NEXiCONN AI Pixel-Plus CaptureX NV501


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4K/60FPS/HDRのパススルーが可能、独自AIによる超解像&高画質化機能を搭載したUSB外付け機器型ビデオキャプチャ「NEXiCONN AI Pixel-Plus CaptureX NV501」をレビューします。
「NEXiCONN AI Pixel-Plus CaptureX NV501」の録画・パススルー性能は高性能UBSビデオキャプチャとしてメジャーなAVerMedia Live Gamer Ultra(GC553)やElgato Game Capture HD60 XやASUS TUF GAMING CAPTURE BOX-CU4K30とほぼ同じなので、このレビュー記事では同製品の独自機能である”独自AIによる超解像&高画質化機能”に焦点をあてて徹底解説していきます。
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製品公式ページ:https://www.nexiconn.com/ja/product-list/nexiconn-ai-pixel-plus-capturex-nv501-jp/
Xアカウント:https://twitter.com/NEXiCONN






NEXiCONN NV501 レビュー目次


1.NEXiCONN NV501の概要

2.NEXiCONN NV501の外観・付属品
3.NEXiCONN Assistant Consoleについて


4.NEXiCONN NV501の検証機材

5.NEXiCONN NV501の補足情報
   ・NEXiCONN NV501のドライバ
   ・NEXiCONN NV501のFWアップデート
   ・USB接続規格とオススメな長尺ケーブル


6.高画質化機能 AI Pixel-Plusの使い方
7.超解像化機能の概要、フルHDを4Kに

   ・HD/SDの低解像度も超解像化が可能
   ・PlayStation 5やXbox SXも超解像化が可能
   ・HDCP2.3のパススルーが可能、超解像も適用できる
   ・アップスケール解像度・フレームレートの対応一覧表
   ・超解像化機能に関する注意点

8.NEXiCONN NV501で4K画質化した時の表示遅延

9.ゲーム・ビデオモードの設定について
10.AIオブジェクト別 画質調整機能の設定について
補足.アップスケール画質の比較素材 【別記事へ】


11.Switchゲーム画面の4K超解像化を動画で比較

12.NEXiCONN NV501のレビューまとめ










【機材協力:NEXiCONN】



NEXiCONN NV501の概要

「NEXiCONN AI Pixel-Plus CaptureX NV501」は、帯域5GbpsのUSB3.2 Gen1(USB3.0)接続のUSB外付け機器型ビデオキャプチャです。
別途キャプチャソフトは必要ですが、USB規格”USB Video Class”に対応しているのでWindows10/11 PCであればドライバ不要なプラグアンドプレイで使用できます。
ビデオキャプチャ側USB端子はType-Cですが、Type-C to Type-Aケーブルが付属するのでPC側はUSB3.2 Gen1(USB3.0)以上のType-A端子があれば使用可能です。
Nexiconn AI Pixel-Plus CaptureX NV501_IO

「NEXiCONN AI Pixel-Plus CaptureX NV501」で録画可能な解像度とフレームレートは、4K(3840×2160)解像度で最大30FPSに対応しています。WQHD解像度(2560×1440)なら最大60FPS、フルHD(1920×1080)解像度なら最大120FPSでハイフレームレートの録画にも対応しています。

HDR映像ソースにも対応し、オンボード機能によるSDR映像へのトーンマップだけでなく、OBSもサポートするP010カラーフォーマットによるHDR映像としての録画も可能です。HDR映像として録画する場合、フルHD/60FPSが最大の録画解像度&フレームレートになります。

「NEXiCONN AI Pixel-Plus CaptureX NV501」にはHDMIパススルー端子が実装されており、4K解像度/60FPS /HDRの映像(音声信号も含む)をモニタへ直接にパススルー表示しながら録画が可能です。
またWQHD/180FPSやフルHD/240FPSの高フレームレート映像もパススルー表示を行いながら60FPS動画として録画が可能です。
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「NEXiCONN AI Pixel-Plus CaptureX NV501」はパススルー映像が可変リフレッシュレート同期VRRに対応するところも大きな特徴です。
垂直同期が標準なCSゲーム機ならスタッターを抑え、垂直同期を無効に設定したPCゲームならテアリングを解消した画面でプレイしながら、録画・配信を行うことができます。
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「NEXiCONN AI Pixel-Plus CaptureX NV501」はハードウェアエンコーダを搭載していないので、録画にはCPUもしくはGPUのパワーが必要になります。
4K/60FPSなど高解像度/高フレームレートのビデオキャプチャを行う場合はGeForce RTX 4060やRadeon RX 7600など相応に高性能なGPUが必要になります。



「NEXiCONN AI Pixel-Plus CaptureX NV501」はHDMIビデオ入力をキャプチャする機能に加えて、独自のAIアップスケールユニットを内蔵しています。
ハードウェア機能として映像ソースを4K解像度へアップスケール(超解像)したり、デノイズ、先鋭化、コントラスト強調、彩度強調、美肌化などの高画質化処理も適用できます。
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NEXiCONN NV501の外観・付属品

