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GeForce RTX 3050グラフィックボードとしてZOTACからリリースされた、全長224mmのショートサイズで既存システムのアップグレードにも最適な「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC(型番:ZT-A30500H-10M)」をレビューしていきます。
NVIDIA Ampere世代のエントリークラスGeForce RTX 3050が、前世代同クラスのGTX 1650 SUPERや1ランク上のGTX 1660 Tiをどの程度上回るのか、実ゲームベンチマークでグラフィック性能を徹底比較します。

製品公式ページ:https://www.zotac.com/jp/product/graphics_card/zotac-gaming-geforce-rtx-3050-twin-edge-oc
ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC レビュー目次
1.ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OCの外観
2.ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OCの分解
3.ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OCの検証機材・GPU概要
4.ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OCのゲーム性能
5.ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OCの温度・消費電力・ファンノイズ
6.ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OCのレビューまとめ
【機材協力: ZOTAC】
ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OCの外観
早速、ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OCを開封していきます。

キャラメルボックス型の外スリーブから取り出した黒色段ボールの内パッケージを開くと、スポンジスペーサー&静電防止エアパッキン袋という一般的な梱包でグラフィックボード本体が鎮座していました。付属品はクイックマニュアルです。

「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」のグラフィックボード本体を見ていきます。

「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」のGPUクーラー外装はプラスチック製ですが、鉱石のような表面加工のガンメタルカラーで安っぽさは感じません。


「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」の全長は224mmとコンパクトなので、メーカー製PCなどグラフィックボード用スペースの限られるPCへのグラフィックボード換装にも最適です。

「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」はショート基板に加えて、GPUクーラーとPCB基板がPCIブラケットとほぼ同じ高さなのでサイドパネルとの干渉も心配ありません。

「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」の2連ファンGPUクーラーには2基の90mm径サイズ冷却ファンが設置されています。

「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」は2スロット占有のグラフィックボードです。


「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」の補助電源数はRTX 3050としては一般的なPCIE 8PIN×1となっています。

「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」のビデオ出力はHDMI2.1×1、DisplayPort1.4×3の4基が実装されています。

「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」にはオリジナルイラストのプリントされたスチール製バックプレートが装着されています。基板の反りや破損を防止する保護プレートとしての役割を果たしています。なお基板との間にサーマルパッドが貼られていないので冷却補助の役割はありません。

なおグラフィックボードの重量はZOTAC GAMING GeForce RTX 3060 Ti Twin Edgeが642g、ZOTAC GAMING GeForce RTX 3070 Twin Edgeが793gに対して、「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」は607gでした。コンパクトサイズだけあって軽量です。

ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OCの分解
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」を分解してGPUクーラーやグラフィックボード基板についてチェックしていきます。なお今回は自己責任で(もしくはレビュー用サンプル貸出先の協力のもと特別に許可を頂いて)分解を行っています。GPUクーラーの取り外し(分解行為)は、一部を除いて多くのメーカーではグラフィックボードの正規保証の対象外になる行為です。今回はレビューのために分解していますが、繰り返しますが保証対象外になるので基本的には非推奨の行為なのでご注意下さい。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OCのGPUクーラーは基板裏面のコア周辺4カ所と右端側2カ所、PCIEブラケット側3カ所の計9個のネジで固定されていました。

9か所のネジを外すとGPUクーラーは容易に取り外しができます。さらにネジを解除していくとPCB基板からバックプレートも取り外しが可能です。

バックプレートとPCB基板背面の間にはサーマルパッドが貼り付けられていないので、金属製バックプレートは背面保護のみ、放熱板としては基本的に機能していません。

「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」にはZOTACが独自に設計したオリジナル基板が採用されています。


GeForce RTX 3060 TiのGPUコアにはGA106-150-KA-A1が使用されていました。上位モデルRTX 3060と同じくRTX 3050のVRAMはGDDR6となっており、GDDR6メモリチップはMicron、Samsung、SK Hynixが製造していますが、今回入手した「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」にはSamsung製の16GbのGDDR6メモリチップが4枚搭載されています。

「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」のVRM電源回路はGPUコアの左側に4フェーズが実装されています。VRAMメモリ用は右側に1フェーズです。

「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」のGPUクーラー本体をチェックすると、GPUコアと接する部分は銅製ベースプレートが採用され、ベースコアからは3本の銅製ヒートパイプが伸び、アルミニウム製放熱フィンが2スロットスペース内いっぱいに展開されています。

