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20種類以上のM.2 SSDでPS5のストレージ増設を試し、ロード時間の比較や温度検証をしてきた筆者が、PlayStation 5の拡張スロットで本体ストレージを増設するのに最適な、ヒートシンクを標準搭載するオススメのM.2 SSDを紹介します。
新型PS5ことPS5 Slimモデルや2024年最新のM.2 SSDにも対応済みです。

CSゲーマーには不慣れな自作PC向け汎用部品のSSDを使用することになるので、ただオススメ製品を紹介するだけでなく、PS5ストレージの種類と保存できるもの、PCIE4.0対応NVMe M.2 SSDの概要、ロード性能比較など気になる関連情報も解説しています。
PS5のストレージ関連で必要な情報は網羅しているので、M.2 SSDでPS5のストレージ増設を検討している人は是非ご一読ください。
目次
1.PS5のストレージ増設にオススメなヒートシンク付きSSD
・ヒートシンク標準搭載SSDのデメリット
2.PS5のストレージ増設に使用できるM.2 SSDの要件
3.PS5に増設するM.2 SSDには放熱ヒートシンクが必須
4.速度性能、発熱、価格などPS5増設用M.2 SSDを選ぶポイント
・PCIE4.0対応SSDなら速度は気にしなくてもいい?
・ロード時間を20種以上、2023年最新のM.2 SSDで比較 【別記事へ】
・本当に低発熱なSSDは?実測データで比較・解説 【別記事へ】
5.個別SSD製品のPS5増設レビュー記事一覧
新型PS5こと、PS5 Slimモデル 型番:CFI-2000シリーズもM.2 SSDによるストレージ増設に対応しています。
PS5にM.2 SSDを増設する作業や事前準備、その後のシステム設定についてはこちらの記事を参照してください。
PS5のストレージ増設にオススメなヒートシンク付きSSD
手っ取り早くPS5のストレージ容量を増やしたいなら、やはり拡張スロット互換サイズなM.2 SSDヒートシンクを標準搭載したSSD製品を選ぶのがオススメです。当サイト的にイチオシは「WD_BLACK SN850X NVMe SSD with Heatsink」と「WD_BLACK SN850P NVMe SSD for PS5 Consoles」です。迷った時はこれを選んでおけば間違いありません。

ちなみに末尾が”P”のWD_BLACK SN850PはPS5互換性認証を取得した、概ね、ただの型番違いです。
同容量なら中身のSSD自体はSN850XとSN850Pは同じで、ヒートシンクとパッケージの違いくらいなので、見た目の好みや価格が安さで選べばOKです。
WD_BLACK SN850X/SN850Pは連続読み出し速度7000MB/sで公式の推奨性能を余裕で上回っています。
WD_BLACK SN850XはPC用SSDとしてもレビューしていますが、自作PC用部品のSSDとしても当サイトでは非常に評価の高い製品です。


ヒートシンクを含むSSDの寸法についても、幅23.4mm×高さ8.8mm(バックプレートが1mm程度)なので、PS5の増設SSD要件を余裕でクリアしていて、PS5の拡張スロットにも綺麗に収まります。

WD_BLACK SN850X NVMe SSD 1TB with Heatsinkを実際にPS5に増設して温度検証をしていますが、発熱の大きいメモリコントローラーとデータ保存領域であるメモリチップともに温度はせいぜい50度半ばでした。
この写真のようにヒートシンクを一度外し、メモリコントローラーとメモリチップに温度センサーを直に接触させて測定しています。


