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4K解像度/60FPS/HDRの映像をパススルー表示しながら、内蔵ハードウェアエンコーダによって、定番のx264や次世代高画質コーデックHEVC(x265)で単独録画が可能なビデオキャプチャ「Elgato Game Capture 4K60 S+」をレビューします。
PlayStation 4 ProやXbox One Xなどコンシューマーゲーム機でも対応ソフトが増え始めている4K解像度/60FPS/HDRの超高解像度ハイダイナミックレンジなビデオ出力を、パススルーによって遅延なく表示しながらビデオキャプチャ単独でネイティブに録画が可能な2020年最高峰のビデオキャプチャを徹底検証していきます。

製品公式ページ:https://www.elgato.com/ja/gaming/game-capture-4k60-s-plus
https://www.corsair.com/ja/ja/カテゴリー/製品/Elgato-Gaming/Capture/Game-Capture/p/10GAP9901
クイックマニュアル:https://www.elgato.com/sites/default/files/qsg/4K60_S+_QSG.pdf
FAQ(英語):https://help.elgato.com/hc/en-us/sections/360007646911-Elgato-Game-Capture-4K60-S-

Elgato Game Capture 4K60 S+ レビュー目次
1.Elgato Game Capture 4K60 S+の概要
2.Elgato Game Capture 4K60 S+の外観・付属品
3.Elgato Game Capture 4K60 S+の検証機材とドライバ
4.Elgato 4K Capture Utility for Windowsについて
5.Elgato Game Capture 4K60 S+とサードパーティ製ソフトとの互換性について
6.Elgato Game Capture 4K60 S+の表示遅延について
7.Elgato Game Capture 4K60 S+とHDR映像ソースについて
8.Elgato Game Capture 4K60 S+の単独録画モードについて
9.Elgato Game Capture 4K60 S+のレビューまとめ
【機材協力:Elgato(国内正規代理店 SB C&S株式会社)】
Elgato Game Capture 4K60 S+の概要
「Elgato Game Capture 4K60 S+」は、一般的なビデオキャプチャ同様にUSB接続でPCに繋いで録画・配信を行うUSBモードに加えて、内蔵ハードウェアエンコーダによって単独で録画が可能な単体録画モードを使い分けることが可能なビデオキャプチャです。「Elgato Game Capture 4K60 S+」をUSB外付け機器型ビデオキャプチャとしてPCモードで使用する場合、USB3.0(USB3.1 Gen1)接続のUSB外付け機器型ビデオキャプチャとして動作しますビデオキャプチャ側USB端子「Elgato Game Capture 4K60 S+」はType-Cですが、Type-C to Type-Aケーブルが付属するのでPC側はUSB3.0以上のType-A端子があれば使用できます。USB2.0のUSB端子では正常に動作しないので注意してください。
「Elgato Game Capture 4K60 S+」は専用ドライバのインストールが不要であり、システムに導入してすぐにOBSやXSplitなどサードパーティ製キャプチャソフトから使用できます。
「Elgato Game Capture 4K60 S+」は4K/60FPS/HDRの映像ソースに対応しているので、PlayStation 4 ProやXbox One Xなどから出力される4K解像度/60FPS/HDR映像を、最大でネイティブな4K/60FPS/HDRの映像として録画できます。また「Elgato Game Capture 4K60 S+」はUSB接続時のPCモードでも4K/60FPS/HDRの録画に対応します。

HDMIパススルー端子も実装されており、4K/60FPS/HDRの映像(音声信号も含む)を4K/60FPS/HDRモニタへ直接にパススルー表示しながら、ビデオ録画が行えます。
なお4K60 Pro MK.2やHD60+などの同社製品ではプレビュー画面についても「Instant Gameview Technology」によってパススルー表示と比較して違和感のない超低遅延を実現していることがアピールされていますが、「Elgato Game Capture 4K60 S+」はPC接続モードのソフトウェアプレビューにおいて250ms程度と比較的大きい遅延が生じるので注意が必要です。

「Elgato Game Capture 4K60 S+」を含めた複数機器で録画・配信を行う時に、遅延の大きい同製品に合わせて、その他の機器に対してソフトウェアから調整用の遅延を与え、遅延を揃える方法が公式サイトで紹介されています。
「Elgato Game Capture 4K60 S+」は高画質・高圧縮な次世代規格HEVC(x265)に対応したハードウェアエンコーダを内蔵しているので、ビデオキャプチャ単体でもHDMIビデオ入力をパススルーでTVやPCモニタに出力しながら単体で録画でき、録画解像度も4K/60FPS/HDRに対応します。
録画データは本体に設置されたSDスロットに挿入されているSDカードへ保存されます。SDカードの容量については最大1TBが正式にサポートされています。また4K/60FPS/HDRなど超高解像度な録画を行う場合は、UHSスピードクラス 3に対応するSDカードが推奨されています。(SDカードは別売りです)