GPUコアと接する部分には冷却性能の高さで定評のある銅製ベースプレートが採用されて、ニッケルメッキ処理も施されています。またGPUコア周辺のVRAMチップとVRM電源回路はヒートシンクにろう付けされた金属製プレートとサーマルパッドを介してヒートシンク本体で直接冷却するという理想的な構造です。

GPUコアと接するベースプレートからは3本の極太ヒートパイプが下から左右へ抜ける構造で、GPUクーラーヒートシンクの放熱フィン全体へ効率的に熱を拡散します。

「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」はコンパクトサイズですが2スロットのスペースを最大限活用して放熱フィンが展開されています。

ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OCの検証機材・GPU概要
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」を検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | ||
ベンチ機1(温度・消費電力) |
ベンチ機2(ゲーム性能) |
|
OS | Windows10 Home 64bit (1909) |
|
CPU |
Intel Core i9 9900K (レビュー) Core/Cache:5.1/4.7GHz |
Intel Core i9 10900K (レビュー) Core/Cache:5.2/4.7GHz |
M/B | ASUS WS Z390 PRO (レビュー) |
ASUS ROG MAXIMUS XII EXTREME (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z Black F4-4400C19D-16GTZKK DDR4 8GB*2=16GB (レビュー) 4000MHz, 17-17-17-37-CR2 |
G.Skill Ripjaws V F4-4000C15Q-32GVK DDR4 8GB*4=32GB (レビュー) 4000MHz, 15-16-16-36-CR2 |
システム ストレージ |
Samsung 860 EVO M.2 1TB (レビュー) |
Samsung 860 PRO 256GB (レビュー) |
データ ストレージ |
Samsung 860 QVO 4TB (レビュー) | |
CPUクーラー |
Fractal Design Celsius S36(レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
|
電源 ユニット |
Corsair HX1200i (レビュー) |
|
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |

ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OCのGPU概要
ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OCに搭載されているGPU「GeForce RTX 3050」のスペックについて簡単に確認しておきます。「GeForce RTX 3050」はGA106-300コアが使用されておりCUDAコア数は3584、GPUコアクロックはベース1320MHz、ブースト1777MHzです。VRAMには15.0GbpsのGDDR6メモリを12GB容量搭載しています。典型的なグラフィックボード消費電力を示すTGPは170Wに設定されており、PCIE補助電源として8PIN×1以上を要求します。

「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」については、リファレンス仕様のブーストクロック1777MHzに対して、ブーストクロック1807MHzにファクトリーOCが施されています。パワーリミット(TGP)はリファレンス仕様と同じく130Wです。電力制限は+10%で最大143Wまで解除が可能です。

GeForce RTX 3050はレイトレーシング&DLSSに対応
GeForce RTX 3050はエントリークラス向けとされる50番台のGPUながら、最新の高画質機能であるレイトレーシング表現や、専用テンサーコアによるAI超解像機能DLSSに対応しています。レイトレーシング(Raytracing)表現では、照明や光源(エリアライト)や太陽光(グローバルイルミネーション)の影響を厳密に再現し、光の反射や透過も現実に即して忠実に描写されます。
レイトレーシングを採用したわかりやすい例としては鏡に映る反射など、視覚(視点から見た)の外にある物体もリアルに描画することができます。小さい光源や太陽光などが生み出す影が現実に対して忠実に再現されるので、画面の中に引き込まれるような奥行き、陰影を感じる映像が生まれます。



なお高画質機能「Raytracing(レイトレーシング)」はMicrosoftが提供するAPI「DirectX 12」に内包される「DirectX Raytracing」(DXR)を使用したレンダリング機能となっており、後述のDLSSと違ってNVIDIA独自技術というわけではなく、AMD製グラフィックボード、PS5やXbox Series S/Xといったコンソールゲーム機にも互換性のある機能です。
下はPS5のMarvel's Spider-Man Remasteredでレイトレーシング表現のオン/オフを比較したものですが、オフでは鏡面になっている窓ガラスにスパイダーマンの身体の鏡像がないだけでなく、風景の反射も反対側と比較してデタラメなのが一目瞭然です。

