやすい例としては鏡に映る反射など、視覚(視点から見た)の外にある物体もリアルに描画することができます。小さい光源や太陽光などが生み出す影が現実に対して忠実に再現されるので、画面の中に引き込まれるような奥行き、陰影を感じる映像が生まれます。
なお高画質機能「Raytracing(レイトレーシング)」はMicrosoftが提供するAPI「DirectX 12」に内包される「DirectX Raytracing」(DXR)を使用したレンダリング機能となっており、後述のDLSSと違ってNVIDIA独自技術というわけではなく、AMD製グラフィックボード、PS5やXbox Series S/Xといったコンソールゲーム機にも互換性のある機能です。
下はPS5のMarvel's Spider-Man Remasteredでレイトレーシング表現のオン/オフを比較したものですが、オフでは鏡面になっている窓ガラスにスパイダーマンの身体の鏡像がないだけでなく、風景の反射も反対側と比較してデタラメなのが一目瞭然です。
次に、「NVIDIA DLSS」は”Deep Learning Super Sampling”の頭文字を取った略称となっており、その名の通り、近年流行りのディープラーニングによって高画質化(超解像化)する機能で、AIレンダリングの名前でもアピールされています。
DLSSが具体的にどのように動作するか簡単に説明すると、フルHD~WQHDのリアルタイムレンダリングソースから4K映像を生み出すDLSSの原型があります。このDLSSの原型が作り出した4K映像を、16Kなど現実的にはリアルタイムでのレンダリングが難しい超々高解像度のレンダリング結果を比較し、DLSSの原型の改良版1をNVIDIAの専用サーバーが作ります。
DLSSの原型の改良版1で再び4K映像を生み出し、16Kレンダリング結果と比較して、DLSSの原型の改良版2を生み出す……、というプロセスを何万回も繰り返すことで、ユーザーに提供される汎用の、もしくは個別ゲームタイトルに特化した専用のDLSSプロファイルが出来上がります。
GeForce RTX 30シリーズの登場と共にアップデートされたDLSS2.0では最終出力解像度に対して3種類のオリジナルレンダー解像度が選択でき、4K解像度の場合は、Quality(2560×1440)、Balanced(2240×1260)、Performance(1920×1080)の3種類から選択できます。
オリジナルのレンダー解像度がフルHD~WQHDなので、DLSSによる超解像(SuperSampling)プロセスを挟むとはいえ、ネイティブに4K解像度をレンダリングするよりもフレームレートは大幅に向上します。
現在のDLSSでは16Kレンダリング結果を目標に学習が繰り返されているので、高画質アンチエイリアス技術として一般的なTAAと比較してフレームレートが大幅に向上するだけでなく、画質も改善するという一挙両得な高画質化機能になっています。
以上のレイトレーシング表現やDLSSに対して、GeForce RTX 30シリーズでは通常のレンダリングに使用するCUDAコアとは別に専用コアを搭載しており、アップグレードされた第2世代レイトレーシングコアと第3世代テンサーコアによって、専用コアを搭載しない旧式GPUはもちろん、従来のGeForce RTX 20シリーズと比較してもさらに高い性能を発揮することが可能になっています。
前置きが長くなりましたが、本題のレイトレーシング表現やDLSSの性能をチェックしていきます。
まずはGeForce RTX 3080とGeForce RTX 2080 TiとGeForce RTX 2080 SUPERを比較対象にして、GeForce RTX 3080 Tiのレイトレーシング性能をチェックします。
解像度は4K(3840×2160)とし、検証するゲームはBattlefield V (最高設定プリセット、RTX:ON)、Control(高設定プリセット、RTX:High)、Metro Exodus(エクストリーム設定プリセット、RTX:Ultra)、Shadow of the Tomb Raider(最高設定プリセット、RTX:Max)の4種類です。
上で検証した一般的なゲーミングシーンにおけるRTX 2080 SUPERに対するRTX 3080 Tiのパフォーマンスゲインは70%程度でしたが、レイトレーシング表現を有効にすると改良されたレイトレーシングコアのおかげもあって80~90%に引き上がります。
続いて上で検証したレイトレーシング対応の4タイトルについて、レイトレーシング表現とDLSS(2.0)を併用した時の性能をチェックします。
解像度は4K(3840×2160)とし、当然ですがDLSS以外のグラフィック設定(DLSS有効で排他になるものを除く)は上の検証と共通です。
DLSSの設定はDLSS2.0に対応していてQuality、Balanced、Performanceの3つのプリセットを選択できる場合、4K出力時のオリジナルのレンダー解像度が2560×1440になるQuality設定を選択しています。
レイトレーシングコアが改良されたGeForce RTX 3080 Tiでもレイトレーシング表現を有効にしたネイティブ4K解像度を60FPSで実行するのは流石に難しいですが、テンサーコアを使用した超解像技術DLSSを併用すれば、4K解像度/60FPSをキープできます。
さらにレイトレーシング表現には非対応なゲームについても、DLSSを使用することでどれくらい性能を向上させることができるのかチェックしてみます。
