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PCIE5.0x4接続で連続読み出し10GB/sに達する高性能ながら、最新コントローラーとDRAMキャッシュレスで低消費電力、コストパフォーマンスにも優れるNVMe M.2 SSD「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB(型番:SSD-CK1.0N5PLG4N)」と「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 2TB(型番:SSD-CK2.0N5PLG4N)」をレビューします。
KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB レビュー目次
1.KIOXIA EXCERIA PLUS G4について
2.KIOXIA EXCERIA PLUS G4の外観
3.KIOXIA EXCERIA PLUS G4の検証機材と基本仕様
4.KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TBのベンチマーク比較
5.KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TBの連続書き込みについて
6.KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TBの消費電力
7.KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TBの実用性能比較
8.KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TBのデータコピー・ゲーム性能比較
9.KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TBのレビューまとめ
【2025年3月30日】 ファイルコピー性能の検証結果を更新
製品公式ページ:https://www.kioxia.com/ja-jp/personal/ssd/exceria-plus-g4-nvme-ssd.html
【機材協力:KIOXIA 国内正規代理店 バッファロー】
KIOXIA EXCERIA PLUS G4について
KIOXIA EXCERIA PLUS G4の外観
まず最初に「KIOXIA EXCERIA PLUS G4」の外観や付属品について簡単にチェックしておきます。「KIOXIA EXCERIA PLUS G4」は製品イラストやスペックが描かれた紙製パッケージで梱包されています。中の製品保護スペーサーも紙製です。



「KIOXIA EXCERIA PLUS G4」のSSD本体デザインについては普通にM.2 2280サイズ、M-Key型のM.2 SSDです。PCB基板は青色になっています。


公式ページでもアピールされているように、表面ラベルは放熱をサポートするヒートスプレッダー入りになっています。
ただこれだけあればヒートシンクが不要というわけではなく、あくまで発熱の大きいメモリコントローラーやメモリチップからヒートシンク(サーマルパッドを介して)への熱移動を補助する程度のものです。


KIOXIA EXCERIA PLUS G4の表面にはM.2端子の端に少し離れてメモリコントローラー、左端寄り1/3のスペースに2枚のメモリチップが実装されています。DRAMキャッシュは非搭載です。1TBと2TBの2種類の容量モデルがラインナップされていますが、SSD基板上の実装レイアウトは同じです。

「KIOXIA EXCERIA PLUS G4」のメモリコントローラーは公表されていませんが、TSMC製7nmプロセスで製造される最新のPHISON製DRAMキャッシュレスコントローラー PS5031-E31Tが採用されていました。
PCIE5.0対応ながら最新の製造プロセス&設計により省電力化(低発熱)も実現している最新メモリコントローラーです。

データ保存領域となるNANDメモリについても公式情報では”BiCS FLASH TLC”とだけ記載されていますが、KIOXIA製メモリの最新世代である218層TLC型3D NAND”BiCS8”(1TBの型番:TH58LKT2T48BA8R、2TBの型番:TH58LKT3T48BA8S)が採用されています。
KIOXIAの最新メモリ BiCS8については同社公式ページでも解説されていますが、CBA(CMOS directly Bonded to Array)とOPS(On Pitch SGD)という新技術を採用しています。
BiCS8は3D NANDの積総数が218層となっており200+層の各社最新メモリと比較した時に単純な積層数では劣りながら、18.3Gb/mmという最も高いメモリ密度を実現しています。
また競合メーカーは1チップで2400MT/s程度が多い中、BiCS8はCBAに加えてHigh-k/Metal Gate(HKMG)を導入することで、最終的な量産品においては3600MT/sの入出力速度を実現しています。
「KIOXIA EXCERIA PLUS G4」はSSD上に実装されたDRAMキャッシュの代わりに、PCIE3.0/4.0の高速帯域を介してシステムメモリの一部をキャッシュとして使用するHMB(Host Memory Buffer)に対応しています。

KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TBの検証機材と基本仕様
「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」の各種検証を行う環境としては、PCIE4.0/5.0に対応するAMD Ryzen 9 7950X&GIGABYTE X670E AORUS MASTERなどで構成されているベンチ機を使用しました。構成の詳細は下記テーブルの通りです。テストベンチ機の構成 | |
CPU | AMD Ryzen 9 7950X (レビュー) |
CPUクーラー | Fractal Design Celsius S36 (レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z5 Neo F5-6000J3038F16GX2-TZ5N DDR5 16GB×2=32GB (レビュー) |
マザーボード |
GIGABYTE X670E AORUS MASTER (レビュー) |
ビデオカード | PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8 Gaming VERTO EPIC-X RGB OC 3FAN (レビュー) |
システムストレージ |
Samsung SSD 990 PRO 1TB (レビュー) |
OS | Windows 11 Pro 64bit 22H2 |
電源ユニット | Corsair HX1500i 2022 (レビュー) |
ベンチ板 | STREACOM BC1 (レビュー) |


