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ASUS独自機能ELMB Syncに対応するWQHD解像度で165Hzリフレッシュレートの27インチIPS液晶ゲーミングモニタ「ASUS TUF Gaming VG27AQ」をレビューします。WQHD/144Hz/IPS液晶というGeForce RTX 2060 SUPERやRadeon RX 5700などミドルハイクラスGPUとの組み合わせに最適な2020年の新定番スペックに加えて、可変リフレッシュレート同期機能とモーションブラーリダクション機能を併用できるELMB Syncを備えた「ASUS TUF Gaming VG27AQ」の実力を徹底検証していきます。
製品公式ページ:https://www.asus.com/jp/Monitors/TUF-Gaming-VG27AQ/
マニュアル:https://dlcdnets.asus.com/pub/ASUS/LCD%20Monitors/VG27BQ/VG27xQ_Japanese.pdf
ASUS TUF Gaming VG27AQ レビュー目次
1.ASUS TUF Gaming VG27AQの概要
2.ASUS TUF Gaming VG27AQの開封・付属品
3.ASUS TUF Gaming VG27AQの液晶モニタ本体
4.ASUS TUF Gaming VG27AQのOSD操作・設定
5.ASUS TUF Gaming VG27AQの発色・輝度・視野角
6.ASUS TUF Gaming VG27AQの165Hzリフレッシュレートについて
7.ASUS TUF Gaming VG27AQの応答速度・表示遅延
8.ASUS TUF Gaming VG27AQのFreeSync/G-Sync CPについて
9.ASUS TUF Gaming VG27AQのHDR表示やHDCP対応について
10.ASUS TUF Gaming VG27AQのELMB Syncについて
11.ASUS TUF Gaming VG27AQのレビューまとめ
【機材協力:ASUS Japan】
ASUS TUF Gaming VG27AQの概要
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」は解像度が2560×1440のWQHD解像度、画面サイズが27インチの液晶モニタです。液晶パネルタイプはノングレア(非光沢)で発色や視野角に優れたIPS液晶パネルが採用されており、99% sRGBの広色域を実現しています。コントラスト比は通常1,000:1、応答速度は最大1ms (MPRT)、輝度は標準350nit(cd/m^2)です。輝度認証はありませんがHDR表示にも対応しています。「ASUS TUF Gaming VG27AQ」のリフレッシュレートはネイティブ144Hzで、オーバークロック機能により最大165Hzに対応します。144Hz/165Hzの高リフレッシュレートによって応答速度が高速になるのでブレや残像がなくなってクッキリとした滑らかな表示です。60FPSでは識別の難しいゲーム内遠方で動くエネミーやオブジェクトの発見などが容易になるので、オンライン対戦FPSゲームなど競技性の高いPCゲームにおいて対戦相手よりも優位に立つことができます。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」はAMD/NVIDIA製グラフィックボードやXbox One Xを組み合わせることで利用可能な可変リフレッシュレート同期機能「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync)」にも対応しており、ティアリングがなくスタッタリングを抑えた快適で鮮明なゲーミング環境を実現できます。NVIDIA製GPUとの互換性を証明するG-Sync Compatible認証も取得しています。AMD FreeSyncに対応したビデオ出力とフレームレートは、HDMI(40~144Hz)、DisplayPort(40~155Hz, 165Hz)です。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」はモーションブラーリダクションを、可変リフレッシュレート同期機能G-Sync Compatibleと併用可能なASUS独自機能「Extreme Low Motion Blur (ELMB) Sync」にも対応しています。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」のビデオ入力は1基のDisplayPort1.2と2基のHDMI2.0の3系統です。全てのビデオ入力がWQHD解像度において、HDMI2.0ビデオ入力は最大144Hzリフレッシュレート、DisplayPort1.2ビデオ入力は最大165Hzリフレッシュレートに対応します。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」の寸法はモニタスタンド込みで幅620mm x 高さ377~507mm x 奥行211mm(モニタ単体では66mm)となっています。付属モニタスタンドは上下チルト、左右首振りスイーベル、昇降高さ調整に対応しています。90度回転ピボットにも対応しています。チルト角は上33度から下5度、スイーベル角は左右90度、高さ調整は最大130mmの範囲で調節可能です。本体重量はモニタスタンドありで5.8kg、モニタスタンドなしの液晶パネル本体のみは3.5kgとなります。VESA100x100マウントにも対応しておりモニタアームも使用可能です。
ASUS TUF Gaming VG27AQの開封・付属品
まずは「ASUS TUF Gaming VG27AQ」を開封していきます。「ASUS TUF Gaming VG27AQ」のパッケージサイズは幅700mm×高さ464mm×厚さ210mmとなっており、27インチモニタが入っている箱としては大きめなサイズで、重量は8kg程度です。天面には持ち手が付いているので女性でも持ち運べると思います。
蓋を開くと、発泡スチロールのスペーサー上に各種付属品が置かれていて、スペーサーを取り出すとモニタ本体とスタンドのフットプレートが現れます。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」の付属品を簡単にチェックしておくと、DisplayPortケーブル、HDMIケーブル、ACアダプタ、ACケーブル、マニュアル冊子類が付属します。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」のビデオ入力はDisplayPort1.2、HDMI2.0×2の3つがあり、DisplayPortケーブルとHDMIケーブルがそれぞれ1本ずつ付属しています。
各種ケーブルを個別に購入するのであれば、4K/120Hz対応のDisplayPort1.4ケーブルなら「サンワサプライ KC-DP14シリーズ」、HDMI2.0ケーブルなら「エレコム Premium HDMIケーブル スリムタイプ DH-HDP14ESBKシリーズ」がおすすめです。いずれも標準で付属するケーブルよりもケーブル径が細くて取り回しが良いので管理人も個人的に使用しており、おすすめのケーブルです。
エレコム PREMIUM HDMIケーブル スリムタイプ 1.0m
エレコム PREMIUM HDMIケーブル スリムタイプ 1.5m
エレコム PREMIUM HDMIケーブル スリムタイプ 2.0m
エレコム
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」に付属するモニタスタンドはフレームとフットプレートの2つの部品で構成されていますがフレームは最初からモニタ本体に装着済みです。
フットプレートをフレームに差し込んで底面のネジを締めるだけで簡単にモニタスタンドを組み立てられます。ネジにはレバーが付いているのでドライバー不要で組み立てが可能です。
ASUS TUF Gaming VG27AQの液晶モニタ本体
続いて「ASUS TUF Gaming VG27AQ」の液晶モニタ本体をチェックしていきます。「ASUS TUF Gaming VG27AQ」は完全なフレームレス構造ではありませんが狭額縁なフレームになっており、フレーム内パネル上の非表示領域3, 4mmを含めて、上左右の非表示領域の幅は10mm程度、下は15mm程度です。下フレームの中央にはASUSのメーカーロゴが刻印されています。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」の背面は黒色プラスチック製外装パネルで、シャープな形状のデザインです。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」のモニタスタンドのフレーム上部には同製品が属するゲーミングブランドTUF Gamingのロゴが描かれています。モニタスタンドには着脱可能なカバー付きケーブルホールがあるので、各種ケーブルをまとめることができ、背面から見てもスタイリッシュに仕上がります。
