エアフローに優れた格子状メッシュデザインのフロントパネルを採用し、ARGB LEDファンを標準で搭載するゲーマー向けミドルタワーPCケース「XPG DEFENDER PRO」をレビューします。
「XPG DEFENDER PRO」の内蔵LEDコントローラーにXPG製水冷CPUクーラーLEVANTEや各種LEDイルミネーション機器を組み合わせて、ARGB LEDでライトアップする魅せるゲーミングPCを組んでみました。
製品公式ページ:https://www.adata.com/jp/xpg/708/
レビュー目次
2.XPG DEFENDER PROの外観
3.XPG DEFENDER PROの内部構造の概要
4.XPG DEFENDER PROの裏配線スペース
5.XPG DEFENDER PROのストレージ設置スペース
6.XPG DEFENDER PROのグラフィックボード設置スペース
7.XPG DEFENDER PROの電源ユニット設置スペース
8.XPG DEFENDER PROのファン・ラジエーター設置スペース
【機材協力:ADATA XPG 国内正規代理店 タイムリー】
XPG DEFENDER PROの梱包・付属品
早速パッケージを開封して、XPG DEFENDER PROの外観からチェックしていきます。
「XPG DEFENDER PRO」では製品のオリジナルプリントがされた茶色の段ボール箱にPCケース本体が収められています。幅363mm×奥行558mm×高さ641mmとパッケージサイズは比較的にコンパクトです、もちろん外出先から持ち帰るのは無理ですが。
段ボール箱の天面を開くと、スペーサーで保護されたPCケース本体が現れます。
PCケースを保護する緩衝材については発泡スチロールが採用されていました。発泡スチロールは処分のため解体する際に小さい破片が飛び散るので、個人的には固めのスポンジを採用して欲しいです。
強化ガラスサイドパネルには傷防止の保護フィルムが貼られています。
裏配線側サイドパネルを開くと、ボトムの3.5インチストレージトレイに小分けパッケージが収められており、中にはネジ類など付属品が入っています。
小分けパッケージに収納されている付属品は各種ネジ類、ケーブルタイとなっています。組み立てに使用するネジは個別のビニール袋に分けられているので見分けも簡単です。
欲を言えば、他社製品の例ですがネジの種類別に完全に小分けできる仕切り付きパックに最初からネジが収納されていると使い勝手が良いので、ネジ収納はこのタイプになってくれると嬉しいです。
XPG DEFENDER PROの外観
続いて「XPG DEFENDER PRO」の外観について詳しくチェックしていきます。
「XPG DEFENDER PRO」の寸法は奥行441mmm×幅220mm×高さ492mmで、ATXサイズマザーボードに対応するミドルタワーPCケースとしては標準的かややコンパクトなくらいのサイズ感です。
「XPG DEFENDER PRO」は斜めにサイズがグラデーションしていく菱形スリットに金属メッシュを組み合わせたフロントパネルが特徴的です。フロントパネル右上にはXPGのブランドロゴが装着されていますが、主張し過ぎないちょうどいい塩梅です。
フロントのメッシュパネルから光が漏れるように、LED付きファンを標準搭載するだけでなく、フロントパネル上下にあるプラスチック製フレーム内部にLEDストリップも搭載しています。
「XPG DEFENDER PRO」の左側面は強化ガラスパネルが採用されていますが、フロント・トップ・右側面の3面はスチールパネルとなっており、傷や指紋の目立ちにくい粒度小さめのシボ塗装、ホワイトは清潔感のある色合いです。
「XPG DEFENDER PRO」の筐体のカラーバリエーションについて、今回レビューするのは上の写真の通りホワイトですが、加えてブラックの2色がラインナップされています。
「XPG DEFENDER PRO」のフロントI/Oはトップパネル前方に実装されています。右から順にパワースイッチ、LED切り替えスイッチ、ヘッドホン出力&マイク入力用4極3.5mmジャック、2×USB3.0 Type-A端子が実装されています。
フロントI/Oからマザーボードに接続するケーブルは次のようになっています。スタートスイッチやパワーLEDなどマザーボードのフロントI/Oヘッダーに接続するケーブルはバラバラにならないよう、1つのリボンケーブルにまとまっています。