システムメモリの検証機材には、Ryzen 7000用OCメモリのスイートスポットとアピールされているメモリ周波数6000MHz/CL30の低レイテンシなメモリOCに対応した「G.Skill Trident Z5 Neo(型番:F5-6000J3038F16GX2-TZ5N)」を使用しています。
G.Skill Trident Z5 NeoシリーズはAMD EXPOのOCプロファイルに対応した製品なので、AMD Ryzen 7000シリーズCPUで高性能なPCを構築するお供としてオススメのOCメモリです。ARGB LEDイルミネーションを搭載したバリエーションモデル G.Skill Trident Z5 Neo RGBもラインナップされています。
・「G.Skill Trident Z5 Neo」をレビュー。EXPOで6000MHz/CL30のOCを試す!

2024年最新のSSDレビューでは高度に圧縮されたゲームデータをグラフィックボードのVRAMへ直接取り込んで、GPUによって高速に展開するDirectX 12のDirectStorageのようなAPIに対応したPCゲームも検証しています。
その時にSSDの理想的な性能を検証できるように、最新のウルトラハイエンドGPUを搭載したグラフィックボード「PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8 Gaming VERTO EPIC-X RGB OC 3FAN」を使用しています。
PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8は、ベイパーチャンバー構造のベースコアや、厚みのあるファンブレードをバリヤーリングで結合した重厚な冷却ファンを採用する4スロット占有大型GPUクーラーにより、各社AIBモデルの中でもトップクラスの静音性を実現しています。
メーカーのPNYは2022年に株式会社アスクが販売代理店契約を結んだばかりの新参なので国内での知名度は高くありませんが、北米など海外市場では30年以上に渡りコンシューマーならびにビジネス向けで電子機器の製造・販売を行う大手メーカーです。
国内正規品なら代理店を介してPNY公式のグローバル保証と同じ3年間の長期保証が受けられるところも魅力です。
・「PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8」をレビュー

検証環境については上述の通り、AMD Ryzen 9 7950XやGIGABYTE X670E AORUS MASTERで構成されるテストベンチ機を使用していますが、検証するNVMe M.2 SSDはマザーボード上のCPUソケット直下に配置されている、CPU直結PCIE5.0x4レーン接続のM.2スロットに設置しています。
またサーマルスロットリングによる性能低下の可能性を排除するため、JIUSHARK M2-THREEという60mm角ファンでアクティブ冷却できるM.2 SSDヒートシンクを組み合わせた状態で設置しています。

GIGABYTE X670E AORUS MASTERにM.2 SSDを設置する場合、M.2-PCIE変換ボードも使用するなら、計5つの候補があり、どこに接続するかでベンチマーク結果が大きく変わります。
Ryzen 7000シリーズCPU&X670Eマザーボードの環境においてCPU直結PCIEレーンは、主にグラフィックボードで使用するPCIE5.0x16レーンに加えて、NVMe M.2 SSD用のPCIE5.0x4レーンが2つがあり、実のところNVMe M.2 SSDを使用するなら、このNVMe M.2 SSD用のCPU直結PCIE5.0x4レーンが最速となります。


「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB」のボリュームをWindows 11上で作成したところ、空きスペースは931GBでした。

「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 2TB」のボリュームをWindows 11上で作成したところ、空きスペースは1.81TBでした。

「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」はSSD上に実装されたDRAMキャッシュの代わりに、PCIE3.0/4.0の高速帯域を介してシステムメモリの一部をキャッシュとして使用するHMB(Host Memory Buffer)に対応しています。
「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」でSSDが指定する最適バッファサイズは64MBで、実際に確保されるバッファサイズも64MBでした。

KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TBのベンチマーク比較
「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」の性能を測るためストレージに関する基本的なベンチマークソフトを使用して測定を行います。まずはCrystalDiskMark8.0.4 (1GiB, +Mix)について、「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」やその他の比較対象ストレージのベンチマーク結果は次のようになっています。
「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB」のベンチマークススコアは連続読み出し10,200MB/s、連続書き込み8,400MB/sとなりました。製品スペックを若干上回るスコアです。