またスタンドのフットプレート側の根本にはダイヤルが付いているので、左右スイーベルの最適な角度を覚えておくのに便利です。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」のモニタ本体の厚さは最薄部で20mm、最厚部で70mmほどと最近の液晶モニタとしては厚標準的な厚みです。モニタ本体重量は3.5kg程度と軽量です。
モニタ本体背面の左下(正面から見て右下の裏面)には、液晶モニタの電源をON/OFFするパワースイッチやモニタOSDを操作するための操作スティックおよび4つのスイッチが配置されています。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」のI/Oポートは背面右寄りで中央に向かって斜め下向きに配置されており、右から順にACアダプタ接続用DC端子、3.5mmヘッドホンジャック、DisplayPort1.2、HDMI2.0×2が設置されています。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」の付属モニタスタンドの上下チルトの可動域は仕様通り下に5度、上に20度です。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」の付属モニタスタンドの左右スイーベルの可動域は左右180度(90度)に対応しています。
モニターの高さはモニター本体とスタンドの付け根部分が上下に動く構造になっており、全高で高さ377~507mmの範囲内で調整できます。
付属のスタンドはピボットに対応しており、縦向きにして使用できます。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」はモニタスタンドのフレームが標準で装着されていますが、モニタスタンドを取り外す手順を説明すると、モニタ側の根本の四隅にゴム製カバーが装着された穴があり、カバーの下の固定ネジを外します。ネジが外れればあとは手前方向に斜め上へ引き上げればモニタスタンドが取り外せます。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」はVESA100x100規格のVESAマウントに対応しておりサードパーティ製のモニターアームを使用できます。モニタ単体の重量も5.4kgほどなのでモニターアームを問題なく利用可能です。
モニターアームについては管理人は「Lumen MA-GS102BK」、もしくは色違いでほぼ同機能な「サンワダイレクト 100-LA018」という製品をおすすめしています。モニターアームというとエルゴトロン製が一番の売れ筋ですが、クランプのネジが下に伸びているタイプのモニターアームは机に干渉して使えないという問題があり、MA-GS102BKはクランプを上側から六角レンチで締めるタイプでテーブル下の隙間が狭いデスクでも使用できるので管理人も使っています。
「Lumen MA-GS102BK」はモニタとアームを接続する部分がクイックリリースのブラケット式になっていてモニタアームからモニタ本体の着脱が非常に簡単です。ピボット機能もあるので設置後にモニタを縦・横で向きを切り替えることもできます。ただ関節の滑りに若干難があるので潤滑剤を塗布するのがおすすめです。
あと「ASUS TUF Gaming VG27AQ」のVESAネジ穴は背面外装から窪んだ場所にあるので、外装とモニターアームなどのVESA接続機器が干渉する可能性があり、そういった場合はスペーサーを使用してください。
VESA100x100規格ではネジ規格もM4と決まっているのでM4のスペーサーであれば基本的に何でもいいのですが、別件で購入していたNUC用VESAマウント拡張ブラケット「SilverStone SST-MVA01 NUC用VESAマウント拡張ブラケット」に付属するスペーサーがちょうど使用できたので、管理人はこれを流用しています。M4ネジのスペーサーなら何でも使用できるのですが、「ASUS TUF Gaming VG27AQ」で使用できるスペーサーがよくわからないという人は2000円ほどしますが、とりあえずこれを買えば干渉を回避できます。
ASUS TUF Gaming VG27AQのOSD操作・設定
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」のOSD操作はモニタ背面の左下(正面から見て裏側の右下)に設置されている操作スティックと4つのボタンを使用します。5つのボタン(うち1つは操作スティック)の機能は上から順に、操作スティックボタン(4方向スティック&押下ボタン)、×ボタン、ショートカット1ボタン、ショートカット2ボタン、電源ボタンとなっています。
ASUS製モニタの操作スティックは押下ボタンの反応が雑?で、反応が悪かったり、連続押下になったりして残念な操作感のものが多かったのですが、「ASUS TUF Gaming VG27AQ」では改善されていたのが地味な評価ポイントでした。
操作スティックボタンを押下すると詳細設定メニューが表示されます。メニューに合わせてボタンを操作すると入力選択や詳細設定メニューからの設定が行えます。OSD表示領域は画面の9分の1程度、文字もやや小さいので、人によっては視認性が悪く感じるかもしれません。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」のOSDメニューは初めて起動した時に日本語UIが表示されるはずですが、英語UIの場合は下記の手順で日本語に切り替えが可能です。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」ではGameVisualボタン(ショートカットボタン1)を押下すると画質モード変更のショートカットメニューが表示されます。 もう一方のGamePlusボタン(ショートカットボタン2)を押下すると、OSDクロスヘア、リアルタイムリフレッシュレート表示、スナイパーモードなどゲームプレイに役立つ特殊機能にショートカットでアクセスできます。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」のOSDメニューには大きく分けて、「GameVisual」「ブルーライト低減」「色設定」「画像」「サウンド設定」「入力選択」「システム設定」「MyFavorite」の8つの項目が用意されています。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」の画質モードはGameVisualと名付けられており、標準設定の「レースモード」に加えて、「シーンモード(風景画像の閲覧)」「映画モード」、およびゲームジャンル別で「RTS/RPGモード」「FPSモード」「sRGBモード」「MOBAモード」の計7つが用意されています。
ゲーム関連の表示設定は詳細設定メニューで上から4番目の「画像」に配置されています。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」はネイティブ対応となるフルHD解像度の144Hzリフレッシュレートに加えて、OSDメニューからさらに上の最大165Hzリフレッシュレートへオーバークロックが可能です。標準ではオフになっている「Over Clocking」の項目をオンにすると、モニタが再起動して165Hzの設定が解放されます。
一般にオーバードライブと呼ばれる応答速度を調整する機能は、ASUS TUF Gaming VG27AQでは「Trace Free」の名前で配置されています。オーバードライブ補正の強度を0/20/40/60/80/100の6段階で設定できます。標準設定は60です。
可変リフレッシュレート同期機能「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync)」はそのままの名前で設定項目が配置されています。標準でONになっています。
モーションブラーリダクションと可変リフレッシュレート同期機能を併用できる「ELMB (Extreme Low Motion Blur) Sync」については標準ではグレーアウトしており選択できませんが、「Adaptive-Sync」をONにして、DisplayPort接続においてリフレッシュレートが120Hz、144Hz、155Hz、165Hzの時に選択可能となります。
黒の強弱を調節して暗がりの視認性を高める機能「Shadow Boost」は、無効化(なし)およびLevel 1~Level 3の3段階で設定が可能です。この機能はレースモード、RTS/RPGモード、FPSモード、sRGBモードでのみ利用可能です。