なお「Elgato Game Capture 4K60 S+」をPCと接続して使用する場合は通常のビデオキャプチャと同様にCPUもしくはGPUのパワーが必要になります。4K/60FPS/HDRなど高解像度/高フレームレートのプレビュー・ビデオキャプチャを行う場合はGeForce GTX 1660やRadeon RX 5500 XTなど相応に高性能なGPUが必要になります。
「Elgato Game Capture 4K60 S+」は先行して発売されたPCIE拡張ボード型の「Elgato 4K60 Pro MK.2」と機能を比較して、120FPSや240FPSなどハイフレームレートには非対応、マルチアプリ同時実行に非対応となる代わりに、USB外付け機器ビデオキャプチャとして使用できるだけでなく、内蔵ハードウェアエンコーダによってビデオキャプチャ単独でSDカードに動画を録画できます。内蔵ハードウェアエンコーダはHEVC(x265)に対応しており、4K/60FPS/HDRの映像を録画可能です。

Elgato Game Capture 4K60 S+の外観・付属品
早速、「Elgato Game Capture 4K60 S+」を開封していきます。
内パッケージ内には黒色の紙製スペーサーで保護された状態で「Elgato Game Capture 4K60 S+」のビデオキャプチャ本体と各種付属品が収められています。ACアダプタはビデオキャプチャの下にあります。

「Elgato Game Capture 4K60 S+」にはビデオキャプチャの本体以外に、USB Type-A to Type-Cケーブル、パススルー表示用のHDMIケーブル、USB ACアダプタ、クイックマニュアル、ロゴシールが付属します。


「Elgato Game Capture 4K60 S+」にはパススルー接続用のHDMIケーブルが標準で付属しますが、HDMIケーブルを個別に購入するのであれば「エレコム Premium HDMIケーブル スリムタイプ」がオススメです。「エレコム Premium HDMIケーブル スリムタイプ」は18Gbpsの高速伝送による4K/60FPS/HDR表示対応のPremium HDMI cable規格認証を取得しており、ケーブル径4.5mmのスリムケーブルなので一般的な各種付属ケーブルと比較して取り回しの面でも非常に優れています。

エレコム PREMIUM HDMIケーブル スリムタイプ 1.0m
エレコム PREMIUM HDMIケーブル スリムタイプ 1.5m
エレコム PREMIUM HDMIケーブル スリムタイプ 2.0m
エレコム
「Elgato Game Capture 4K60 S+」のビデオキャプチャボード本体をチェックしていきます。
「Elgato Game Capture 4K60 S+」は幅111mm×奥行142mm×高さ32mmとなっており、底広な台形立体の形状です。ビデオキャプチャ製品としてはかなり大きいサイズ感だと思います。


「Elgato Game Capture 4K60 S+」の外装は金属製で高品位な黒色塗装が施され、表面には電子回路のような幾何学パターンが描かれています。天面には〇と△を組み合わせたようなElgatoロゴマークが描かれ、側面には4K60 S+の製品名が白文字で刻印されています。

底面に左右端(写真では上下端)にライン状のゴム足が貼られており、中央の製品シールと挟んで、通気用エアスリットが設けられています。

「Elgato Game Capture 4K60 S+」のI/Oポートを確認すると、まず前方には左から順に、マイク用3.5mmジャック、録画スイッチ、SDXCカードスロットが設置されています。

SDXCカードの容量については最大1TBが正式にサポートされています。また4K/60FPS/HDRなど超高解像度な録画を行う場合は、V30(Video Class 30)もしくはUHSスピードクラス 3に対応するSDXCカードが推奨されています。(SDカードは別売りです)
なお「Elgato Game Capture 4K60 S+」はUSBでPCと接続しても装着されているSDカードにアクセスはできないので、別途、SDカードリーダーが必要です。

Elgato Game Capture 4K60 S+で使用するSDXCカードについては、SDXCカードとしては定番中の定番ですが、「SanDisk Extreme Pro SDXCカード」がオススメです。当然、V30(Video Class 30)とUHSスピードクラス 3の両方に対応しています。
またElgato Game Capture 4K60 S+はMicro SDXCカードもサポートしています。Micro SDXCカードについてはNintendo Switch用のデータストレージとしても定番な「Samsung MicroSDXC EVO Plus」がオススメです。
UHSスピードクラス 3に対応、SD変換アダプタも標準で付属し、Amazon取り扱い品は国内正規代理店ITGマーケティングによる10年間の正規保証があり、大容量な512GBモデルもラインナップされています。
・SwitchのMicroSDを大容量512GBへアップグレード

背面には左から順に、PCと接続するためのUSB Type-C端子、ACアダプタから電源を取得するためのUSB Type-C端子、ビデオ入力のHDMI2.0端子、パススルーでモニタ・TVに接続するビデオ出力用のHDMI2.0端子が実装されています。HDMI端子はIN/OUTの刻印もあるので入力とパススルーがどちらかは一目で見分けられます。

「Elgato Game Capture 4K60 S+」に付属するUSB ACアダプタは最大15W(5V/3A)をUSB Type-Aポートから出力します。付属のUSB Type-A to Type-Cケーブルを使用してビデオキャプチャに電力供給を行います。
ビデオキャプチャの電力供給用Type-Cポートに記載されているように最低でも12W(5V/2.4A)の電力供給能力が要求されており、クイックマニュアルではサードパーティ製品は非推奨とのことです。2.4A以上に対応が推奨されているので、PS4 ProやXbox One XのUSBポートでは安定動作しない可能性が高いので注意してください。

公式には付属ACアダプタからの電力供給が推奨されており動作保証はありませんが、5V/3Aの電力出力に対応していればモバイルバッテリーでも「Elgato Game Capture 4K60 S+」は正常に動作します。
一例として、10000mAhの大容量かつコンパクトサイズな「Anker PowerCore 10000 PD Redux」を使用して、特に消費電力が大きいと思われる単独録画モードによる4K/60FPS/HDRのビデオキャプチャに成功しました。