「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB」は実用性能への影響の大きい4Kランダム読み出し(Q1T1)も92MB/s程度と非常に高速です。
Intel/AMDプラットフォームの違いや、グラフィックボード向けPCIEレーン(帯域分割のM.2スロット)を使用するかによってCDMベンチマークスコアは結構差が出るのですが、当サイトSSDレビューの統一検証環境の場合、80MB/s前後で最新の高性能SSD水準、85~90MB/sが出ていればトップクラスの性能です。
2TBモデルも製品スペックの通り、連続読み出し10,400MB/s、連続書き込み8,800MB/s程度です。こちらも1TBモデル同様に4Kランダム読み出し(Q1T1)も92MB/s程度と非常に高速です。

以下、各種比較対象SSDのCrystalDiskMark8 ベンチマークスコアになっています。
AS SSD Benchmark v2.0.6821.41776 (1GB)について、「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」やその他の比較対象ストレージのベンチマーク結果は次のようになっています。


以下、各種比較対象SSDのAS SSD Benchmark ベンチマークスコアになっています。
Anvil’s Storage Utilities v1.1.0 (1GB)について、「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」やその他の比較対象ストレージのベンチマーク結果は次のようになっています。



以下、各種比較対象SSDのAnvil’s Storage Utilities ベンチマークスコアになっています。
ATTO Disk Benchmark 4.00.0f2 (512B-64MB, 1GB, QD1/QD4)について、「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」やその他の比較対象ストレージのベンチマーク結果は次のようになっています。
ATTO Disk Benchmarkはブロックサイズ別の性能を主にチェックするベンチマークなので4KB~1MBを抜粋してリード/ライト性能をグラフにして比較しました。






KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TBの連続書き込みについて
「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」に連続書き込みを行った場合の動作についてチェックします。TLC/QLC型SSDの高速書き込みキャッシュ機能について
TLC型やQLC型と呼ばれる3bit以上のマルチレベルセルで動作するNANDメモリチップが採用されているSSDでは、マルチレベルセル化によって遅くなる書き込み速度の底上げのため、記憶領域の一部を高速キャッシュ領域とする機能が実装されています。現在、TLCやQLCの記憶領域を動的にSLC化するので、この高速キャッシュ領域はSLCキャッシュと呼ばれています。
(現在はSLC化が主流ですが、将来的な可能性としてMLCで高速キャッシュを構築することもありうる)
このようなSLCキャッシュ機能を採用するSSDでは、短いスパンで連続した大容量の書き込みが発生し、書き込み総量がSLCキャッシュを超過した場合、書き込み速度がステップ状にガクッと下がります。
例えばPCIE4.0x4接続に対応するNVMe M.2 SSDは5~7GB/s程度の連続書き込み速度が製品仕様として公表され、実際にテストデータサイズが数GBに収まるCrystalDiskMarkなどベンチマークソフトでは仕様値通りの高速書き込みが可能です。
しかしながら、高速書き込み速度を維持できるのはSLCキャッシュ内に収まる場合であって、SLCキャッシュ容量を超過すると書き込み速度がTLC型SSDで500~2000MB/s程度、QLC型SSDでは100~200MB/s程度へと大幅に低下します。

SLCキャッシュを評価する上で重要なことは?
SLCキャッシュを評価する上で重要なことは次の2つです。- 使用済みデータがある状態で50~100GB程度のSLCキャッシュを使用できるかどうか
- 書込後のSLCキャッシュの開放はどれくらい速いか (使用済みキャッシュの開放条件)
一方、SSDレビューでしばしば検証される次の項目は実用的にはほとんど意味がありません。
- フォーマット直後、使用済みデータなしの状態のSLCキャッシュ容量
- SLCキャッシュ超過後の書き込み速度 (特に全域書き込みの検証)
SLCキャッシュ容量は空き容量依存で可変、使用済みデータがある状態で50~100GBを確保する製品が大半という現状にマッチしていない検証、評価が多いので注意が必要です。
またSSDを1~2年程度で使い潰す(保証値TBWを上回る)ような使い方でもない限り、50~100GBのSLCキャッシュを超過するような書き込みは日常的に発生することはないので、SLCキャッシュ超過後の書き込み速度も重要ではありません。
KIOXIA EXCERIA PLUS G4のSLCキャッシュを確認
最新のTLC型NANDをメモリチップに採用する「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」がどのような挙動を見せるのか確認してみました。「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB」は空き容量が250GB以上あり、SLCキャッシュが十分に開放された状態であれば、100GBの書き込みを行っても、製品仕様でも紹介されているように書き込み開始から一貫して8GB/s程度の書き込みスピードを発揮できました。
SLCキャッシュ内なら5GB/s程度という高速な書き込み速度を発揮しますが、SLCキャッシュ容量を超過すると書き込み速度は400~800MB/s程度へと大幅に低下します。