GamePlusからは、照準点(OSDクロスヘア)、リアルタイムリフレッシュレート、カウントダウンタイマーなどをオーバーレイ表示できるゲームプレイに便利な機能の設定が行えます。
また「ASUS TUF Gaming VG27AQ」ではGamePlus新機能として「スナイパー」が加わりました。
「スナイパー」では1.5倍/1.7倍/2.0倍の3種類の倍率が選択でき、設定を有効にすると、赤もしくは緑の照準点に加えて、画面中央部分を選択した倍率で拡大表示します。単純なOSDクロスヘアもゲーミングモニタによる”ハードウェアチート”と呼ばれることがありますが、スナイパー機能はガチでチート級です。
ASUS TUF Gaming VG27AQの発色・輝度・視野角
ASUS TUF Gaming VG27AQの発色・輝度・視野角など画質についてチェックしていきます。直接的な画質ではありませんがASUS TUF Gaming VG27AQの液晶パネルは光沢のあるグレアではなくアンチグレアタイプなので暗転時に自分の顔などが映り込みません。
液晶パネルには大きく分けてIPS液晶パネルとVA液晶パネルとTN液晶パネルの3種類があり、各社個別の製品によって個体差はあるものの、この3つの液晶パネルの特性を簡単にまとめると次のテーブルのようになります。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」に採用されているIPS液晶パネルはTN液晶パネルやVA液晶パネルと比べると色再現性や視野角など一般に画質に直結する性能が優れている反面、価格が高価になりがちな液晶パネルです。TN液晶パネルに比べて応答速度が遅めなので、60Hzオーバーのリフレッシュレートを実現しているIPS液晶パネル採用ゲーミングモニタは少ないため、輪をかけて高価です。とはいえ画質とリフレッシュレートを両立できるので、予算に糸目をつかないエンスーゲーマー勢に好まれています。
液晶パネルの簡易比較表 | |||
IPS | VA | TN | |
色再現性 | ◎ | 〇 | △ |
コントラスト | 〇 | ◎ | △ |
視野角 | 〇 | 〇 | △ |
応答速度 | 〇 | △ | ◎ |
価格 (高RR) |
△ (×) |
△ | 〇 |
液晶パネルの種類による性能の違いについてはこちらの記事も参照してみてください。
・IPS/VA/TN液晶パネルを比較解説 - ゲーミングモニタの選び方[4]
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」は144Hz+の高速リフレッシュレートながら、IPS液晶パネルが採用されているので視野角も良好です。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」の発色について、色温度の標準設定である”暖かい”で、白色が極端に黄色や青色がかって見えることもなく、特に違和感はありませんでした。色温度設定には冷たい/通常/暖かいの3種類のプリセットがありますが、これらを切り替えても発色に違和感がある場合は、ユーザー設定でRGBのバランスを好みに合わせて整えてください。
ここからはカラーキャリブレータを使用して、色域・色再現性・輝度・コントラスト・均一性など画質に直結するモニタの性能について詳細な検証結果を見ていきます。なおこれらのモニタ性能(特に輝度の均一性)については同じ製品であっても個体差が大きいのでご注意ください。検証にはカラーフィルター式(色差式)のX-Rite i1 Display Pro PlusとDatacolor SpyderX、そして分光式(スペクトロメーター)のX-Rite i1 Basic Pro 2を使用しています。
余談ですが、分光式のi1 Basic Pro 2は20万円程と非常に高価ですが(2020年4月現在は後継のProが発売済みでPro2は終売)、一般的な用途であれば測定精度は十分なので、イラスト製作や写真編集でカラーキャリブレーションを行う場合、カラーフィルター式のX-Rite i1 Display ProかDatacolor SpyderX Proで十分です。ユーザー数の多さで面倒が少ないのはX-Rite i1 Displayだと思います。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」のディスプレイ輝度について白色点の輝度をOSD設定別で測定しました。OSD上の輝度設定10%刻みで0%~100%の輝度変化は次のようになっています。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」は最小輝度が140cd/m^2程度と若干高く、一般に見やすい明るさと言われる120cd/m^2には設定できません。室内照明に依りますが個人的に見やすいと感じる明るさの180~200cd/m^2は輝度40~50%です。黒挿入を行って残像を低減させるモーションブラーリダクション機能を使用すると最大でも輝度は190cd/m^2まで下がります。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」のディスプレイ輝度の均一性(Uniformity)を検証しました。画面中央の輝度が約120cd/m^2になるOSD設定において、画面を横7×縦5の35分割として各位置の白色点の輝度を測定し、140cd/m^2を基準にしたパーセンテージで等高線マップにしています。
液晶モニタにおいて輝度の低下が特に大きい四隅&四辺は、上のような領域分割測定では見落とされてしまうので、同様に中央140cd/m^2を基準にして個別に測定したところ次のようになりました。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」については全体を白表示にしても、四隅&四辺に対して基本的に暗さを感じませんが、上よりも下の方が明るいので違和感を覚えるかもしれません。下は多少暗くても感じにくいので、上下の分布が逆だと良かったのですが。
画面中央の白色点が約120cd/m2になるOSD設定において「ASUS TUF Gaming VG27AQ」のブラックレベルを測定したところ次のようになりました。ブラックレベルの測定にはX-Rite i1 Display Pro Plusを使用しています。
またこの時のコントラスト比も算出したところ次のようになっています。なおコントラスト比に大きく影響するブラックレベルはコンマ2桁での測定になるため測定精度が若干怪しく、ブラックレベル0.01の差でコントラスト比が大きく変わるので参考程度と考えてください。
続いて「ASUS TUF Gaming VG27AQ」の色域と色の正確性を検証してみました。
まずはモニタのOSD設定を標準設定のレースモードにして(ディスプレイ輝度のみ120cd/m^2になるように調整)、任意のカラープロファイルを適用しない場合、次のようになりました。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」は標準モードでそのまま使用しても100% sRGBをカバーしています。
色の正確性は平均ΔEが1.17となっており、なかなか優秀です。X-Riteによると『ΔE=1程度で2つの色を横にくっつけて見比べた時に違いが判別できるレベル』とのこと。
次にX-Rite i1 Basic Pro 2を使用してカラーキャリブレーションを行いました。キャリブレーション設定は下のスクリーンショットの通りですが、i1 Profilerの標準設定をそのまま採用しています。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」では色温度を標準設定にするとRGBの強さに差が大きいとアラートが出たので、手動で調整できるユーザー設定モードでR(赤)=96, G(緑)=98, B(青)=100としてキャリブレーションを行いました。
X-Rite i1 Basic Pro 2によるカラーキャリブレーションで作成したICCファイルを適用し、上と同様に色域と色の正確性を測定したところ次のようになりました。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」はモニタの標準OSD設定とWindows PCの標準カラー設定でも精度が高い(モニタ性能の限界に近い)ようで、キャリブレーションによってΔEの平均値が1.14に下がり、色の正確性が僅かに高くなりましたが、あまり大きな差はありませんでした。
参考までにX-Rite i1 Basic Pro 2で行った品質検証(色の正確性の検証)の結果は次のようになっています。X-Rite i1 Basic Pro 2は分光式(スペクトロメーター)のカラーキャリブレータなので、測定精度はこちらの方が高いはずです。