10000mAh級のモバイルバッテリーであれば満充電なら数時間は録画が可能なはずですし、モバイルバッテリー自体のサイズも「Elgato Game Capture 4K60 S+」の半分以下なので、外出先へ持ち出す用途を想定するならオススメです。
USB3.0接続のAverMedia Live Gamer Ultraと比較すると、「Elgato Game Capture 4K60 S+」はちょうど2つ分くらいの大きさです。一方でAverMedia Live Gamer BOLTと比較すると形状に違いはあるものの容積的には同じくらいでした。


「Elgato Game Capture 4K60 S+」の本体重量は約350gですが、付属のACアダプタ&USBケーブルを含めると、500g程度になっています。

ちなみにAverMedia Live Gamer BOLTは350g、AverMedia Live Gamer Ultraはプラスチック外装なので軽量な120gです。

Elgato Game Capture 4K60 S+の検証機材とドライバ
「Elgato Game Capture 4K60 S+」について解説する前に、検証機材やドライバインストールの有無について簡単に紹介しておきます。「Elgato Game Capture 4K60 S+」の各種検証を行う環境としては、Intel Core i9 9900KやCore i9 7980XEなどで構成されているベンチ機を主に使用しています。構成の詳細は下記テーブルの通りです。
テストベンチ機の構成 | ||
CPU | Intel Core i9 9900K(レビュー) Core/Cache:5.1/4.7GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
Intel Core i9 7980XE(レビュー) 殻割り&クマメタル化 (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z Black F4-4400C19D-16GTZKK (レビュー) 4000MHz, CL17-17-17-37-CR2 |
G.Skill Trident Z Black F4-4200C19Q2-64GTZKK (レビュー) 3600MHz, CL16-16-16-36-CR2 |
マザーボード |
ASUS WS Z390 PRO (レビュー) |
ASRock X299 OC Formula (レビュー) |
ビデオカード | ZOTAC RTX 2080Ti AMP Extreme Core (レビュー) |
|
システム ストレージ |
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB (レビュー) |
Samsung SSD 860 PRO 256GB (レビュー) |
データ ストレージ |
Samsung SSD 860 QVO 4TB (レビュー) |
|
OS | Windows10 Home 64bit | |
電源ユニット | Corsair HX1200i (レビュー) | |
ベンチ板 | STREACOM BC1 (レビュー) |

加えてプレビュー表示遅延の検証等では8コア16スレッドCPUのCore i9 9980HKを搭載したIntel NUC 9 Extreme Kit最上位モデル「Intel NUC 9 Extreme Kit NUC9i9QNX」も使用しています。
・「Intel NUC 9 Extreme Kit NUC9i9QNX」をレビュー

「Elgato Game Capture 4K60 S+」はドライバを手動で当てることなく、すぐに使用できることがアピールされていますが、今回の検証環境では、完全に自動ではドライバのインストールが行われませんでした。

ただWindowsのドライバライブラリに登録されたドライバには対応しているので、ドライバマネージャーからドライバーの更新を行うことによって、最適なドライバが適用されます。


Elgato 4K Capture Utility for Windowsについて
「Elgato Game Capture 4K60 S+」で使用できるキャプチャソフトについては純正キャプチャソフト「Elgato 4K Capture Utility for Windows」が公開されているので、同ソフトの使い方について簡単に紹介します。「4K Capture Utility for Windows」は公式サポートページからダウンロードできます。
ソフトウェア:https://www.elgato.com/ja/gaming/downloads

なお「Elgato 4K Capture Utility for Windows」は純粋な録画のソフトとなっており、TwitchやYoutube Liveなどストリーミングサービスに動画を配信する機能はありません。
リアルタイム配信サービスに対応する同社製ソフト「Elgato Game Capture HD」については2020年7月現在、「Elgato Game Capture 4K60 S+」をサポートしていません。「Elgato Game Capture 4K60 S+」でPCからリアルタイム配信を行うにはOBSやXSplitといったサードパーティ製キャプチャソフトを使用する必要があります。

上の公式ダウンロードリンクから「Elgato 4K Capture Utility for Windows」のインストーラーをダウンロードしたらインストーラーを起動します。すでにインストーラーは日本語にも対応していました。ポチポチとクリックしていくだけなのでソフトウェアの導入は簡単です。

インストールが完了したらデスクトップに生成されるショートカットアイコンから「4K Capture Utility for Windows」を起動します。純正ソフトウェアだけあって、細かい設定は不要で簡単にXbox One Xの画面が表示できました。ホーム画面とゲームについてはXbox One X側でHDCP等の設定も必要ないようです。
USB3.0接続のビデオキャプチャでは4K/60FPSのパススルーは可能でも、録画とプレビューはフルHD/60FPSもしくは4K/30FPSが上限になっている製品が多いのですが、「Elgato Game Capture 4K60 S+」は内蔵ハードウェアエンコーダのおかげでプレビュー遅延が大きい代わりに4K/60FPSの録画が可能な初めてのUSB3.0接続ビデオキャプチャになっています。

