SONY INZONE M9


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VRR同期機能やVESA DisplayHDR 600/直下型LEDローカルディミングに対応し、4K解像度かつ144HzリフレッシュレートでHDMI2.1ビデオ入力も搭載する27インチIPS液晶ゲーミングモニタ「SONY INZONE M9(型番:SDM-U27M90)」をレビューします。
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製品公式ページ:https://www.sony.jp/inzone/products/INZONE_M9/
機能紹介:https://www.sony.jp/inzone/special/gamingmonitor/?s_pid=jp_/inzone/_inzonetop
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SONY INZONE M9 レビュー目次

1.SONY INZONE M9の概要
2.SONY INZONE M9の開封・付属品
3.SONY INZONE M9の液晶モニタ本体


4.SONY INZONE M9のOSD操作・設定
     ・INZONE Hubについて
     ・KVM機能の使い方
     ・ファームウェアアップデートの方法 【New】

5.SONY INZONE M9の発色・輝度・視野角
6.SONY INZONE M9の144Hzリフレッシュレートについて

     ・DisplayPortが映らない不具合について

7.SONY INZONE M9の応答速度・表示遅延 【追記】


8.SONY INZONE M9の可変リフレッシュレート同期について
9.SONY INZONE M9のHDR表示やCSゲーム機対応について





10.SONY INZONE M9のレビューまとめ



【2022年7月22日追記】 応答速度とオーバーシュートエラーについての測定結果を追加
【2022年7月29日追記】 DP表示関連のFWアップデートが配信されたのでアプデ方法について追記


SONY INZONE M9の概要

「SONY INZONE M9」は解像度が3840x2160の4K解像度で、画面サイズが27インチの液晶モニタです。液晶パネルタイプはノングレア(非光沢)で発色や視野角に優れたIPS液晶パネルが採用されています。95% DCI-P3の広色域をカバーしています。コントラスト比は通常1,000:1、応答速度は1ms(GTG, 高速モード時)です。

「SONY INZONE M9」はHDR表示に対応しています。ディスプレイ輝度は通常400nit(cd/m^2)、HDR表示におけるピーク輝度は最大600nit(cd/m^2)で、VESAがPCモニター向けに展開している輝度認証のDisplayHDR 600を取得しています。
「SONY INZONE M9」は直下型LEDバックライトが採用し、96分割のローカルディミングに対応します。
SONY INZONE M9_HDR

「SONY INZONE M9」のリフレッシュレートはネイティブ144Hzです。
144Hzの高リフレッシュレートによって応答速度が高速になるのでブレや残像がなくなってクッキリとした滑らかな表示です。60FPSでは識別の難しいゲーム内遠方で動くエネミーやオブジェクトの発見などが容易になるので、オンライン対戦FPSゲームなど競技性の高いPCゲームにおいて対戦相手よりも優位に立つことができます。
SONY INZONE M9_144Hz

「SONY INZONE M9」は、ゲーミングPCやコンソールゲーム機のPlayStation 5やXbox Series X/Sを組み合わせることで利用可能な可変リフレッシュレート同期機能「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync、HDMI Variable Refresh Rate)」にも対応しています。
VRR同期機能によりティアリングがなくスタッタリングを抑えた快適で鮮明なゲーミング環境を実現できます。NVIDIA製GPUとの互換性を証明するG-Sync Compatible認証も取得(予定)しています。
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「SONY INZONE M9」はSONYテレビBRAVIAと同様にPlayStation 5との連携機能にも対応しています。
オートHDRトーンマッピング機能によりPS5本体のHDR調整を自動で最適化するので、明るいシーンと暗いシーンそれぞれで情報をしっかりと映し出すことが可能です。
コンテンツ連動画質モード機能により、PS5でゲームをプレイする時は「ゲーム1モード」に、PS5で映画を観る時には「シネマモード」に画質モードが自動で切り替わります。
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「SONY INZONE M9」のビデオ入力はDisplayPort1.4×1とHDMI2.1×2、USB Type-C×1の4系統です。
USBハブとしてPCと接続するアップストリーム端子に加えて周辺機器を接続するためのダウンストリームUSB3.0端子が3基搭載されています。USB Type-Cでビデオ出力を行っている機器からもUSBハブとして使用できます。
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「SONY INZONE M9」のHDMIビデオ入力はver2.1なのでPlayStation 5やXbox Series X/Sを接続すると4K/120Hz表示に対応します。
「SONY INZONE M9」はDisplayPort1.4で策定されている映像データの非可逆圧縮伝送機能「Display stream compression (DSC)」に対応しています。DSCは映像データを非可逆圧縮しますが視覚的に画質を損なうことがなく、DisplayPortケーブル1本で4K解像度/144FPS/フルRGBの映像データの伝送が可能です。可変リフレッシュレート同期機能やHDR表示とも互換性があります。

「SONY INZONE M9」の寸法はモニタスタンド込みで幅615mm x 高さ409〜479mm x 奥行248mm(モニタ本体の奥行は73mm)となっています。
付属モニタスタンドの機能は『上下チルト:上20度から下0度、左右首振りスイーベル:非対応、昇降高さ調整:70mm、90度回転ピボット:非対応』となっています。
モニタスタンドを含めた本体重量は6.8kg、モニタ単体重量は4.6kg前後です。100mm x 100mmのVESAマウントにも対応しており重量的にもモニターアームが使用可能です。



SONY INZONE M9の開封・付属品

まずは「SONY INZONE M9」を開封していきます。
「SONY INZONE M9」は茶箱に製品名やイラストが黒でプリントされたパッケージが採用されており、パッケージサイズは幅70cm×高さ46cm×厚み23cmで、27インチモニタが入っている箱としては厚みが大きめです。左右に持ち手になる穴があるので、成人男性なら問題なく持ち運べると思います。
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「SONY INZONE M9」はパッケージを開くと、発泡スチロール製スペーサーに収められた各種付属品が現れます。
各種付属品が収められたスペーサーはモニタ本体の梱包の蓋になっており、外箱から取り出すとモニタ本体とスタンド部品が現れます。
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「SONY INZONE M9」の付属品を簡単にチェックしておくと、ACアダプタ&ACケーブル、ロゴステッカー、クイックマニュアル等冊子類が付属します。
15万円と非常に高価なゲーミングモニタですが、HDMI、DisplayPort、USBアップストリームいずれのケーブルも付属しません。
PlayStation 5に付属しているのでHDMI2.1ケーブルはともかくとして、ゲーミングモニタなのにDisplayPortケーブルとUSBアップストリームケーブルが付属しないのは流石に怠慢だと思います。
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「SONY INZONE M9」は95% DCI-P3の非常に広い色域がアピールポイントの1つということもあり、メーカーによるカラーキャリブレーションレポートが同封されていました。
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各種ケーブルを個別に購入する場合のオススメ製品に付いても紹介しておきます。
視覚損失のない非可逆圧縮機能DSCによって4K/144Hz/HDR 10bit RGBに対応するDisplayPort1.4ケーブルなら「サンワサプライ KC-DP14シリーズ」を推奨しています。標準で付属するケーブルよりもケーブル径が細くて取り回しが良いので管理人も個人的に使用しており、おすすめのケーブルです。
おすすめDisplayPort1.4ケーブル


HDMI2.1ケーブルについては「エレコム ウルトラハイスピードHDMIケーブル スリム CAC-HD21ESシリーズ」がおすすめです。標準で付属するケーブルよりもケーブル径が細くて取り回しが良いので管理人も個人的に使用しており、おすすめのケーブルです。
同製品は4.5mm径のスリムケーブルながら、HDMI2.1の正常動作を証明するUltra High Speed HDMIケーブル認証を取得しており、安心して使用できます。
Elecom CAC-HD21ES20BK_top
当サイトでもGeForce RTX 30搭載PC、PlayStation 5、Xbox Series X/Sで正常動作を確認しています。



その他にもケーブル径5.0mm以下でスリムな48Gbps対応HDMI2.1ケーブルについてまとめた記事も公開しているので、こちらも参考にしてみてください。


長さ5m以上でも安定した動作が期待できる光ファイバー式HDMI2.1ケーブルでイチオシは、「Cable Matters Active 8K HDMI Fiber Optic Cable」です。
「Cable Matters Active 8K HDMI Fiber Optic Cable」は、HDMI協会の公式認証であるUltra High Speed HDMI認証を取得、さらにXbox Series X/S互換製品認証も取得しており、ケーブル性能の保証としては隙の無いカンペキな製品です。
5mが7000円、10mが10000円で光ファイバー式HDMIケーブルとしては標準的なお値段で、 信頼性の高さも考慮したらかなりリーズナブルだと思います。
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当サイトでもGeForce RTX 30搭載PC、PlayStation 5、Xbox Series X/Sで正常動作を確認しています。