解像度は4K(3840×2160)とし、検証するゲームは、Anthem、DEATH STRANDING、Final Fantasy XV、Marvel's Avengers、MONSTER HUNTER: WORLDの5種類です。DLSS以外のグラフィック設定は上の検証と共通です。
DLSSの設定はDLSS2.0に対応していてQuality、Balanced、Performanceの3つのプリセットを選択できる場合、4K出力時のオリジナルのレンダー解像度が2560×1440になるQuality設定を選択しています。
レイトレーシング表現の対応・非対応を含めた9タイトルについて、DLSSによるGeForce RTX 3080 Tiの性能向上比率をまとめると次のグラフのようになります。
Battlefield VやControlのように最適化が優れたタイトルでは60~80%というマルチGPUクラスの性能向上が期待できます。その他のタイトルについても平均的に30~50%前後の性能向上が期待できるので、同世代で1~2ランク上のGPUと同等の性能を発揮します。性能向上に加えてTAAなど一般的なアンチエイリアスよりも高画質になるので、DLSSの普及と最適化には期待したいところです。
テンサーコアによる超解像技術DLSSについては上のようにGPUクラスやコストを超越した性能向上が得られるので今後に期待する機能なのですが、ネガティブな面を挙げておくと、DLSS有効時とDLSS無効時について、RTX 3080 TiとRTX 2080 SUPERで比較した性能向上比率を見ての通り、オリジナルのレンダー解像度がフルHDやWQHDに下がるのでGPU別のゲインは下がる傾向があります。
Controlは上で見たようにDLSSの有効・無効による性能向上幅が大きいだけでなく、DLSSの有効・無効で見た時のGPU別性能比率も下がらないので、やはりこのレベルの最適化を既存タイトルのアップデートや今後の最新タイトルで期待したいところです。
Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingProの温度・消費電力・ファンノイズ
Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingProの負荷時のGPU温度やファンノイズや消費電力についてチェックしていきます。「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」のGPU温度とファンノイズの検証負荷としては約20分間に渡たり連続してGPUに100%近い負荷をかける3DMark TimeSpy Stress Testを使用しています。
Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingProのテスト終盤におけるGPU温度は最大72度と標準的ですが、ファン回転数は最大1900~2000RPM程度とやや高めです。
「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」はアイドル時にファンが停止するセミファンレス機能に対応しており、GPU温度50度前後が始動閾値、GPU温度40度前後が停止閾値でヒステリシスも採用されています。製品によっては回転数が上下してふらつくことの多い始動や停止の直前も、閾値を上下した瞬間にピタッと切り替わります。
GPUコアクロックについては「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」の仕様値ではブーストクロック1665MHzとなっていましたが、負荷テスト中の実動平均は1753MHzでした。
【備考】AMD、NVIDIAともに最新GPUでは実動コアクロックはGPUコア個体毎に異なる内部設定のV-Fカーブが支配的になっており、加えて負荷中のGPU温度も大きく影響します。ファクトリーOCが施されたオリファンモデルの公式仕様値として公表されているブーストクロックはOC耐性選別の1つの指標にはなると思いますが、実動コアクロックの優劣においてあまりあてになりません。
また実用条件に近い冷却性能の検証として、実際にPCケースへ「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」を組み込み、Time Spy Extreme グラフィックテスト1を1時間に渡ってループさせてGPU温度やファン回転数がどうなるかを確認してみました。
検証機材のPCケースには「Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t」を使用しています。CPUクーラーは120サイズ簡易水冷でラジエーターを天面前方に設置、またPCケースのフロントに吸気ファンとして3基とリアに排気ファンとして1基の140mm角ケースファンをそれぞれ設置し、ファン回転数は1000RPMに固定しています。
PCケースのエアフローファンには空冷ヒートシンク、水冷ラジエーター、PCケースエアフローの全ての用途で一般的な140mmサイズファンを上回る性能を発揮する「Thermaltake TOUGHFAN 14」を使用しています。140mmサイズファン選びに迷ったらこれを買っておけば問題ない、高性能かつ高静音性なファンです。
・「Thermaltake TOUGHFAN 14」をレビュー。最強140mmファンの登場か!?