以上のようにPS5の増設用M.2 SSDとして各種要件を満たした「WD_BLACK SN850X NVMe SSD with Heatsink」と「WD_BLACK SN850P NVMe SSD for PS5 Consoles」が当サイト的にイチオシの製品です。
定番の1TBと2TBに加えて、最大で4TBまでラインナップされています。本体ストレージと合わせれば100GBのゲームでも20本以上保存できるので、コスパ的にも2TBまであれば十分だと思います。
その他のPS5増設サイズ要件を満たすヒートシンク付きSSD
今のところ当サイトのイチオシは「WD_BLACK SN850X(SN850P) NVMe SSD with Heatsink」ですが、サイズ的にPS5増設SSD要件を満たし、国内で発売済みのヒートシンク付きM.2 SSDについても紹介しておきます。この記事の一番最後、レビュー記事一覧に載せている通り、いずれも当サイトでPS5の増設SSDとして正常動作を確認しており、大手メーカー製で信頼性も高い製品です。
SamsungやCrucial(Micron)はWD同様に自社でNANDメモリチップを作成しており、DRAMキャッシュも自社開発です。SSDのメイン素材はほぼ内製となっており、自作PC向けSSDとして性能、信頼性ともに高い製品です。
Nextorage(Sonyのストレージ部門を源流とするメーカー)やHDDで有名なSeagateは、自社でNANDメモリの製造こそ行っていませんが、長らくPCやモバイル機器向けストレージ製品を開発・販売しているメーカーなので、WDやSamsungのように自社部品で製造するメーカー同様に信頼できます。
ヒートシンク標準搭載SSDのデメリット
PlayStation 5の拡張スロットにSSDを初めて増設する時、互換サイズのヒートシンクを標準搭載したSSDは初心者にとって非常に便利ですが、1つだけデメリットもあります。ヒートシンク標準搭載SSDからヒートシンクを取り外すと、分解行為になるため、メーカーや国内正規代理店を介した製品保証の対象外となってしまいます。
ヒートシンクによっては、金属のツメをかませる構造で分解が難しい、ネジ頭が小さいので穴をナメてしまう危険性がある、熱伝導両面テープの接着が強く剥がせない等、そもそも分解するのが困難なケースも。

ヒートシンク標準搭載SSDは当然、各自でヒートシンクを用意する手間がないのでPS5への増設だけ考えるなら楽です。
一方、ヒートシンク非搭載のSSDは各自でヒートシンクを用意する必要はあるものの、将来的に、さらに大容量なSSDに買い替えた時にこれまで使用していたSSDをUSB変換ケースでUSB外付けストレージとして活用できるというメリットがあります。
将来的にSSDを買い替えて、古い方のSSDはUSB外付けストレージとして使用することも想定するなら、ヒートシンク非搭載のSSDを検討してみてください。
なおヒートシンク付きSSDを分解せず、PS5互換サイズなら装着したままでそのまま再利用できるUSB変換ケースも種類は少ないですが発売されています。

もう1つの代替案として、やはり種類は少ないのですが、『ヒートシンクやサーマルパッドが付属するけど、装着は各自で』というM.2 SSD製品も存在します。
そういうSSDは当然ですが、ヒートシンクを着脱しても(着脱時にSSD基板に物損等がなければ)、SSDの製品保証は失効しません。

ヒートシンクが付属し、自分で装着するタイプのM.2 SSDでオススメな製品は「ADATA LEGEND 960 MAX」です。
当サイトでは最大容量となる4TBモデルについて詳細レビューを公開しているので気になる人は参考にしてください。(1TBや2TBのモデルもラインナップされています)
ADATA LEGEND 960 MAX 1TB
ADATA LEGEND 960 MAX 2TB
ADATA LEGEND 960 MAX 4TB
(ヒートシンクの装着は各自で。解説はこちら)
<
TSUKUMO><
PCショップアーク>
<ソフマップ><
ジョーシン><
PC4U>
ADATA LEGEND 960 MAX 2TB
ADATA LEGEND 960 MAX 4TB
(ヒートシンクの装着は各自で。解説はこちら)
ADATA
Amazon.co.jp で詳細情報を見る<
<ソフマップ><
PS5のストレージ増設に使用できるM.2 SSDの要件
PS5公式サポートページで公開されている『PlayStation 5にM.2 SSDを取り付ける方法』の要件を重要ポイントに絞ってまとめ直したのが次の表です。PS5の拡張スロットに使用できるM.2 SSDの要件 新型のPS5 Slimモデルも共通 |
|
容量 | 250GB ~ 8TB |
インターフェース | PCIE4.0x4対応 NVMe M.2 SSD PCIE4.0対応が必須 |
連続読出速度 | 5,500MB/s以上を推奨 |
フォームファクタ | M.2 type 2230、2242、2260、2280、22110 最初の2桁は幅、残りの桁は長さを表します。 一般に2280しか市販されていないので気にしなくてOK |
ソケットタイプ | M-Key 自作PC向けPCIE4.0対応M.2 SSDは基本的に M-Keyなので気にしなくてOK |
放熱構造 | PS5でM.2 SSDを使用する場合、 ヒートシンクなどの放熱構造が必要 |
ヒートシンクを含む 対応サイズ |
M.2 SSD基板から上8.0mmまで M.2 SSD基板から下2.45mmまで |
その他 | カバー着脱やSSD固定に 1番のプラスドライバーが必要 |
PS5はM.2 SSDを使用することで最大8TBまでPS5ネイティブ対応タイトルを起動可能なストレージ容量を増設できます。