「SONY INZONE M9」は外付けACアダプタを使用しますが、ACアダプタにはPlayStation 5と同じく2PINのACケーブルを使用します。付属ACケーブルは短いですが、市販の2mのACケーブルも問題なく使用できました。
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「SONY INZONE M9」はモニタスタンドの組み立てでプラスドライバーが必要になるので注意してください。
「SONY INZONE M9」に付属するモニタスタンドはフレームとフットプレートの2つの部品で構成されています。その他の部品としてフレームとフットプレートを固定するためのネジとケーブルホルダーがあります。
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フットプレートをフレームに差し込んで付属のネジで固定します。
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モニタスタンドを組み立てたら、モニタ本体背面の溝に斜め下の方向からモニタスタンドを差し込めば取り付け完了です。
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モニタ側の根本にあるスイッチを押下するとモニタスタンドのロックが解除されます。モニタスタンドを装着した時と逆に手前方向に斜め上へ引き上げればモニタスタンドが取り外し可能です。
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SONY INZONE M9の液晶モニタ本体

続いて「SONY INZONE M9」の液晶モニタ本体をチェックしていきます。
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「SONY INZONE M9」はフレームレス構造で、2mm程度の外枠を含めて上左右の非表示領域の幅は9mm程度、下は17mm程度です。上左右は完全にフレームレスですが、下側フレームは数mm程度手前に出っ張ったフレームがあります。
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「SONY INZONE M9」の背面はマットなホワイトカラーで、スタンドも含めて曲面を組み込んだホワイト&ブラックのデザインはPlayStation 5を想起させます。
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「SONY INZONE M9」はモニタ背面、中央から少し上寄りの窪み部分にLEDイルミネーションを搭載しています。
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LEDイルミネーションの発光カラーはOSD設定メニューから13色で選択できます。完全に消灯させることも可能です。
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モニタスタンドにはケーブルホルダーも付いているので、各種ケーブルを綺麗にまとめて配線できます。
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「SONY INZONE M9」のモニタ本体の厚さは最厚部で80mmほどと最近の液晶モニタとしてはかなり厚みが大きくなっています。モニタ本体重量は4.5kg程度なのでモニターアームも問題ありません。
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「SONY INZONE M9」の背面には下向き、左寄りに各種I/Oポートが実装されています。
左から順番に、3.5mmヘッドホンジャック、ダウンストリームUSB3.0端子×3、アップストリームUSB3.0端子、1基のUSB Type-C(DP1.4対応のDisplayPort Alternate Mode)、1基のDisplayPort1.4、2基のHDMI2.1、DC端子が設置されています。KVM機能の使い方についてはこちらを参照してください。
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「SONY INZONE M9」の付属モニタスタンドの上下チルトの可動域は仕様通り下に0度、上に20度となっています。
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モニタの高さはモニタ本体とスタンドの付け根部分が上下に動く構造になっており、全高で409mm〜479mmの範囲内で調整できます。フレームが斜めなので、昇降するとモニタ本体が前後に動きます。
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SONY INZONE M9はVESA100x100規格のVESAマウントに対応しておりサードパーティ製のモニターアームを使用できます。モニタ単体の重量も4.5kgほどなのでモニターアームを問題なく利用可能です。
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なおVESAネジ穴が背面外装から窪んだ場所にあるモニタの場合、スライド式クイックリリースプレートを採用するモニターアームでは、背面外装とクリックリリースブラケットが干渉して設置できない可能性があります。また直接ネジ止めするタイプでも窪みの面積が狭くて、VESAブラケットとモニタ背面外装が直接干渉することも。
市販モニターアームのVESAブラケットがモニタ背面外装と干渉する場合はスペーサーやスタンドオフを使用してください。詳しくはこちらで。
VESA_Monitor-Arm_Spacer
オススメのモニターアームや調整機能が豊富なVESA汎用モニタースタンド、VESAマウントの干渉を避ける方法についてはこちらの記事で詳細に解説しているので、導入を検討している人は参考にしてください。




SONY INZONE M9のOSD操作・設定

「SONY INZONE M9」のOSD操作はモニタ背面の左下(正面から見て裏側の右下)に設置されているスティックボタンを使用します。
スティックは反応が微妙で、軽く倒すと検出されなかったり、逆にしっかりと倒したときにチャタリング的な2回押下検出になったり。最近では他メーカーでも見なくなったのですが、2010年代の一部モニタにあった感じの操作感です。スティックボタンの下にあるボタンは電源スイッチです。
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スティックボタンを押下すると、画面右下に詳細設定メニューへのショートカットメニューが表示されます。
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ショートカットメニューが非表示の状態で操作スティックを左右に倒すと”音量調整”、上下に倒すと”輝度調整”のショートカット設定が表示されます。
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ショートカットメニューを表示してからスティックを操作するとモニタ右下にOSDメニューが表示されます。OSD表示領域は27インチの1/4程度となっており、文字も大きく視認性は良好です。
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「SONY INZONE M9」のOSDメニューは標準で日本語UIです。誤って他の言語に変えてしまった場合は下記の手順で日本語UIに戻すことができます。
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「SONY INZONE M9」のOSDメニューには大きく分けて、「画質モード」「ゲームアシスト」「画質調整」「入力」「USBハブ」「オーディオ」「パーソナライズ」「OSDメニュー」「その他」の9個の項目が用意されています。
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「SONY INZONE M9」では、「標準」「FPSゲーム」「シネマ」「ゲーム1」「ゲーム2」の5つの画質モードが用意されており、初期設定では「ゲーム1」が選択されています。
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ゲーム関連の表示設定はトップメニューで上から2つ目の「ゲームアシスト」に配置されています。
一般にオーバードライブと呼ばれる応答速度を調整する機能は、SONY INZONE M9では「応答速度」の名前で配置されています。オーバードライブ補正の強度を標準、高速、最高速の3段階で設定ができて、標準設定は標準になっています。
SONY INZONE M9_OSD_OverDrive

可変リフレッシュレート同期機能は「Adaptive-Sync」(HDMI接続時はVRR)の名前で設定項目が配置されています。
SONY INZONE M9_OSD_VRR (1)

黒の強弱を調節して暗がりの視認性を高める機能「ブラックイコライザー」も用意されています。
補正強度はレベル0~3の4段階で設定が可能です。標準設定ではレベル0(おそらく機能OFFの状態)が設定されており、レベルを上げるほど明るくなります。
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ゲーミングのメニューではその他にも、リフレッシュレートの表示や照準点の表示などゲームのプレイに便利な機能の設定が行えます。照準点のカラーが白色のみなのは少し不便かもしれません。
SONY INZONE M9_OSD_Crosshair
SONY INZONE M9_OSD_RefreshRate
SONY INZONE M9_OSD_Timer

一部のモニタではモニタ電源がオフやスリープの時にUSBハブ端子への電力供給が止まる仕様になっていることがありますが、「SONY INZONE M9」では画面スリープ中も電力出力を行う設定が用意されています。
SONY INZONE M9_OSD_USB Power


INZONE Hubについて

「SONY INZONE M9」はDisplayPort接続のDDC/CIや、モニタのアップストリーム端子にUSBケーブルを使用してPCと接続することで(もしくはUSB Type-Cビデオ入力で接続)、PCから専用アプリケーション「INZONE Hub」を介してモニタを管理できます。

INZONE Hubは公式サポートページからダウンロードできます。導入方法はインストーラーをダウンロードしたら起動して、後はポチポチとクリックしていくだけです。
INZONE Hub_install

「SONY INZONE M9」はUSBアップストリームケーブルかUSB Type-CケーブルでPCと接続することで、モニタに実装された3基のUSB3.0端子をハブポートとして使用できますが、INZONE HubでPCからモニタを管理したいだけであれば、DisplayPortケーブルを介したDDC/CIでも同アプリを使用できます。
DisplayPortケーブルだけでINZONE Hubを使用する場合は、OSD設定メニューから予めDDC/CIを有効にしておいてください。
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INZONE Hubからは「SONY INZONE M9」のOSD設定をほぼ全て調整できます。いちいちモニタの背面にある操作スティックを弄る必要がないので、非常に便利な機能です。
INZONE Hub (1)
INZONE Hub (2)
INZONE Hub (3)
INZONE Hub (4)

INZONE HubにはWindowsアプリケーションとの連動機能があり、個別のPCゲームなどアプリケーションを登録しておくと、そのゲームがアクティブになった時にペアにした画質モードに自動的に切り替えてくれます。
INZONE Hub (5)


KVM機能について

「SONY INZONE M9」に搭載された3基のUSB Type-Aポートはハブ端子として使用でき、USB機器を接続するPCやゲーム機についてはOSD設定のKVM機能で変更できます。
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USB Type-C端子は対応PCを接続すればビデオ出力とデータ通信の両方を同時に使用できますが、単純にデータ通信のアップストリーム端子としても使用できます。
なお後述のUSB Type-BはUSB3.2 Gen1対応ですが、USB Type-Cのデータ通信速度はUSB3.2ではなくUSB2.0です。USBマウス・キーボードの接続やUSBメモリで数MB程度のデータ共有といった用途なら問題ありませんが、外付けSSD/HDDで大容量データの転送には不向きなので注意してください。