早速、「NEXiCONN AI Pixel-Plus CaptureX NV501」を開封していきます。
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紙製パッケージ内にはスペーサーで保護された状態で「NEXiCONN NV501」のビデオキャプチャ本体が収められています。2段になっていて下には各種付属品があります。
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「NEXiCONN NV501」にはビデオキャプチャの本体以外に、USB Type-Cケーブル、パススルー表示用のHDMIケーブル、4極3.5mmオーディオケーブル、QRコード用紙が付属します。
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「NEXiCONN NV501」は4K/60Hzがパススルー出力なのでHDMI2.0相当のHDMIケーブルで十分ですが、付属品はUltra High Speed HDMIケーブル認証を取得したものでした。
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HDMIケーブルを個別に購入するのであれば「エレコム Premium HDMIケーブル スリムタイプ」がオススメです。
「エレコム Premium HDMIケーブル スリムタイプ」は18Gbpsの高速伝送による4K/60FPS/HDR表示対応のPremium HDMI cable規格認証を取得しており、ケーブル径4.5mmのスリムケーブルなので一般的な各種付属ケーブルと比較して取り回しの面でも非常に優れています。
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「NEXiCONN NV501」のビデオキャプチャボード本体をチェックしていきます。
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「NEXiCONN NV501」の外装はシンプルに白色のプラスチック製です。安っぽいわけではありませんが、特に高級感がある感じでもなく、ゲーミング機器的なシャープなデザインです。
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底面を見ると中央にシリアルナンバー等が記載されたシール、四隅には三角錐形状のゴム足が4つ付いています。底面の前後と前後面には放熱用に四角穴のエアスリットが設けられています。
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「NEXiCONN NV501」はHDMI2.1対応で4K/60FPSのパススルーと4K/30FPSの録画に対応した高性能ビデオキャプチャながらファンレス構造です。
実際に使用してみましたが耳を当ててもファン動作音は聞こえず間違いなくファンレス設計でした。
外装はプラスチック製なので内部の発熱は確認できませんが、Nintendo Switchのフル/60FPSを4Kにアップスケールして、4K/30FPSで30分程度出力し続けても外装は少し暖かい程度(40度台半ば)でした。
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「NEXiCONN NV501」の寸法は横幅124.5mm×奥行き69.9mm×高さ20.5mmです。
ビデオキャプチャとして類似スペックのAVerMedia Live Gamer ULTRAやASUS TUF GAMING CAPTURE BOX-CU4K30とサイズを比較してみました。
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「NEXiCONN NV501」の重量は104gです。AVerMedia Live Gamer ULTRAは121g、ASUS TUF GAMING CAPTURE BOX-CU4K30は168gなので軽量です。
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「NEXiCONN NV501」のI/Oポートは前面と左右側面に分けて実装されています。
天面のNEXiCONNロゴから見て、右側面にはPCと接続するUSB3.2 Gen1 Type-C、右側面にはパススルー出力のHDMI2.0、ビデオ入力のHDMI2.0があります。(VRRや4K/60FPS/HDR RGB 12bitなど部分的にHDMI2.1機能もサポート)
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さらに正面(NEXiCONNロゴから見て手前/下側)には、コントローラーやヘッドセットを接続するためのステレオ出力&マイク入力4極3.5mmジャックが2基実装されています。
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NEXiCONNロゴの右上と右下にはAIアップスケール機能を操作する2つのボタン、さらにその中間には現在の動作状況を表示するステータスLEDがあります。
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NEXiCONN Assistant Consoleについて

「NEXiCONN AI Pixel-Plus CaptureX NV501」の各種動作設定が可能な専用ツールとして公式サポートページでNEXiCONN Assistant Consoleが配布されています。

トップページには対応しているデバイスが表示されます。設定ページでは英語と日本語の言語切り替え、ソフトウェアバージョンのアップデートです。3つ目のアイコンは製品ページやヘルプページへのリンクが表示されます。
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現状では基本的にファームウェアアップデート専用ツールという感じです。
現状では機能が限られていますが、今後のソフトウェア・ファームウェアアップデートで専用アプリ経由で独自AIによる超解像&高画質化機能の設定切り替えもできるようになるとのこと。
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NEXiCONN NV501の検証機材

「NEXiCONN AI Pixel-Plus CaptureX NV501」について実機検証に移る前に、検証機材について簡単に紹介しておきます。
検証を行うベンチ機のシステム構成は次のようになっています。
テストベンチ機の構成
CPU
Intel Core i9 13900K
レビュー
AMD Ryzen 9 7950X
レビュー
M/B ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO
レビュー
ASUS ROG CROSSHAIR X670E HERO
レビュー
メインメモリ G.Skill Trident Z5 Neo
F5-6000J3038F16GX2-TZ5N (レビュー
DDR5 16GB*2=32GB
6000MHz, CL30-38-38-96
グラフィックボード
PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8
Gaming VERTO EPIC-X RGB OC 3FAN
レビュー
システム
ストレージ
Samsung SSD 990 PRO 1TB (レビュー
OS Windows 11 Home 64bit
電源ユニット
Corsair HX1500i 2022 (レビュー
PCケース/
ベンチ板
STREACOM BC1 (レビュー