2023年9月のPS5ファームウェアアップデートによって最大8TBのM.2 SSDにも対応しましたが、4TBのM.2 SSDが4~5万円以下で購入できるのに対して、8TBのM.2 SSDは製品自体が少なく、価格も10万円以上と一気に上がります。
M.2 SSDによる拡張ストレージはPS5/PS4ゲームのインストール先専用で、プレイ動画やスクリーンショットの保存先にはできません。本体ストレージ同様にプレイ動画(ビデオクリップ)の保存先に指定できれば4~8TBの大容量M.2 SSDももっと活躍できるのですが。
M.2 SSDでストレージ増設するなら今のところは、コスパ重視なら1TBか2TBがオススメ、さらに大容量なSSDを選ぶとしても4TBが現実的な選択肢です。

PS5に増設するにはPCIE4.0x4接続に対応したNVMe M.2 SSDを用意する必要があります。
PS5ではPCIE3.0x4接続のNVMe M.2 SSDは使用できません。PCIE3.0x4接続のM.2 SSDを装着しても、現在のFWでは非対応SSDとして取り外すように指示されます。

ちなみに表記の意味は『PCIE 4.0(バージョン) × 4(レーン数)』です。PCIE4.0なら1レーン当たりの理論速度は16Gbpsとなっており(PCIE3.0は8Gbps)、それが4レーンあるので計64Gbpsで通信できるということです。
NVMe M.2 SSDの接続帯域バージョンについて、2023年現在、自作PC向けSSD製品はPS5に対応したPCIE4.0x4接続のSSDが主流です。
ただ、製品数は大分減ってきているのですが旧規格でPS5非対応のPCIE3.0x4接続のSSDも販売は続いているので一応注意してください。
加えて最新規格のPCIE5.0に対応したSSDも2023年に入ってから自作PC向け製品として発売されています。SSD側に後方互換があるのでPS5でも動作はするものの、発熱(消費電力)が非常に大きく、性能面での恩恵もないのでPCIE5.0対応SSDもPS5の増設SSDとして選ばないでください。
・PCIE4.0/5.0対応NVMe M.2 SSDのレビュー記事一覧へ

M.2 SSDは長さ別で2230(30mm)、2242(42mm)、2260(60mm)、2280(80mm)、22110(110mm)の5種類が存在し、PS5の拡張スロットは全てのサイズに対応しています。
ただ、そもそも自作PC向けのM.2 SSDはM.2 2280しか一般に販売されていません。
PS5のストレージ増設に使用するM.2 SSDは自作PC向けの部品を購入することになるので、SSD基板自体のサイズや接続端子については特に気にする必要はありません。

M.2という規格がPCの中でも元々はモバイルPCの拡張汎用規格として生まれたという経緯があります。モバイルPC向けSSDとして製品も存在しますが、2242や2230は主にWi-Fiモジュール等を想定した小型サイズです。
SSDについては基板が小さいから安い、大きいから性能が高い、とかは一切ないので本当にサイズの件は無視してOKです。
PS5に増設するM.2 SSDには放熱ヒートシンクが必須!
PS5公式サポートページを見ての通り、PS5のストレージ増設に使用するM.2 SSDには放熱ヒートシンクが必須となっています。いくつか図解がありますが公式サポートページで掲載されている一番最後の両面ヒートシンク取り付け時の図が一番分かりやすいと思います。難しく考えず、単純に『M.2 SSD基板から上8.0mmまで』、『M.2 SSD基板から下2.45mmまで』の2つの要件を抑えておけばOKです。

PS5の拡張スロット増設に使用するM.2 SSDはPC向けの汎用規格であり、当初、単品で購入する場合は自作PC部品から選ぶ必要がありました。
近年の自作PC向けマザーボード(SSDを搭載するPCのメイン基板)には各社こだわって大型かつ高性能なM.2 SSDヒートシンクが標準搭載されているため、自作PC向けのM.2 SSDではヒートシンク非搭載が主流でした。

PS5がストレージ増設に対応した2021年9月当時、それから1年ちょっとの間はそういう自作PC界隈のトレンドもあって、”M.2 SSDヒートシンクは各自で用意する”というのが主流でしたが、現在ではWD、Samsung、Crucial(Micron)、Seagateなど有名かつ信頼性の高いメーカーを含め、数多くのメーカーがPS5の拡張スロットに互換サイズなヒートシンクを標準で搭載したM.2 SSDを発売しています。
PS5のストレージ増設にM.2 SSDヒートシンクは必須ですが、現在は必ずしも各自が個別に用意する必要はないので、自作PC部品を使用するとはいえストレージ増設のハードルは非常に下がっています。