USB Type-C端子で接続したPCからハブポートを認識させたい場合、”KVM スイッチ 1”を変更します。
USB Type-Cでビデオ出力も行うのであれば”USB Type-C連動”を選択し、単純にデータ通信だけであればPCのビデオ出力が繋がっているポート(HDMI1/HDMI2/DPのいずれか)を選択します。
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USB Type-B端子で接続したPCからハブポートを認識させたい場合、”KVM スイッチ 2”を変更します。PCのビデオ出力が繋がっているポート(HDMI1/HDMI2/DPのいずれか)を選択します。
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ファームウェアアップデートの方法

「SONY INZONE M9」のフォームウェアアップデート方法を紹介します。
発売前予約を含め初期に販売された製品(ファームウェアバージョン:M004)は、DisplayPortやUSB Type-Cで接続した機器との相性によって正常に表示できない不具合が確認されています。その他の軽微な不具合を含めて7月29日配信の新バージョンM006で修正されるとのことなのでアップデート推奨です。ファームウェアバージョンはOSDメニューから確認できます。
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「SONY INZONE M9」のフォームウェアをアップデートを行うには、モニタを表示できるPC(インターネット接続あり)と、USBアップストリームケーブルが必要になります。
USBアップストリームケーブルはUSB Type-C(データ通信のみ)、USB Type-BのどちらでもOKです。なければ購入する必要がありますが、ともあれPCのUSBポートと接続できるケーブルを用意してください。
PCと接続するUSBケーブルとビデオ入力をOSDメニューのKVMスイッチ 1/2にリンクさせてください。
HDMI1で表示してアップデートを行う場合、USB Type-Cで接続するならKVMスイッチ1、USB Type-Bで接続するならKVMスイッチ2の設定を”HDMI1連動”に変更します。
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マウス・キーボードやUSBメモリ等をモニタのUSBハブポートに接続して、PCからモニタUSBハブに繋がっていることが確認できたら、専用ソフトウェアINZONE Hubを開きます。
PCがインターネットに接続されていればINZONE Hubが自動的に「SONY INZONE M9」のファームウェアアップデートの有無を確認し、アップデートがあれば左側メニューの本体設定に赤色丸のインジケーターが点灯します。
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本体設定の項目を開いて下にスクロールするとアップデートのアイコンが表示されるので、後はポチポチとクリックしてくだけです。
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SONY INZONE M9_FW-Update_3
SONY INZONE M9_FW-Update_4
ファームウェアアップデートの最後の方で一度、映像が途切れて『〇〇入力の信号なし』と表示されますが、そのまま放置すると自動的に電源が切れて、再起動します。再起動したらINZONE Hubでファームウェアアップデート完了の表示が出ているはずです。
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最後に念のため、ファームウェアバージョンが変わっているか確認しておいてください。
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SONY INZONE M9の発色・輝度・視野角

SONY INZONE M9の発色・輝度・視野角など画質についてチェックしていきます。
直接的な画質ではありませんがSONY INZONE M9の液晶パネルは光沢のあるグレアではなくアンチグレアタイプなので暗転時に自分の顔などが映り込みません。
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液晶パネルには大きく分けてIPS液晶パネルとVA液晶パネルとTN液晶パネルの3種類があり、各社個別の製品によって個体差はあるものの、この3つの液晶パネルの特性を簡単にまとめると次のテーブルのようになります。
「SONY INZONE M9」に採用されているIPS液晶パネルはTN液晶パネルやVA液晶パネルと比べると色再現性や視野角など一般に画質に直結する性能が優れている反面、価格が高価になりがちな液晶パネルです。TN液晶パネルに比べて応答速度が遅めなので、60Hzオーバーのリフレッシュレートを実現しているIPS液晶パネル採用ゲーミングモニタは少ないため、輪をかけて高価です。とはいえ画質とリフレッシュレートを両立できるので、予算に糸目をつかないエンスーゲーマー勢に好まれています。
液晶パネルの簡易比較表

IPS VA TN
色再現性
コントラスト
視野角
応答速度
価格 (高RR)
△ (×)

液晶パネルの種類による性能の違いについてはこちらの記事も参照してみてください。
IPS/VA/TN液晶パネルを比較解説 - ゲーミングモニタの選び方[4]
IPS/VA/TN液晶パネルを比較解説


「SONY INZONE M9」は144Hzの高速リフレッシュレートながら、IPS液晶パネルが採用されているので視野角も良好です。
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「SONY INZONE M9」の発色について、色温度の標準設定である”通常”で、白色が極端に黄色や青色がかって見えることもなく、特に違和感はありませんでした。
色温度設定には中/低(暖色)/高(寒色)の3種類のプリセットがありますが、これらを切り替えても発色に違和感がある場合は、ユーザー設定でRGBのバランスを好みに合わせて整えてください。
SONY INZONE M9_OSD_Color-Temp (1)
SONY INZONE M9_OSD_Color-Temp_manual
「SONY INZONE M9」はガンマの設定にも対応しており、標準の2.2に加えて、1.8、2.0、2.4の4段階で調整できます。
SONY INZONE M9_OSD_gamma
その他にも色相(色あい)や彩度(色の濃さ)も調整できます。
SONY INZONE M9_OSD_Color-Settings (1)
SONY INZONE M9_OSD_Color-Settings (2)

「SONY INZONE M9」は96分割のローカルディミングに対応していますが、HDR表示だけでなくSDR表示でもローカルディミングを有効化できます。ローカルディミングの詳しい動作についてはHDRに関する章で説明します。
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ここからはカラーキャリブレータを使用して、色域・色再現性・輝度・コントラスト・均一性など画質に直結するモニタの性能について詳細な検証結果を見ていきます。なおこれらのモニタ性能(特に輝度の均一性)については同じ製品であっても個体差が大きいのでご注意ください。
検証にはカラーフィルター式(色差式)のX-Rite i1 Display Pro PlusとDatacolor SpiderX、そして分光式(スペクトロメーター)のX-Rite i1 Basic Pro 3を使用しています。
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「SONY INZONE M9」のディスプレイ輝度について白色点の輝度をOSD設定別で測定しました。OSD上の輝度設定10%刻みで0%~100%の輝度変化は次のようになっています。
「SONY INZONE M9」において、一般に見やすい明るさと言われる120cd/m^2は輝度25%前後、室内照明に依りますが個人的に見やすいと感じる明るさの180~200cd/m^2は輝度50%前後です。
「SONY INZONE M9」はSDR表示でも最大輝度が400cd/m^2以上なのでけっこう明るいモニタです。
SONY INZONE M9_brightness

「SONY INZONE M9」のディスプレイ輝度の均一性(Uniformity)を検証しました。画面中央の輝度が約120cd/m^2になるOSD設定において、画面を横7×縦5の35分割として各位置の白色点の輝度を測定し、中央輝度を基準にしたパーセンテージで等高線マップにしています。
「SONY INZONE M9」は中央に限って言えば輝度分布は平坦で良好なのですが、周辺にいくと輝度の低下が大きくなり、全体では台地のような分布です。
SONY INZONE M9_uniformity_1
液晶モニタにおいて輝度の低下が特に大きい四隅&四辺は、上のような領域分割測定では見落とされてしまうので、同様に中央120cd/m^2を基準にして個別に測定したところ次のようになりました。
「SONY INZONE M9」はやはり四隅の輝度低下が30%程度と大きいので、下のような白色画面だけでなく比較的に単調な色味の画面では四隅が暗くなっているのを感じやすいと思います。
「SONY INZONE M9」は中央大部分の均一性が優れているので、相対的にも外側5cm幅程度の四角枠部分で輝度低下が気になるという人は多そうです。
SONY INZONE M9_uniformity_2_Corner
参考までに輝度と色温度による色差の分布です。「SONY INZONE M9」の場合、中央を白色基準として上側が寒色寄り、下側が暖色寄りな傾向ですが、色差の主な要因は輝度低下となっており、色温度の変化はそれほど感じません。
SONY INZONE M9_uniformity_3_temp

あと直下型LEDバックライトを採用する一部の製品では、ローカルディミング無効化のSDR表示でもバックライト配列による縞模様が浮かぶことがあります。
「SONY INZONE M9」もゲームプレイなど一般的なカラー表示では問題ないのですが、白色単色表示のような特定の表示では縦縞模様が薄っすらと見えました。写真にするのが難しいのですが、何となく見えると思います。
カラフルなゲームプレイであれば問題ないのですが、白色背景のブラウジング用途やクリエイター向けとしては気になるかもしれないので注意してください。
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画面中央の白色点が約120cd/m2になるOSD設定において「SONY INZONE M9」のブラックレベルを測定したところ次のようになりました。ブラックレベルの測定にはX-Rite i1 Display Pro Plusを使用しています。
SONY INZONE M9_contrast_black-level
またこの時のコントラスト比も算出したところ次のようになっています。なおコントラスト比に大きく影響するブラックレベルはコンマ2桁での測定になるため測定精度が若干怪しく、ブラックレベル0.01の差でコントラスト比が大きく変わるので参考程度と考えてください。
SONY INZONE M9_contrast

