ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B


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ストレージトレイへの固定も含めツールレス着脱構造で、6台の2.5インチSATA SSDをリムーバブル化できる5インチベイ対応ストレージケース「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」をレビューします。
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製品公式ページ:https://www.icydock.com/japan/goods.php?id=211
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ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B レビュー目次


1.ICY DOCK ExpressCage MB326SP-Bの外観・付属品
2.ICY DOCK ExpressCage MB326SP-Bの冷却ファンとファンノイズ
3.ICY DOCK ExpressCage MB326SP-Bのストレージトレイ


4.ICY DOCK ExpressCage MB326SP-Bの動作検証
5.ICY DOCK ExpressCage MB326SP-Bのレビューまとめ




【機材協力:ICY DOCK日本総代理店 聖仁商事】



ICY DOCK ExpressCage MB326SP-Bの外観・付属品

まずは「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」の外観や付属品について紹介していきます。
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「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」の付属品は、SSD固定ネジ、ストレージケース固定ネジ、マニュアル・保証書です。
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「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」のストレージケース本体についてチェックしていきます。
「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」の外観はサンプルイメージの通り黒一色のシンプルな外観です。
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同社のToughArmorシリーズは堅牢なフルメタル製が売りですが、「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」は天面と側面は1枚のスチール板となっているものの、底面や背面、ストレージトレイなどの大部分はプラスチック製でした。
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「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」は5インチベイ(5.25インチベイ)を1段占有するストレージケースとなっており、正面から見ての通り6基のストレージスロットがあります。
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「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」は奥行方向に150mm程度の長さです。
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「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」の背面には、6基のストレージスロットに対してそれぞれ6基のSATA端子が実装されています。給電用にはSATA電源端子が2基実装されています。
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ICY DOCK ExpressCage MB326SP-Bの冷却ファンとファンノイズ

「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」の背面に搭載された冷却ファンと、そのファンノイズについてチェックしていきます。
「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」は5インチベイ1段のスペースに1つ1つは低電力とはいえ6台のSATA SSDをギッシリと詰め込むストレージケースなので、背面には2基の40mm角冷却ファンが搭載されています。
搭載されている冷却ファンはRS4010S12Lという型番で、定格4000RPM、軸受けにはスリーブベアリングが採用されています。
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ストレージケース背面の右下にはスライドスイッチがあり、ファン速度をHigh、Low、Autoの3段階で調節できます。Autoに切り替えると内部温度センサーによってファン速度が自動的に調整されます。
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この種の機器搭載済み小型ファンはミニ端子で接続されていることが多いですが、「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」は一般的な自作PC用DCケースファンで使用される3PINファン端子が実装されているので、40mm角10mm厚のファンなら交換も可能です。長さが合うネジを用意すれば20mm厚など厚みの大きいファンも設置できます。
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「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」に搭載された冷却ファンは40mm角10mm厚のサイズかつ自作PCで一般的な3PINファン端子なので、静音性向上に繋がることを期待して比較のため市販の冷却ファンも用意してみました。
付属ファンとの比較に使用するのは、高性能ファンでお馴染みNoctuaから「Noctua NF-A4x10 FLX」に加えて、AINEX OMEGA TYPHOONの超静音モデル(CFZ-4010SA)と究極静音モデル(CFZ-2010LA)です。
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「Noctua NF-A4x10 FLX」は40mm角10mm厚のサイズ、3PINファン端子のDCファンです。定格回転数は4500RPM、付属の低ノイズケーブルを使用すると3700RPMに下がります。
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「Noctua NF-A4x10 FLX」は、様々な機器への組み込みを想定しているようで、ミニファン端子の変換ケーブルや、汎用的に変換ケーブルを作成できる「OmniJoin Adaptor Sel NA-JC1」なども付属します。
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AINEX OMEGA TYPHOONの40mmファンには超静音モデル(CFZ-4010SA)と究極静音モデル(CFZ-2010LA)の2種類がラインナップされています。
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いずれも40mm角10mm厚のサイズ、3PINファン端子のDCファンです。定格回転数が異なり、超静音モデル(CFZ-4010SA)は4000RPM、究極静音モデル(CFZ-2010LA)は3300RPMです。
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「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」の付属ファンと市販ファンの外形を比較してみると、付属ファンはファンハブがかなり大きく、ファンブレードのエアフロー面が狭めです。
今回用意した中ではNoctua NF-A4x10が最も広く、AINEX OMEGA TYPHOONはその中間くらいでした。
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「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」のファン端子は自作PCで一般的な普通の3PINファン端子なので、こんな感じでNoctua NF-A4x10 FLXも問題なく設置が可能です。市販ファンの多くはおそらくケーブルが余るのでその収納スペースには注意が必要ですが。
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「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」の標準ファンやNoctua NF-A4x10 FLXやAINEX OMEGA TYPHOONへの換装時について、サウンドレベルメーター(騒音計)を使用してファンノイズをCPUクーラー別で比較しました。
「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」を卓上に乗せて、ストレージケースの正面からサウンドレベルメーターを50cm程度離して騒音値を測定しています。
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この測定方法において電源OFF時の騒音値は30dB未満です。目安として騒音値が35Bを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになりますが、35~38dB以下であればPCケースに入れてしまえばファンノイズが気になることはそうそうないと思います。40dB前後になると煩く感じ始め、45dBを超えるとヘッドホンをしていてもはっきり聞き取れるくらいになります。
A特性で測定しているのである程度は騒音値にも反映されていますが、同じ騒音値でも周波数(ファン回転数)が高いほど体感としては大きな音に感じやすく、また不快に感じたり感じなかったりは音の性質(細かい乱高下の有無や軸ブレ)にもよるので注意してください。