上の測定結果ではカラーキャリブレーション後も色の正確性はΔE 1.14でしたが、X-Rite i1 Basic Pro 2で測定した色の正確性はΔE 0.4とかなり優秀な数値です。
また分光型測色計(スペクトロメーター)で測定した輝度140cd/m^2における白色点のカラースペクトラムが次のようになっています。
カラースペクトラムから発色の良いモニタを見分けるざっくりとしたポイントは『RGB各色のピークが鋭く立ち上がり、かつ高さが同程度であること』です。一般的な液晶モニタは白色LEDバックライト(青色LEDを光源として赤緑(≒黄)蛍光体を組み合わせて白色を生成する)を採用しているので青色のピークが高くかつ鋭くなります。白色を基準として測定した場合、緑と赤のピークの高さは色温度のOSD設定で若干上下します。以上から簡単化すると『緑と赤のピークが鋭くなっているかどうか』をチェックすればカラースペクトラムの良し悪しがざっくりと判定できます。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」については青色ピークの立ち上がりは鋭いものの、緑と赤の分離が弱く、また青に比べてピークも低いという一般的な液晶モニタの特長です。
ASUS TUF Gaming VG27AQの165Hzリフレッシュレートについて
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」の最大の特徴の1つである165Hzリフレッシュレートについてチェックしていきます。まずは「ASUS TUF Gaming VG27AQ」の特徴の1つである”165Hzリフレッシュレート”について、その意味自体は特に説明せずとも読者はご存知だと思いますが、一般的な60Hzリフレッシュレートの液晶モニタが1秒間に60回の画面更新を行うのに対して、144Hzリフレッシュレートであれば標準的な60Hzの2.4倍となる1秒間に144回の画面更新を行います。さらに最近では競技ゲーマー向け製品で240Hzの超高速リフレッシュレートなゲーミングモニタも販売されています。
1秒間に144回の画面更新を行う144Hzリフレッシュレートの物理的なメリットとしては、単純に秒間コマ数が増えるので映像がより滑らかになります。上の章で詳しく検証したようにリフレッシュレートが上がると応答速度も上がって細部がクッキリとしたシャープな映像に見えやすくなり、加えて画面更新間隔が短くなるので表示遅延が小さくなり、一般的な60Hz環境よりもスピーディーなプレイで他者を圧倒しやすくなります。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」ではNVIDIA GeForce RTX20/GTX16シリーズやAMD Radeon VII/RX Vega/5XXシリーズなど最新グラフィックボードのDisplayPort1.2もしくはHDMI2.0のビデオ出力に接続することによって、モニタリフレッシュレートを144Hzなどに自由に設定できます。
モニタリフレッシュレートの設定は、NVIDIA製GPUの場合は上のスクリーンショットのようにNVIDIAコントロールパネルから、AMD製GPUの場合はWindowsのディスプレイ設定から行います。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」がネイティブ対応するのはフルHD解像度において最大で144Hzリフレッシュレートまでですが、OSDメニューからさらに上の165Hzリフレッシュレートに対応するオーバークロックが可能です。
リフレッシュレートのOC方法はOSDメニューの詳細設定を開いて、ゲーム機能設定の「Over Clocking」の項目をオンにすると自動的にモニタが再起動します。
上の手順でリフレッシュレートのOCを適用するとモニタの自動再起動後、NVIDIAコントロールパネルにおいて155Hzや165Hzといった定格最大リフレッシュレートを上回る値が新たに表示されます。これで「ASUS TUF Gaming VG27AQ」が対応可能な最大リフレッシュレートの165Hzで動作させることができます。
オンライン対戦FPSなど競技性の高いゲームにおいて144Hzや240Hzなど高リフレッシュレートのモニタを使用した時の実用的なアドバンテージとして、ゲーム内視線を左右に振った時の視認性が上がるという例は直感的にもわかりやすいメリットですが、その他にもゲーム内遠方に存在して動いているエネミーやオブジェクトの視認性が上がるというメリットも存在します。
下の比較動画では4分割して映像を並べていますが、右下以外の3つは右下画面の緑枠部分を拡大するよう接写して、「SONY DSC-RX100M5」の16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影したものになっています。リフレッシュレート別で左上は60Hz、右上は120Hz、左下は240Hzとなっていますが、赤枠で囲った建物の出入り口付近で左方向に移動する敵の動きはリフレッシュレートが上がるほど視認しやすくなるのがわかると思います。
NVIDIA公式からもハイリフレッシュレートなゲーミングモニタとハイフレームレートに対応可能な高性能グラフィックボードを使用するメリットについて紹介する「動画が公開されています。
なお「ASUS TUF Gaming VG27AQ」でWQHD解像度/144FPSを狙うには、元から軽めのPCゲームや画質設定を下げた最新PCゲームであってもグラフィックボードのGPU性能がそれなりに要求されます。液晶モニタに「ASUS TUF Gaming VG27AQ」を使用するのであれば2020年最新のミドルハイクラスGPUであるNVIDIA GeForce RTX 2070 SUPERやAMD Radeon RX 5700 XTがおすすめです。
・GeForce RTX 20XX/GTX 16XX SUPERシリーズのレビュー記事一覧へ
・Radeon RX 5700/5600/5500シリーズのレビュー記事一覧へ
ASUS TUF Gaming VG27AQの応答速度・表示遅延
次にゲーミングモニタのハードウェア性能として特に重要な、「ASUS TUF Gaming VG27AQ」の応答速度や表示遅延についてチェックしていきます。まずは「ASUS TUF Gaming VG27AQ」の応答速度について検証していきます。
なおゲーミングモニタを選ぶ、もしくはモニタの応答速度や残像を評価する上で重要な予備知識である『液晶モニタの応答速度とオーバードライブ機能』についてはこちらの記事で簡単に紹介しているので、よくわからないという人は先に確認してみてください。
・ゲーミングモニタの選び方[1] 応答速度とオーバードライブについて
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」のOSDメニュー上ではオーバードライブ機能は「Trace Free」の名前で配置されており、オーバードライブ補正の強度を0/20/40/60/80/100の6段階で設定できます。標準設定は60です。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」のオーバードライブ設定は144Hzや165Hzにおいては”80”が最適な設定です。最大値の”100”にすると応答速度は速くなりますが盛大にオーバーシュートが発生します。
また60Hzなどにリフレッシュレートを下げると20~80の各種設定においてオーバーシュートの逆像が発生するため、オーバーシュートを割けるには補正なしの”0”にする必要があります。「ASUS TUF Gaming VG27AQ」は144Hzなど高リフレッシュレートな動作に特化した設計となっており、60リフレッシュレートで応答遅れによる残像やオーバーシュートが発生しないような設定は用意されていないので注意が必要です。
応答速度の確認には「UFO Test: Ghosting」を使用します。同テストではUFOが移動する背景カラーを選択できますが、今回の検証ではブラック/グレー/ホワイトの3色を選択しています。
背景カラーがブラックの場合は各液晶パネルにおいて応答速度は高速な数値を示すので、概ね理想的な応答を確認することになります。背景カラーがホワイトの場合の応答速度は、ドキュメントやウェブページでテキストをスクロールした時の文字の滲み度合いの参考になります。背景カラーがグレーの場合、中間色に移るまでの応答速度を比較することになるので、一般的なゲームプレイにおける物理的な残像の少なさの指標として参考になります。
まずは簡単にシャッタースピードを十分に速くして「UFO Test: Ghosting」の様子を写真撮影してみたところ、「ASUS TUF Gaming VG27AQ」に採用されているIPS液晶パネルは傾向として応答速度が比較的遅いこともあって、144Hzリフレッシュレートで動作させても(オーバードライブ設定は最適値の80)ベストタイミングにおいて1フレーム前および、薄っすらと2フレーム前の残像が残る感じになりました。