フォーマット直後の状態からボリューム全域に書き込みを行った時の書き込み速度の推移が下のようになっています。実用的にはあまり意味のない評価方法ですが、SLCキャッシュの挙動を把握する上では役立つこともあるので参考までに。
8GB/s前後の書き込み速度を発揮する高速なSLCキャッシュは空き容量が100%の状態なら約200GB、TLC型SSDとして理想的な1/3容量をそのままではありませんが、十分に大容量です。超過後は書き込み速度が850MB/sと420MB/sでさらに2段階で低下しています。

空き容量が200~300GBになるまでデータを書き込んで、SLCキャッシュが解放されるまで十分に時間が経過してから100GBのデータを書き込んでみました。
「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB」のSLCキャッシュ容量はフォーマット直後の未使用状態における200GB程度の容量を最大値として、空き容量に依存してSLCキャッシュ容量が変化します。
TLC型ですが、空き容量200GBでも90GB程度のSLCキャッシュを利用できたので、Windows上でボリュームとして認識される容量(空き容量に比例して確保されるSLCキャッシュ)とは別に、30GB以上は空き容量として表示されないSLCキャッシュ用領域がありそうです。

「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 2TB」も同様に空き容量が250GB以上あれば100GB以上をSLCキャッシュとして使用できました。超過後の書き込み速度は1TBモデルよりも若干速く、1480MB/sと650MB/sの2段階でした。


「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」は基本的に100GB以上のSLCキャッシュを使用でき、短期・中期的にもアイドル状態になるとすぐに使用済みSLCキャッシュの開放が始まって、10分もあれば元通りに数十GB以上のSLCキャッシュを使用できます。
超過後の書き込み速度は400~800MB/s程度と大幅に速度低下しますが、実用的にはSLCキャッシュの超過による性能低下で不便を感じることはないと思います。
KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TBの消費電力と温度
「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」の消費電力についてチェックしていきます。NVMe M.2 SSDの消費電力測定には、当サイトの検証に使用するためワンオフで特注した測定ツール「GPU Power Tester」を使用しています。

GPU Power Testerはその名の通り、PCIEスロット経由とPCIE補助電源の消費電力を直接に測定しグラフィックボードの消費電力を検証する機器ですが、M.2延長カードを改造した増設ユニットを使用することでNVMe M.2 SSDの消費電力を測定できます。
グラフィックボードの消費電力測定に使用するようなライザーケーブル/ライザーカードから、さらにM.2-PCIE変換ボードを中継すると、機器の組み合わせやPCIE5.0等の高速接続規格によってはSSDの動作が不安定になることがありますが、この方法ならマザーボードのM.2スロットにM.2 SSDを直結した時と同等の性能で安定して消費電力を測定できます。

まずはSSDの消費電力の傾向を把握するため、CrystalDiskMark8.0.4 (1GiB, +Mix)を測定負荷としてアクセスタイプ別に消費電力がどうなるのかチェックしていきます。
CrystalDiskMarkの設定は各アクセスタイプで測定時間20秒/測定回数1回、測定インターバル10秒に変更しています。12種類のアクセスタイプの負荷に加えて、テスト終了後のアイドル状態の消費電力も測定しています。
CrystalDiskMarkを測定負荷とした時に連続読み出し/連続書き込みのアクセスタイプは、消費電力が最も大きくなる、ワーストケースに近い負荷となります。

CrystalDiskMarkで負荷をかけた時の「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB」の消費電力の推移は次のようになっています。
「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB」の消費電力は、連続アクセスの最大値で平均4.6W程度でした。最新のDRAMキャッシュレスなSSDとしては標準的です。
実用性能に影響の大きい4Kランダム(Q1T1)の読み書きにおける消費電力は2.2W程度となっており、ネガティブに感じる程ではありませんが、相対的には大きめです。

「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 2TB」も1TBモデルよりも微増の傾向ですが、連続アクセスの最大値で平均4.8W程度で標準的なDRAMキャッシュSSD水準、4Kランダムは2.2W程度でやや大きめという結果です。

メモリコントローラーにPHISON PS5026-E26を採用する初期のPCIE5.0対応SSDは消費電力が非常に大きく、ファンによるアクティブ冷却が推奨されるくらいでしたが、最新のPHISON PS5031-E31Tを採用する「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB」はDRAMキャッシュレスなPCIE4.0対応SSD水準まで消費電力が下がっていて、一般的なパッシブ式ヒートシンクでも余裕な発熱です。運用し易さがかなり改善されています。
連続読み書き性能に対するワットパフォーマンスを見ると、「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB/2TB」は既存のSSDに対して頭1つ2つ飛び越したWD_BLACK SN7100をさらに上回っています。
(IO系ベンチのスコアとその時の消費電力なので現実のワッパとは少々意味合いが異なりますが)