PCケースに入れた状態で長時間負荷をかけても「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」のGPUの最大温度は74度以下となり、ベンチ板上での測定よりも若干上がりましたが、ファン回転数は2100RPM程度でした。
流石にファン速度が2000RPMを超えてくると、PCケースに入っていてもファンの動作音ははっきりと聞こえます。距離によっては煩く感じるかもしれません。
「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」のGPUクーラーは内排気ファンということもありPCケースの吸排気を最適化しないと冷却効率が下がるので、フロントx3/リアx1で140mmファンを設置して1000RPMで回していますが、さすがに300Wを超えるTGPなので、ベンチ板での比較的に理想な環境のままとはいきませんでした。実際にPCケースへ組み込むユーザーはPCケースの吸排気にも注意してみてください。
「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」はGPU温度的に多少余裕があるので、GPU温度80度以下を目標にファン速度を手動設定した例として、「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」のファン速度を1900RPMに固定した状態で上の1時間ストレステストと連続して10分程度負荷を掛けましたがGPU温度が77度以下に収まりました。
PCケースの吸排気など各自の環境に依るところも大きいですが、ファンノイズが気にならない程度までファン速度を手動設定で落とすのもオススメです。
加えて1時間のストレステスト終盤にサーモグラフィカメラ搭載スマートフォン「CAT S62 PRO」を使用してゲーム負荷時のグラフィックボード上の各所の温度をチェックしました。
TGP300W超のRTX 3080/3090ではVRM電源回路やPCIE補助電源付近がかなり高温になるモデルも散見されたのですが、「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」はホットスポットでも80度以下に収まっているので、運用上、特に心配する必要はありません。
Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingProを含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。
検証機材はベンチ台の上に平置きにしているので、サウンドレベルメーターをスタンドで垂直上方向に50cm程度離して騒音値を測定しています。
この測定方法において電源OFF時の騒音値は30dB未満です。目安として騒音値が35dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになりますが、35~38dB以下であればPCケースに入れてしまえばファンノイズが気になることはそうそうないと思います。40dB前後になるとベンチ台上で煩く感じ始め、45dBを超えるとヘッドホンをしていてもはっきり聞き取れるくらいになります。
A特性で測定しているのである程度は騒音値にも反映されていますが、同じ騒音値でも周波数(ファン回転数)が高いほど体感としては大きな音に感じやすく、また不快に感じたり感じなかったりは音の性質(細かい乱高下の有無や軸ブレ)にもよるので注意してください。
ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。
Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingProはPCケース組み込み時で2100RPM程度とファン速度が高速なので、ファンノイズは40dBという高めの数値を示します。
手動設定で1900RPM程度まで下げるとノイズレベルも37dB程度になりPCケースに組み込んだ状態ではファンノイズも気にならなくなるはずです。これくらいのファン速度でも十分な冷却性能は得られるので(環境にも影響されますが)、静音性重視で運用したい人は純正アプリのThunderMasterや、GPUチューニングでは定番のMSI Afterburner等からファン制御設定を各自で調整してみるのがオススメです。
Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingProの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
測定負荷には上で行った温度検証と同様に3DMark TimeSpy ストレステストを使用しています。テスト全体から1秒間隔でモニタリングを行い、平均値を”消費電力”、最大値を”瞬間的な最大電源負荷”とします。なお電源ユニットに対する実際の最大瞬間負荷は測定値より50~100W上回る場合があるので、電源ユニットの電源容量選択の参考にする場合は注意してください。
消費電力の測定は電源ユニット「Corsair HX1200i」のCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの入力ではなく変換ロスを差し引いたシステムへの出力電力をチェックしています。また電力測定の際は上記の主電源ユニットに加えて、CPUへの電力供給を行うEPS端子へ接続するために別の副電源ユニットを使用しています。