「Elgato Game Capture 4K60 S+」はHDCPで保護されたコンテンツのプレビューおよび録画は非対応です。Xbox One Xではホーム画面とゲームについてはHDCP等の設定も特に必要ありませんが、PS4 Proはホーム画面の表示にもHDCPによるコンテンツ保護が働くので、プレビュー画面を表示する場合は予めHDCPオフの設定をしておくか、パススルー表示経由で設定を変更する必要があります。

なお「Elgato Game Capture 4K60 S+」にゲーミングPCを接続する場合、規定のカラー設定で、出力カラーフォーマットがRGBではなくYCrCb、また出力ダイナミックレンジがフルではなく限定になっているかもしれません。PCゲームによっては不具合が発生する可能性があるので、「Elgato Game Capture 4K60 S+」にPCを接続する場合は、「カラーフォーマット:RGB」と「ダイナミックレンジ:フル」になっていることを確認してください。NVIDIA製GPUの場合はNVIDIAコントロールパネルから下のように設定できます。

Elgato 4K Capture Utility for Windowsで録画した動画ファイルの保存フォルダやファイル名は、左下の「!」をクリックして表示されるウィンドウから編集可能です。
標準設定の日本語名のままでも動画ファイルの保存は可能ですが、Elgato 4K Capture Utility for Windowsのライブラリや内蔵プレーヤーが正常に動作しないので、英数字に変更するのがオススメです。

プレビューの表示されるメインウィンドウ右上の歯車アイコンを選択すると設定ウィンドウが表示されます。設定項目はソフトウェアアップデートなどに関する「一般」、キャプチャデバイスの基本設定に関する「デバイス」、キャプチャした映像の明るさや色調を調整できる「ピクチャ」、録画設定に関する「録画」、マイク音声入力に関する「マイク」の5つのタブメニューで構成されたシンプルな設計です。





「Elgato Game Capture 4K60 S+」にはマイク入力用3.5mmジャックがあるので、キャプチャ映像の音声ソースを、HDMIのみ、マイクのみ、HDMIとマイクのミックスの3種から選択できます。

録画タブではフォーマット(解像度とフレームレート)や動画のビットレートを設定できますが、「Elgato Game Capture 4K60 S+」では録画解像度は映像ソースの解像度で固定されており、4K映像をフルHDで録画することはできません。またビデオエンコーダも「Elgato Game Capture 4K60 S+」の内蔵エンコーダに固定されていて、CPUやGPUなどPC側のエンコーダは使用できません。唯一、動画のビットレートだけは68~196Mbpsの範囲内で調整できます。
なおOBSやXSplitなどサードパーティ製ビデオキャプチャソフトを使えば、録画解像度やエンコーダは自由に選択できます。

「Elgato Game Capture 4K60 S+」の映像ソースがHDRの場合は、設定可能な録画ビットレートを51~147Mbpsの範囲内で調整できます。

また「Elgato Game Capture 4K60 S+」は現在から遡って一定時間の動画を自動的に撮り貯めておき、指定の開始点から動画を保存できる「Flashback録画機能」にも対応しています。標準設定では2時間分の動画が自動で撮り貯められる設定になっています。

Elgato Game Capture 4K60 S+とサードパーティ製キャプチャソフトとの互換性について
「Elgato Game Capture 4K60 S+」用には純正ソフトウェア「Elgato 4K Capture Utility」が用意されていますが、「OBS Studio」や「XSplit Broadcaster」など特定の使い慣れたソフトがあるユーザーも多いと思うので、サードパーティ製キャプチャソフトとの互換性について簡単に確認しておきます。「Elgato Game Capture 4K60 S+」のサードパーティー製ビデオキャプチャソフトとの互換性についてですが、国内含め世界的にユーザー数が比較的多い「OBS Studio」と「XSplit Broadcaster」において、4K/60FPSの映像ソースが正常に表示できるか試してみたところ、この2つのソフトでは正常にプレビューと録画が可能でした。
USB3.0接続のビデオキャプチャでは4K/60FPSのパススルーは可能でも、録画とプレビューはフルHD/60FPSもしくは4K/30FPSが上限になっている製品が多いのですが、「Elgato Game Capture 4K60 S+」は内蔵ハードウェアエンコーダのおかげでプレビュー遅延が大きい代わりに4K/60FPSの録画が可能な初めてのUSB3.0接続ビデオキャプチャになっています。


Elgato Game Capture 4K60 S+の表示遅延について
「Elgato Game Capture 4K60 S+」を使用する上で気になっているユーザーも多いであろう、パススルーやプレビュー表示の表示遅延について検証してみました。ビデオキャプチャの表示遅延を測定する具体的な方法としては、キー押下時にそのキーのLEDが点灯するキーボードを使用して、LEDの点灯から画面表示への反映までの間隔を遅延時間として測定します。画面表示の確認については簡単に検索テキストボックスを使用しています。この様子を「SONY DSC-RX100M5」の16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影し、遅延フレーム数を数えて遅延時間を算出します。
なおキー入力でテキストボックスの変化を確認する方法は画面変化が小さいですが、実際のゲーム中など画面変化が大きい場合の表示遅延と比較しても遅延時間には基本的に大差がないようなので、簡単のため上の手順を採用しています
上の手順で測定した表示遅延の生のデータを比較すると次のようになっています。グレーのバーは10回測定した表示遅延の最大値です。
Xbox One XからHDMIケーブルで直接にモニタへ接続するネイティブ表示、およびパススルー表示においてはモニタ自体の表示遅延によって60ms前後の遅延が生じます。
「Elgato Game Capture 4K60 S+」をUSB接続してキャプチャソフトからプレビュー表示を行ったところ、純正ソフトのElgato 4K Capture Utility for Windowsで300ms程度とかなり大きい遅延が生じています。
一般的なプレビュー表示遅延が120ms前後であればネイティブ表示と比較してもさほど違和感なくゲームをプレイできますが、300ms超の遅延となると確実に操作に対するラグを感じます。