オーバークロックによって対応する最大リフレッシュレートの165Hzで動作させたとしても(オーバードライブ設定もオーバーシュートが発生しない最速設定値の80に)、画面更新間隔は短くなりますが、応答速度自体は144Hz時と大差ないので、やはり物理的な残像は残ります。
さらに「ASUS TUF Gaming VG27AQ」のリフレッシュレートを変えてみたり、他の液晶モニタを比較対象にしたりしながら、「UFO Test: Ghosting」の様子を「SONY DSC-RX100M5」の16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影し、比較してみます。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」のリフレッシュレートをネイティブ対応の144Hzや、OCで対応する最大値の165Hzにした時、オーバードライブ設定を最大設定の”100”に変更するとオーバーシュートの逆像が大きく発生します。”80”に設定すると標準設定の60よりも応答速度が改善し、オーバーシュートも発生しないので、ハイリフレッシュレート動作時は基本的にはこの設定が推奨です。
ハイリフレッシュレートで理想的な応答を見せるオーバードライブ設定は相対的に補正が強過ぎるため、リフレッシュレートを下げるとオーバーシュートが発生してしまうことが多いですが、「ASUS TUF Gaming VG27AQ」でも144Hzで最適な応答を見せる設定は60Hzでオーバーシュートが発生します。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」でオーバードライブ設定を20~80にすると60Hzではオーバーシュートが発生しますが、一方で補正が無くなる”0”にしてしまうと補正が無くなって応答速度が遅くなり、普通に残像が生じます。「ASUS TUF Gaming VG27AQ」に60Hz動作でちょうどいいオーバードライブ設定がないのは数少ない欠点でした。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」のリフレッシュレートを165と144Hzに変えて(オーバードライブ設定はオーバーシュートの発生しない最適値)、「UFO Test: Ghosting」の様子を比較してみました。 60Hz→144Hzのようにリフレッシュレートを上げるとそれに比例して応答速度も伸びてはいますが、リフレッシュレートの伸びに追いついていない様子で、144Hzでも1つ2つ前のフレームが見え残像感は残っています。
一方でOC機能によって対応する165Hzは144Hzと比較してリフレッシュレートの通り画面更新間隔は短くなっていますが、応答速度に改善は見えず、やはり1つ2つ前のフレームが見えます。165Hzでは若干残像感が増している気もします。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」と同じくWQHD解像度/144HzリフレッシュレートでIPS液晶パネルの「LG 27GL850-B」および「AORUS AD27QD」と、144Hz動作時の応答速度を比較してみました。
WQHD/144Hz/IPS液晶のパネルは主にLG、AUO、Innoluxの3社が製造しており、特に純正モデルのLG 27GL850-Bを始めとしてNano IPSと1ms GTGを冠するLG製パネル採用製品は頭一つ抜きん出た高速な応答速度を実現していることで知られています。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」はグレー背景においてInnolux製パネルを採用するAORUS AD27QDと似たような応答速度で、動画にないものではBenQ XL2780Qも同じような応答を見せました。やはり1ms GTGを謳うLG 27GL850-Bには応答速度では及ばないようです。
また「UFO Test: Ghosting」において下の写真のようにUFOが微かに表示された瞬間を始点に、その地点のUFOが完全に消えた時点を終点にして、その間隔のフレーム数を応答速度として算出し比較してみました。なおオーバードライブ機能によって発生するオーバーシュート/アンダーシュートによる逆像が発生してから消えるまでの時間は別に計算しています。
評価の目安として、”1000msをリフレッシュレートで割って2倍した数値”よりも測定値が小さければ、画面更新に応答速度が追いついています。60Hzの場合は33.3ms、120Hzの場合は16.6ms、144Hzの場合は13.9ms、240Hzの場合は8.3msを下回っていればOKです。
まずは背景カラーがブラックの時の「ASUS TUF Gaming VG27AQ」やその他の比較対象モニタの応答速度の計測結果となります。背景カラーがブラックの場合は各液晶パネルにおいて応答速度は高速な数値を示すので、概ね理想的な応答を確認することになります。
続いて背景カラーがホワイトの時の「ASUS TUF Gaming VG27AQ」やその他の比較対象モニタの応答速度の計測結果となります。背景カラーがホワイトの場合の応答速度は、ドキュメントやウェブページでテキストをスクロールした時の文字の滲み度合いの参考になります。
最後に背景カラーがグレーの時の「ASUS TUF Gaming VG27AQ」やその他の比較対象モニタの応答速度の計測結果となります。背景カラーがグレーの場合、中間色に移るまでの応答速度を比較することになるので、一般的なゲームプレイにおける物理的な残像の少なさの指標として参考になります。
最後に「ASUS TUF Gaming VG27AQ」の表示遅延(内部遅延)について測定を行いました。
モニタにはGPUのビデオ出力が送られてきてから実際にモニタに表示されるまで遅延が存在し、この遅延が大きいと例えば、FPSゲームでゲームパッドのトリガーやマウスのクリックによる操作からワンテンポ遅れて、マズルフラッシュが表示される、といった現象が発生します。人間は当然目で見てから操作するので、格闘ゲームやFPSゲームなど1,2フレームを争うような競技性の高いゲームにおいてはモニタの表示遅延が可能な限り小さいことが望まれます。
モニタの表示遅延測定においてはモニタ以外の要因で表示遅延に差が出ると問題があるので、検証モニタへビデオ出力を行うPCはCore i9 9900KとGeForce RTX 2080 Tiを搭載した次のベンチ機で統一しています。
テストベンチ機の構成 | |
CPU | Intel Core i9 9900K(レビュー) Core/Cache:5.1/4.7GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
CPUクーラー | Fractal Design Celsius S36(レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z Black F4-4400C19D-16GTZKK DDR4 8GB*2=16GB (レビュー) 4000MHz, CL17-17-17-37-CR2 |
マザーボード |
ASUS WS Z390 PRO (レビュー) |
ビデオカード | ZOTAC RTX 2080Ti AMP Extreme Core (レビュー) |
システムストレージ |
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB MZ-N6E1T0B/IT (レビュー) |
OS | Windows10 Home 64bit |
電源ユニット | Corsair HX1200i (レビュー) |
ベンチ板 | STREACOM BC1 (レビュー) |
キーボード | HyperX Alloy FPS メカニカルゲーミングキーボード (レビュー) |
モニタの表示遅延を測定する具体的な方法としては、キー押下時にそのキーのLEDが点灯するキーボードを使用して、LEDの点灯から画面表示への反映までの間隔を遅延時間として測定します。画面表示の確認については簡単にメモ帳を使用しています。この様子を「SONY DSC-RX100M5」の16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影し、遅延フレーム数を数えて遅延時間を算出します。同計測を各モニタ(と各リフレッシュレート)ごとに10回ずつ行って、その平均値を表示遅延とします。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」やその他の比較モニタの表示遅延の測定結果は次のようになりました。グラフの通りリフレッシュレートを上げると応答速度だけでなく表示遅延も改善するのでゲーマーにとってハイリフレッシュレート液晶モニタを選択するメリットは大きいです。
