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オリジナルメモリヒートシンクを搭載し、Intel XMP3.0のOCプロファイルも収録されたDDR5メモリキット「XPG LANCER DDR5」をレビューします。
Intel XMP3.0による5200MHzのメモリOCに対応する16GB容量メモリモジュール(型番:AX5U5200C3816G-CLABK)を2枚使用して、Intel第12世代CPU環境でXMPや手動設定によるメモリOCを実践してみます。
製品公式ページ:https://www.adata.com/jp/xpg/DRAM-modules-LANCER-DDR5
XPG LANCER DDR5 レビュー目次
1.XPG LANCER DDR5の外観
2.メモリOC検証機材、メモリOCの基本と手順
3.XPG LANCER DDR5のメモリOCを試す
4.XPG LANCER DDR5のレビューまとめ
---【注意】--------------------------
メモリOCで有名なXMPプロファイルは「インテル エクストリーム・メモリー・プロファイル」の略称でありIntelの策定した規格なので、AMD Ryzen/Ryzen Threadripper環境において”XMPでOCする”等の表現をするのは厳密には正しくありません。
ただしXMPプロファイルに収録されたメモリ周波数とタイミングの設定値からAMD Ryzen環境に合わせたメモリOCプロファイルを自動生成する機能として、「ASUS D.O.C.P」や「MSI A-XMP」などが各社マザーボードのBIOS上に機能として用意されているので、AMD製CPU環境においてもXMPプロファイルを流用したメモリOCを当記事中では便宜上細かいことを気にせずに”XMPを使用したOC”などXMPとして表記します。
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【機材協力:ADATA】
XPG LANCER DDR5の外観
まず最初にXPG LANCER DDR5の外観をチェックしていきます。「XPG LANCER DDR5」は赤色ベースにホログラム調な紙製パッケージで梱包されています。
今回は同メモリキットを2つ使用しますが、サンプル機自体はメモリモジュール1枚だけのモデル(型番:AX5U5200C3816G-CLABK)なので、パッケージ内にはプラスチックスペーサーで保護されたメモリが1枚だけが収められています。
「XPG LANCER DDR5」はオリジナルデザインのメモリヒートシンクが標準搭載されたOCメモリです。
「XPG LANCER DDR5」のメモリヒートシンクの大部分はアルミニウム製で、XPGロゴが描かれた領域はヘアライン仕上げ、斜めにカットされた逆側はグレーの斜めストライプというツートーンなデザインです。高級感とデザインの遊びを感じます。
「XPG LANCER DDR5」のヒートシンク上面についてもチェックしてみると、アルミニウム製ヒートシンクに挟まれる形で、艶のある黒色アクリルプレートが装着され、中央にはXPGのロゴが描かれています。
ちなみにXPGからはヒートシンク上端、LANCER DDR5でいうと黒色アクリルプレートの部分にARGB LEDイルミネーションを内蔵した「XPG LANCER RGB DDR5」もラインナップされています。
XPG LANCER RGB DDR5に搭載されたLEDイルミネーションは、マザーボードの国内主要4社であるASRock、ASUS、GIGABYTE、MSI製のマザーボードの一部がサポートするライティング制御機能に対応しています。
ASRockではASRock Polychrome RGB Sync、ASUSではASUS AURA Sync、GIGABYTEではGIGABYTE RGB Fusion、MSIではMSI Mystic Lightなど主要4社のマザーボードで使用可能なライティング制御機能と互換性があります。なお各ライティング制御機能ごとに選択可能な発光パターンは異なります。
「XPG LANCER DDR5」シリーズはヒートシンクを含む全高が43mm程度と背が高めのOCメモリです。
ヒートシンクなしのメモリと比較して、「XPG LANCER DDR5」の全高は12mm高くなっています。
XPG LANCER DDR5の2枚組モデルをCPUソケット右側にメモリスロットが4基ある一般的なATXマザーボードに取り付けるとこんな感じになります。
メモリOC検証機材、メモリOCの基本と手順
「XPG LANCER DDR5」の定格動作やXMP/手動設定を使用したオーバークロックの検証を行う前に、検証機材の紹介と、メモリOCの基本・手順についての説明をしておきます。「XPG LANCER DDR5」の検証を行う環境としては、Core i9 12900K&Z690マザーボードで構成される検証機を用意しました。
テストベンチ機の構成 | ||
CPU |
Intel Core i9 12900K (レビュー) |
- |
M/B | MSI MEG Z690 UNIFY (レビュー) |
- |
CPUクーラー | Fractal Design Celsius S36 (レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
- |
グラフィックボード |
MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC ファンレス (レビュー) |
|
システム ストレージ |
Samsung SSD 980 PRO 500GB (レビュー) | |
OS | Windows 11 Home 64bit | |
電源ユニット |
Corsair HX1200i (レビュー) | |
ベンチ板 | STREACOM BC1 (レビュー) |
ベンチ機のシステムストレージには「Samsung SSD 980 PRO 500GB」を使用しています。Samsung SSD 980 PROは、PCIE4.0対応によって連続アクセススピードを最大で2倍に飛躍させただけでなく、ランダム性能の向上によってSSD実用性能においても前世代970 PROから大幅な向上を果たし、PCIE4.0アーリーアダプターなPhison PS5016-E16採用リファレンスSSDよりも高速なので、これからPCIE4.0対応プラットフォームの自作PCを組むなら、システム/データ用ストレージとして非常にオススメな製品です。
・「Samsung SSD 980 PRO 1TB」をレビュー。堂々の最速更新