「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」に各種ファンを組み込んで、スライドスイッチによって切り替えたファン速度別にノイズレベルを比較すると次のようになります。
スライドスイッチをHighにすると付属ファンをはじめとして、どのファンを使用してもノイズレベルは38dB以上になるので、正面からはっきりとファンノイズが聞こえます。小径ファンが高速回転するのでファンノイズの周波数も高く、体感としても煩く感じると思います。
一方でスライドスイッチをLowにした場合、一番静かなのはMB326SP-Bの付属ファンという結果でした。付属ファンはスリーブベアリングなのでダブルボールベアリングのような軸音もなく、特に問題点もなかったのでLow設定で運用するのであればファンを交換する必要はないと思います。
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ファンノイズについてもう少し補足しておくと、
High設定の時に「Noctua NF-A4x10 FLX」は付属ファンよりも若干高いノイズレベルを示しますが、音の性質も加味すると体感的には最もファンノイズが静かでした。
「Noctua NF-A4x10 FLX」はLow設定にしてもファンノイズがあまり小さくならない(降圧であまり回転数が落ちない)という欠点はあるものの、冷却性能を重視しつつファンノイズを抑えたい、ということであれば換装する価値はあると思います。
またケーブルが邪魔にならないのであれば、High設定で低ノイズケーブルを組み合わせると、ファンノイズと冷却性能のバランスが良いと思います。

AINEX OMEGA TYPHOONについてはHigh設定にした時にファンを2台使用すると、うなりのようなノイズが発生し、ノイズレベルの数値以上にファンノイズが気になりました。Low設定についても、最も低速な3300RPMモデルでも付属ファンよりファンノイズは大きいという結果です。3300RPMモデルはファン回転数的に静音性が一番優秀では?と期待していたので少々残念な結果です。
ファンブレード形状も違うので冷却性能には差があるかもしれませんが、静音性という意味ではMB326SP-Bの付属ファンから交換する意味はないと思います。


ちなみに今回は「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」のファン端子に接続するため、3PINファンを使用しましたが、マザーボード等の外部ファンコントローラーで制御してしまうのであれば、「Noctua NF-A4x10 PWM」などPWM速度調整に対応した4PINファンでもいい、というかそちらの方がファン速度を自由に制御できます。
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ICY DOCK ExpressCage MB326SP-Bのストレージトレイ