「XPG DEFENDER PRO」のフロントIOにはARGB対応LEDコントローラーが内蔵されており、裏配線側にはその他のフロントIOケーブルと一緒に、電力供給用のSATA電源ケーブル、2本のARGB対応VD-G型汎用3PIN LEDケーブル、2本のRGB対応汎用4PIN LEDケーブルが伸びています。
2本のARGB対応VD-G型汎用3PIN LEDケーブルのうち1本はフロントパネル上下に内蔵されたARGB LEDストリップと数珠繋ぎに接続されていますが、分岐コネクタからさらに連結が可能です。
フロントパネルに内蔵されたLEDコントローラーはLEDボタンを押下する毎に下記の表の通り、発光カラー・発光パターンが変化します。
「XPG DEFENDER PRO」のフロントパネルはPCケースシャーシから取り外しが可能です。フロントパネルはスチール製シャーシにマグネットで固定されているのでツールレスで簡単に着脱できます。
フロントパネルとシャーシの間には上にスライドするだけで簡単に取り外せる防塵ダストフィルターがあります。
「XPG DEFENDER PRO」はマザーボード側に強化ガラス製サイドパネルが搭載されています。ガラスパネルは無色透明ではなく、薄くスモークがかかっています。
裏配線側サイドパネルはフラットなスチールパネルです。透明なガラスパネルではないので裏配線にこだわるのが面倒という人には嬉しい設計です。
「XPG DEFENDER PRO」の左右サイドパネルは背面のハンドスクリュー2個で固定されており、ネジを解除してから後方にスライドさせると取り外すことができます。
裏配線側のスチールパネルは古い設計のPCケースでもよくある後方スライド構造で、パネル側のツメをシャーシ側の溝に上手く合わせないとパネルが下に落ちてしまうのですが、マザーボード側の強化ガラスパネルは下側ヒンジになる構造なので着脱時にパネルを落とす心配はありません。
「XPG DEFENDER PRO」のPCケースボトムを見ると、電源ユニット部分にはエアスリットがあるものの、それ以外はスチール板で塞がっており、シンプルな形状です。
PCケースボトムの四隅には前後に長いプラスチック製のケース足があり、滑り止めのゴムシートが貼り付けられています。ケース足の高さは25mmほどです。
XPG DEFENDER PROの内部構造の概要
続いて「XPG DEFENDER PRO」の内部構造について各種要素ごとに細かく見ていく前に内部構造の概要をチェックしていきます。
サイドパネルを外してマザーボード側を俯瞰すると次のようになっています。
「XPG DEFENDER PRO」のマザーボードスペース前方はストレージベイや5インチベイなど何もなく開放されている近年主流なオープンレイアウトが採用されています。
「XPG DEFENDER PRO」には近年のPCケースの流行としてPCケースボトムに設置される電源ユニットをチャンバー分けして、電源ケーブルを隠すPSUカバーが採用されています。
PCケース内部にはフロントに2基の120mm角、リアに1基の120mm角で計3基のケースファンが標準で搭載されています。
XPG DEFENDER PROのマザーボードトレイやその周辺レイアウト、および各種マザーボードとの互換性についてチェックしていきます。
XPG DEFENDER PROのマザーボードトレイには標準でATXに合わせたスペーサーが装着されています。SSI-EEBやE-ATXに対応したスペーサー固定ネジ穴とケーブルホールもあるので、ゲーミングPCだけでなくサーバー・ワークステーションの構築にも対応可能です。PCIEスロット数はATXフォームファクタに合わせて7段が設置されています。
E-ATXやSSI-EEBで使用する追加スペーサー3つと、スペーサーを外すためのプラスネジ変換六角ソケットが付属します。プラスネジ変換六角ソケットをスペーサーに被せれば一般のプラスドライバーを使用して簡単にスペーサーの着脱が可能です。
マザーボード固定用スペーサーを装着するためのネジ穴にはA、M、Iの添え字が刻印されており使用するマザーボードに合わせて使うべきレイアウトが一目で分かります。
「XPG DEFENDER PRO」にATXマザーボードを設置すると下のようになります。マザーボードトレイの上下と右には大きくケーブルホールが開けられているので各種配線もスムーズに行えます。
空冷CPUクーラーの高さクリアランスについて、公式仕様では全高170mmまでが確保されているとのことでしたが、実測の高さクリアランスは179mm程度でした。