続いて「SONY INZONE M9」の色域と色の正確性を検証してみました。
まずはモニタのOSD設定をゲーム1(ローカルディミング:オフ、色の濃さ:50、ディスプレイ輝度:120cd/m^2になるように調整)として、任意のカラープロファイルを適用しない場合、次のようになりました。
「SONY INZONE M9」は標準モードでそのまま使用しても100% sRGBに加えて、88% Adobe RGB、93% DCI-P3という非常に広い色域をカバーしています。
なお「SONY INZONE M9」には色域をsRGBに制限するsRGBエミュレートモードがありません。画質モードを標準やシネマに変更しても上記と同じ色域でした。クリエイターなどsRGBが必要な人はPC側で制限する必要があります。
SONY INZONE M9_color_perf_def
一方で色の正確性も平均ΔEが0.90となっており、標準設定のままでも優秀です。X-Riteによると『ΔE=1程度で2つの色を横にくっつけて見比べた時に違いが判別できるレベル』とのこと。
Color-Accuracy_delta-E

なお「SONY INZONE M9」の画質モード”ゲーム1”では画質設定のうち色の濃さの設定値が60になっています。色精度を求める場合は50に下げてください。
SONY INZONE M9_OSD_Color-Settings (2)

次にX-Rite i1 Basic Pro 3を使用してカラーキャリブレーションを行いました。キャリブレーション設定は下のスクリーンショットの通りですが、i1 Profilerの標準設定をそのまま採用しています。
i1 Pro2_Calibration_Setting (1)
i1 Pro2_Calibration_Setting (2)i1 Pro2_Calibration_Setting (3)
「SONY INZONE M9」では色温度を標準設定(暖かい)にするとRGBの強さに差が大きいとアラートが出たので、手動で調整できるユーザー設定モードでR(赤)=100, G(緑)=97, B(青)=94としてキャリブレーションを行いました。
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X-Rite i1 Basic Pro 3によってカラーキャリブレーションで作成したICCファイルを適用し、同じくX-Rite i1 Basic Pro 3で行った品質検証(色の正確性の検証)の結果は次のようになっています。X-Rite i1 Basic Pro 3は分光式(スペクトロメーター)のカラーキャリブレータなので、測定精度はこちらの方が高いはずです。
上の測定結果ではカラーキャリブレーション前の色の正確性はΔE 0.90でしたが、カラーキャリブレーション後にX-Rite i1 Basic Pro 3で測定した色の正確性はΔE 0.3と非常に優秀な数値です。
SONY INZONE M9_color-accuracy_i1pro3


また分光型測色計(スペクトロメーター)で測定した輝度120cd/m^2における白色点のカラースペクトラムが次のようになっています。
カラースペクトラムから発色の良いモニタを見分けるざっくりとしたポイントは『RGB各色のピークが鋭く立ち上がり、かつ高さが同程度であること』です。一般的な液晶モニタは白色LEDバックライト(青色LEDを光源として赤緑(≒黄)蛍光体を組み合わせて白色を生成する)を採用しているので青色のピークが高くかつ鋭くなります。白色を基準として測定した場合、緑と赤のピークの高さは色温度のOSD設定で若干上下します。以上から簡単化すると『緑と赤のピークが鋭くなっているかどうか』をチェックすればカラースペクトラムの良し悪しがざっくりと判定できます。
一般的な液晶パネル(IPS/VA/TNに依らず)であれば下画像の左側のように青のピークだけが強く、残りの分離が弱い波形になりますが、LG製Nano-IPSで有名なKSF蛍光体や、Quantum Dot(量子ドット)といった最新技術が採用された液晶パネルは各色の分離が良く、ピークも急峻になります。
Color Spectrum

「SONY INZONE M9」のディスプレイパネルについてはIPSという分類以外の詳細は不明でしたが、赤色ピークの左に小さい山がある特長から推測するに、KSF蛍光体(LG製Nano-IPSで有名)の技術を採用した液晶パネルのようです。
SONY INZONE M9_spectrum



SONY INZONE M9の144Hzリフレッシュレートについて

「SONY INZONE M9」の最大の特徴の1つである144Hzリフレッシュレートについてチェックしていきます。

まずは「SONY INZONE M9」の特徴の1つである”144Hzリフレッシュレート”について、その意味自体は特に説明せずとも読者はご存知だと思いますが、一般的な60Hzリフレッシュレートの液晶モニタが1秒間に60回の画面更新を行うのに対して、144Hzリフレッシュレートであれば標準的な60Hzの2.4倍となる1秒間に144回の画面更新を行います。
最近では競技ゲーマー向け製品で240Hzの超高速リフレッシュレートなゲーミングモニタも普及しつつあり、さらには、それを1.5倍に上回る360Hzの超々高速なリフレッシュレート対応製品も各社から販売されています。
60Hz-144Hz-240Hz RefreshRate
1秒間に144回の画面更新を行う144Hzリフレッシュレートの物理的なメリットとしては、単純に秒間コマ数が増えるので映像がより滑らかになります。上の章で詳しく検証したようにリフレッシュレートが上がると応答速度も上がって細部がクッキリとしたシャープな映像に見えやすくなり、加えて画面更新間隔が短くなるので表示遅延が小さくなり、一般的な60Hz環境よりもスピーディーなプレイで他者を圧倒しやすくなります。



「SONY INZONE M9」ではNVIDIA GeForce RTX 30シリーズやAMD Radeon RX 6000シリーズなど最新グラフィックボードのDisplayPort1.4のビデオ出力に接続することによって、モニタリフレッシュレートを144Hzなどに自由に設定できます。
SONY INZONE M9_144Hz_NVIDIA
「SONY INZONE M9」のDisplayPortビデオ入力は上述の通り標準ではver1.4(DSC)に対応していますが、出力機器に対する下方互換性を確保する設定が用意されています。
SONY INZONE M9_OSD_DisplayPort Ver



「SONY INZONE M9」でDisplayPortビデオ入力(互換規格のUSB Type-Cも)が映らない不具合については、モニタからDC端子を抜いて電源ボタンを数秒長押し、その後、10~20分程度放置すると直ります。
また7月29日に新ファームウェアM006が配信されていますがこの不具合は解消されていません。アップデート方法はこちらを参照してください。
(モニタスタンドでケーブルがS字に曲がるので、昇降・チルト調整でビデオケーブルの接続が悪くなっている可能性もあります。上記に加えてDisplayPort端子の挿抜も試してみてください。)
管理人の環境でも、一度、DisplayPortが映らなくなる不具合が発生しましたが、上記の手順で改善が見られました。
DSC09311_DxO

『DisplayPortが一度は映ったけど、しばらくして動作しなくなった』というパターンであれば上記の操作で改善すると思います。DP1.2に下げると映るというのもこのパターンです。
また『最初から一切映らない』、『95Hz以上が動作しない』というケースについても上記手順で改善するのではないかと。

『120Hzや144Hzのリフレッシュレートで画面が映る状態とブラックアウトを繰り返す』ような症状の場合は、DisplayPortケーブルの品質が怪しい気がします。
当サイトのモニタレビューではお馴染みのいつも紹介しているやつですが、サンワサプライから発売されているこちらのケーブルを試してみてください。



SNS等でも報告が多数上がっていますが、「SONY INZONE M9」のDisplayPortビデオ入力(互換規格のUSB Type-Cも)は7月29日現在のファームウェア(M006)において、ブラックアウトして映像が映らない不具合が確認されています。
アウトボックス直後は管理人の個体も正常に映っていたのですが、何度か使用しているうちに移らなくなりました。
何かしらの条件を満たすと、”入力信号をスキャン中”という表示の後にそのまま暗転し続けて画面が映らなくなります。一度こうなるとOSD設定を初期化しても症状は解消できません。
現状で可能な対応としてはHDMIビデオ入力で画面を映した状態でOSD設定にアクセスし、上で紹介したDisplayPortバージョンを1.2に下げると画面は映ります。ただし解像度は4K/60FPSが上限になってしまいますが。
DSC09281_DxO
DisplayPortビデオ入力が映らない不具合については、おそらく何らかの条件を満たすとモニタ側のDSC機能がバグって正常に画面を表示できなくなり、ブラックアウトしてしまうのだと思います。
PCを接続した場合、HDMI2.1でも4K/120Hz/HDR RGB 10bitでブラックアウトが発生しました。カラーフォーマットをYUV420にすると映るのでこちらもDSCが怪しい気が。
Windowsデスクトップは映るのですが、ゲーム画面(がアクティブ)になるとブラックアウトするので、GeForceドライバがDSCが有効/無効を切り替えているのではないかと思います。