ビデオキャプチャの検証機材には、AV1ハードウェアエンコードにも対応する最新のウルトラハイエンドGPUを搭載したグラフィックボード「PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8 Gaming VERTO EPIC-X RGB OC 3FAN」を使用しています。
PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8は、ベイパーチャンバー構造のベースコアや、厚みのあるファンブレードをバリヤーリングで結合した重厚な冷却ファンを採用する4スロット占有大型GPUクーラーにより、各社AIBモデルの中でもトップクラスの静音性を実現しています。
国内正規品なら代理店を介してPNY公式のグローバル保証と同じ3年間の長期保証が受けられるところも魅力です。
「PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8」をレビュー
PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8 Gaming VERTO EPIC-X RGB OC 3FAN

HDMI2.1に対応したビデオキャプチャの検証なので、ディスプレイにはHDMI2.1ビデオ入力搭載で4K/144Hzに対応する28インチIPS液晶ゲーミングモニタ「ASUS TUF Gaming VG28UQL1A」を使用しています。
ASUS製モニタはOSDメニューの完成度も高く、MBRとVRR同期を併用可能なELMB Syncや各種ゲーミング補助機能など付加価値的機能も豊富です。ASUS TUF Gaming VG28UQL1Aも類に漏れず良い製品で、価格も税込み9万円程度と同等スペックでは安価なので、迷ったらとりあえずこれを選べばOKだと思います。
「ASUS TUF Gaming VG28UQL1A」をレビュー
ASUS TUF Gaming VG28UQL1A

ベンチ機のシステムストレージには「Samsung SSD 990 PRO 1TB」を使用しています。
Samsung SSD 990 PROは、PCIE4.0対応SSDで最速クラスの性能を発揮し、なおかつ電力効率は前モデル980 PRO比で最大50%も向上しており、7GB/s超の高速アクセスでも低発熱なところも魅力な高性能SSDです。 これからPCIE4.0対応プラットフォームの自作PCを組むなら、システム/データ用ストレージとして非常にオススメな製品です。
「Samsung SSD 990 PRO 1TB」をレビュー。性能も電力効率もトップクラス!
Samsung SSD 990 PRO 1TB



NEXiCONN NV501の補足情報

「NEXiCONN AI Pixel-Plus CaptureX NV501」のドライバ、FWアップデート、USB接続といった補足情報について最初に説明しておきます。

NEXiCONN NV501のドライバ

「NEXiCONN AI Pixel-Plus CaptureX NV501」はUSB規格”USB Video Class”に対応しているので、別途キャプチャソフトは必要ですが、Windows10/11 PCであればドライバ不要なプラグアンドプレイで使用できます
筆者は対応環境を所有していませんが、メーカーによるとMac OSでも使用可能であり、Mac OSに最適化してファームウェアの提供予定もあるとのこと。

プレイ動画の録画・配信用ソフトウェアとしては定番のOBS StudioはソフトウェアがインストールされたPCにUSBケーブルで接続するだけで問題なく動作しました。
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「NEXiCONN NV501」はドライバのインストール不要でそのまま使用できますが、キャプチャソフトとしてOBS Studioを組み合わせる場合、映像キャプチャデバイスの設定で”カスタム音声デバイスを使用する”にチェックを入れないとHDMI音声が取得できなかったので注意してください。
OBS Studioのver30以降だと音声ミキサーにデバイスが表示されず、ver29以前ではデバイスは表示されますが音声が出力されません。
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NEXiCONN NV501のFWアップデート

今回管理人が入手した「NEXiCONN NV501」は、アウトボックス時点でのファームウェアバージョンが”V2148.507”でした。
公式サポートページで配布されている専用ソフトウェア NEXiCONN Assistant Consoleでファームウェアをアップデートでき、12月26日現在は最新バージョンの”V2148.604”が配信されています。
NEXiCONN AI Pixel-Plus CaptureX NV501_FW_20231226


NEXiCONN NV501のUSB接続について

4K/60FPSの録画に対応している上位モデル NEXiCONN NV501は10GbpsのUSB3.2 Gen2(=USB3.1 Gen2)が要求されていますが、「NEXiCONN NV501」はHDMI2.0接続で4K/60FPSのパススルー、4K/30FPSの録画に対応している製品なのでUSB接続帯域はUSB3.0相当の5Gbps、最新規格で言うとUSB3.2 Gen1です。(USB3.1 Gen1も同じ)
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ビデオキャプチャ側USB端子はType-Cですが、Type-C to Type-Aケーブルが付属するのでPC側はUSB3.2 Gen1(USB3.0)以上のType-A端子があれば使用可能です。
なお両側Type-CのUSBケーブルは付属しないので、PC側USB Type-Cポートに繋ぎたい場合は各自でUSBケーブルを用意する必要があります。
長さ3mの長いType-C to Type-Aケーブルを探している人にはAnkerから発売されている長さ3mのUSB3.0対応Type-A to Type-Cケーブルがオススメです。
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「NEXiCONN NV501」がUSB3.2 Gen1で正常に接続されているかどうかはビデオキャプチャ本体のLEDインジケーターで確認できます。
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またWindows上からはUSB Device Tree Viewerというフリーソフトで接続帯域を確認できます。
帯域5GbpsのUSB3.2 Gen1でリンクされている場合、Device Connection Speedが”SuperSpeed”と表示されます。
なおPort Maximum Speedが”SuperSpeed”もしくは”SuperSpeed Plus or Higher”と表示されない場合、そのポートが帯域5GbpsのUSB3.2 Gen1(USB3.0)に対応していないので別のポートを使用してください。
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高画質化機能 AI Pixel-Plusの使い方