一方、「KIOXIA EXCERIA PLUS G4」のアイドル状態の消費電力は2W前後で一般的なPCIE4.0対応SSDと比較して高くなっています。省電力なSSDの4Kランダムアクセス時と同じくらいの発熱が常時発生する形です。ここは既存のPCIE5.0対応SSDのアーリーアダプター製品から改善があまりなく、少々残念でした。
ただし、近年のモバイルPCはバッテリー持続時間を少しでも伸ばすため、ASPM(Active-State Power Management)が基本的に標準で有効になっています。
デスクトップPC環境ではASPMは通常、使用されませんが、機能自体はBIOS設定とWindows設定を変更することで有効化できるので、ASPM時のアイドル電力も測定してみたところ、0.06~0.07Wまでアイドル時の消費電力が下がりました。
ASPMが使用されるモバイルPC環境なら「KIOXIA EXCERIA PLUS」のアイドル状態の消費電力は十分に小さくなります。
まだまだPCIE4.0対応SSDの方が主流なので、熱対策が限定されるモバイル環境に消費電力が小さくなったとはいえPCIE5.0対応SSDを導入する必要があるかというと微妙ではあるものの、明らかにネガティブな問題があるわけでもないので、使えるかといえば使える感じです。

消費電力が特に大きくなりやすい連続読み出し/連続書き込み(SEQ 1M Q8T1)について、「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」と各種ストレージを比較すると次のようになります。


実用性能に影響の大きいランダム読み出し/ランダム書き込み(RND 4K Q1T1)について、「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」と各種ストレージを比較すると次のようになります。


PC電源ONでSSDに対して読み書きアクセスがないアイドル状態の消費電力について、「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」と各種ストレージを比較すると次のようになります。


続いて、実用シーンのSSD消費電力として当サイト的に重要なPCゲームのプレイシーンをチェックしていきます。
使用しているタイトルは、DirectStorageに対応するPCゲームとしてラチェット&クランク パラレル・トラブル(Ratchet & Clank: Rift Apart)とFORSPOKEN、ストレージへのAPIが従来式の高画質PCゲームとしてMarvel’s Spider-Man RemasteredとForza Horizon 5となっており、いずれも4K解像度でグラフィック設定は基本的に各設定項目が最高設定です。以上4種類のゲームを使用して120秒間の5つのシーンについてSSDの消費電力を測定しており、具体的には次の動画の通りです。
「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」のDirectStorage対応を含む4種類のPCゲーム、5つのシーンにおけるSSD消費電力の推移は次のようになっています。
グラフ中には上で行ったCrystalDiskMarkによる消費電力測定の結果のうち、連続読み出し(SEQ 1M Q8T1)、ランダム読み出し(RND 4K Q1T1)、アイドルの3種類の消費電力も横線で併記しています。
2024年最新水準の高画質タイトルを使用して検証していますが、PCゲームシーンだとDirectStorage対応と従来式のどちらであっても、SSD消費電力の平均値は、CDMのランダム読み出しとアイドルの消費電力の中間に収まります。
DirectStorage対応PCゲーム、ラチェット&クランクのワープやFORSPOKENのロード・ファストトラベルでは連続アクセス的な大きい消費電力も発生しますが、いずれも1~2秒あるかどうかという瞬間的なものです。


「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」を含めた各種ストレージについてゲームシーンの平均消費電力を比較すると次のようになっています。(最大値も併記していますが、上の推移グラフを見ての通り瞬間的なピーク値となっており測定毎に振れ幅があるので参考程度に考えてください。)
現状ではPCゲームプレイ中のSSD消費電力は、データの読み出しが多いタイトルでもCDMの4Kランダム読み出しと同程度、そうでなければアイドル状態をベースにして4Kランダム読み出し的な消費電力のアクセスがぽつぽつと発生する感じなので、製品別に見てもSSD消費電力の傾向はCDMの4Kランダム読み出しかアイドルに一致します。