あとリフレッシュレート関連でもう1つマイナーな?現象ですが、「SONY INZONE M9」をNVIDIA環境のゲーミングPCに接続したところ、NVIDIAコントロールパネルからG-Syncを有効にしておかないと、ディスプレイのリフレッシュレートを120Hzや60Hzに下げても実動リフレッシュレートが144Hzで固定される不具合がありました。
この現象はPCを接続するとDisplayPortとHDMIの両方で発生します。一方でPlayStation 5やXbox Series X/Sの120Hzは正常に動作しました。

PC側がモニタに指定したリフレッシュレートに合わせて、120Hz指定なら120FPSの映像データを送っても、モニタ側は144Hzで画面を更新するので、一定間隔でカクツキ(スタッター)が発生します。
NVIDIA環境の場合はNVコンパネからG-Syncを有効にすることで現象は回避できますが、VRRを使用したくないユーザーには地味に致命的です。(こちらの問題は上記のDPが映らない件とは無関係に発生します。)




ゲーミングPCとゲーミングモニタの接続にはDisplayPortを使用するのが現在の主流ですが、「SONY INZONE M9」に搭載された2基のHDMIビデオ入力は最新規格HDMI2.1に対応しており、4K/120FPSの映像伝送が可能です。
NVIDIA GeForce RTX 30シリーズやAMD Radeon RX 6000シリーズなど最新グラフィックボードのHDMI2.1ビデオ出力と接続した場合、「SONY INZONE M9」はフルRGBで4K/1Hzの表示に対応します。
HDMI2.1対応ゲーミングモニタの中にはHDMI2.1接続時にDisplayPort1.4と同じく4K/144Hzに対応する製品もありますが、「SONY INZONE M9」では120Hzが上限でした。(今後のファームウェアアップデートで対応するかもしれません)
SONY INZONE M9_144Hz_HDMI


モニタリフレッシュレートの設定は、NVIDIA製GPUの場合は上のスクリーンショットのようにNVIDIAコントロールパネルから、AMD製GPUの場合はWindowsのディスプレイ設定から行います。
AMD GPU_RefreshRate_Setting


オンライン対戦FPSなど競技性の高いゲームにおいて144Hzや240Hzなど高リフレッシュレートのモニタを使用した時の実用的なアドバンテージとして、ゲーム内視線を左右に振った時の視認性が上がるという例は直感的にもわかりやすいメリットですが、その他にもゲーム内遠方に存在して動いているエネミーやオブジェクトの視認性が上がるというメリットも存在します。
下の比較動画では4分割して映像を並べていますが、右下以外の3つは右下画面の緑枠部分を拡大するよう接写して、「SONY DSC-RX100M5」の16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影したものになっています。リフレッシュレート別で左上は60Hz、右上は120Hz、左下は240Hzとなっていますが、赤枠で囲った建物の出入り口付近で左方向に移動する敵の動きはリフレッシュレートが上がるほど視認しやすくなるのがわかると思います。


またハイリフレッシュレートなゲーミングモニタでは表示遅延も小さくなります。
表示遅延が小さいメリットとしては、視認と操作の繰り返し応答が良くなることに加えて、例えば下の動画のように壁に隠れたターゲットが壁から出てきた時、画面に表示されるのが実際に速くなります。

240~360Hz・FPSでシステム遅延が小さい環境の攻撃側に敵(守備側)が見えているのに対して、一般的な60Hz・FPSでシステム遅延が大きい環境の守備側は敵(攻撃側)が見えていない様子がハッキリと映っています。


主観の画面表示を基準にしてみると、クロスヘア中央にターゲットをエイムしてから撃ち始めた場合、240Hzのほうが60Hzより先に着弾します。ターゲットが逃げる場合は50ms程度の差で撃ち漏らす場合もあります。
技術云々ではなく、単純に、クロスヘア中央にエイムするという同じタイミングで撃ちあっていたら、リフレッシュレートが高いモニタを使っている方が勝ちます。加えて操作と画面表示の繰り返し応答も早いので、当然、リフレッシュレートが高い方がエイムもスムーズになります。



なお「SONY INZONE M9」で4K解像度/144FPSを狙うには、元から軽めのPCゲームや画質設定を下げた最新PCゲームであってもグラフィックボードのGPU性能はかなり高い水準で要求されます。
ゲーミングモニタとして「SONY INZONE M9」を使用するのであれば2022年最新のハイエンドGPUであるNVIDIA GeForce RTX 3080やAMD Radeon RX 6800 XTがおすすめです。
GeForce RTX 30シリーズのレビュー記事一覧へ
GeForce RTX 30

Radeon RX 6000シリーズのレビュー記事一覧へ
Radeon RX 6000 Series


非可逆圧縮伝送機能「Display stream compression (DSC)」について

視覚損失のない非可逆圧縮伝送機能「Display stream compression (DSC)」について説明しておきます。




SONY INZONE M9の応答速度・表示遅延

次にゲーミングモニタのハードウェア性能として特に重要な、「SONY INZONE M9」の応答速度や表示遅延についてチェックしていきます。

まずは「SONY INZONE M9」の応答速度について検証していきます。
なおゲーミングモニタを選ぶ、もしくはモニタの応答速度や残像を評価する上で重要な予備知識である『液晶モニタの応答速度とオーバードライブ機能』についてはこちらの記事で簡単に紹介しているので、よくわからないという人は先に確認してみてください。
ゲーミングモニタの選び方[1] 応答速度とオーバードライブについて
ゲーミングモニタの選び方[1] 応答速度とオーバードライブについて

「SONY INZONE M9」のOSDメニュー上ではオーバードライブ機能は「応答速度」の名前で配置されています。オーバードライブ補正の強度は標準、高速、最高速の3段階で設定ができます。
「SONY INZONE M9」のオーバードライブ設定は標準設定の”標準”から”高速”に引き上げることで、若干、応答速度が高速になるものの、低いリフレッシュレートではオーバーシュートの残像が多少出てしまいます。
実際に”高速”を使ってみて、違和感がなければ設定値を引き上げても良いですし、100Hz以上で適切かつ60Hz以下でも綺麗な応答を見せるので標準設定の”標準”で決め打ちにしてもいいと思います。
SONY INZONE M9_OSD_OverDrive

応答速度の確認には「UFO Test: Ghosting」を使用します。同テストではUFOが移動する背景カラーを選択できますが、今回の検証ではブラック/グレー/ホワイトの3色を選択しています。
背景カラーがブラックの場合は各液晶パネルにおいて応答速度は高速な数値を示すので、概ね理想的な応答を確認することになります。背景カラーがホワイトの場合の応答速度は、ドキュメントやウェブページでテキストをスクロールした時の文字の滲み度合いの参考になります。背景カラーがグレーの場合、中間色に移るまでの応答速度を比較することになるので、一般的なゲームプレイにおける物理的な残像の少なさの指標として参考になります。
UFO Test_Ghosting

まずは簡単にシャッタースピードを十分に速くして「UFO Test: Ghosting」の様子を写真撮影してみたところ、「SONY INZONE M9」を120Hzリフレッシュレート、オーバードライブ設定を”標準”で動作させると、ベストタイミングでも1つ前のフレームが薄っすらと残る感じでした。
DSC00843
オーバードライブ設定を”高速”に引き上げると過渡応答は高速になるのですが、オーバーシュートによる色滲みが若干生じます。
DSC00877
DSC00913


さらに「SONY INZONE M9」のリフレッシュレートを変えてみたり、他の液晶モニタを比較対象にしたりしながら、「UFO Test: Ghosting」の様子を「SONY DSC-RX100M5」の16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影し、比較してみます。
Response-and-Latency Test

「SONY INZONE M9」のリフレッシュレートをネイティブ対応する最大値の144Hzにした時、”標準”もしくは”高速”が最適な設定です。標準設定の”標準”から”高速”に引き上げると多少オーバーシュート感はありますが過渡応答が高速になるのでこの2つについてはお好みでという感じです。 ”最高速”にするとオーバーシュートが強く、はっきりと色滲みが出るので非推奨です。


逆にリフレッシュレートを60Hzに下げると、オーバードライブ設定は”標準”が最適設定です。”高速”にするとオーバーシュートで色滲みが出てしまいます。


可変リフレッシュレート同期機能を使用する場合、負荷に応じて60FPS~144FPSでフレームレート/リフレッシュレートが変動するので、60Hzにおいてオーバーシュートによる色滲みが気にならないのであれば”高速”、気になるようであれば”標準”がオススメです。