「NEXiCONN NV501/NV601」の高画質化機能 AI Pixel-Plusの使い方について説明していきます。
AI Pixel-Plusには超解像化(シャープネスや彩度強調も含む)と、AIによるオブジェクト別色調調整の2つの機能があります。


AI Pixel-Plusは「NEXiCONN NV501/NV601」のビデオキャプチャ本体に実装された2つのボタンで操作できます。
2つのボタンのうち下側のボタンを押下すると、モニタ設定OSDメニューのように映像にオーバーレイされる形で超解像化の設定メニューが画面右上に表示されます。この設定メニューは録画映像とパススルー出力の両方に表示されます。
NEXiCONN NV501_OBS_AI-UpScale
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超解像化についてはゲームモードとビデオモードという2種類、さらに各モードに3段階の設定があり、計6種類から超解像化(とシャープネス処理や彩度強調)の補正強度を選択できます。
ゲーム・ビデオモードの設定メニューが表示されている状態で、再び下側ボタンを押下するとゲームモードとビデオモードが切り替わります。上側ボタンを押下すると現在のモードについて補正強度を変更できます。
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NEXiCONN AI-UpScale_Control_1 (3)

超解像化は画面全体に対して設定に応じて一律に補正(ピクセル補間、シャープネス、彩度強調)が適用されますが、AI Pixel-Plusにはそれとは別にAIによって補正の適用対象を判別するオブジェクト別色調調整という機能もあります。

ゲーム・ビデオモード(1~3)の超解像化を有効化して、設定メニューが非表示の状態で上側ボタンを押下すると、AIオブジェクト別色調調整の設定メニューが画面右上に表示されます。
AIオブジェクト別色調調整には対象とするオブジェクトの種類が4種類あり、それぞれ3段階で補正強度を選択できます。こちらはオフを選択するとそのオブジェクトに対する色調調整は行われません。
木は補正強度3、空は補正強度1、建物と顔は補正なしのように補正の有無と補正強度の組み合わせは任意に設定できます。
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超解像化機能の概要、フルHDを4Kに

「NEXiCONN NV501/NV601」は映像ソースの解像度やフレームレートに合わせて、ビデオキャプチャ映像やパススルー出力の解像度を4KやWQHDのモニタ解像度にアップスケール(超解像化)できます。
例えば、Nintendo SwitchなどフルHD/60FPSでテレビやゲーミングモニタにビデオ出力が可能な機器と組み合わせた場合、フレームレートは60FPSのまま4Kの高解像度にアップスケールできます。
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「NEXiCONN NV501/NV601」による超解像化や画質調整はパススルー出力だけでなく、ビデオキャプチャの録画映像にも反映されます。
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今回、NEXiCONN NV501/NV601の検証にはELMB SyncやDisplayHDR 400に対応し、4K解像度かつネイティブ144HzリフレッシュレートでHDMI2.1ビデオ入力も搭載する28インチIPS液晶ゲーミングモニタ「ASUS TUF Gaming VG28UQL1A」を使用しています。





HD/SDの低解像度も超解像化が可能

超解像化の主な対象は2024年現在だとNintendo SwitchなどフルHD解像度の出力に対応したゲーム機だと思いますが、「NEXiCONN NV501/NV601」はHD解像度(720p:1280×720)やSD解像度(480p:720×480)の低解像度も4KやWQHDのモニタ解像度へアップスケールできます。
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レトロという程古くもありませんが、フルHD解像度(1080p、プログレッシブ)のビデオ出力に対応していないゲーム機としてPlayStation Vita TVでも動作確認をしてみました。
PlayStation Vita TVもビデオ出力設定を720pにすればNintendo Switch同様に4K解像度にアップスケールできました。なおPlayStation Vita TVはHDCPで映像がプロテクトされているので、録画するには何かしらHDCPを回避する手段を用意する必要があります。
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PlayStation Vita TVのフルHD解像度はインターレース方式の1080iです。
「NEXiCONN NV501/NV601」を中継するとパススルー出力はできるものの、Picture Mode Offの表示で超解像機能は適用されず純粋に映像データを素通りさせる形になります。
またHDCPを解除していてもプレビュー画面は緑色のエラー表示となりました。インターレース方式の映像は録画に対応していないので注意してください。
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フルHD未満の低解像度を映像ソースにした時についてはいくつか不具合(バグ?)も確認しています。
720pをソースにした時にASUS TUF Gaming VG28UQL1AのHDMI2.0ビデオ入力にパススルー出力を接続すると表示が乱れる現象がありました。HDMI2.1ビデオ入力や他4KモニタのHDMI2.0ビデオ入力は問題がなかったので一部モニタとの相性問題だと思います。