次に、「NVIDIA DLSS」は”Deep Learning Super Sampling”の頭文字を取った略称となっており、その名の通り、近年流行りのディープラーニングによって高画質化(超解像化)する機能で、AIレンダリングの名前でもアピールされています。
DLSSが具体的にどのように動作するか簡単に説明すると、フルHD~WQHDのリアルタイムレンダリングソースから4K映像を生み出すDLSSの原型があります。このDLSSの原型が作り出した4K映像を、16Kなど現実的にはリアルタイムでのレンダリングが難しい超々高解像度のレンダリング結果を比較し、DLSSの原型の改良版1をNVIDIAの専用サーバーが作ります。
DLSSの原型の改良版1で再び4K映像を生み出し、16Kレンダリング結果と比較して、DLSSの原型の改良版2を生み出す……、というプロセスを何万回も繰り返すことで、ユーザーに提供される汎用の、もしくは個別ゲームタイトルに特化した専用のDLSSプロファイルが出来上がります。

GeForce RTX 30シリーズの登場と共にアップデートされたDLSS2.0では最終出力解像度に対して3種類のオリジナルレンダー解像度が選択でき、4K解像度の場合は、Quality(2560×1440)、Balanced(2240×1260)、Performance(1920×1080)の3種類から選択できます。
オリジナルのレンダー解像度がフルHD~WQHDなので、DLSSによる超解像(SuperSampling)プロセスを挟むとはいえ、ネイティブに4K解像度をレンダリングするよりもフレームレートは大幅に向上します。
現在のDLSSでは16Kレンダリング結果を目標に学習が繰り返されているので、高画質アンチエイリアス技術として一般的なTAAと比較してフレームレートが大幅に向上するだけでなく、画質も改善するという一挙両得な高画質化機能になっています。

以上のレイトレーシング表現やDLSSに対して、GeForce RTX 30シリーズでは通常のレンダリングに使用するCUDAコアとは別に専用コアを搭載しており、アップグレードされた第2世代レイトレーシングコアと第3世代テンサーコアによって、専用コアを搭載しない旧式GPUはもちろん、従来のGeForce RTX 20シリーズと比較してもさらに高い性能を発揮することが可能になっています。

ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OCのゲーム性能
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」の性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には「GeForce RTX 3060」、「GeForce RTX 2060」、「GeForce GTX 1660 Ti」、「GeForce GTX 1650 SUPER」を使用しています。(特定のモデルや型番を指名していない場合、各GPUメーカーのリファレンスモデルもしくはリファレンス仕様のオリファンモデルです)
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkで現在主流なDirectX11のベンチマーク「FireStrike」による比較になります。
![]() | |||
FireStrike | Extreme | Ultra | |
RTX 3050 ZOTAC Twin Edge |
15949 | 7423 | 3464 |
RTX 3060 |
22034 | 10261 | 4963 |
RTX 2060 |
19909 | 9244 | 4377 |
GTX 1660 Ti |
15524 | 7562 | 3236 |
GTX 1650 SUPER | 12290 | 5402 | 2328 |
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkのDirectX12ベンチマーク「TimeSpy」、およびレイトレーシング対応ベンチマーク「Port Royal」による性能比較となります。
![]() |
|||
TimeSpy | Extreme | Port Royal |
|
RTX 3050 ZOTAC Twin Edge |
6191 | 2838 | 3577 |
RTX 3060 | 8549 | 4031 | 5077 |
RTX 2060 | 7617 | 3544 | 4308 |
GTX 1660 Ti | 6154 | 2837 | - |
GTX 1650 SUPER |
4636 | 2053 | - |
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」を含めた各グラフィックボードについて、近年普及しつつあるHTC VIVE Pro 2やVALVE INDEX、Meta Quest 2のPCストリーミングなどVR HMDを使用したVRゲームに関する性能を測定する最新ベンチマーク「VRMark」による性能比較となります。
![]() | |||
Orange Room |
Cyan Room |
Blue Room |
|
RTX 3050 ZOTAC Twin Edge |
8723 | 6575 | 1865 |
RTX 3060 | 11733 | 8926 | 2586 |
RTX 2060 |
11814 | 7883 | 2448 |
GTX 1660 Ti | 9462 | 6216 | 1951 |
GTX 1650 SUPER | 7001 | 4788 | 1468 |
続いて近年の最新PCゲームを実際に用いたベンチマークになります。同一のグラフィック設定で同一のシーンについてフルHD(1920×1080)解像度で平均FPSを比較しました。
ベンチマーク測定を行ったゲームタイトルは、Anthem(ウルトラ設定プリセット)、Assassin's Creed Odyssey(最高設定プリセット)、Battlefield V(最高設定プリセット, DirectX12)、CONTROL(高設定プリセット, DirectX12, AMD製GPUはDirectX11)、DEATH STRANDING(最高設定プリセット, TAA)、The Division 2(ウルトラ設定プリセット, DirectX11)、Final Fantasy XV(最高設定プリセット, NVIDIA GameWorksはVXAOを除き有効)、Gears 5(最高設定プリセット)、Horizon Zero Dawn(最高画質設定プリセット)、Marvel's Avengers(最高設定プリセット, TAA)、Metro Exodus(エクストリーム設定プリセット, DirectX12)、MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット, DirectX12)、Shadow of the Tomb Raider(最高設定プリセット, TAA, DirectX12)、Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)以上の15タイトルです。