「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」の温度についての検証は省略します。
近年ではマザーボードM.2スロットに十分な性能のM.2 SSDヒートシンク搭載が標準化しており、市販M.2 SSDヒートシンクも安価で高性能なものが簡単に見つかるようになっています。
PCIE4.0/5.0対応でドンドン高速化していく中、NVMe M.2 SSDをヒートシンクなしで温度測定や耐久テストを行うのは時勢に合わない、上記の通りヒートシンクも多様化しているので一例を示してもあまり参考にならない、と思ったというのも1つ理由です。
どうしてもヒートシンクなし、もしくは冷却が限定される環境での運用を検討する必要があるのであれば、上記の消費電力測定で消費電力が小さいSSDを選ぶ、というのが正解ですし。
またゲームシーンの消費電力検証で見た通り、実用シーンでCrystalDiskMarkの連続アクセスのようなPCIE4.0なら7GB/s前後、PCIE5.0なら10GB/sを超える高速アクセスが長時間に渡って発生するのかは疑わしく、比較的に理想的な連続アクセスが生じる動画ファイルのコピーでも、100GBの読み書きは5GB/sなら20秒、長く見積もっても30秒前後で済むので、それ以上のストレステストに意味があるのか疑問です。
またCrystalDiskMark自体はストレージベンチとして非常に有用ですが、SSDの温度検証という観点でいうとテストの3/4で連続アクセス的な消費電力が発生するCrystalDiskMarkを測定負荷に採用するのはあまり意味がないと感じています。
延長カード型でPCIE5.0にも対応するM.2 SSD消費電力測定モジュールも無事に完成したので、PCゲーム以外の実用シーンについてもSSD消費電力を調査しつつ、SSD温度検証の在り方について調べるのが今後の課題だと思っていますが、今回は省略ということで。
KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TBの実用性能比較
「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」の実用性能をPCMark10 Storage Benchmarkを使用してチェックしていきます。PCMark10 Storage BenchmarkはWindows OSの起動速度、PhotoshopやPremiere ProといったAdobeアプリの起動速度、PCゲームの起動速度、AdobeアプリやMicrosoft Officeの素材領域としての読み出し・書き込み速度など、SSDの実用性能について測定できるベンチマークソフトです。

ベンチマーク測定に使用するPCMark10 Storage Benchmarkには上の概要で紹介したように23種類のテストがあるので、その中からシステム/ゲーム/データの3種類に大別された17種類のテストの結果を抜粋し、各テストにおいてSamsung SSD 980 PRO 1TBを基準として性能比率を算出、それらの平均値を取り、「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」など各種SSDに関して総合的なSSD実用性能の比較グラフ(パフォーマンスサマリー)を作成しました。

「KIOXIA EXCERIA PLUS G4」はPS5026-E26メモリコントローラーを採用する初期のPCIE5.0SSDより大幅に低消費電力化を果たし、なおかつ、PCMark10 Storage Benchmarkの個別Traceに関する比較を見ての通り、遜色ない性能を発揮しています。
2024年後半以降に登場した最新のPCIE4.0対応SSDがかなり高性能になってきているので、相対的に凄さを感じ難くなっているのですが、それでも現状でトップクラスの実用性能です。

システムストレージとしての性能に大別された7種類のテスト結果を使用して、各テストにおいてSamsung SSD 980 PRO 1TBを基準として性能比率を算出、それらの平均値を取り、「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」など各種SSDに関してシステムストレージとしてのSSD実用性能の比較グラフ(パフォーマンスサマリー)を作成しました。

ゲームストレージとしての性能に大別された3種類のテスト結果を使用して、各テストにおいてSamsung SSD 980 PRO 1TBを基準として性能比率を算出、それらの平均値を取り、「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」など各種SSDに関してゲームストレージとしてのSSD実用性能の比較グラフ(パフォーマンスサマリー)を作成しました。

データストレージとしての性能に大別された7種類のテスト結果を使用して、各テストにおいてSamsung SSD 980 PRO 1TBを基準として性能比率を算出、それらの平均値を取り、「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」など各種SSDに関してデータストレージとしてのSSD実用性能の比較グラフ(パフォーマンスサマリー)を作成しました。

KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TBのデータコピー・ゲームロード性能比較
続いて「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」で大容量・多数データのコピーやPCゲームのロード時間など実際の使用について性能比較をしてみました。まずはデータコピーに関する実性能比較となります。
データのコピーにおいては当然ですが、元データのあるストレージの読み出し性能とコピー先の書き込み性能の両方が重要になります。
検証ストレージのコピー相手、書き込み先/読み出し元となるストレージが必要なので、コピー相手にはPCIE5.0x4接続に対応したCrucial T700 2TBを使用しています。
Ryzen 9 7950XとGIGABYTE X670E AORUS MASTERの検証環境で、レビューストレージはCPU直下のM.2スロットに、コピー相手のCrucial T700 2TBはPCIEスロットを挟んで1つ下のM.2スロットに設置しており、いずれも個別のCPU直結PCIE5.0x4レーンに接続されているので、接続帯域がコピー速度のボトルネックになることはありません。