この方法であれば、CPU(後述のiGPUも)に負荷をかけても、CPUによる消費電力の変動はメイン電源ユニットCorsair HX 1200iの測定値には影響しません。しかしながら、測定値にはまだATX24PIN経由で供給されるマザーボードやDDR4メモリの電力が含まれるので、iGPUを使用した時の3DMark TimeSpy ストレステスト中の消費電力と最大電源負荷を同様に測定し、各種グラフィックボード使用時と差分を取る形でグラフィックボード単体の消費電力と最大電源負荷を算出します。
Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingProの消費電力は368W、最大瞬間負荷は514Wでした。Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingProのTDP(パワーターゲット)は350Wに設定されており、概ね仕様値通りの消費電力になっていると思います。
ゲーム性能ベンチマークで見たようにGeForce RTX 3080 Tiは前世代RTX 20シリーズと比較して性能の伸びも大きいですが、同時にグラフィックボードの消費電力も増大しています。300W越えというと従来ではハイエンドGPUをかなりアグレッシブにOCしたモデルでもないとなかなかお目にかかれない数値なので、リファレンス仕様でここまでの電力を許容してきたのはかなり意外でした。
とはいえGPU消費電力が高くでも、大きくて高性能なGPUクーラーさえ積んでいれば、しっかり冷やせて、なおかつ静かであるということも上の検証で見た通りです。
GeForce RTX 3080 Tiを導入するにあたっては、公式仕様で指定されているように電源容量は750W以上の電源ユニットを組み合わせ、PCケースの吸排気も十分に確保する、という2点にさえ注意すれば問題なく運用できるレベルの製品を各社用意していると思います。
Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro レビューまとめ
最後に「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 4K/120FPSゲーミングにも対応可能、4KゲーミングモンスターなGPU
- 前世代最上位モデルRTX 2080 Tiと比較しても平均40%程度、ベスト50%以上も高速
- RTX 3080よりも10~15%程度も高性能
- RTX 3090よりも300ドル安価な1199ドルから
- TGP350WのRTX 3080 Tiを安定して運用可能なGPUクーラー
- RTX 3080 Tiとしては最安値モデル
(ただしBTO PCに回されているのかグラボ単品の流通は少ない)
- 性能差が10%程度のRTX 3080よりも500ドルも高価
- RTX 3080 Tiは一般に実売価格が20万円を大きく超えて割高感が強い
- 全長294mmと非常に長いのでPCケースとの干渉に注意
- PCケース内の吸排気次第ではファンノイズが煩く感じるかも
GeForce RTX 3080 Tiは、一般的なPCゲームにおいてGeForce RTX 3090に迫るグラフィック性能を発揮しつつ、価格面では2021年6月現在の正規店実売価格でおおよそ8~10万円程度も安価になりました。また前世代最上位モデルGeForce RTX 2080 Tiと比較して平均で40%以上、2020年以降の最新設計な高画質PCゲームでは50%を超えるグラフィック性能の向上を達成しています。
近年の超高画質なPCゲームですら素の最高画質設定で4K/60FPSをキープでき、高画質設定のまま4K/120FPSのハイフレームレートで快適なプレイも難しくありません。4Kゲーミングモンスターの登場といっても過言ではないウルトラハイエンドGPUです。
4K解像度の60FPS~120FPSに対応可能なGeForce RTX 3080 Tiを使用するのであれば、4K/144Hz対応IPS液晶ゲーミングモニタの「LG 27GN950-B」や「Acer Predator XB323QK」、4K/120Hz有機ELテレビの「LG OLED TV 48CXPJA」や「Alienware 55 AW5520QF」など、4K解像度&ハイリフレッシュレートなディスプレイと組み合わせてラグジュアリーなゲーミング環境を構築したいところです。
・4K/120Hz+対応ゲーミングモニタのレビュー記事一覧へ
その他にもバトルロイヤル系ゲームに最適な240Hzオーバーの超高速ゲーミングモニタと組み合わせてガチで勝利を狙うゲーマーにもフルHDで高FPSを稼げるRTX 3080 Tiはオススメです。
・240Hz+の超ハイリフレッシュレートなゲーミングモニタのレビュー記事一覧へ
以上のように正の面がある一方、RTX 3080 Tiには負の面として感じるところもあります。
まず価格面、グラフィックボードが枯渇する状況下にあって、従来モデルを含め相場がおかしくなっているので、RTX 3080 Tiにお得感があるように思えるかもしれませんが、実際には699ドルのRTX 3080と1499ドルのRTX 3090に挟まれ、500ドルも高くなるのにRTX 3080との性能差は10~15%しかないという微妙な立ち位置です。