またネイティブ表示との差分を取ると次のグラフのようになります。
パススルーはその名の通り電気信号を素通ししているだけなので当然ですが、測定誤差で1桁かコンマ以下の違いが測定上出るものの、実際のところネイティブ表示に対して遅延は発生しません。
ネイティブ表示に対して「Elgato Game Capture 4K60 S+」に純正ソフトウェアを使用した時の表示遅延は250ms程度となり、公式ページで公表されている値と一致しています。一方でOBSやXSplitなどサードパーティ製キャプチャソフトを使用すると+100msほど追加の遅延が生じます。

Elgato Game Capture 4K60 S+とHDR映像ソースについて
「Elgato Game Capture 4K60 S+」におけるHDR映像ソースの取り扱いについて解説していきます。最初に端的に述べておくと、「Elgato Game Capture 4K60 S+」はHDR映像ソースをHDR動画としてしか録画できず、キャプチャソフト段階でSDR映像として扱おうとすると灰色がかった映像になってしまいます。
HDR動画をHDRに対応して再生ソフトで視聴したり、HDRに対応した編集ソフトでSDRに落とし込んでプレイ動画にするのであれば問題ありませんが、Elgato 4K60 Pro MK.2やAverMedia Live Gamer Ultra/4KのようにHDR映像のゲームをパススルーでプレイしながら、SDRとして即座に録画・配信するという用途には向かないので注意してください。

Elgato Game Capture 4K60 S+がUSB接続のPCモードでHDR映像ソースを受け付けるには、Elgato 4K Capture Utility for Windowsの設定から「HDRを有効にする」の項目にチェックを入れる必要があります。
OBSやXSplitを使用する場合でもHDR映像ソースを受け付けるにはこの設定が必要になりますが、購入時点では無効になっています。なお単独録画モードではこの設定と関係なく、自動的にHDR映像ソースを受け付ける状態に切り替わります。

「HDRを有効にする」の項目がチェックされていない場合、Elgato Game Capture 4K60 S+の入力に接続されたゲーム機やPCから見て、出力側の機器(モニタ)がHDR表示に対応していないと認識されます。

「Elgato Game Capture 4K60 S+」がHDR映像をキャプチャする時、プレビュー表示においてSDRへ最適化するトーンリマップはハードウェアやドライバではなく、キャプチャソフトで行われます。
キャプチャソフトにElgato 4K Capture Utility for Windowsを使用した場合、プレビュー画面はSDRに合わせてトーンリマップされているので、SDR表示のPCでも鮮やかな画面が表示されます。

ただし2020年8月現在の最新バージョン1.7.2では「Elgato Game Capture 4K60 S+」においてHDR映像ソースをSDR動画として録画することができません。プレビュー画面では比較的綺麗にSDR化できているので、今後のアップデートで機能を実装して欲しいところです。
ちなみにPCIE拡張ボード型の「Elgato 4K60 Pro MK.2」はHDR動画をSDR最適化トーンリマップした上で、SDR動画として録画することができます。

一方、「Elgato Game Capture 4K60 S+」においてOSBやXSplitなどサードパーティ製ビデオキャプチャを使用した場合は、SDR最適化トーンリマップされないので、灰色がかったプレビュー画面になり、これがそのまま録画されてしまいます。

「Elgato Game Capture 4K60 S+」のPCモードでHDR映像をキャプチャする時に、Elgato 4K Capture Utility for Windowsを使用すると、HDR映像として録画され、HEVCに対応した再生ソフトや編集ソフトではカラフルな映像として視聴・編集が可能です。「Elgato Game Capture 4K60 S+」の単独録画モードでもHDR映像ソースに対しては同じ形式で録画されます。

HEVC動画をHDRとして正常に再生できるプレイヤーについては、Elgato 4K Capture Utility for Windowsの内蔵プレイヤーの他に、上のスクリーンショットではWindow10に標準搭載されたストアアプリ「映画&テレビ」を使用しています。ただし同アプリは標準ではHEVCに対応していないので、Microsoft公式で無料配信している「デバイス製造元からの HEVC ビデオ拡張機能」をインストールする必要があります。

Elgato 4K Capture Utility for Windowsで録画してもHEVCに対応していない再生ソフトや編集ソフトでは通常のmp4動画ファイルと同様に取り扱うこと自体は可能ですが、灰色がかった映像になります。
またHDR映像ソースに対してサードパーティ製ビデオキャプチャソフトのOBSやXSplitを使用して「Elgato Game Capture 4K60 S+」で録画した映像はSDR最適化トーンリマップされないので、灰色ががかった映像のままでどうにもできません。