「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」など各種検証ストレージとCrucial T700 2TBとの間で各種データをコピーした時間や転送速度の比較結果は次の通りです。
まずは50GBの動画フォルダのコピーについてですが、動画フォルダの中身は1つ10GBの大容量ファイルなので実際のコピーではベンチマークの連続読み出し・書き込み性能が重要になります。
Windows 11 21H2以前はエクスプローラーのファイルシステムがボトルネックになるためコピー速度は3GB/s程度で頭打ちでしたが、Windows 11 22H2とPCIE5.0に対応するRyzen 7000環境であれば実際のファイルコピーで最大6GB/sに迫る転送速度を発揮できます。
「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」は読み出し速度が4600MB/s程度、書き込み速度が5800MB/s程度でした。
PCIE4.0 SSDと比べると最速クラスですが、DRAMキャッシュレスが影響するのか、IOベンチで連続読み出し10GB/s程度と同等の初期PCIE5.0 SSDに劣る結果です。特に読み出しは意外とスコアが伸びません。


次はゲームフォルダのコピーについてですが、近年のPCゲームでは各種ゲームデータが数百MB~数GBのファイルにパッケージ化されているので、動画ファイルのコピーと同様、比較的にストレージの連続読み出し・書き込み性能が重要になります。
ゲームデータが大きいファイルにパッケージ化されているゲームフォルダの場合、動画ファイルのコピーよりも転送速度は若干下がりますが、それでも「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」は読み出しで4500~4600MB/s程度、書き込みで5200~5300MB/s程度という転送速度を発揮しています。


最後は先ほどと同じくゲームフォルダのコピーについてですが、こちらはゲームデータが大きいファイルにパッケージ化されておらず、15万を超えるファイル数があるので、ランダム性能が重要になっています。
ただしコピー元の読み出し速度がボトルネックになりやすく、コピー相手にはCrucial T700 2TBを使用しているので、書き込み性能はPCIE4.0x4接続の高性能SSDなら1300MB/s程度の速度で頭打ちになります。
ランダム性能が重要になる実際のファイルコピーにおいて、「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」は書き込みでは概ね理想的な性能を発揮しますが、傾向としてDRAMキャッシュ搭載SSD勢が強いテストなので読み出しは1100MB/s程度と振るいません。


続いて3DMark Storage Benchmarkを使用して、PCゲームのロード時間やプレイ動画の保存といったゲーミングシーンでの「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」のストレージ性能を比較します。
3DMark Storage Benchmarkは各検証ストレージについて3回ずつ実行しており、総合スコア、ゲームロード速度(Battlefield V、Call of Duty Black Ops 4、Overwatch)、プレイ動画の録画(Overwatchのゲームプレイ中のデータアクセスとOSBによるフルHD/60FPSの録画)について平均値を比較しています。
またPCMark10 Storage Benchmarkと同様に、各ストレージは空き容量が半分前後になるようにデータを書き込んだ状態で測定を行っています。

3DMark Storage Benchmarkのトータルスコアについて、「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」やその他ストレージの比較は次のようになっています。

3DMark Storage Benchmarkの総合スコアには、プレイデータのセーブ、PCゲームのインストール/移動は実用面で優先度が低いテストの結果も含まれるので、ここからはPCゲーム用ストレージとして優先度の高い個別テストを抜粋して見ていきます。
3DMark Storage BenchmarkのBattlefield V ゲームロード速度について、「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」やその他ストレージの比較は次のようになっています。

3DMark Storage BenchmarkのCall of Duty Black Ops 4 ゲームロード速度について、「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」やその他ストレージの比較は次のようになっています。

3DMark Storage BenchmarkのOverwatch ゲームロード速度について、「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」やその他ストレージの比較は次のようになっています。

3DMark Storage Benchmarkのプレイ動画録画性能について、「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」やその他ストレージの比較は次のようになっています。