RTX 3080との性能差に関しては最上位モデルのRTX 3090にも言えたことですが、RTX 3090は従来のTITANポジション、エンスージアストゲーマーだけでなく、個人や小規模事業や学術研究といったビジネスユーザーも対象としたモデルです。予算度外視な一部のゲーマーに加え、24GB容量という大容量VRAMを使用できるモデルとして同社Quadroと比較してコスパを訴求できる製品です。
VRAMが半減したRTX 3080 Tiは主にエンスージアストゲーマーを対象にした製品になりますが、RTX 3090との価格差は300ドルしかなく、『RTX 3080 Tiを買うような人は、昨年の早い段階で3090を正規価格で購入していた』だろうというのが管理人の見方です。
ほぼRTX 3090の性能が安価に!と称賛するレビューも多いですが、管理人に言わせれば、希望小売価格からして1499ドルのRTX 3090が300ドル値下がりしたから何?というのが正直な感想です。実売価格で見ても2021年6月現在の20~24万円というRTX 3080 Tiの価格帯なら、年始頃までならRTX 3090に余裕で手が出せました。
平素であれば10%以上の性能向上を果たしたマイナーアップデートモデルは、選択肢が増えた、と歓迎する向きもあるかと思います。管理人としても999ドルくらいまで下げて欲しかった、とは言いつつ、RTX 3080 Tiの評価としてそのように賛成したと思います。
しかしながらゲーマーがグラフィックボードを買えず(在庫的にも、正常な価格的にも)、RTX 3080無印すら行き渡っていない状況にあって、同じGA102コアでRTX 3080 LHRではなく、RTX 3080 Tiを作るのは、濡れ手に粟な状況にかこつけた値上げの口実にしか見えないというのが管理人の本音です。
発売直後こそ完売しているものの(多くが転売目的じゃないのかと疑問ですが)、実際には多くのゲーマーは『Tiではなく、まずはLHRを(正常な価格で)』、と望んでいると思います。
「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」の冷却性能と静音性については、TGP350Wの発熱に対して安定動作を実現し、同測定環境においてノイズレベル40dB以下という静音性を発揮しました。PCケースに組み込めば、それほどファンノイズが気にならない水準はクリアしています。
またPCケースに入れた実用条件においては、吸排気次第でGPUクーラーの冷却効率が下がりファンノイズも徐々に増していくため、トータルのシステムとして静かになるよう上手くチューニングしてやる必要があります。
RTX 3080 Tiオリファンモデルの中にはさらに静音性にすぐれた製品もあるので、それらと比べると見劣りするのは否めませんが、そういったオリファンモデルは高価になるので、コスパを重視するなら同製品は強いと思います。相対的な評価こそあれ、実用的にファンノイズがメチャクチャ煩いということもないので、及第点には達していると思います。
「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」は同社GameRockを含め各社の上位オリファンモデルと比較して静音性や冷却性能では見劣りする部分もありますが、RTX 3080 Tiグラフィックボードとしては最安値であるところは見逃せない魅力です。
特にPalit製グラフィックボードを独占販売するドスパラゲーミングBTO PC ガレリア(GALLERIA)のRTX 3080 Ti搭載モデル、GALLERIA ZA7R-R38Tは他社の同等スペックPCを3万円以上も大きく引き離して安価です。
検証の通りPalit GeForce RTX 3080 Ti GamingProのGPUクーラー性能は及第点には十分達しており、グラボ単体は品薄でもグラボ搭載BTO PCは即納なので、価格重視でRTX 3080 Ti搭載BTO PCを選ぶのであれば、同オリファンモデルを搭載したガレリア(GALLERIA) BTO PCを検討してみてください。
以上、「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」のレビューでした。
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グラボ単品最安値なRTX 3080 Tiオリファンモデル「Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」をレビュー。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) July 1, 2021
GeForce RTX 3080 Tiのゲーム性能ベンチマークに加え、GALLERIA(ガレリア) BTO PCの中身の冷却性能と静音性について徹底検証。https://t.co/lP36IxMlcy pic.twitter.com/LxR3P100BQ
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Palit GeForce RTX 3080 Ti GamingPro
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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