また再現性のある現象として、480pにおいて録画映像は16:9のアスペクト比で表示されるのにパススルー出力は4:3に横潰れになる不具合がありました。
Nintendo SwitchとPlayStation Vita TVの両方で発生しましたが、より高解像度な720pに対応しているので、480pは720x480ではなく、640x480の4:3アスペクト比を想定した動作になっているのかもしれません。
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PlayStation 5やXbox SXも超解像化が可能

最新ゲーム機のPlayStation 5やXbox Series X|Sでも解像度設定を1080p(フルHD)や1440p(WQHD)に切り替えれば、「NEXiCONN NV501/NV601」による画像処理で4K解像度にアップスケールできます。

「NEXiCONN NV501/NV601」は後方互換タイトルなど内部レンダリングがフルHDにしか対応していないゲームの高画質化に利用できます。
HDRやVRRの映像もアップスケールできます。ハイフレームレートにも対応しており、PS5の120FPSをNV501ならフルHDからWQHDに、NV601ならフルHD/WQHDから4K解像度にアップスケールが可能です。
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ちなみに下位モデル「NEXiCONN NV501」のHDMI入出力は、HDMI2.1の伝送技術 FRLモード(Fixed Rate Link)のうち4K/120FPSの表示が可能な1レーン当たりが8Gbps(FRL4)や12Gbps(FFRL6)の高速帯域には対応していませんが、HDMI2.0相当のTMDSモードだけでなく、FRL2/3の低速帯域(おそらく)やVRRといったHDMI2.1規格の一部機能をサポートしています。
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実際に「NEXiCONN NV501」を中継すると4K/120FPSに対応したゲーミングモニタでも出力機器には4K/120FPSに非対応と表示されますが、逆に純粋なHDMI2.0ビデオ入力では非対応の4K/60FPS/HDR/フルRGBで表示が可能でした。
またクローマサンプリングのテストパターンでも確認してみましたがモニタと直接繋いだ時と全く同じ表示でした。部分的にHDMI2.1の伝送機能をサポートしているとみて間違いなさそうです。
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HDCP2.3のパススルーが可能、超解像も適用できる

「NEXiCONN NV501/NV601」のパススルー出力端子はHDCP2.3もサポートします。
最新ゲーム機のPlayStation 5で動作を確認してみたところ、「NEXiCONN NV501」のパススルー出力はHDCP2.3でプロテクトされた映像を問題なく表示できました。同製品によるアップスケール機能もパススルー出力経由であればHDCP2.3でプロテクトされた映像にそのまま適用できます。
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なお当然ですが、「NEXiCONN NV501/NV601」のビデオキャプチャ機能による録画を行うにはゲーム機などビデオ出力側でHDCPを無効化しないとプレビュー表示の時点でエラーが出ます。
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アップスケール解像度・フレームレートの対応一覧表

「NEXiCONN NV501/NV601」のアップスケール後の解像度/フレームレートは、映像ソースの解像度/フレームレートによって変わります。
厳密にはモニタのビデオ入力(HDMIバージョン)やカラーフォーマット(YUVなどクローマサンプリングとビット深度)もアップスケールに影響します。

「NEXiCONN NV501/NV601」によるアップスケール結果についてまとめたのが次の表です。
ゲーミングPC、PlayStation 5、Nintendo Switchを4K/144Hz対応ゲーミングモニタ ASUS TUF Gaming VG28UQL1AのHDMI2.1ビデオ入力とHDMI2.0ビデオ入力に接続して確認しました。
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組み合わせているモニタ・テレビが対応している(EDIDとして登録されている)解像度・フレームレートによってアップスケールできるかどうかが変わることもありますが、概ね上記の表のようなアップスケール結果になります。

「NEXiCONN NV501」は映像ソースが60FPSであればフルHDやWQHDを4Kの高解像度にアップスケールできますが、120FPSなどハイフレームレートについてはアップスケール後の解像度がWQHDになります。
一方、上位モデル「NEXiCONN NV601」は120~144FPSのハイフレームレート映像であっても4K解像度にアップスケール可能です。
「NEXiCONN NV501」と「NEXiCONN NV601」は録画やパススルーの解像度だけでなく、アップスケール機能についても120FPS以上のハイフレームレートでは差があるので一応注意してください。



ちなみに今回実機での検証はできていませんが、4Kにアップスケールできる最大リフレッシュレートは144Hzまでで、フルHD/240Hzは「NEXiCONN NV601」でもWQHD/240Hzへのアップスケールになります。フルHD/360Hzはパススルー&録画に対応しますが、アップスケールに非対応です。



超解像化機能に関する注意点

「NEXiCONN NV501」と「NEXiCONN NV601」の超解像化機能にはいくつか注意点もあるので補足しておきます。

「NEXiCONN NV501/NV601」による超解像化はゲームモード/ビデオモードをオフにしても映像ソースがフルHDやWQHDといった4K未満であれば上に掲載した表の通りにアップスケールされてしまいます。
4K未満の解像度について映像ソース機器が出力するネイティブな映像をそのまま取得、表示することはできません。(実際にはNV12やYUY2で圧縮して録画するものの)