DirectX 12のDirectStorageに代表されるPCゲーム向け高速ストレージアクセスAPIに対応したPCゲームにおけるロード性能については、実際の比較検証結果を元に解説しているので、こちらの記事を参照してください。
ゲーム向け高速ストレージAPIを使用しない従来式のゲームの傾向についても、2020年から2021年頃の検証ですが比較データを使って解説しています。
結論だけ言ってしまうと、DirectStorageのサポートの有無によってNVMe SSDとSATA SSDでは大幅な性能差がありますが、PCIE3.0~5.0の帯域、TLC NANDとQLC NAND、DRAMキャッシュの有無による差は確認できませんでした。
マイナーメーカーのそもそもSSD性能が怪しい製品とかになると保証もできませんが、Micron(Crucial)、Samsung、SK Hynix(Solidigm)、WD辺りの大手メーカー製品で、NVMe SSDであれば、DirectStorage対応ゲームのロード時間はほぼ同じになると思います。ブラインドで見分けられる差でないことは確かです。
DirectStorage対応タイトルはまだ少ないですが、これからゲーム用ストレージを購入するのであれば、PCIE4.0対応NVMe M.2 SSDが性能と容量単価のバランスも良く、ベストだと思います。
ちなみに好評発売中のモンハンシリーズ最新作、モンハンワイルズもDirectStorageに対応したPCゲームです。
今回はPC環境における性能を検証しましたが、同じくNVMe M.2 SSDを使用するPlayStation 5の拡張スロットによるストレージ増設についてはこちらの記事で詳細を解説しています。気になる方は参照してみてください。
KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TBのレビューまとめ
最後に「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 最大性能で連続読み出し10GB/s、連続書き込み8GB/s
- PCMark10や3DMarkの実用性能ベンチで最速クラスの性能
- SLCキャッシュは基本的に100GB以上を使用でき、使用後の開放も速い
- PCIE5.0対応ながら標準的なPCIE4.0 SSD並みの低消費電力に
- メーカー正規保証期間が5年間、保証条件のTBWは容量1TBあたり600TB
- DRAMキャッシュレス、HMB(Host Memory Buffer)対応
- 非ASPM環境ではアイドル時の消費電力が大きい
- TLC型なのでSLCキャッシュ超過後に速度低下が発生する
キャッシュ容量は空き容量依存(詳細)
「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」を検証してみたところ、CrystalDiskMarkなど基礎的な各種ベンチマークでは仕様値通り、DRAMキャッシュレスの安価モデルながらPCIE5.0x4によって連続読み出しが最大10GB/s前後、連続書き込みが8GB/sという、現在主流なPCIE4.0x4接続を上回る性能を発揮しました。
PCMark10や3DMarkの実用性能系のベンチマークについても、DRAMキャッシュを搭載するPCIE5.0対応SSDや、どんどん高性能になっている最新のPCIE4.0対応SSDと比較しても遜色なく、優れた性能を発揮します。
低消費電力になって導入のハードルも下がり、価格的にもDRAMキャッシュレスなPCIE4.0x4接続SSDに大分近づいたので、将来性に期待してPCIE5.0対応SSDを選ぶというのもアリだと思います。
国内の取り扱い・サポートはPC周辺機器メーカー大手のBUFFALO(バッファロー)、旧東芝メモリのKIOXIA(キオクシア)というタッグの製品なので、自作PC関連に不慣れな人にとって安心感は圧倒的だと思います。
「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」にはTLC型3D NANDメモリが採用されているので、多くのTLC/QLC型SSDと同様の特徴が大容量書き込み時にでており、容量可変のSLCキャッシュを超過すると、理想値8000MB/s程度から400~600MB/s程度まで書き込み速度が大幅に低下します。
SLCキャッシュ超過時の速度低下は大きいですが、基本的に100GB以上をSLCキャッシュとして使用でき、使用済みSLCキャッシュの開放も速いので、実用的にSLCキャッシュを超過して不便を感じることはないはずです。
初期のPCIE5.0対応SSDと同等という高い性能を維持しつつ、DRAMキャッシュレスなPCIE4.0対応SSD水準まで消費電力が下がり、MB標準搭載のパッシブ式ヒートシンクでも余裕で冷やせるようになったので導入のハードルは下がりました。
一方、PCIE5.0による連続10GB/sのようなIO系ベンチとは別のところ、実用性能系ベンチにおいて、2024年末頃から登場した最新のPCIE4.0対応SSDもどんどん高性能になってきているので、”性能で選ぶなら同製品(PCIE5.0対応SSD)”かというと微妙なところです。トップクラスの性能であることは間違いないのですが。
正直なところWindows環境についてはOS、ファイルシステム、エクスプローラー、DirectStorageなどソフトウェア面がボトルネックになっている感が強く、PCIE5.0対応SSDについては半分のx2レーンでPCIE4.0x4と同等の性能を発揮できるという拡張性の増強(搭載できるSSDの数が2倍に)への期待の方が個人的には高いです。
以上、「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」のレビューでした。

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PCIE5.0対応で連続10GB/sに達する高性能ながら、最新コントローラーで低消費電力、コスパも優れる「KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB / 2TB」をレビュー。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) March 23, 2025
実用性能や実際の消費電力も徹底検証。https://t.co/8Ujqrp3wuJ pic.twitter.com/rclUjjrgZI
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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