数mm程度の誤差はあるかもしれませんが、170mmまでは確実に対応しているので、大型のハイエンド空冷CPUクーラーでもPCケースサイドパネルとの干渉の心配は事実上ありません。
XPG DEFENDER PROの裏配線スペース
「XPG DEFENDER PRO」の裏配線スペースについてチェックしていきます。
左サイドパネルを取り外すとXPG DEFENDER PROのマザーボード裏スペースにアクセスできます。XPG DEFENDER PROの裏配線スペースの全体は次のようになっています。
マザーボードトレイのCPUクーラーメンテナンスホールも大きくとられていて、縦長でメンテナンスホールからはみ出しやすいAM4マザーボードもしっかりと収まるので、バックプレート型のCPUクーラーでもマザーボードをPCケースに装着したままで着脱が可能です。
裏配線スペースの厚さはマザーボードトレイやシャーシの凹凸で若干前後しますが、おおむね20mm程度が確保されています。
XPG DEFENDER PROのストレージ設置スペース
続いて「XPG DEFENDER PRO」のストレージ設置スペースをチェックしていきます。
「XPG DEFENDER PRO」のストレージ積載について、マザーボードトレイ裏に2基の2.5インチストレージ、PSUカバー裏のシャドウベイに2基の3.5インチストレージを設置できます。
2.5インチストレージ設置スペースについて
まずは2.5インチストレージ設置スペースについてチェックしていきます。
「XPG DEFENDER PRO」のマザーボードトレイ裏、メンテナンスホールの下には2.5インチストレージを固定できるスペースがあります。
着脱式ストレージトレイがあるわけではなく、シャーシ板を曲げて2.5インチストレージを固定するツメとネジ穴が設けられています。右側2カ所のツメに2.5インチストレージ側面のネジ穴を引っ掛けて、左からネジ止めするという構造です。
3.5インチストレージ用シャドウベイについて
PCケースボトムに固定されている3.5インチストレージ用シャドウベイについて詳しくチェックしていきます。
「XPG DEFENDER PRO」のPSUカバー裏、前方寄りには3.5インチストレージ用シャドウベイが標準で設置されています。
3.5インチストレージ用シャドウベイからはツールレスで着脱可能な2基のプラスチック製ストレージトレイがあり、ストレージトレイには3.5インチストレージもしくは2.5インチストレージを設置できます。
シャドウベイはリベットではなくネジ止めなのでシャーシから固定を解除でき、左右に動かすことができますが、リベットされたPSUカバーの装着前に設置されているためボトムスペースから取り出すことができません。
またシャドウベイの固定ネジ穴は3つずつ設けられていますが、下写真で上列フロント寄り2つのネジ穴は標準位置のネジ穴と位置がズレています。
シャドウベイをフロント寄りに動かすと5つのネジ穴のうち、2つは位置が合わず使用できません。(ネジ3つで固定はできるものの)
そのため、シャドウベイは標準位置での取り付けのみ可能となってます。
XPG DEFENDER PROのグラフィックボード設置スペース
「XPG DEFENDER PRO」のグラフィックボード設置スペースについてチェックしていきます。
まず製品スペックを見ると、「XPG DEFENDER PRO」のグラフィックボード設置における長さ方向のクリアランスについて、最大380mmのスペースが確保されています。
実測だとPCIEブラケットからファンが固定されているフロントのシャーシ内壁までギリギリで400mmないくらいなので、25mmファンを考えると実際のクリアランスは370mm程度です。
全長353mmのZOTAC GAMING GeForce RTX 3090 AMP Extreme Holoも問題なく収まります。
「XPG DEFENDER PRO」のグラフィックボードのクリアランスは、フロントに設置しているファン・ラジエーターの厚みに影響されます。
とはいえファン&ラジエーターで52~55mmの一般的な簡易水冷クーラーであれば340mm程度のスペースを確保できるので、TGP300W超のグラフィックボードでも問題なく設置できるはずです。
グラフィックボードの高さ方向について、PCIEブラケットからサイドパネルまで70mm程度と十分な余裕があるので、補助電源ケーブルはもちろん、背の高い基板のオリファンモデルにDIY水冷のフルカバー水冷ブロックを装着してもターミナル部分がサイドパネルと干渉する心配はありません。