続いて5760FPS(96倍速)のスーパースローモーションカメラで同等スペックの液晶モニタと応答速度を比較します。
予備知識として2022年現在、4K/144Hz/HDMI2.1搭載ゲーミングモニタには、「LG 27GP950-B」などLG製パネル、「ASUS TUF Gaming VG28UQL1A」や「Acer Nitro XV282K KV」などInnolux製パネル、「ASUS ROG Swift PG32UQ」や「MSI Optix MPG321UR-QD」などAUO製パネルの3種類があり、LG製とInnolux製パネルが1ms GTGの公称スペックで実際に応答速度も最速、AUO製は少し遅いものの量子ドット採用で発色が最優という特長に分けられます。
2022年中頃からこれら3種類に加えていくつか新種のパネルも出ていますが、概ね上記のような感じです。


「SONY INZONE M9」との比較対象には、同じく4K解像度/144Hz対応の「LG 27GP950-B」と「BenQ MOBIUZ EX3210U」を使用し、120Hzリフレッシュレートで統一しています。
「SONY INZONE M9」に採用されている液晶パネルは上述の3つに当てはまらない、KSF蛍光体構造のパネルであり、その公式スペックではオーバードライブ設定が”高速”において1ms GTGです。
動画を見ての通り、「SONY INZONE M9」は、LG製パネルの「LG 27GP950-B」やInnolux製パネルを採用する製品といった同じく応答速度の仕様値が1ms GTGの製品と同等の高速な応答を発揮しています。
「BenQ MOBIUZ EX3210U」は量子ドット採用のAUO製パネルなので、発色は飛び抜けて優秀な反面、応答速度では一歩劣ります。



続いてスーパースローモーション動画ではなく、オシロスコープ&光プローブのような光センサーを利用した定量的な測定で応答速度についてチェックしていきます。
ここで確認するのは製品スペックに置いて『〇〇s (GTG)』などと表記される性能そのものです。統計的な扱いや解析には差があるかもしれませんが。

「SONY INZONE M9」の最大リフレッシュレートで最適OD設定を適用した時の応答速度とオーバーシュートエラーのヒートマップは次のようになっています。
SONY INZONE M9_response_heatmap_144Hz_1
SONY INZONE M9_response_vs_Best

ゲーム機や動画視聴において一般的な60Hzリフレッシュレートにおいて、「SONY INZONE M9」に最適OD設定を適用した時の応答速度とオーバーシュートエラーのヒートマップは次のようになっています。
SONY INZONE M9_response_heatmap_60Hz_1
SONY INZONE M9_response_vs_60Hz

ゲーミングPCだけでなくPlayStation 5やXbox Series X/Sといった最新ゲーム機も対応する120Hzの高速リフレッシュレートにおいて、「SONY INZONE M9」に最適OD設定を適用した時の応答速度とオーバーシュートエラーのヒートマップは次のようになっています。
SONY INZONE M9_response_heatmap_120Hz_1
SONY INZONE M9_response_heatmap_120Hz_2
SONY INZONE M9_response_vs_120Hz


最後に「SONY INZONE M9」の表示遅延(内部遅延)について測定を行いました。
モニタにはGPUのビデオ出力が送られてきてから実際にモニタに表示されるまで遅延が存在し、この遅延が大きいと例えば、FPSゲームでゲームパッドのトリガーやマウスのクリックによる操作からワンテンポ遅れて、マズルフラッシュが表示される、といった現象が発生します。人間は当然目で見てから操作するので、格闘ゲームやFPSゲームなど1,2フレームを争うような競技性の高いゲームにおいてはモニタの表示遅延が可能な限り小さいことが望まれます。
nvidia-reflex-end-to-end-system-latency-terminology

システム表示遅延やディスプレイ表示遅延の測定には、フォトセンサーを使用した特殊な測定機器「PC Gaming Latency Tester」を使用しています。当サイトのレビュー用に特注した機器なので、詳細についてはこちらの記事を参照してください。


「SONY INZONE M9」やその他の比較モニタのディスプレイ表示遅延の測定結果は次のようになりました。測定方法的に遅延が2ms以下であればディスプレイ内部の表示遅延は誤差の範囲内で十分に小さいと考えてOKです。
SONY INZONE M9_latency_1_display

「SONY INZONE M9」やその他の比較モニタのシステム表示遅延の測定結果は次のようになりました。この測定値は一般的なPCゲームにおける操作から画面表示の変化までの遅延に一致します。
グラフの通りリフレッシュレートを上げると応答速度だけでなく表示遅延も改善するのでゲーマーにとってハイリフレッシュレートなゲーミングモニタを選択するメリットは大きいということが分かると思います。
SONY INZONE M9_latency_2_system



SONY INZONE M9の可変リフレッシュレート同期について

続いて「SONY INZONE M9」が対応する可変リフレッシュレート同期機能「AMD FreeSync / NVIDIA G-Sync Compatible(VESA Adaptive-Sync、HDMI Variable Refresh Rate)」についてチェックしていきます。

モニタの画面更新(リフレッシュ)に関する基本的な予備知識や、「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync、HDMI Variable Refresh Rate)」と「NVIDIA G-Sync Compatible」の関係についてはこちらの記事を参考にしてください。
ゲーミングモニタの選び方[3] FreeSyncとG-Sync Compatibleについて
AMD FreeSync_NVIDIAG-Sync Compatible
なお当サイトのレビューではNVIDIA環境について、G-Syncモジュールが搭載されたモニタにおける可変リフレッシュレート同期機能を単純にG-Syncと呼び、AMD FreeSync(VESA Adaptive-Sync)に対応したモニタにおける可変リフレッシュレート同期機能はG-Sync CompatibleもしくはAdaptive-Syncと呼びます。またドライバでそのモニタが正式にサポートされている場合はG-Sync Compatible認証取得済みと補足します。


「SONY INZONE M9」は48Hz~144Hzの範囲内で「AMD FreeSync / NVIDIA G-Sync Compatible (VESA Adaptive-Sync、HDMI Variable Refresh Rate)」など可変リフレッシュレート同期に対応しています。2022年7月現在、GeForce Driver 516.59でG-Sync Compatible認証は未取得でした。
従来のNVIDIA製GPUではHDMI経由でG-Sync Compatibleは利用できないケースが多かったのですが、HDMI2.1では伝送技術の規格の一部としてVRR同期が内包されているので、「SONY INZONE M9」ではHDMI経由でもG-Sync Compatibleを利用できます。
SONY INZONE M9_G-Sync-CP
当然、AMD製GPU環境でもAMD FreeSyncを有効化できます。可変リフレッシュレート同期機能の対応フレームレートは48Hz~144Hzの範囲内です。


可変リフレッシュレート同期機能が正常に動作してリフレッシュレートが可変になると、「SONY INZONE M9」のOSDメニューから確認できるリフレッシュレートがフレームレートに合わせて変動するようになるので、機能が正しく動作しているかどうかはここを見て確認してください。
DSC09285_DxO

以下、「SONY INZONE M9」で可変リフレッシュレート同期機能を使用する手順について説明しますが、共通の確認事項として、OSD設定で「Adaptive-Sync」(HDMI接続時はVRR)の項目をオンにしてください。
SONY INZONE M9_OSD_VRR (1)






SONY INZONE M9のHDR表示やCSゲーム機対応について

最後に「SONY INZONE M9」のHDR表示やCSゲーム機の対応(4Kエミュレートなど)についてチェックしていきます。
HDR表示やCSゲーム機対応について
HDMI ver, ポート数
HDMI2.1 (40Gbps, DSC1.2a) ×2
HDR表示 対応
VRR同期 併用可能
カラーフォーマット
DisplayPort1.4
4K/144Hz/10bit RGB
カラーフォーマット
HDMI2.1
4K/120Hz/10bit RGB
ピーク輝度(実測) 869cd/m^2
輝度認証 VESA DisplayHDR 600 
ローカルディミング 対応、96分割
4Kエミュレート 4Kネイティブ対応
PlayStation 5 4K/120FPS対応, YUV422
Xbox Series X/S 4K/120FPS対応


HDR表示への対応やカラーフォーマットについて

「SONY INZONE M9」はHDR表示に対応しており、VESAがPCモニタ向けに展開している輝度認証のVESA DisplayHDR 600を取得しています。

「SONY INZONE M9」は映像ソース機器から常時、HDR信号を受け付けるように認識されますが、HDR映像の入力があると画像モードがHDRモードへ自動的に切り替わります。(OSDメニュー上では直前のSDR表示の画像モードで固定されて、その他はグレーアウト)
DSC09271_DxO
HDRモードでは色設定のほぼ全てが排他利用(グレーアウト)になります。HDR映像ソースが入力されると輝度も自動制御になります。ゲームアシストの設定はSDR同様に調整可能です。
DSC09272_DxO
DSC09270_DxO


「SONY INZONE M9」はDisplayPort1.4 DSCに対応しているので、最新グラフィックボードを搭載したゲーミングPCと接続した場合、4K/144HzのHDR表示において、RGB 10bitのカラーフォーマットに対応します。G-Sync Compatibleなど可変リフレッシュレート同期機能も併用が可能です。
SONY INZONE M9_HDR_4K-144Hz_DP_HDR_10bit-RGB