上の変換表を見ての通り、一部の映像フォーマット(解像度、フレームレート、カラーフォーマット)についてはRGB→YUV420、10bit→8bitのようにカラーフォーマットを圧縮するような変換が行われることがあります。

どのような圧縮が行われているかにも依りますが、簡単にまとめるとクローマサンプリングとビット深度によって次のような形で画質低下が生じます。
  • RGB(フルRGB) → YUV422/YUV420 : 解像感の低下(一部ワーストケースで)
  • 12bitや10bit → 8bit : カラーバンディングの発生

4K解像度についてもRGB(8bit)がYUV420(12bit)やRGB(12bit)へカラーフォーマットが変換されてしまいます。
NEXiCONN NV501/NV601とAVerMedia Live Gamer ULTRA 2.1の4K出力をスクリーンショットしてみたり、下に掲載しているテストパターンで比べてみましたが、RGB(8bit)→RGB(12bit)のようにデータの大きいカラーフォーマットに変換される分には入れ物(フォーマット)が変わるだけで中身の映像はそのままのようです。
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ただし、Nintendo SwitchなどフルHD解像度のゲーム画面を4Kにアップスケールする時や、PlayStation 5の4K SDRを入力する時に、HDMI2.0の4Kモニタの場合、カラーフォーマットがRGB(8bit/12bit)からYUV420(12bit)に圧縮されてしまうところは注意が必要です。
YUV422/YUV420のクローマサンプリングについてはHDMI2.0規格だと4KのHDR表示でも使用されており、下に写真を掲載しているテストパターンのような一部ワーストケースを除けば解像感の低下は感じ難いものの、わざわざ4Kにアップスケールしている以上、やはりフルRGBで表示できるHDMI2.1対応の4Kモニタ(144Hz対応でHDMI2.1ビデオ入力を搭載)を組み合わせるのがオススメです。
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NEXiCONN NV501で4K画質化した時の表示遅延

「NEXiCONN NV501/NV601」によって超解像化した時に表示遅延がどれくらい発生するのか検証してみました。

まず簡単な検証として、HDMIスプリッターで2つに複製したネイティブ映像を一方はそのまま、もう一方は「NEXiCONN NV501」で超解像化し、ASUS TUF Gaming VG28UQL1AのPBP機能で横並びに表示して960FPSスーパースローモーション動画で撮影してみました。
ネイティブ映像はフルHD/60FPSのゲーム画面ですが、ネイティブ映像と超解像を施した映像とで更新されるフレームは一致しています。
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次に高精度な検証方法として、フォトセンサーを使用した特殊な測定機器 PC Gaming Latency Testerを使用しました。
PCからフルHD/60FPS(垂直同期有効)でビデオ出力を行い、NVIDIA Reflexのフラッシュインジケーターでマウス操作から画面表示までの遅延を比較します。
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PC Gaming Latency Testerは当サイトのレビュー用に特注した機器なので、詳細についてはこちらの記事を参照してください。


超解像化とオブジェクト別画質調整は補正レベルを調整できるので『ゲームモード 2、オブジェクト別の補正 全てオフ』と『ビデオモード 2、オブジェクト別の補正 全て3』の2種類で検証しました。
フルHD/60FPSのゲーム画面に対して「NEXiCONN NV501」で4K解像度への超解像化やオブジェクト別画質調整を施しても、ネイティブ映像との間に有意な遅延の差は確認できませんでした。
NEXiCONN_latency_FHD-60FPS

続いて上位モデル「NEXiCONN NV601」も含めてフルHD/120FPSハイフレームレートのゲーム画面を対象に表示遅延を比較してみました。
フルHD/120FPSを映像ソースにした場合、「NEXiCONN NV501」はWQHD/120FPS、上位モデル「NEXiCONN NV601」は4K/120FPSにアップスケールできます。
120FPSではネイティブ映像の表示遅延そのものが40ms程度へと大きく下がるので、超解像化等で遅延が生じる場合、遅延の検出がよりシビアになりますが、今回もネイティブ映像との間に有意な遅延の差は確認できませんでした。
NEXiCONN_latency_FHD-120FPS

ネイティブ映像に対して超解像化等の画像処理を行っているので、必ず遅延は発生していますが、垂直同期のバッファリングや測定方法の問題で埋もれる程度となっており、大きく見積もっても、せいぜい10ms未満です。
トータル遅延が40ms程度になる120FPSでも有意な差はなかったので、「NEXiCONN NV501/NV601」を中継しても実際のゲームプレイで操作に違和感を覚えることはあり得ません。




ゲーム・ビデオモードの設定について

「NEXiCONN NV501/NV601」の高画質化機能 AI Pixel-PlusによってNintendo SwitchのフルHD解像度テレビ出力を4K解像度にアップスケールした時に、ゲーム・ビデオモードの設定別に画質がどのように変化するのかチェックしていきます。