続いて「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」のストレージトレイについてチェックしていきます。
「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」は5インチベイ(5.25インチベイ)を1段占有し、6台の2.5インチSATA SSDをリムーバブル化できるストレージケースとなっており、正面から着脱可能なストレージベイが6基あります。
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キーロック等はないので、単純に正面プレートの短い方を右にスライドさせると留め金が外れて長い方のプレートが開き、手前に引き出せるようになります。
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「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」のストレージトレイはプラスチック製です。
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5インチベイに複数の2.5インチSATA SSDを設置できるストレージケースでは、金属製やプラスチック製の違いこそあれ、基本的にストレージトレイにSSDを”ネジ止め”する構造が採用されていますが、「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」はストレージケースからトレイを取り出すだけでなく、トレイにSSDを装着するところも含めて完全ツールレスな構造です。
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「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」のストレージトレイには後方(ハンドル側)の底面ネジ穴部分に少し細めのネジ軸(プラスチック製なので折らないように注)があり、これをSSDのネジ穴に挿入することで位置がズレるのを防止しています。
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ストレージトレイを裏返すとSSDが下に落ちてしまいますが、左右にはズレない程度の固定です。
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実用的にはツールレスのままでも問題ありませんが、セキュアな固定方法として、ネジによる固定にも対応しています。
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ICY DOCK ExpressCage MB326SP-Bの動作検証

「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」を検証システムに組み込んで、製品仕様の通り安定して動作するのか検証してみました。

今回、検証機材というか、管理人がメイン機として使用しているCore i9 7920XやTITAN RTXで構成されている自作PCに「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」を組み込みました。管理人のメイン機には今はなき国産PCケースメーカーAbeeのAS Enclosure X5をPCケースとして使用しています。
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「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」のストレージベイを全て使用するとSATA通信ケーブルが6本伸びることになります。複数カラーのマスキングテープを使い分けてSATA端子の根本に巻いておくと、ホスト側とSSD側の対応が一目で分かるのでオススメです。
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検証用SSDには普段からというか、5,6年前からデータ保存用ストレージとして使用しているSamsung SSD 850 RPO 2TBとSanDisk Ultra II SSD 960GBを使用しました。(少々古いSSDですが、SATA接続SSDはかなり前から連続性能は接続規格上限に達しているので)
「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」を介してマザーボードのSATA端子と接続していますが、アクセススピードを損なうことなく、500~560MB/sというSATA SSDとして理想的な速度を発揮しました。
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複数台のSATA SSDに同時に連続読み出しを行っても安定して500MB/s以上のアクセススピードを発揮しています。
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「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」の付属ファンをファン速度Lowとし、3台のSSDに連続読み出しを10分程続けてみましたが、サーマルスロットリングを起こすこともなく、安定して動作しました。
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ICY DOCK ExpressCage MB326SP-Bのレビューまとめ

最後に「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • プラスチックをメインに金属フレームを組み合わせた設計
  • 2.5インチSATA SSD(最大厚9.5mm)に対応
  • 5インチベイ一段だけで6基のストレージを増設可能
  • SSDのトレイへの着脱も含めて完全ツールレスなリムーバブル化が可能
  • 連続アクセス500~560MB/sで内蔵SSDと同等の性能を発揮できる
  • 冷却ファンによってサーマルスロットリングの心配はない
  • 冷却ファンはHigh/Low/Autoの3段階で速度調整が可能(Low設定がオススメ)
悪いところor注意点
  • ストレージケースだけで1.1万円と少し高価

「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」は、5インチベイ1つ分のスペースに6台の2.5インチSATA SSDを設置でき、SSDをツールレスに着脱可能なリムーバブル化できるストレージケースです。

「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」の最大の魅力はやはり、完全ツールレスな構造です。ストレージトレイの着脱からストレージトレイへのSSDの装着まで全てドライバー等の工具が不要なツールレス設計なので、5インチベイをシステムに導入しさえすれば、以後のストレージ換装をとても楽にしてくれます。

ストレージケース背面に標準で冷却ファンを搭載しているので、限られたスペースにSSDを6台も詰め込む状態でもSSDのオーバーヒートの心配はなく、安定して複数のSSDを運用できます。
ファン速度も2段階+Auto設定からスライドスイッチで切り替えが可能となっており、低速度設定にすれば、付属ファンのままでもファンノイズはほぼ聞こえません。

以上、「ICY DOCK ExpressCage MB326SP-B」のレビューでした。
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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