「Elgato 4K60 S+」、「Elgato 4K60 Pro MK.2」、「AverMedia Live Gamer Ultra」、「AverMedia Live Gamer 4K」のHDR映像ソースに対するトーンリマップを比較すると下のようになっています。
「Elgato 4K60 S+」以外の3機種についてはハードウェアかドライバでトーンリマップされているので、キャプチャソフトによって表示は変わりません。
Elgato 4K Capture Utility for Windowsを使用した時の「Elgato 4K60 S+」と各種キャプチャソフトにおける「Elgato 4K60 Pro MK.2」は色相の違いで調整するとほぼ一致します。AverMediaについては色調の調整で改善できるかもしれませんが、若干黒潰れが強く、また灰色がかる印象です。

Elgato Game Capture 4K60 S+の単独録画モードについて
最後になりましたが「Elgato Game Capture 4K60 S+」の最大の特徴ともいえるPCレスで4K/60FPS/HDRのビデオキャプチャが可能な単体録画モード(Standalone Recording)について紹介していきます。単独録画モードの使い方は非常に簡単です。USB Type-C給電ポートに付属ACアダプタ、もしくは公式推奨ではありませんが5V/3A対応モバイルバッテリーを接続し、HDMIポートにゲーム機/PCとモニタを接続します。
中央の「・」が点灯したら録画開始可能なスタンバイ状態です。スイッチは静電タッチ式になっていて、軽く触れるだけで録画が開始され、周囲の「〇」がゆっくりと点滅します。再びスイッチを触ると録画が終了します。
中央の「・」が点滅している間はSDカードへ動画の書き込み中です。中央の「・」が点灯したらスタンバイ状態なのでSDカードを取り出しても大丈夫です。
「Elgato Game Capture 4K60 S+」で使用するSDXCメモリーカードの対応記録形式はFAT32とexFATの2種類ですが、FAT32の場合、動画は4GBごとに分割して保存されます。exFATのSDXCメモリーカードを使用した場合は4GB以上でも連続録画が可能です。
上の章でオススメ製品として紹介した「SanDisk Extreme Pro SDXCカード」や「Samsung MicroSDXC EVO Plus」は購入時点ですでにexFATでフォーマットされているので特に設定の必要はありません。
他社製品向けに公開されているマニュアルですが、下記の手順でSDカードのフォーマット(初期化)して、記録形式をFAT32かexFATに変更できます。
exFATフォーマット手順:https://storage.avermedia.com/web_release_jp/C878_exFAT.pdf

「Elgato Game Capture 4K60 S+」の単独録画時の録画品質は設定値を上限として可変ビットレートとなっており、設定可能な最大ビットレートは200Mbps、初期設定における可変最大ビットレートは下のテーブルのようになります。
単体録画モードの録画品質 | ||
解像度 | 標準設定 |
設定可能な最大値 |
3840 x 2160 (4K) | 80 Mbps | 200 Mbps |
1920 x 1080 (フルHD) | 60 Mbps | |
1280 x 720 (HD) | 40 Mbps |
上記の通り「Elgato Game Capture 4K60 S+」のビットレートは設定値を上限とした可変ビットレートなので、録画可能時間は使用状況によって変化しますが、標準設定における解像度とストレージ容量による録画可能時間の目安は次のようになります。
録画可能時間の目安 | ||||
解像度・
画質 / 容量 (標準設定) |
ストレージ容量 | |||
128GB | 256GB | 512GB | ||
3840 x 2160 (4K) |
80 Mbps 1.7分/1GB |
約3時間40分 | 約7時間15分 | 約14時間30分 |
1920 x 1080 (フルHD) |
60 Mbps 2.7分/1GB |
約4時間50分 | 約9時間40分 | 約19時間20分 |
1280 x 720 (HD) |
40 Mbps 3.4分/1GB |
約7時間15分 | 約14時間30分 | 約28時間10分 |
フォーマットしたSDカードを「Elgato Game Capture 4K60 S+」に挿入すると、SDカードのルートに「Elgato」というフォルダが作成されます。Elgatoフォルダの中には、単独録画モードで作成した動画ファイルが保存されるVideosフォルダ、公式サイトFAQに飛ぶリンク、単独録画モードの録画設定が記述された”Setting.txt”の3つがあります。

「Setting.txt」はElgato Game Capture 4K60 S+の単独録画モードにおける録画設定を指定するファイルとなっていますが、録画ビットレート(RECORDING BITRATE)と音声入力選択(AUDIO INPUT SELECTION)の2つ以外は基本的に触る必要はありません。

録画ビットレート(RECORDING BITRATE)は録画解像度に応じてビットレートを指定できます。上でも書いたように単独録画時の録画品質は設定値を上限として可変ビットレートとなっていて、ここでは最大ビットレートを指定できます。最大値は200Mbpsです。

音声入力選択(AUDIO INPUT SELECTION)は、HDMI音声だけなら”0”、マイク入力だけなら”1”、HDMIとマイクのミックスなら”3”を「EGC_AUDIO_INPUT=〇」という文の〇の部分に書き込みます。標準では3になっています。

前置きが長くなりましたが、「Elgato Game Capture 4K60 S+」の単体録画モードの録画画質についてチェックしていきます。
録画動画の画質検証に当たってはソース映像が変わると厳密に比較するのが難しくなるので、Elgato Game Capture 4K60 Pro MK.2を使用して、ちょうど2020年8月にPC版が解禁された高画質ゲーム「Horizon Zero Dawn」の4K/60FPSプレイ動画を500Mbps程度の品質で録画し、その動画をフルスクリーン再生したビデオ出力をキャプチャしました。