比較用の素材はNintendo SwitchのTVモードで出力したフルHD解像度のゲーム映像をHDMIスプリッターで2つに複製、一方にNEXiCONN NV501を挿入して4K解像度にアップスケールし、2つのビデオ入力をビデオキャプチャで録画しています。
PCモニタやテレビに表示された画面をカメラによって撮影しているわけではなく、ネイティブと4Kアップスケールの撮影に時間差(表示内容の微妙な違い)もないので、元映像の違いやカメラの設定・自動調整には影響されず画質が比較できます。
DSC02261_DxO


最初に少し補足しておくと、「NEXiCONN NV501/NV601」を介して4KやWQHDなど映像ソースよりも高い解像度のモニタに接続されている場合、ゲーム・ビデオモードをオフにしていても映像は「NEXiCONN NV501/NV601」によってモニタ解像度へアップスケールされます。
ゲーム・ビデオモードがオフの時には超解像と呼べるような高度なピクセル補間は行われないものの、簡易的な拡大処理は行われています。バイキュービックによる拡大とほぼ同じ画質(若干のシャープネス処理を施したような?)で、Lanczos-3(ランチョス)による拡大未満という感じです。
Screenshot 2023-12-30 18-46-12-tile


「NEXiCONN NV501/NV601」による超解像化はゲームモードとビデオモードの2種類、さらに各モードで3段階の補正レベルを選択できます。
ゲームモードとビデオモードはいずれも補正レベルを1~3にすると超解像的なピクセル補間が行われ、さらに設定値に比例してシャープネスや高彩度・高コントラスト化の補正が強化されます。
各自のお好みで選べばOKですが、個人的にはゲームモード-2がネイティブな色味のままクッキリ画質になったのでイチオシです。


少し彩度を盛った絵が好みであればビデオモード-1でも良いと思います。ただ違和感とまで言いませんが、ゲームモード-2と比べると超解像化やシャープネスの補正も強く、ややノッペリして粒子ノイズ感が出ます。
ゲームモード-2とオフのスライド比較
ゲームモード-2とビデオモード-1のスライド比較
Screenshot 2023-12-30 18-51-00
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Screenshot 2023-12-30 18-51-28
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Up1 (2)-horz
Up2 (2)-horz

超解像機能というと単純な拡大よりもクッキリ感が増す反面、粒だったノイズが出ることが多いのですが、「NEXiCONN NV501/NV601」による超解像化は粒子ノイズが気になりやすいNintendo Switchのホーム画面でも違和感がなく綺麗に4K解像度へアップスケールできています。
Screenshot 2023-12-30 18-46-12
Screenshot 2023-12-30 18-46-26
Screenshot 2023-12-30 18-46-40

Up3 (2)-horz


レビュー用に作成した4K超解像化の比較用スクリーンショットの量が膨大になったので、本記事とは別に、こちらにまとめて掲載しています。
「NEXiCONN AI Pixel-Plus CaptureX NV501/NV601」のゲーム・ビデオモードによる超解像化でNintendo SwitchのTVモード等から出力したフルHD映像がどのように高画質化されるのか、気になるシーンや設定について各自でチェックしてみてください。




AIオブジェクト別 画質調整機能の設定について

「NEXiCONN NV501/NV601」の高画質化機能 AI Pixel-Plusには、低解像度の映像を4KやWQHDの高解像度へアップスケール(超解像化)する機能だけでなく、AIのディープラーニングを活用したニューラルネットワーク自動演算によって、空や植物、建物、人の顔といった特定オブジェクトを検出し、画質を調整する機能も搭載されています。


なお今回、「NEXiCONN NV501/NV601」のファームウェアバージョン”V2148.604"でAIオブジェクト別の画質調整機能について検証しました。
23年12月に同製品は発売したばかりなので下記解説において不十分なところを指摘していますが、メーカーによると今後のファームウェアアップデートで検出精度や色調等の補正について改善していくとのことです。


オブジェクト別 画質調整機能の対象は空、植物、建物、人の顔の4種類です。各対象に対して、個別にオフを含めて4段階で補正強度を調整できます。

最初に個人的な感想を言ってしまうと、
AIで対象オブジェクトを認識し、その範囲に限定して彩度・コントラスト調整を行ったり、シャープネス処理をかける高画質化をHDMI中継機で低遅延(体感する遅延はほぼなし)に実現しているところは革新的ですが、上で紹介した超解像化に比べると必須ではないというか、個人的にオフでもいいかな、という感じでした。

空に対する画質調整は空として検出された範囲において青色の彩度、コントラストを強調する形で機能します。
青色の空があると空自体は高精度で検出してくれますが、連続して繋がっている青色表示の部分も比較的に広く補正されてしまいます。
Screenshot 2023-12-30 23-38-09
Screenshot 2023-12-30 23-39-57
UP_o_1_1 (2)-horz

Screenshot 2023-12-30 23-41-05
Screenshot 2023-12-30 23-41-28
UP_o_1_2 (2)-horz

植物に対する画質調整は植物として検出された範囲において緑色の彩度、コントラストだけでなく、シャープネス処理で草木の輪郭も強調されます。
空に比べると草木自体の検出力は少し弱めですが、やはり草木が検出された時に近くにある同系色(緑色がかった色)の部分も補正されてしまいます。
Screenshot 2023-12-30 23-44-26
Screenshot 2023-12-30 23-44-50
UP_o_2_1 (2)-horz