表示遅延が小さいメリットとしては、視認と操作の繰り返し応答が良くなることに加えて、例えば下の動画のように壁に隠れたターゲットが壁から出てきた時、画面に表示されるのが実際に速くなります。
ASUS TUF Gaming VG27AQのFreeSync/G-Sync CPについて
続いて「ASUS TUF Gaming VG27AQ」が対応する可変リフレッシュレート同期機能「AMD FreeSync / NVIDIA G-Sync Compatible(VESA Adaptive-Sync)」についてチェックしていきます。モニタの画面更新(リフレッシュ)に関する基本的な予備知識や、「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync)」と「NVIDIA G-Sync Compatible」の関係についてはこちらの記事を参考にしてください。
・ゲーミングモニタの選び方[3] FreeSyncとG-Sync Compatibleについて
なお当サイトのレビューではNVIDIA環境について、G-Syncモジュールが搭載されたモニタにおける可変リフレッシュレート同期機能を単純にG-Syncと呼び、AMD FreeSync(VESA Adaptive-Sync)に対応したモニタにおける可変リフレッシュレート同期機能はG-Sync CompatibleもしくはAdaptive-Syncと呼びます。またドライバでそのモニタが正式にサポートされている場合はG-Sync Compatible認証取得済みと補足します。
「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync) / NVIDIA G-Sync Compatible」には対応可能なフレームレート(リフレッシュレート)の上限と下限が製品ごとに設定されており、「ASUS TUF Gaming VG27AQ」は48Hz~144Hz, 165Hzの範囲内で可変リフレッシュレート同期に対応しています。また「AMD FreeSync」に対応するビデオ入力はHDMI2.0とDisplayPort1.2の両方です。「NVIDIA G-Sync Compatible」に対応するビデオ入力は機能の仕様上、DisplayPortのみです。
「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync) / NVIDIA G-Sync Compatible」が正常に動作してリフレッシュレートが可変になると、「ASUS TUF Gaming VG27AQ」のGamePlus機能の1つであるFPSカウンターによってオーバーレイ表示されるリアルタイムリフレッシュレートがフレームレートに合わせて変動するようになります。可変動作リフレッシュレート同期機能が正常に動作しているかはここを見て確認してください。
AMD FreeSyncの使い方
可変リフレッシュレート同期「AMD FreeSync」を有効化する手順について説明します。AMD製GPU搭載PCの場合はRadeon設定のウィンドウ右上にある歯車アイコンを選択、トップメニュータブからディスプレイを選択の手順で表示される「Radeon FreeSync」のスライドスイッチから機能を有効化します。
また上で紹介した参考記事中で解説しているように、AMD FreeSyncではテアリング解消とマウス遅延低減のどちらを優先するかで垂直同期の有無を各自で選択する必要があります。垂直同期は通常ゲーム内設定でON/OFFの切り替えが可能ですが、ドライバ側が上書きしてゲーム内からは切り替えられない場合があります。ゲーム内で設定して希望通りの動作にならない時はRadeon Settingsのゲームプロファイルもチェックしてください。
NVIDIA G-Sync Compatibleの使い方
可変リフレッシュレート同期「NVIDIA G-Sync Compatible」を有効化する手順について説明します。2019年1月15日以降の最新ドライバによってNVIDIA GeForce環境でもAdaptive-Syncが利用可能になりました。ドライバの更新に合わせてG-Sync Compatible認証を取得するモニタが増えています。
417.71以降の最新ドライバをインストールして、DisplayPortビデオ出力にAdaptive-Sync対応モニタを接続すると、G-Sync対応モニタを接続した時と同様にAdaptive-Syncを有効化するための設定が、NVIDIAコントロールパネル上の「G-Syncの設定」に表示されます。
「G-SYNC、G-SYNCとの互換性を有効化(Enable G-SYNC, G-SYNC Compatible)」のチェックボックスをチェックして、下のモニタアイコンに使用するモニタの名前が表示・選択されていることを確認し、適用をクリックすればNVIDIA GeForce環境でAdaptive-Syncを有効化できます。
なお今回レビューする「ASUS TUF Gaming VG27AQ」と違ってG-SYNC Compatible認証を取得していない一般のAMD FreeSync/VESA Adaptive-Sync対応モニタでも、互換性が検証されていないと注記が表示されますが、NVIDIA製GPU環境においてAdaptive-Syncを利用できます。
AMD FreeSync/NVIDIA G-Sync Compatibleの効果
可変リフレッシュレート同期機能「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync) / NVIDIA G-Sync Compatible」の効果やメリットについて説明していきます。機能的にはほぼ同じなので以下まとめてFreeSyncと呼ぶことがあります。AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync) / NVIDIA G-Sync Compatibleの検証に際してはリプレイ機能があって同一シーンで検証がしやすいので「Project Cars 2」を使用しています。またフレームレートやテアリングの発生の様子を確認しやすいように、画面左上にはGPUフレームレートOSD、画面左端にはGPUフレームバッファで色の変わるカラーバーが表示されるようにしています。加えてモニタが対応していればモニタOSDのリフレッシュレート表示機能も使用します。
画面右上のフレームレートはGPUフレームバッファから算出されているので必ずしもリフレッシュレートとは一致しません。画面左端のカラーバーは連続するフレーム間、つまりn番目とn+1番目のフレームではそれぞれ異なる色になっているため、同時に複数色のカラーバーが表示されている画面はテアリングが発生していることを意味します。
まずは同期なし、垂直同期、FreeSync、FreeSync+垂直同期の違いを分かりやすく体感してもらうため、モニタリフレッシュレート60HzにおいてGPU側出力フレームレートが30FPS~60FPSの間で変動するようにして、「SONY DSC-RX100M5」の16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影して、画面表示の様子を比較してみました。
同期なしでは盛大にテアリングが発生し、垂直同期ではスタッター(カクつき)が発生しているのがわかります。一方でFreeSyncと垂直同期の両方を有効にした場合はテアリングもスタッターも発生しません。ただし例外として動画で50秒以降のフレームレートが40FPSを下回るとAMD FreeSyncの対応フレームレート外となるためスタッターが発生しています。またFreeSyncのみを有効にして垂直同期は無効の場合、同期なしと比べて圧倒的にテアリングが減っているのがわかります。ただし対応フレームレート内であっても稀にテアリングが発生し、対応フレームレート外では同期なし同様にテアリングが発生します。
続いて144Hzリフレッシュレートにおいて、GPU側出力フレームレートが100FPS前後で変動するようにして、先ほど同様に同期なし、垂直同期、FreeSync、FreeSync+垂直同期の様子を16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影して比較してみました。
FreeSync有効であれば同期なしのテアリングや垂直同期のスタッターに悩まされることなく滑らかで綺麗な映像が表示できています。FreeSyncの60Hz/50FPS前後と144Hz/100FPS前後を比較すると当然ですが後者の方がコマ割りが増えるので16倍速スローモーションでもスムーズに見えます。