Youtube側で再圧縮されてしまうので比較動画はアップしてもあまり意味がないのですが、「Elgato Game Capture 4K60 S+」の単独録画モードで4K/60FPSの映像を120Mbpsでキャプチャしたものを、500Mbpsの映像ソースと比較した動画がこんな感じです。
「Elgato Game Capture 4K60 S+」が単独録画モード(120Mbps)で4K/60FPSの映像をフレーム落ちすることなく録画できているのかチェックしてみました。Horizon Zero Dawnのサンダージョー戦がかなり重いので、多少グラフィック設定を下げて調整もしていますが、GeForce RTX 2080 Tiでも4K解像度で60FPSに張り付きとはいかず、ソース映像も若干フレームレートが変動しています。
「Elgato Game Capture 4K60 S+」が単独録画モードについては、面白みのない下のグラフの通り、フレーム落ちすることなくソース映像をシッカリと録画できていました。

「Elgato Game Capture 4K60 S+」の単独録画モードにおいて4K解像度の映像ソースをキャプチャした時の標準設定である80Mbpsと、映像ソースを比較するとこんな感じです。
Youtube側で再圧縮されるのでアップした動画を見ても違いが伝わり難いのですが、「Elgato Game Capture 4K60 S+」の単独録画モードの特性として、解像度(とフレームレート)に対してビットレートが低めな時に、陽炎のようなモヤモヤっとしたノイズが生じます。4K/60FPSに対しては標準設定の80Mbpsだと陽炎ノイズが生じるので、120Mbps~160Mbpsが推奨です。
上述の通りYoutubeにアップしても再圧縮されるので、動画から切り取った静止画を画質比較用に掲載しておきます。各シーンのvsリンクからはスライダー比較画像をチェックできます。
80Mbpsだと細部のディテールが潰れてボヤけた感じになる箇所もありますが、120Mbpsにビットレートを上げると静止画で見てもオリジナルとの差は大分なくなります。とはいえやはりテクスチャ表現が消えたりしている箇所もあるので、4K/60FPSで画質を追求するなら最大設定値の200Mbpsまでビットレートを引き上げた方が良さそうです。
【4Kシーン1:80Mbps vs 120Mbps / 80Mbps vs original / 120Mbps vs original】



【4Kシーン2:80Mbps vs 120Mbps / 80Mbps vs original / 120Mbps vs original】



【4Kシーン3:80Mbps vs 120Mbps / 80Mbps vs original / 120Mbps vs original】



続いてビデオキャプチャ製品で競合するAVerMedia社の単体録画対応製品AVerMedia Live Gamer Portable 2 PLUSと比較検証してみました。
AVerMedia Live Gamer Portable 2 PLUSは最高録画品質がフルHD/60FPSの20Mbpsなので、「Elgato Game Capture 4K60 S+」もフルHD/60FPSの20Mbpsでキャプチャして、画質を比較してみました。
20Mbpsにビットレートを揃えた場合、実際に動きのある動画として見ると、彩度が強めに調整されていて、陽炎のようなノイズが出ないのでAVerMedia Live Gamer Portable 2 PLUSのほうが綺麗に見えたりもするのですが、Youtube側で再圧縮されている上の動画であっても、コマを止めて見比べてみるとAVerMedia Live Gamer Portable 2 PLUSでは潰れているディテールが「Elgato Game Capture 4K60 S+」では再現できているのが分かると思います。
やはりYoutubeの再圧縮がボトルネックになってしまい両方ともブロックノイズ多めで違いが分かり難いのですが、「Elgato Game Capture 4K60 S+」はフルHD/60FPSにおいて20Mbpsではビットレートが不足するため、陽炎のようなノイズ(最初の方の空が視認しやすい?)が発生します。40~60Mbpsまでビットレートを上げると陽炎のようなノイズはなくなります。
静止画でチェックしてみると、高ビットレートは当然として同じビットレートに揃えたとしても「Elgato Game Capture 4K60 S+」のほうがAVerMedia Live Gamer Portable 2 PLUSよりも綺麗に圧縮できているのが一目瞭然です。40Mbpsや60Mbpsで録画した時の静止画もvsリングのスライダー画像比較でチェックできるので参照してみてください。
「Elgato Game Capture 4K60 S+」の単独録画モードは、解像度&FPSに対してビットレートが低いと動画として見た時に陽炎ノイズが生じるので、フルHD/60FPSなら40~60Mbps、4K/60FPSなら120Mbps以上の高ビットレートにものを言わせて高画質録画をする使い方がベストだと思います。
【FHDシーン1:E20 vs A20 / E20 vs E40 / E40 vs A20 / E60 vs A20】