Anthem(ウルトラ設定プリセット)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Assassin's Creed Odyssey(最高設定プリセット)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Battlefield V(最高設定プリセット, DirectX12)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

CONTROL(高設定プリセット, DirectX12, AMD製GPUはDirectX11)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

DEATH STRANDING(最高設定プリセット, TAA)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

The Division 2(ウルトラ設定プリセット, DirectX11)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorksはVXAOを除き有効)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Gears 5(最高設定プリセット)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Horizon Zero Dawn(最高設定プリセット)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Marvel's Avengers(最高画質設定プリセット, TAA)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Metro Exodus(エクストリーム設定プリセット, DirectX12)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット, DirectX12)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Shadow of the Tomb Raider(最高設定プリセット, TAA, DirectX12)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OCなど5種類のGPUについて実ゲーム性能の比率の平均を出してみたところ、ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OCは、前世代同クラスのGeForce GTX 1650 SUPERと比較して平均で40%以上という大幅な性能向上を果たしています。
前世代上位クラスのGTX 1660シリーズと比較すると、初期の下位モデルGTX 1660無印は10%程度上回りますが、初期の上位モデルGTX 1660 Tiや後期マイナーアップデートモデルGTX 1660 SUPERに対しては、リファレンススペック同士なら数%の性能向上は確認できるものの、ゲームタイトルによっては相対的に前後しますし、また性能差が小さいのでファクトリーOCの有無でも変わるので、”RTX 3050はGTX 1660 Tiと同等の性能”と考えるのが無難だと思います。

またVRAM容量はGTX 1650 SUPERの2倍となる8GBへ増量されているので、フルHD解像度ならVRAM容量の不足が原因でGPU性能を発揮できないという問題に遭遇する心配もありません。(今回のベンチマークではMiddle-Earth: Shadow of War)
つい最近発売されたPCゲームではFINAL FANTASY VII REMAKE INTERGRADEのPC版もフルHD解像度でも8GBのVRAM容量が要求されていたので、エントリークラスでも8GBの大容量VRAMが搭載されるようになったのは嬉しいところです。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OCの温度・消費電力・ファンノイズ
ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OCの負荷時のGPU温度やファンノイズや消費電力についてチェックしていきます。「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」のGPU温度とファンノイズの検証負荷としては約20分間に渡たり連続してGPUに100%近い負荷をかける3DMark TimeSpy Stress Testを使用しています。

ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OCのテスト終盤におけるGPU温度は最大62度、ファン回転数も1500RPM以下に収まっており、少々、冷却性能に振った傾向はありますが、ちょうどいい塩梅だと思います。
GPU温度的にはかなりの余裕があるので、PCケースに組み込んだとしてもGPU温度80度以下を目安に、1000~1200RPMくらいまでファン速度を落としても問題ない程度のポテンシャルは感じます。比較的に低消費電力なTGP130WのGPUを冷やしているとはいえ、「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」のGPUクーラーは非常に高品質、と言ってよい結果だと思います。

「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」はアイドル時にファンが停止するセミファンレス機能に対応しており、GPU温度50度前後が始動閾値、GPU温度30度前後が停止閾値でヒステリシスも採用されています。製品によっては回転数が上下してふらつくことの多い始動や停止の直前も、閾値を上下した瞬間にピタッと切り替わります。
GPUコアクロックについては「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」の仕様値ではブーストクロック1807MHzとなっていましたが、負荷テスト中の実動平均は1947MHzでした。