また「XPG DEFENDER PRO」にはサイドパネルと平行にグラフィックボードを設置するための垂直PCIブラケットが用意されています。
XPGの公式アクセサリとしてはまだライザーケーブルは発売されていませんが、L字ライザーケーブルを固定する長軸スペーサーは付属するので、他社製ライザーケーブルを用意すればグラフィックボードの垂直配置も難しくないと思います。
管理人がPCケースをチェックする時の重箱の隅をつつくような細かい項目、PCIEスロットの固定ネジとシャーシの干渉についてですが、「XPG DEFENDER PRO」では固定ネジ上にシャーシが被っておらずしっかりとクリアランスが確保されています。これならドライバーを使用した拡張ボードのネジ止めも簡単です。
XPG DEFENDER PROの電源ユニット設置スペース
XPG DEFENDER PROの電源ユニットの設置個所付近をクローズアップしていきます。
まずは電源ユニットの設置についてですが、XPG DEFENDER PROでは最近のPCケースで主流なボトム吸気型の電源ユニットのボトム配置構造を採用、マザーボード側からは電源ユニットや電源ユニットから伸びるケーブルを隠してケース内をキレイに見せるPSUカバーも採用されています。
PSUカバー側面には切り抜き窓が設けられているので、電源ケーブルは隠しつつ、側面デザインにこだわりのある電源ユニットを直接見ることができます。
高級なPCケースでは専用のPSUアダプタを使用して外から電源ユニットをスロットインする構造が採用されていることもありますが、「XPG DEFENDER PRO」についてはコストパフォーマンス重視な製品ということもあり、単純にPCケース内から電源ユニットを配置して外側からネジ止めする構造です。
ケース内部の電源ユニット設置スペースに注目してみると、吸気スリットの両サイドには電源ユニットの安定した固定と電源ユニット冷却ファンの振動によるPCケースとの共振を防止するためゴム足がスタンドとして設置されています。
電源ユニットの奥行のクリアランスについて、「XPG DEFENDER PRO」のPCケースボトムにはフロント寄りにシャドウベイが搭載されており、奥行方向に約220mmのスペースがあります。
下の写真では奥行140mmの電源ユニット「XPG Core Reactor 850W」を使用しているので、80mm程度のスペースがあり、電源ケーブルを収納しておく余剰スペースとしても十分です。
ストレージの章で説明した通り、シャドウベイは完全に取り外すことができないものの、ボトムスペース内で一時的にフロントに寄せることはできるので電源ケーブルの配線は問題なく行えます。
「XPG DEFENDER PRO」は電源ユニットがPCケース底面から吸気を行う構造なので、PCケース底面にはスライド式で簡単に着脱可能なナイロンメッシュの防塵ダストフィルターが付属しています。
PCケース底面には電源ユニット冷却ファンが吸気するためのエアスリットがありますが、幅115mm、奥行(後端から)20~230mmのレイアウトになっています。近年主流な140mm角ファンを冷却ファンとして搭載する電源ユニットでも十分なサイズです。
XPG DEFENDER PROのファン・水冷ラジエーター設置スペース
続いて「XPG DEFENDER PRO」の冷却ファンと水冷ラジエーターの設置スペースについてチェックしていきます。
ファン・ラジエーター設置スペースの概要
XPG DEFENDER PROのファン・ラジエーター積載可能数について簡単にまとめると、PCケースリアには120サイズ、PCケースフロントには最大で360サイズ(120mm*3) or 280サイズ(140mm*2)、PCケーストップには最大で240サイズ(120mm*2) or 280サイズ(140mm*2)のファンもしくはラジエーターを設置することが可能です。
付属ファンについて
XPG DEFENDER PROにはケースファンとして、120mm角ファンの「XPG VENTO PRO 120 ARGB(型番:DF1202512LFS3A-03ARGB)」がフロント2基、リア1基で計3基付属します。