【FHDシーン2:E20 vs A20 / E20 vs E40 / E40 vs A20 / E60 vs A20】

【FHDシーン3:E20 vs A20 / E20 vs E40 / E40 vs A20 / E60 vs A20】

Elgato Game Capture 4K60 S+ レビューまとめ
最後にビデオキャプチャ「Elgato Game Capture 4K60 S+」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 単独でPlayStation 4 ProやXbox One Xの4Kゲームを4K/60FPS/HDRで録画可能
- 単独録画モードだけでなくPCモードでも4K/60FPS/HDRの録画に対応
- USB3.0接続型ビデオキャプチャで4K/60FPS対応は世界初
- ドライバ不要ですぐに使える
- 純正ソフト「Elgato 4K Capture Utility」は導入から4K録画までが簡単
- 純正ソフト「Elgato 4K Capture Utility」はHEVC(H.265)でHDR動画の録画が可能
- 「OBS Studio」や「XSplit」でも4K/60FPSの録画が可能
- 5V/3Aに対応していればモバイルバッテリーでも正常動作(公式サポート外)
- PCモードにおけるプレビューの表示遅延はかなり大きい
- 純正ソフト「Elgato 4K Capture Utility」は配信サービスには非対応
- OBSやXSplitではHDR映像ソースに対して適切なSDRトーンリマップがされない
- 単独録画モードでビットレートが低いと陽炎のようなノイズが生じる
- 製品価格が5万円以上と高価
「Elgato Game Capture 4K60 S+」の最大の魅力はやはりPCレスのビデオキャプチャ単体で4K/60FPS/HDRのビデオキャプチャが可能な単体録画モードだと思います。40Mbps以上で視覚損失を感じさせないフルHD/60FPS映像の録画が可能なところも競合製品と比較した時のメリットです。
価格が5万円以上と高価ですが、同社のElgato Game Capture 4K60 Pro MK.2をはじめとして4K/60FPS/HDRの録画に対応したビデオキャプチャは基本的に3~4万円程であり、4K/60FPS/HDRの映像をスムーズに録画しようと思うと10万円以上の高性能PCも要求されることを考えれば、コストパフォーマンスは非常に高い製品だと思います。
同製品を除けば単独録画に対応していても20Mbps以下の低ビットレートでしか録画できない製品しか現状では市場に存在しないので、フルHD映像ソースの録画に関してもオンリーワンな製品だと思います。
なお「Elgato Game Capture 4K60 S+」の単独録画モードは、ディテールを見ると圧縮品質は良いのですが、解像度&FPSに対してビットレートが低いと動画として見た時に陽炎ノイズが生じるので、フルHD/60FPSなら40~60Mbps、4K/60FPSなら120Mbps以上の高ビットレートにものを言わせて高画質で録画してから、低ビットレートへはPCのx264エンコードで再圧縮するのがベストな使い方だと思います。
USB3.0接続のビデオキャプチャでは4K/60FPSのパススルーは可能でも、録画とプレビューはフルHD/60FPSもしくは4K/30FPSが上限になっている製品が多いのですが、「Elgato Game Capture 4K60 S+」は内蔵ハードウェアエンコーダのおかげでプレビュー遅延が大きい代わりに4K/60FPSの録画が可能な初めてのUSB3.0接続ビデオキャプチャになっているところも見落とせないポイントです。
HDR映像ソースへの対応について、単独録画モードや純正ソフトウェアでHDR動画としてHEVCで録画できるという点については特に問題はありません。ただ視聴はともかく、編集できるソフトウェアは限られるので今のところはかなりニッチな用途になると思います。
一方でそこそこ需要がありそうなHDRをパススルーで表示しながらSDRで録画するという用途については、まず単独録画モードや純正ソフトウェアはHDR映像をSDR映像として録画することができません。HDRでプレイする場合はHDR対応の動画編集ソフトでSDRにトーンリマップして再エンコードする必要があります。
PCモードでサードパーティ製ビデオキャプチャソフトを組み合わせれば直接的にそういった使い方もできるのですが、純正ソフトウェア以外ではSDRへのトーンリマップが灰色がかってダメという問題があります。トーンリマップについては改善を期待したいところなのです。
最後に欲を言えば、『単独録画モードにおいてHDR映像ソースをSDRとして録画』と、『フルHD/240FPSのハイフレームレートをパススルー表示しながら60FPSで録画』の2つの機能には対応していて欲しかったです。単独録画対応ビデオキャプチャとしてはこの2つが可能ならカンペキでした。
以上、「Elgato Game Capture 4K60 S+」のレビューでした。

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次世代高画質コーデックHEVC(x265)による4K/60FPS/HDRや、視覚損失を感じさせないフルHDの単独録画が可能なビデオキャプチャ「Elgato Game Capture 4K60 S+」をレビュー。単独モードの機能や使い方、オススメSDカードを完全解説!https://t.co/vffLiyjSzk
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) August 28, 2020
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・「AVerMedia Live Gamer Ultra」をレビュー

(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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PC接続で確認をしてみました。
PS4(proじゃない方です)を4k60S+に接続するもElgato専用ソフトの4k capture utilyに信号無しとずっと出ます。
接続方法に関しましては
PS4 slim からHDMIを挿し4k60S+のINに挿入
4k60S+のOUTからHDMIをモニターに接続(4kモニターを使用)
しかし4k capture utilyではずっと信号なしと出る
※4k60S+のキャプチャー本体は認識されている。
別製品のElgato HD60で調べてGame capture HDで調べたところ認識がされ映像出力もされていた。このことからモニターに問題は特にない。
つまり今回購入した4k60S+に何かしらの問題があるのではないかと思いました。
PS5発売に向け購入したのですがこれは本体に異常がある可能性ってあるのでしょうか?
また
amazonのレビュー等を見ると
HDRに対応していないHDMIは映像が認識されないとありました。
主の4k60S+に使用していたHDMIの種類等はわかりますでしょうか?
忙しいところ申し訳ないです