【備考】AMD、NVIDIAともに最新GPUでは実動コアクロックはGPUコア個体毎に異なる内部設定のV-Fカーブが支配的になっており、加えて負荷中のGPU温度も大きく影響します。ファクトリーOCが施されたオリファンモデルの公式仕様値として公表されているブーストクロックはOC耐性選別の1つの指標にはなると思いますが、実動コアクロックの優劣においてあまりあてになりません。
GeForce RTX 3050のようにTGPが200Wを大きく下回ると、下記のような参考環境のミドルタワーPCではベンチ板測定とあまり差が出ないので、PCケース組み込み時の検証については割愛しています。
TGPが200Wを超える上位GPUでは、実用条件に近い冷却性能の検証として、実際にPCケースへグラフィックボードを組み込み、Time Spy Extreme グラフィックテスト1を1時間に渡ってループさせてGPU温度やファン回転数がどうなるかを確認します。
検証機材のPCケースには「Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t」を使用しています。CPUクーラーは120サイズ簡易水冷でラジエーターを天面前方に設置、またPCケースのフロントに吸気ファンとして3基とリアに排気ファンとして1基の140mm角ケースファンをそれぞれ設置し、ファン回転数は1000RPMに固定しています。

PCケースのエアフローファンには空冷ヒートシンク、水冷ラジエーター、PCケースエアフローの全ての用途で一般的な140mmサイズファンを上回る性能を発揮する「Thermaltake TOUGHFAN 14」を使用しています。140mmサイズファン選びに迷ったらこれを買っておけば問題ない、高性能かつ高静音性なファンです。
・「Thermaltake TOUGHFAN 14」をレビュー。最強140mmファンの登場か!?

ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OCを含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。
検証機材はベンチ台の上に平置きにしているので、サウンドレベルメーターをスタンドで垂直上方向に50cm程度離して騒音値を測定しています。

この測定方法において電源OFF時の騒音値は30dB未満です。目安として騒音値が35dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになりますが、35~38dB以下であればPCケースに入れてしまえばファンノイズが気になることはそうそうないと思います。40dB前後になるとベンチ台上で煩く感じ始め、45dBを超えるとヘッドホンをしていてもはっきり聞き取れるくらいになります。
A特性で測定しているのである程度は騒音値にも反映されていますが、同じ騒音値でも周波数(ファン回転数)が高いほど体感としては大きな音に感じやすく、また不快に感じたり感じなかったりは音の性質(細かい乱高下の有無や軸ブレ)にもよるので注意してください。
ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」のファンノイズは、ベンチ板測定時の1500RPM程度なのでノイズレベルは32dB前後を示します。PCケースに入れて多少冷却効率が下がったとしても35dB以下には十分収まるはずなので、ファンノイズは知覚できても気にならないレベルです。
温度とファン速度の推移グラフでも見たように「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」は比較的に冷却性能に振ったファン制御チューニングなので、静音性を重視したい人はファン速度が1500RPM以下になるように各自で設定を変更してもいいと思います。

ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OCの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
グラフィックボードの消費電力測定には、当サイトの検証に使用するためワンオフで特注した測定ツール「GPU Power Tester」を使用しています。GPU Power TesterはPCIEスロット経由とPCIE補助電源の消費電力を直接に測定しているので、シンプルにグラフィックボードそのものの消費電力をしることができます。
消費電力の測定にあたってグラフィック負荷には上で行った温度検証と同様に3DMark TimeSpy ストレステストを使用しています。テスト全体から1ms間隔でモニタリングを行い、平均値を”消費電力”、最大値を”瞬間的な最大電源負荷”とします。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OCの消費電力は130W、最大瞬間負荷は152Wでした。ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OCのTDP(パワーターゲット)は130Wに設定されており、概ね仕様値通りの消費電力になっていると思います。