メモリについては必要な容量(現在のゲーミングデスクトップPCなら16~32GBあれば十分)さえ満たせば、OCによる性能の向上はCPUやGPUのOCに比べると実感しにくい部類である、というのがIntel環境における通説でした。そのため管理人も一口にOCメモリと言っても性能向上を狙うよりはオシャレなヒートシンク目当てに自作PCの装飾的な感覚で購入するのが個人的にはオススメな買い方だと思っていました。
しかしながらAMD RyzenおよびAMD Ryzen Threadripper環境では、『Infinity FabricというCPU内外のコンポーネントを相互接続するインターコネクトの動作周波数がメモリ周波数に同期する』という構造上、メモリ周波数がエンコードや3Dゲームを含めた総合的なパフォーマンスに大きく影響することが知られています。
またIntel環境においても144FPS~240FPSのハイフレームレートなPCゲーミングではCPUボトルネックの緩和にメモリ周波数のOCが効いてきます。
OCメモリの選び方や具体的なオーバークロックの設定方法については、こちらの記事を参考にしてください。
・【できる!メモリOC】 OCメモリの選び方から設定まで完全解説
XPG LANCER DDR5のメモリOCを試す
「XPG LANCER DDR5(型番:CAX5U5200C3816G-CLABK)」をIntel第12世代Core&Z690マザーボードの検証機材にセットアップしてメモリオーバークロックの動作検証を行っていきます。OCプロファイルによるメモリ周波数5200MHz/メモリタイミングCL38のオーバークロックに対応する16GB容量のメモリモジュール「XPG LANCER DDR5(型番:AX5U5200C3816G-CLABK)」については、Micron製メモリモジュールが採用されていました。
(製品型番およびスペックはそのままでも、メモリモジュールについてはロットやバージョンで変更される可能性があります。)
前置きはこの辺りにして「XPG LANCER DDR5」を使用し、メモリOCを実践していきます。
まずはIntelのメインストリーム向けCPUである第12世代Core-Sの16コア24スレッドモデルCore i9 12900KとZ690マザーボードの環境で「XPG LANCER DDR5」のOCプロファイルによるOCを実践してみました。Intel Z690マザーボードにはMSI MEG Z690 UNIFYを使用しています。
MSI MEG Z690 UNIFYの環境では、XMPプロファイルを適用するだけで16GB×2枚組み32GBで5200MHz/CL40のメモリOCが安定動作しました。
Intel第12世代CPUでDDR5メモリを使用した場合、IMC周波数はGear2もしくはGear4で動作しますが、今回のOC検証ではAuto設定のままでもIMC周波数は2:1で同期するGear2でした。
続いて手動設定による「XPG LANCER DDR5」のOCも試してみました。
同じくMSI MEG Z690 UNIFYの環境において、手動設定でメモリのオーバークロックを行ったところ、メモリ周波数/主要メモリタイミングおよびメモリ電圧だけのカジュアル設定で、メモリ周波数を5400MHz、メモリタイミング:38-40-40-80-CR2へとOC設定を引き上げることもできました。
さらに、MSI製マザーボードにはMemory Try It!というMSIラボで最適化されたメモリ周波数&タイミングのプロファイルを適用できる機能があるのですが、これで「5600MHz/CL42」のプロファイルを適用し、「CPU VDDQ:1.350V」、「tCWL:42」「tCCD:10」「tCCD_L:16」等の設定を追加すると、メモリ周波数を5600MHz、メモリタイミング:42-42-42-84-CR2で安定動作が確認できました。
ただし、Memory Try It!を使用せずに、メモリ周波数5600MHzやCL42といった設定を適用してもメモリストレステストでエラーが出てしまいました。Memory Try It!でプロファイルを適用した場合と、完全手動設定の時とで、何かしらAuto設定が異なるようです。
汎用性のあるOC検証にはなりませんでしたが、Micron製DDR5メモリモジュールの「XPG LANCER DDR5」でも上手くメモリ設定を行えばメモリ周波数5600MHzを狙えるという一例にはなったと思います。
XPG LANCER DDR5のレビューまとめ
最後に「XPG LANCER DDR5(型番:AX5U5200C3816G-CLABK)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- ヘアライン仕上げと斜めストライプのツートーンでスマートなヒートシンク
- 簡単にメモリのOCが可能なXMP3.0プロファイルを収録
- 5つのうち2つのプロファイルはユーザーが自由に書き換え可能
- Intel第12世代CPU環境でXMPによって5200MHz/CL38が正常動作
- Intel第12世代CPU環境で手動OCによって5600MHz/CL42が正常動作
- 2021年11月現在、DDR5メモリ一般に極端に品薄で、容量単価もDDR4より高い
「XPG LANCER DDR5」の検証ではメーカー動作確認済みのOCプロファイルを使用することによって、Intel第12世代Core-S&Z690マザーボード環境においてメモリ周波数5200MHz/CL40のオーバークロックが手軽に行え、安定動作が確認できました。
「XPG LANCER DDR5」にはMicron製DDR5メモリモジュールが採用されていますが、MSI MEG Z690 UNIFYの環境ではMemory Try It!というMSI製マザーボードの機能をベースにいくつか追加の設定を行うことでメモリ周波数5600MHzも安定動作が確認できました。
5400MHzならメモリ周波数&主要タイミング、メモリ電圧だけのカジュアル設定でも安定するので、各自でOCする余地も多少ありそうです。
以上、「XPG LANCER DDR5」のレビューでした。
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オリジナルメモリヒートシンクを搭載したDDR5メモリキット「XPG LANCER DDR5」をレビュー。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) December 7, 2021
Intel XMP3.0による5200MHz、手動設定による5600MHzのメモリOCで徹底検証https://t.co/GyckAIw7kP pic.twitter.com/fws31lTJ2A
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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