FreeSyncのみを有効した時に映像フレームレートが対応フレームレート範囲外になるとテアリングが発生しますが、リフレッシュレートを上回ってしまう場合については、Radeon設定のRadeon Chillの最大FPSに”リフレッシュレートから3,4FPSを引いた値”を指定してください。(グローバル設定だけでなくゲームタイトル別に設定が可能)
なおNVIDIA GeForce環境でAdaptive-Syncを利用する場合も、フレームレートがリフレッシュレートを超過するとテアリングが発生するので、テアリングを完全になくすには垂直同期を有効化する必要があります。もしくは垂直同期無効においてテアリングをなくすには、NVIDIAコントロールパネルの「Max Frame Rate」に”リフレッシュレートから3,4FPSを引いた値”を指定してください。(グローバル設定だけでなくゲームタイトル別に設定が可能)
これの設定以外にもRivaTunerやNvidia Profile Inspectorを使用してゲーム内フレームレートがモニタリフレッシュレートを上回らないように設定することも可能です。
下の比較はいずれもFreeSyncが有効になっているのでスタッターもなく滑らかですが、単純にFreeSyncだけを有効にすると対応フレームレートの上限となるリフレッシュレートを超えた時にテアリングが発生します。
リフレッシュレートが144Hz(フレームレートの上限が144FPS)の場合は120FPS~140FPSが上限になるようにフレームレートに制限をかければ、マウス操作を低遅延しつつ、テアリングの発生も最小限に抑えて快適なゲームプレイが可能です。
またPUBGやCS:GOのようなオンライン対戦FPSや格闘ゲームなど1,2フレームを争う競技性の高いPCゲームでは、表示遅延(入力遅延)が発生する垂直同期は嫌われる傾向にありますが、144Hzや240Hzといったハイリフレッシュレートモニタにおいて、同期機能を無効化した場合に発生するテアリングがどのように影響するのか検証してみました。
テアリングはモニタ表示更新中のフレームバッファの更新で発生しますが、目で見た時の違和感はn番目とn+1番目のフレームの絵の差に影響されます。コマ割りが細かくなる高フレームレートではn番目とn+1番目の絵の違いは当然、低フレームレートの場合よりも小さくなります。そのため50FPSでは画面の分断のように知覚できたテアリングは、200FPSのような高フレームレートでは細かいノイズのような形で知覚されます。
100FPSを超える高フレームレートでは大きな分断に見えるテアリングの代わりに、細かいノイズのように感じるテアリングが増えてきます。『細かいノイズの発生程度であれば高リフレッシュレートモニタのテアリングは実用上は大した問題ではなく、可変リフレッシュレート同期機能は不要である』という意見がありますが、高リフレッシュレートモニタのアドバンテージとして先に解説した「ゲーム内遠方に存在して動いているエネミーやオブジェクトの視認性」と合わせて考えると、このノイズの有無は遠方の細かいエネミーやオブジェクトの発見に影響します。なので高リフレッシュレートモニタを使用するのであれば可変リフレッシュレート同期機能はあったほうがいい、というのが管理人の意見です。
ASUS TUF Gaming VG27AQのHDR表示やHDCP対応について
最後に「ASUS TUF Gaming VG27AQ」のHDR表示やHDCP対応について簡単にチェックします。「ASUS TUF Gaming VG27AQ」は輝度認証は特に取得していませんが、HDR表示に対応しています。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」は標準でHDR信号を受け付ける状態になっており、HDR表示を行う上で特にOSD上から設定を行う必要はありません。HDR信号を認識すると通常はグレーアウトしているHDR関連のOSD設定にアクセスできるようになり、HDR表示プリセットとして「ASUS Gaming HDR」と「ASUS Cinema HDR」の2種類が選択できます。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」はWQHD解像度/165Hz/G-Sync Compatible有効において、HDR表示も問題なく併用することができました。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」のサブ入力として設置されている2基のHDMI端子は両方ともver2.0に対応しており、モニタの物理的な解像度がWQHDなので実際の表示自体は当然WQHDにダウンスケールされますが、PS4 ProやXbox One Xに接続した場合、4K/60FPS対応モニタとして認識され、4K解像度のビデオ出力が可能です。
PS4 ProやXbox One Xのビデオ出力設定を4K解像度にすると、最新のデジタル著作権保護HDCP2.2に対応し、Ultra HD Blu-rayなど著作権保護のあるコンテンツも再生が可能になります。
Xbox One Xは1440pにも対応しているので2560×1440のネイティブ解像度でビデオ出力が可能、加えて120Hzリフレッシュレートや可変リフレッシュレート同期機能も利用できます。
HDRについて簡単に説明すると、HDR(ハイダイナミックレンジ)というのは、RGBの光の三原色の映像情報に加えて、輝度(明るさ)の情報が備わった映像ソースのことです。従来の表示機器や映像ソースでは10^3程度のダイナミックレンジしかありませんでしたが、HDRに対応することでダイナミックレンジが10^5程度と100倍近く拡張され、従来よりも細かい階調で明るさや暗さを表現できるようになり、「明るい場所は明るく、暗い場所は暗く」なるように画面の明るさを操作することで、白飛びや黒潰れをなくして高画質を実現しています。
HDRに関する説明は色々とあると思いますが、管理人は『明るい場所はより明るく、暗い場所はより暗く』と大雑把に理解しています。「明るい場所は明るく、暗い場所は暗く」するということは必ずしも”見えやすく”なるわけではありません。というか暗い場所は暗くなるので必然、暗い部分は見えにくくなります。逆に明るい場所が明るくなったら見えやすくなるかというと、再現可能な輝度の領域が増すので、ディスプレイによる描画は現実に近づきますが、太陽を覗き込んだ時のように特に明るい場所の周辺は光で潰れて(目の調光機能的な問題で)見えにくくなります。もちろん明暗が分かれることで境界線がクッキリして見えやすくなる場合もあります。
一部のゲーミングモニタに暗所を明るく(白く)して見えやすくする機能があるように、HDR表示は見やすさには直結しないので、見やすさという意味で画質が良くなるのかというと、その点はケースバイケースです。SDRダイナミックレンジの範囲内で平滑化されていた時に比べて、暗い部分が強調されることを考えると見えにくさの方が体感しやすい気がします。
HDRは原理的にはモニタから見える映像を”リアル”に近づける機能です。ただし実際のところはモニタ個別の色調設定などの都合で鮮やかになり過ぎたり色味が変わったりするので、「実際の視覚と同じ」という意味でリアルかというと疑問符が付くのですが。「明るい場所は明るく、暗い場所は暗く」なるので立体感は増して、平面表示の中に奥行を感じやすくなるという点ではリアルな表示に近づきます。個人的にはHDR表示の効果はSDRに比べて、鮮やかになって、立体感が増すと感じています。
4Kモニタの広告をフルHDモニタで見る以上に、SDRモニタでHDRについて体感的に理解することは困難です。なのでHDRについては店頭など実機で体験して気に入れば購入するくらいが正直なところおすすめです。HDRについては正直に言って”百聞は一見に如かず”な機能です。SDRモニタ上で調べるよりもHDR表示の実機を見て気に入るかどうかが全てな機能だと思います。
ASUS TUF Gaming VG27AQのELMB Syncについて
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」にはASUS独自モーションブラーリダクション機能「Extreme Low Motion Blur (ELMB)」が実装され、可変リフレッシュレート同期機能G-Sync Compatibleと併用可能なのでELMB Syncとしてアピールされています。『画面からスミアやモーションブラーを取り除き、動体の描画をより鮮明に表現します』という文句以外には、同機能に関する詳細な仕様についてはASUSからは公表されていませんが、実機の動作を確認してみたところ、「ELMB (Extreme Low Motion Blur)」は一般に言うところのMotion Blur Reduction(モーションブラーリダクション、残像抑制)機能の1種のようです。