また「SONY INZONE M9」のHDMI2.1ビデオ入力の伝送レートはフルスペックの48Gbpsではなく40Gbpsですが、視覚損失のない非可逆圧縮機能 Display Stream Compression (DSC) 1.2aに対応しています。
SONY INZONE M9_HDMI2.1_spec
最新グラフィックボードと接続した場合、4K/120Hz/HDR表示において、RGB 10bitのカラーフォーマットに対応します。DSC1.2aには対応していますがカラーフォーマットはRGB 10bitが上限となり、RGB 12bitは選択できません。G-Sync Compatibleなど可変リフレッシュレート同期機能も併用が可能です。
SONY INZONE M9_HDR_4K-120Hz_HDMI_10bit-RGB


HDRについて簡単に説明すると、HDR(ハイダイナミックレンジ)というのは、RGBの光の三原色の映像情報に加えて、輝度(明るさ)の情報が備わった映像ソースのことです。
従来の表示機器や映像ソースでは10^3程度のダイナミックレンジしかありませんでしたが、HDRに対応することでダイナミックレンジが10^5程度と100倍近く拡張され、従来よりも細かい階調で明るさや暗さを表現できるようになり、「明るい場所は明るく、暗い場所は暗く」なるように画面の明るさを操作することで、白飛びや黒潰れをなくして高画質を実現しています。
HDR
HDRに関する説明は色々とあると思いますが、管理人は『明るい場所はより明るく、暗い場所はより暗く』と大雑把に理解しています。
「明るい場所は明るく、暗い場所は暗く」するということは必ずしも”見えやすく”なるわけではありません。というか暗い場所は暗くなるので必然、暗い部分は見えにくくなります。逆に明るい場所が明るくなったら見えやすくなるかというと、再現可能な輝度の領域が増すので、ディスプレイによる描画は現実に近づきますが、太陽を覗き込んだ時のように特に明るい場所の周辺は光で潰れて(目の調光機能的な問題で)見えにくくなります。もちろん明暗が分かれることで境界線がクッキリして見えやすくなる場合もあります。
一部のゲーミングモニタに暗所を明るく(白く)して見えやすくする機能があるように、HDR表示は見やすさには直結しないので、見やすさという意味で画質が良くなるのかというと、その点はケースバイケースです。SDRダイナミックレンジの範囲内で平滑化されていた時に比べて、暗い部分が強調されることを考えると見えにくさの方が体感しやすい気がします。

HDRは原理的にはモニタから見える映像を”リアル”に近づける機能です。ただし実際のところはモニタ個別の色調設定などの都合で鮮やかになり過ぎたり色味が変わったりするので、「実際の視覚と同じ」という意味でリアルかというと疑問符が付くのですが。「明るい場所は明るく、暗い場所は暗く」なるので立体感は増して、平面表示の中に奥行を感じやすくなるという点ではリアルな表示に近づきます。個人的にはHDR表示の効果はSDRに比べて、鮮やかになって、立体感が増すと感じています。
4Kモニタの広告をフルHDモニタで見る以上に、SDRモニタでHDRについて体感的に理解することは困難です。なのでHDRについては店頭など実機で体験して気に入れば購入するくらいが正直なところおすすめです。HDRについては正直に言って”百聞は一見に如かず”な機能です。SDRモニタ上で調べるよりもHDR表示の実機を見て気に入るかどうかが全てな機能だと思います。


HDR表示におけるディスプレイ輝度やローカルディミングについて

「SONY INZONE M9」はVESAがPCモニタ向けに展開している輝度認証のVESA DisplayHDR 600を取得しています。または直下型LEDバックライトが採用し、96分割のローカルディミングに対応します。
SONY INZONE M9_HDR

VESAがMicrosoft Store上で無料アプリとして公開しているVESA DisplayHDR Compliance Testsから、「SONY INZONE M9」のディスプレイ輝度の扱いが確認できました。(データの読み方については管理人も怪しいので参考までに)
SONY INZONE M9_VESA DisplayHDR Compliance Tests (1)
SONY INZONE M9_VESA DisplayHDR Compliance Tests (2)

近年のモニタにおいてHDRモードのディスプレイ輝度は高輝度領域の広さや高輝度表示の継続時間に依存するので、i1 Display Pro Plusを使用してHDR時の最大輝度を条件別で測定してみました。なお持続最大輝度は十数秒後で測定しているのでもう少し下がる可能性もあります。

「SONY INZONE M9」はローカルディミングをゲームや映像に最適な”高”設定にした場合、10%部分で700cd/m^2以上、全体で860cd/m^2以上という非常に高い輝度を発揮できました。いずれも短時間のピーク輝度ではなく少なくとも1,2分では輝度低下せず持続可能です。VESA DisplayHDR 600の基準を余裕でクリアしています。
ちなみにローカルディミングを”低”や”オフ”にしても最大で860cd/m^2以上の高輝度を発揮できます。
SONY INZONE M9_brightness_hdr
「SONY INZONE M9」は実測最大で860cd/m^2以上の非常に高い輝度と、後述の96分割ローカルディミングによってHDR表示が可能なので、下写真の中央の爆炎のような表現は非常にリアルで迫力を感じました。
DSC09287_DxO


「SONY INZONE M9」は直下型LEDバックライトが採用され、96分割のローカルディミングに対応します。
このローカルディミングに関するOSD設定として、そのままの名前で「ローカルディミング」があります。設定値はオフ/低/高の3段階です。
”高”はHDR対応のゲームや動画視聴に最適なモードで、”低”は写真編集などデスクトップ作業に最適なモードです。
ローカルディミングの設定はSDR表示モードとHDR表示モードで共有されています。HDR表示が終了してSDRに戻ってもローカルディミングが有効になったままです。PCでの利用を考えるとHDR表示とSDR表示で分けて設定できるようにして欲しいところ
DSC09273_DxO

まず分かりやすいところから、ローカルディミングをオフにした状態と、オン(高)にした状態を比較した動画が次のようになっています。
白い四角や丸の輝点が動きますが、ローカルディミングをオフにした状態では常にバックライトが点灯していて黒表示部分が浮いているのに対し、ローカルディミングをオンにすると、輝点付近のバックライトのみが点灯するので、黒の表現力が高まっています。
フルアレイ型とはいえ96分割程度なので、輝点の輪郭を超えてバックライトが点灯するハローがそこそこありますが。


「SONY INZONE M9」のローカルディミングでは黒色表示であってもバックライトは完全には消灯しませんが、”高”設定において理想的な状態の黒色輝度は0.01cd/m^2程度なので、室内照明が点灯していればバックライトの完全消灯と見分けは付きません。
なおHDR映像ソースに対してローカルディミングを”オフ”にするとブラックレベルは0.93cd/m^2程度となり、ほぼ1cd/m^2なので室内照明がついていてもバックライトの点灯をハッキリ認識できます。
HDR映像ソースではディスプレイ輝度を調整できないので、ローカルディミングは”高”か”低”の2択だと思います。

現在10万円程度で販売されている4K/144Hz対応ゲーミングモニタの多くは、ローカルディミングに対応していても短冊状の1D型かつ分割数が10~20程度なので、輝点に対してかなりの広範囲でバックライトが点灯してしまうのがかなり微妙でした。
下の比較動画の通り96分割でローカルディミングに対応した「SONY INZONE M9」の良さは一目瞭然です。
(比較に使える手持ちの機材がLG 27GN950-Bと少し古いモデルだったので少々バックライトの追従が遅いのですが)


ちなみに少し前に当サイトでレビューした「Acer Predator X32 FP」は576分割のローカルディミングに対応しており、96分割の「SONY INZONE M9」と比較するとこんな感じです。
やはり輝点に対するハローを考えるとフルアレイ型ローカルディミングの場合、500~1000分割くらいの解像度は欲しいところです。実際のゲーム画面でも576分割ローカルディミングのほうがコントラストが効いて迫力のある絵になるというのは動画を見ての通り予想が付くと思います。


ただ「SONY INZONE M9」のローカルディミングも決して悪くありません。特にPS5のメニューはフルアレイ型LDではバックライト浮き、バックライト更新のチラつきが気になりやすいシーンですが、流石は同じSONY製と言うべきか、バックライトのカバー範囲や更新速度が上手く最適化されていて、PS5のメニューもバックライトの動きに違和感を覚えず操作できました。


576分割の「Acer Predator X32 FP」だとゲームプレイの大部分は非常に迫力のある絵が楽しめるのですが、PS5メニューやゲーム内システムメニューではバックライトのチラつきやハローが気になります。(この辺りは製品に依ると言えばそうですが)



デスクトップ向け/ゲーム向けなどローカルディミングの動作設定において主に調整されるのは『バックライトの速さ(更新頻度)』と『輝点に対するカバー領域』の2つです。あとピーク輝度や理想ブラックレベル(バックライトの最小輝度)も変わることがあります。