速度性能、発熱、価格などPS5増設用M.2 SSDを選ぶポイント
PS5に増設するM.2 SSDを選ぶポイントについて。結論を言ってしまうと、PCIE4.0にさえ対応していれば、
『1.容量に対して価格が安価である(別売りの場合はヒートシンクも込みで)』
『2.PS5互換サイズのSSDヒートシンクを搭載している(詳しくはこちら)』
以上2点を優先して選べばOK、というかそれ以外は実質、気にする必要はありません。
あと付け加えるならメーカーに対する信頼性くらい。
速度性能(ロード時間)について、これまで20機種以上を検証し続けていますが、個別製品の違いは誤差に埋もれる程度です。
またM.2 SSDの発熱・温度についても別記事で解説している通り、大小の差はありますが、PS5増設の用途なら個別製品で問題(動作不良など)になることはありません。
SSDについては時間が経てば『容量単価が下がり、性能が向上する』のは確実です。
今は容量単価を重視してWD_BLACK SN770やCrucial P3 Plusのような安価なSSDを購入しておくという選択も十分にありだと思います。
当サイトでは自作PCユーザー目線で信頼性の高いメーカー(WD、Crucial、Samsungなど)の製品を推奨していますが、SSDを消耗品と割り切るなら、最近話題のHIKSEMIとか、さらに安価な中華製SSDでも。
今後ゲームロード時間に影響が出るようなタイトルが登場してからSSDを買い替えても、既存のSSDはUSB変換ケースを使えばUSB外付けストレージとして再利用できます。
ちなみにNVMe M.2 SSDを変換ケースでUSB外付けストレージにする場合、連続性能は1000MB/s以上あれば十分です。(PS5のUSBポートはUSB3.2 Gen2で10Gbpsが帯域的に上限なので)

PCIE4.0対応SSDなら速度は気にしなくてもいい?
PS5のSSD増設要件ではSSD性能について『PCIE4.0対応である』と『連続読み出し性能が5500MB/s以上である』の2つが要求されています。特に前者の要件は満たしていないとPS5のシステム的にエラーが出る仕様です。

一方で後者、速度性能の要件はどうでしょうか。
実のところ、PCIE4.0にさえ対応していれば、仮に性能の低いSSDを装着しても、”PS5のゲームプレイに支障が出る可能性がある”とアラートが表示されますが、そのままPS5を起動できます。
PCIE3.0接続のSSDを増設した時と違って取り外すように指示されることはありません。

また興味深いのはWD_BLACK SN750 SE 1TBというSSDの例です。
WD_BLACK SN750 SE 1TBはPCIE4.0対応ではあるもののPC上では連続読み出し速度が3600MB/sと、PCIE3.0x4接続相当なSSDですが、PS5でフォーマットした際に表示される読み出し速度は5000MB/s程度でした。(しかもDRAMキャッシュレスでPS5がサポートしないHMB対応のSSD)
PS5増設SSDの性能要件は5500MB/sなので、PC上では大幅に、PS5のフォーマット時に表示される読み出し速度でも若干下回りますが、性能に関するアラートは表示されません。

実際にPS5ネイティブ対応ゲームタイトルで検証してみても、WD_BLACK SN750 SE 1TBなどPCのベンチマークやPS5のフォーマット時ベンチでスコアの低いSSDが、PS5内蔵SSDや7000MB/s越えの高性能PCIE4.0対応SSDと比較してロード性能で劣るということはありませんでした。
ゲーム側で内部処理として先読みの容易なスタート画面からのコンティニューだけでなく、ファストトラベルのようなユーザーが操作してから読み出しを開始せざるを得ないシーンでも1秒未満の誤差程度の違いしかありません。

個別SSD製品のPS5増設レビュー記事一覧
最後になりましたが、各種SSDの仕様や冷え具合や、さらに詳しい各ゲームにおけるロード性能の比較については、個別にレビュー記事も掲載しています。購入を検討している製品があれば、こちらも参照してみてください。記事が参考になったと思ったら、ツイートの共有(リツイートやいいね)をお願いします。
20種類以上でロード時間比較や温度検証をしてきた筆者が、PlayStation 5の空き容量を増やすのに最適な、オススメのヒートシンク付きM.2 SSDを紹介します。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) October 25, 2023
PS5ストレージの種類と保存できるもの、PCIE4.0対応M.2 SSDの概要など気になる関連情報も網羅して、解説しています。https://t.co/eRKtNshbcI pic.twitter.com/qaWoEwV0jV
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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