XPG VENTO PRO 120 ARGB(DF1202512LFS3A-03ARGB)はPWM速度調整に非対応の3PIN DCファンですが、定格(最大)ファン回転数が1200~1300RPM前後と低速なので、最大速度でもファンノイズが煩く感じることはあまりないと思います。
XPG VENTO PRO 120 ARGB(DF1202512LFS3A-03ARGB)の軸固定用の支柱は、緩く弧を描きながら根本付近でファンブレードに対して垂直になっており、ファンブレードの根元が支柱付近を通過するときに発生するノイズを抑制しています。
ファンフレームはすり鉢状に面取り拡張されており吸気・排気に優れる構造です。ネジ穴部分に防振ゴムが貼られて防振性も確保されています。
3PINファンケーブルに加えて、ファンに内蔵されたARGB LEDイルミネーションに給電およびライティング制御するためのARGB対応VD-G型汎用4PIN LEDケーブルが伸びています。ケーブルはいずれもオス端子からメス端子が分岐しているので、複数台で連結して接続が可能です。
ファン・ラジエーター設置スペースを実機でチェック
上で解説した概要を念頭に、「XPG DEFENDER PRO」のファン・ラジエーター設置スペースについて実機写真からチェックしていきます。
PCケースリアのファン・ラジエーター設置スペースについてですが、標準で120mmファンが排気構成で設置されています。ファン・ラジエーターの固定ネジ穴は縦長のスリット状になっているので、上下方向に若干のオフセット配置が可能です。120サイズのラジエーターを採用する簡易水冷CPUクーラーや簡易水冷グラフィックボード用にも使用できます。
PCケースフロントのファン・ラジエーター設置スペースについてですが、フロントパネル裏には標準で2基の120mmサイズ冷却ファンが吸気構成で設置されています。PCケース内への埃の混入を抑えるためツールレスで着脱可能な防塵ダストフィルターも用意されているので吸気スペースに使用するのがおすすめです。
PCケースフロントのファン・ラジエーター設置スペースのサイズ・数量については上で紹介したとおり、360サイズ(120mm*3) or 280サイズ(140mm*2)です。ファン・ラジエーター固定用のネジ穴は縦長スリットなのでラジエーターのネジ穴間隔に合わせて設置が可能です。
上端寄りに設置した場合、240サイズや280サイズのラジエーターであればPSUカバーよりも上側に収まりますが、360サイズのラジエーターや3台目の120mmファンはPSUカバーの下側に潜る形になります。
ボトムスペースはPSUカバーで分離されていますが、PCケースフロント寄りにはファン・ラジエーター用に奥行75mm程度のホールが設けられているので、PSUカバーとの干渉は基本的に心配する必要はありません。
ストレージの章で説明した通り、シャドウベイの移動には制限というか問題があるものの、フロント寄りに移動させた場合、フロントのファンスペースは制限されるので注意してください。
PCケーストップのファン・ラジエーター搭載スペースについて、最大で240サイズ(120mm*2) or 280サイズ(140mm*2)のファン・ラジエーターに対応します。
天面にはヘックス型で天面に広くエアスリットが設けられており、ネジ穴スリットはサイドパネル側の1列を基準にマザーボード寄りに2列、それぞれで120mm角と140mm角のファンに対応しています。
天面について、ファン・ラジエーターを固定するシャーシ内壁からマザーボード上端までは60mm程度のクリアランスがあるので、ファン&ラジエーターで52~55mm厚になる一般的な簡易水冷クーラーであればマザーボードやメモリとの干渉を心配する必要はありません。
また「XPG DEFENDER PRO」の天面にはマグネットで簡単に着脱可能なナイロンメッシュフィルターが装着されています。
「XPG DEFENDER PRO」の天面はフラットなのでキーボードなど物を置くこともできますが、天面にファン・ラジエーターを設置する場合はエアフローの妨げになってしまいます。
「XPG DEFENDER PRO」の天面を物を置くスペースとして活用したいのであれば、「PC MAGLAS ガラストップ」というPCトップガラスカバーがオススメです。
続いてPCケーストップで対応が明記されている240サイズラジエーターについて、今回は検証機材として240サイズ簡易水冷CPUクーラー「XPG LEVANTE 240 ARGB」を使用して具体的にチェックしていきます。
・XPG LEVANTEはゲーミングPCに最適なCPUクーラーだ!