PCゲーミングや映像に最適な”高”と、デスクトップ作業に最適な”低”を比較した動画です。
「SONY INZONE M9」にはローカルディミング有効の設定として”低”と”高”の2種類が用意されていますが、設定を変更すると、バックライトの速さ(更新頻度)はそのままで、輝点に対するカバー領域が変化します。
輝点に対して広くカバーされるので”低”のほうがハローが大きいですが、高速に動く輝点に追従する彗星の尾の長さやバックライト更新によるチラつきは同等です。(輝点が動いた時に隣の領域が広く点灯するのでそれをチラつきと感じやすいですが。)
加えて最大輝度は同等ですが、理想ブラックレベルは”高”が0.01cd/m^2に対して、”低”では0.17cd/m^2に引き上がります。


ローカルディミング、液晶バックライトの部分駆動は、明部暗部の境界を超えて明るく/暗くなったり、マウスカーソルのような小さい輝点に反応したりして、デスクトップ作業のように明暗の領域が綺麗に分かれるシーンでは違和感を覚えることがあります。
「SONY INZONE M9」ではローカルディミングは2次元型で96分割なので縦横で言うと分割数は14×7程度しかありません。

「SONY INZONE M9」はローカルディミングを有効にしても白色など明るい色や完全な黒色であれば、マウスカーソルのような小さい輝点に対するバックライトの挙動も軽微で、境界も明るい方に引っ張られて暗い方のバックライトが多少点灯する傾向があるものデスクトップ作業に耐える動作だと感じました。

ただしローカルディミング設定の”高”においては、黒寄りのグレー、暗い中間色が広く分布しているとバックライトで白浮きする感じになり、この状態だとマウスカーソルのような小さい輝点に反応してバックライトがチラつきました。
ダークモードなど黒寄りのグレーのUIの場合、白色文字などが分布している領域であれば特に問題ないのですが、単色が広がっている部分にマウスカーソルがいくとバックライトがチラつきます。

こういったデスクトップ作業におけるバックライト周りの違和感はローカルディミング設定を”低”にすることで解消できると思います。



「SONY INZONE M9」の96分割LDについては1D型と比較した解説記事も公開しているので、こちらも参考にしてみてください。



CSゲーム機接続時の4KエミュレートやHDCP対応について

「SONY INZONE M9」に搭載された2基のHDMIサブ入力はHDMI2.1に対応しているので、PlayStation 5やXbox Series X/Sを組み合わせた場合、4K/120Hzの表示が可能です。
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Xbox Series X/SやPlayStation 5のようにゲーム機が対応していればVRR同期機能も利用できます。
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「SONY INZONE M9」はSONYテレビBRAVIAと同様にPlayStation 5との連携機能にも対応しています。
オートHDRトーンマッピング機能によりPS5本体のHDR調整を自動で最適化するので、明るいシーンと暗いシーンそれぞれで情報をしっかりと映し出すことが可能です。
「SONY INZONE M9」をPlayStation 5に接続するとHDR調整時に最適化済みと表示されます。
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OKを選択すると通常通り、3ステップのHDR調整が表示されますが、最適値を適用済みなので上下キーで調整せず、OKを続けて選択するだけです。
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またコンテンツ連動画質モード機能により、PS5でゲームをプレイする時は「ゲーム1モード」に、PS5で映画を観る時には「シネマモード」に画質モードが自動で切り替わります。同機能を使用する場合はOSD設定メニューでオート画質モードをオンにします。
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SONY INZONE M9のレビューまとめ

最後に「SONY INZONE M9」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • 画面サイズ27インチで4Kゲーミングモニタとしてはちょうどいいサイズ
  • 発色や視野角に優れたIPS液晶パネル
  • 実測で93% DCI-P3、88% Adobe RGBの広色域
  • 液晶パネルは反射防止のアンチグレア
  • ビデオ入力はDisplayPort1.4×1、HDMI2.1×2、USB Type-C×1の計4系統
  • DP1.4はDSC機能によって4K/144Hz/10bit RGB/HDR/VRRに完全対応
  • HDMI2.1は4K/120Hz/10bit RGB/HDR/VRRに完全対応
  • 可変リフレッシュレート同期機能に対応(48FPS~144FPS)
  • HDR輝度認証のVESA DisplayHDR 600を取得、実測で最大860cd/m^2
  • 直下型LEDバックライトで96分割のローカルディミングに対応
  • HDMI2.1搭載なのでPS5やXbox SXを接続時は4K/120FPSやVRR同期に対応
  • モニタ本体重量4.5kgかつVESAマウント対応でモニターアームを使用可能
悪いところor注意点
  • 製品価格が税込み15万円と非常に高価(2022年7月現在)
  • ビデオケーブルとUSBケーブルが一切付属しない
  • PS5のVRRを使用するとフリッカーや焼き付きが発生(他社製品もなのでPS5の問題ですが)
  • PCでVRR無効時に実動リフレッシュレートが144Hz固定になる
  • DisplayPortが映らなくなる不具合、HDMIにも影響あり?(DC端子を抜いて10分ほど放置で直る)
  • 単色など単調な表示においてバックライトの縞模様が気になるかも
  • 四隅の輝度低下が大きいので端が暗くなるのが気になるかも
  • SDR表示とHDR表示でローカルディミングの設定が共有されている


【現状で問題がいくつか見つかっているので、とりあえず簡単に。記事内容もですが、まとめ&感想は後日更新すると思います。】


最初に評価ポイントとして、4K/144Hz/HDMI2.1搭載のゲーミングモニタは既にかなりの数が出ていますが、「SONY INZONE M9」が特出している部分、フルアレイ型96分割ローカルディミングは概ね良かったと思います。欲を言えばフルアレイ型LDは500~1000くらいの分割数が欲しいものの、96分割としてはよく出来ていたなと。
ゲームに最適な”高”設定であればゲームプレイは高コントラストで迫力と奥行きのある絵になり、PS5のメニュー操作でもバックライト浮きやチラつきは気になりませんでした。一方で”低”設定ならデスクトップ作業でもバックライト変化に煩わされない動作だったので、限られた分割数に対して上手く最適化してきたと素直に評価できるポイントでした。


ただ怒涛の新ブランド&製品のプロモーションに対して、DisplayPortが映らない不具合とか、PS5のVRRでフリッカーや焼き付きが発生するとか、PC接続時に実動リフレッシュレートが144Hz固定だとか、色々と不具合が積み重なっています。最初に力を入れるべきところが間違っているというのが正直な感想です。
15万円もするのにビデオ/USBケーブルが1つも付属しないとか、モニタスタンドの組み立てにドライバが必要とか、バックライトの縞模様が気になるかもとか、普段のレビューだと軽く言及して流す程度の問題も、流石に”塵積も”でストレスが。


あとやはり言及しておくべきは税込み15.4万円(ポイント値引き込みでも14万円)という価格でしょうか。PS5 3台分。ゾーン数を考えれば良く出来ているけれど96分割でしかないFALDに、ハイエンドゲーミングモニタとして15万円も出す価値があるのか、と。
27インチというモニタサイズを必須とせず、置ける場所があるのであれば、LG OLED C2(もしくは前モデルC1)の42インチモデルか48インチモデルを購入したほうが、96分割ローカルディミングに対しては上位互換だと思います。個人的には置けるのならLG OLED TVのほうがオススメです。
有機ELの特性上、「SONY INZONE M9」のように全画面で800cd/m^2みたいな高輝度は発揮できませんが、部分部分のピークは600~700cd/m^2には達するので、自発光ピクセルで完全な黒、ハローが発生しないことのほうがメリットとして大きいかなと。

価格設定に加えて、27~32インチで机に置きやすい液晶モニタというくくりにすると、「ASUS ROG Swift PG32UQ」や「MSI Optix MPG321UR-QD」など量子ドット技術のAUO製パネルを採用した製品が候補に挙がると思います。
いずれもローカルディミングは1D型なので96分割とはいえフルアレイ型の「SONY INZONE M9」には表現力では及ばないのですが、量子ドットの発色の良さも捨てがたく、好みが分かれると思います。
4K/144Hz/HDMI2.1搭載で十分(FALDも量子ドットもいらない)ということなら10万円を切る製品もありますし、一概にどうとは評価が難しいところです。


「SONY INZONE M9」は10万円前後なら評価も変わってきそうなのですが、どういう購買層を狙っているのか、よく分かりません…。
”フラッグシップとして良いものを”にしては完成度に詰めの甘さがありますし、PS5普及のためにスケールメリットで安価に供給するでもなく。
他社製品で採用されているように500~1000分割LDの32インチパネルはすでに存在するので、最上位モデルM9とするなら20万円程度かそれ以上になってもそのスペックにするべきだったと思います。それならラグジュアリーな製品として刺さる層にはしっかりと刺さったはず。
「SONY INZONE M9」については”M7”で10万円前後が妥当だったんじゃないかというのが正直な感想です。


以上、「SONY INZONE M9」のレビューでした。
SONY INZONE M9


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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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