「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」がグラフィック性能で40%も前世代同ナンバリングのGTX 1650 SUPERと比較すると性能に伴って消費電力が増えており、レイトレーシングやDLSSに対応するとはいえ、一般的なPCゲーミングでは同等性能となるGTX 1660 Tiよりも消費電力は微増となります。
上位モデルのRTX 3060~RTX 3070とは違い、最新世代アーキテクチャによるワットパフォーマンスの向上は感じにくいGPUです。
ともあれ、TGP130Wというのは従来のミドルクラス相当な数値であり、補助電源数もPCIE 8PIN×1からなので、既存環境において電源や冷却を気にせずにアップグレードできるところもRTX 3050の魅力だと思います。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC レビューまとめ
最後に「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 最新高画質ゲームのフルHD/高画質に最適
- 前世代同クラスGTX 1660 SUPERを実ゲームで40%程度上回るグラフィック性能
- 前世代上位のGTX 1660 TiやGTX 1660 SUPERと同等以上のグラフィック性能
- 249ドルからとRTX 30シリーズの中では手を伸ばしやすい価格
- 全長224mmショート基板かつ2スロットに収まるコンパクトサイズ
- TGP130WのRTX 3050をしっかりと冷せる高品質なGPUクーラー
- 非OC版はRTX 3050オリファンモデルの中でも最安値クラスの安価な製品
- OC版は税込み6万円以上と割高
GeForce RTX 3050は、前世代同クラスのGeForce GTX 1650 SUPERと比較して平均で40%以上という大幅な性能向上を果たし、前世代上位クラスのGTX 1660 TiやGTX 1660 SUPERと同等の性能を実現、さらに最新高画質機能レイトレーシングやDLSSにも対応しています。
VRAM容量はGTX 1650 SUPERの2倍となる8GBへ増量されているので、フルHD解像度ならVRAM容量の不足が原因でGPU性能を発揮できないという問題に遭遇する心配もありません。
つい最近発売されたPCゲームではFINAL FANTASY VII REMAKE INTERGRADEのPC版もフルHD解像度でも8GBのVRAM容量が要求されていたので、エントリークラスでも8GBの大容量VRAMが搭載されるようになったのは嬉しいところです。

GeForce RTX 3050については上位モデルのRTX 3060と同じく、やはり『モバイル向けGeForce RX 3050のついで』という印象の強い製品です。
ハードウェアエンコーダNVEncは搭載しているので動画編集やイラスト作成などクリエイティブタスクの支援用GPUとして導入する分には十分ですが、2022年にPCゲーミング用に新規導入するには力不足を感じます。
最新コンソールゲーム機PlayStation 5のGPU性能がシェーダー数等のスペック概算でちょうどRTX 3060やRX 6600 XTと同じくらいなので、PCゲーミング用にデスクトップPCを構築するのであれば(キーボード&マウス対応等PCゲーミングならではの魅力は他にありますが)、RTX 3060 Ti以上のGPUを選択したい、というのが正直なところです。
RTX 3050の希望小売価格は249ドルからですが、日本国内における実売価格は5万円以上というのがベースラインになっています。
日本NVIDIA公式からアナウンスされている”39,800円”という価格については、一部メーカーからそういった価格のモデルも発売はされているものの、30MHz程度という軽いファクトリーOCの有無で2万円以上の差額があり、5万円の製品を4万円と6万円に分けて売るような”アリバイ工作的値付け”には賛成できません。
マイニング、電子部品の需要増など諸事情があるとは思いますが、やはりRTX 3050の性能的にせいぜい3万円程度が妥当というのが正直な感想で、胡散臭くは感じるものの一応最安値とされる39,800円でもまだ割高感はあり、ベースラインになっている5万円以上を出して買うGPUだとは思えません。
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」については全長224mmのショート基板かつ2スロットにピッタリ収まる薄型でコンパクトなところが魅力です。PCIEブラケットと同じ背の高さなのでサイドパネルとの干渉の心配もなく、PCIE補助電源も8PIN×1と最小限なので、総合的に互換性の高いモデルです。
メーカー製PCではPCケース内クリアランスの関係で全長250mm以上のグラフィックボードを搭載できない場合も少なくありませんが、そういった環境でグラフィックボードをアップグレードしたいユーザーに最適な製品です。また奥行きの小さいMini-ITX対応コンパクトPCケースで自作PCを組むユーザーなどにももちろんオススメです。
この種のコンパクトモデルはトレードオフで静音性が低くなりがちなのですが、「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」に関しては銅製ベースプレートに3本の銅製ヒートパイプを組み合わせたGPUクーラーが搭載されており、小型ながらTGP130Wの発熱をしっかりと冷やしきる性能を備えています。
ファンノイズについても検証結果の通り、ファン制御チューニングがやや冷却性能重視ですが、静音動作が可能な余力は十分にあるので、静音性を重視して運用したいユーザーはチューニングソフトから手動設定するのがオススメです。
以上、「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」のレビューでした。

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全長224mmのショートサイズで既存システムのアップグレードにも最適な「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3050 Twin Edge OC」をレビュー。GTX 1650 SUPERやGTX 1660 Tiと実ゲーム性能をベンチマークで徹底比較。https://t.co/wXjtEbilbU pic.twitter.com/jGQTNoaueL
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) February 3, 2022
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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