モーションブラーリダクション機能についてはこちらの記事で簡単に紹介しているので、よくわからないという人は先に確認してみてください。
・ゲーミングモニタの選び方[2] モーションブラーリダクションについて
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」に搭載されたモーションブラーリダクションと可変リフレッシュレート同期機能を併用できるASUSの独自機能「ELMB (Extreme Low Motion Blur) Sync」については標準ではグレーアウトしており選択できませんが、「Adaptive-Sync」をONにして、DisplayPort接続においてリフレッシュレートが120Hz、144Hz、165Hzの時に選択可能となります。
まずはモーションブラーリダクション機能「ELMB Sync」が具体的にどのような動作をしているのか確認していきます。「ASUS TUF Gaming VG27AQ」で165HzリフレッシュレートのELMB Syncが動作している時の様子を5760FPSのスーパースローモーションムービーで撮影してみました。5760FPSで165Hz動作のモニタを撮影しているので、モニタが1回更新されるまでを撮影した動画は約35フレームに分割されます。
モニタが1回更新されるまでは35フレームに分割されていますが、35フレームのうち10フレーム程度が完全に明転し、残りの25フレーム程度が完全に消灯しているのが分かります。なお「ELMB Sync」は輝度が固定ではなく通常時と同様に0~100%で調整できますが明転/暗転時間に変化はなく、明転時のバックライト輝度だけが変化します。
また黒フレーム挿入によるMotion Blur Reduction機能では、残像感を低減させる効果が期待できる反面、バックライトを消灯するので時間平均の輝度が下がって画面が暗くなるというデメリットが指摘されますが、「ELMB (Extreme Low Motion Blur) Sync」では肉眼と写真撮影(シャッター速度を適度に遅く)で確認してみたところ、ELMB SyncをONにすると確かに輝度が下がりました。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」はELMB Syncを使用しても輝度を100%に設定すれば190cd/m^2程度の明るさを確保できるので通常の室内利用では問題ないはずですが、室内照明がかなり明るい環境等では注意が必要です。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」に搭載された「ELMB」などモーションブラーリダクション機能は、人の目の錯覚が引き起こす残像やボヤケを解消する機能なので、写真や動画を見せて残像が抑制されている様子を実際に見せるというような解説は厳密には不可能です。
そのためレビューでは管理人が試用してみたインプレッションを伝えることくらいしかできないのですが、「ELMB Sync」を有効にすると動いている物体の輪郭がクッキリとして確かに視認しやすくなりました。下の写真は管理人が「UFO Test: Strobe Crosstalk」を見た時の感覚を表現したイメージ図ですが、「ELMB Sync」を有効にすると輪郭のボヤケがなくなってネイティブスピードでも倍速ハイスピード動画のスローモーションで輪郭を追っている時に近い感覚で追従して見ることができました。
また冒頭で述べたように「ELMB Sync」の魅力はその名前の通り、モーションブラーリダクション機能を可変リフレッシュレート同期機能G-Sync Compatibleと併用可能なところです。
下はASUS TUF Gaming VG279QMでELMB Syncを使用した時の様子ですが、ELMB Syncではフレームレートに合わせて変動するリフレッシュレートに対し、適切に黒フレームが挿入されています。可変リフレッシュレート同期機能も正常に動作しているので、ELMB単独では動画の右側のようにテアリングが頻発するのに対して、「ELMB Sync」ではテアリングのない綺麗な表示になります。
ASUS TUF Gaming VG27AQのレビューまとめ
最後に「ASUS TUF Gaming VG27AQ」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 画面サイズ27インチでゲーミングモニタとしてはちょうどいいサイズ
- 発色や視野角に優れたIPS液晶パネル
- 液晶パネルは反射防止のアンチグレア
- ビデオ入力はDisplayPort1.2とHDMI2.0×2の計3系統
- 全てのビデオ入力においてWQHD解像度/144Hzリフレッシュレートに対応
- DP1.2入力ではオーバークロックによって165Hzリフレッシュレートにも対応
- 可変リフレッシュレート同期機能AMD FreeSync(VESA Adaptive-Sync)に対応
(DisplayPortとHDMIで48FPS~144FPS,165FPSの範囲内で対応) - PS4やXboxの接続時は4K/60FPSの入力、HDCP2.2に対応
- 可変リフレッシュレート同期と併用可能なMBR機能「ELMB Sync」に対応
- 照準点をオーバーレイし、なおかつ画面中央を拡大表示する「スナイパー」機能
- モニタ本体重量3.5kgかつVESAマウント対応でモニターアームを使用可能
- 60Hz動作でちょうどいいオーバードライブ設定がない
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」は2560×1440のWQHD解像度、ネイティブ144HzさらにOC 165Hzの高速リフレッシュレート、IPS液晶パネルというハイスペックな液晶パネルを採用したゲーミングモニタです。
同スペックの製品は5年ほど前が初出となっており、真新しさこそありませんが登場当時の最速グラフィックボードはGeForce GTX 1660相当のGeForce GTX 980で、WQHD/144Hzのフルスペックを発揮しようとするとマルチGPUが要求されたのが、2019年現在の最新GPUであればGeForce RTX 2070 SUPERやRadeon RX 5700 XTなどミドルハイクラスGPU1台で対応できるので、高解像度かつハイリフレッシュレートなゲーミングモニタとしてはちょうどいい製品です。
「ASUS TUF Gaming VG27AQ」は可変リフレッシュレート同期機能「AMD FreeSync (VESA Adaptive-Sync)」に対応しています。FreeSync対応フレームレートとして48FPS~165FPSの幅広いフレームレートをカバーしており、60FPS前後しか維持できない最新の高画質な重いゲームから、100FPS以上を維持できる競技性の高い軽めなゲームまで、テアリングやスタッターのないクリアで滑らかな表示を実現します。
これまではAMD製GPUを搭載した環境でしか使用できない機能でしたが、19年1月からはNVIDIA製GPUでも可変リフレッシュレート同期機能Adaptive-Syncが利用できるようになったので間口もかなり広くなったと思います。
さらに「ASUS TUF Gaming VG27AQ」は2020年2月28日付で配信が開始された最新GeForceドライバにおいてNVIDIA製GPUとの互換性を証明するG-Sync Compatible認証も取得しているので、国内シェアの高いNVIDIA環境でも安心して使用できます。
その他にも「ASUS TUF Gaming VG27AQ」には、可変リフレッシュレート同期と併用可能なモーションブラーリダクション機能「Extreme Low Motion Blur (ELMB) Sync」や、もはやチート級なゲーマー向け便利機能「スナイパー」といったASUS独自の機能が満載されています。「ASUS TUF Gaming VG27AQ」は多数のゲーマー向け独自機能という点で各社から発売されて競合製品の多いWQHD/144Hz/IPS液晶モニタの中でも魅力的な製品だと思います。
以上、「ASUS TUF Gaming VG27AQ」のレビューでした。
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ASUS TUF Gaming VG27AQ レビュー
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) May 2, 2020
良い
✅WQHD/144Hz/IPS液晶モニタ
✅OC機能で165Hzに対応
✅VRR同期と併用可能なMBR機能「ELMB Sync」
✅もはやチート級な便利機能スナイパー
悪いor注意
⛔60HzでちょうどいいOD設定がないhttps://t.co/rLejggAYWO
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