「XPG LEVANTE 240/360 ARGB」の最新ロットにはIntel第12世代CPUのLGA1700ソケットに対応したマウントパーツも標準で付属します。
「XPG DEFENDER PRO」のPCケース天面は最大で280サイズのラジエーターにも対応するので、240サイズ簡易水冷CPUクーラー XPG LEVANTE 240 ARGBは余裕を持って設置できます。
上で説明したようにマザーボード上端とのクリアランスは60mm程度あるので、CPUソケット上側のVRM電源クーラーを塞ぐこともなく、システムメモリとの干渉を心配する必要もありません。
XPG DEFENDER PROの自作PCギャラリー
「XPG DEFENDER PRO」を使用した自作PCを組んでみたのでその作成例のギャラリーとなります。
今回、「XPG DEFENDER PRO」のサンプルビルド用に同社から色々とPCパーツをお借りしたので、これも使ってサンプルビルドを組んでいきます。
XPGからは上で紹介した簡易水冷CPUクーラーに加えて、DDR4/DDR5のシステムメモリ、最新規格PCIE4も含めた高速NVMe M.2 SSDなど自作PCを組むうえで必須となる主要パーツだけでなく、ARGB LEDストリップやファイバーケーブル型ARGB LED搭載の延長電源ケーブルといったライトアップアクセサリも発売されています。
前置きはこの辺りにしてビルドギャラリーです。
LED関連を色々と詰め込んだので裏配線側は少々雑然としていますが(どうせスチールパネルで隠せるので)、強化ガラスパネルで一望できるマザーボード側はスッキリとしています。
通電して各種LEDイルミネーションによってPCケース内外をライトアップするとこんな感じになります。
XPG DEFENDER PROのレビューまとめ
最後に「XPG DEFENDER PRO」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。
良いところ
- シンプルでスタイリッシュなデザイン、白色もラインナップ
- 奥行441mmm×幅220mm×高さ492mmで、ATX対応としてはコンパクト寄りなサイズ
- マザーボード側は内部を一望できる強化ガラス製ウィンドウパネル
- 裏配線側はスチール製ソリッドパネルなのでケーブルマネジメントが気楽
- サーバー・ワークステーション向けのSSI-EEBやE-ATXにも対応
- トップ/フロントはマルチファン大型水冷ラジエーターに対応
- トップ/フロント/PSUには着脱の容易な防塵ダストフィルター搭載
- 2×ARGB 3PIN、2×RGB 4PINに対応したLEDコントローラーを内蔵
- 1.1~1.2万円程度と手ごろな価格 (2022年3月現在)
悪いところor注意点
- 裏配線スペースは20mm厚でやや狭い
- シャドウベイは取り外し不可(組み立て中、一時的に前後への移動は可能)
「XPG DEFENDER PRO」はシンプルながら洗練され気品を感じさせる外観になっており、内部構造についてもPSUカバーの採用、マルチファン大型水冷クーラーや300mm超大型グラフィックボード対応など、近年の自作向けPCケースのトレンドに忠実な設計です。
「XPG DEFENDER PRO」の最大の魅力は、フロントパネルにはARGB LED機器を2系統制御できるコントローラーまで内蔵しているところだと思います。
さらにARGB LEDイルミネーションを搭載した冷却ファンを標準で3台搭載しており、製品価格は1.1~1.2万円程度なので、安価にARGB LEDでライトアップした自作PCを作成したい人にオススメできる製品です。
簡易水冷CPUクーラーのXPG LEVANTE、ARGBファイバーケーブル内蔵延長電源ケーブルのXPG PRIME ARGB EXTENSION CABLEなど同社製LED機器を組み合わせれば、サンプルビルドのようにさらにド派手にライトアップすることも可能です。
以上、「XPG DEFENDER PRO」のレビューでした。
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エアフローに優れた格子状メッシュデザインのフロントパネルを採用し、ARGB LEDファンやLEDコントローラーを標準で搭載するゲーマー向けミドルタワーPCケース「XPG DEFENDER PRO」をレビューhttps://t.co/upOIz9YQHf pic.twitter.com/X2gwHqco4f
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) March 31, 2022
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