Screenshot 2024-01-08 12-59-17
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UP_o_2_2 (2)-horz

建物に対する画質調整は建物として検出された範囲において、建物が全体的に明るくなり、コントラストが強調される感じの補正です。挙動は空を対象にしたものに近いですが、建物の検出がやや鈍く、やはり建物の近くにある関係ないものもコントラストが強調されています。
Screenshot 2023-12-30 23-46-04
Screenshot 2023-12-30 23-46-24
UP_o_3_1 (2)-horz

人の顔に対する画質調整は人の顔として検出された範囲において赤みを少し増す補正が施されます。
暖色寄りの表示で補正されると顔がかなり赤みを帯びてしまうので4種類の対象オブジェクトの中では一番微妙でした。個人的にはオフ推奨です。
公式ページでアピールされているように美肌化的な補正があるかというと微妙です。かなり拡大してみると凹凸のある輝度変化がノッペリするような傾向はあるものの、単純に色調が補正された結果かもしれず、何とも言えません。
Screenshot 2023-12-30 23-48-40
Screenshot 2023-12-30 23-49-02
UP_o_4_1 (2)-horz


Screenshot 2023-12-30 23-51-42
Screenshot 2023-12-30 23-52-03
UP_o_4_2 (2)-horz

人の顔の検出自体も他の3つに比べて甘く、関係ない場所まで補正することはないのですが、そもそも顔を検出してくれないことも多いです。
Screenshot 2023-12-30 23-50-19
Screenshot 2023-12-30 23-50-36


レビュー用に作成した4K超解像化の比較用スクリーンショットの量が膨大になったので、本記事とは別に、こちらにまとめて掲載しています。
「NEXiCONN AI Pixel-Plus CaptureX NV501/NV601」のAIオブジェクト別 画質補正の機能によってNintendo SwitchのTVモード等から出力したフルHD映像がどのように高画質化されるのか、気になるシーンや設定について各自でチェックしてみてください。




Switchゲーム画面の4K超解像化を動画で比較

「NEXiCONN NV501/NV601」によって4Kに超解像化することで、Nintendo SwitchのTVモードがどれくらい綺麗になるのか、ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド、スマブラSpecial、マリオカート8、ゼノブレイド2など実際のゲーム画面の動画で比較してみました。

比較に使用する素材(動画データ)や作成方法は上の章で紹介した静止画と同じです。
まずは4K解像度の動画から中央の980×1080解像度を切り抜いて横並びのフルHD解像度動画に編集し、NEXiCONN NV501/NV601による4K解像度アップスケールとネイティブ解像度(200%に拡大)を比較してみました。
リサイズを行わずにフルHD解像度相当の映像データを切り出しているだけなので、4K解像度のモニタを持っていない人でも正確にNEXiCONN NV501/NV601による超解像の効果を体感できると思います。









続いて、NEXiCONN NV501/NV601による4K解像度アップスケールとネイティブ解像度(200%に拡大)を横ワイプで交互に切り替えていく動画です。YouTubeで4K解像度再生に対応するようにアップロードしています。
フルHD解像度など非4K解像度の環境で再生しても高画質化を体感し難いので、4K解像度のPCモニタやテレビを持っている人は視聴してみてください。










NEXiCONN NV501のレビューまとめ

最後に「NEXiCONN AI Pixel-Plus CaptureX NV501」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • HDMI2.0対応のビデオ入力とパススルー出力を搭載(部分的にHDMI2.1機能をサポート)
  • PS5やXbox SXの4K/60FPS/HDRゲーム映像を30FPS/SDRで録画可能
  • ゲーミングPCのフルHD/240FPSやWQHD/144FPSのハイフレームレートにも対応
  • HDR映像ソースをHDR動画として録画できる(P010はフルHD/60FPSまで)
  • オンボード機能でHDR映像ソースをSDRトーンマップ可能
  • OBS StudioやXSplitのサードパーティ製ソフトウェアに対応
  • ヘッドセット&ゲームパッド用に2基の4極3.5mmジャックを搭載
  • 独自AIによる4K超解像&高画質化機能を搭載
  • フルHDだけでなく720pや480pの低解像度のアップスケールにも対応
  • 高性能ながらファンレス冷却構造
悪いところor注意点
  • 製品本体価格33,980円と高価
  • HDMI2.0の4Kモニタと組み合わせた時にカラーフォーマットが圧縮されることがある

「NEXiCONN NV501」はHDMI2.0相当(VRRや4K/60FPS/HDR RGB 12bitなど部分的にHDMI2.1機能もサポート)のHDMI入出力を搭載しており、4K/60FPS/HDRの映像をパススルー表示しながら4K/30FPS/SDRやフルHD/60FPS/HDRで録画できるビデオキャプチャです。

「NEXiCONN NV501」はUSB Video Class(UVC)対応なので、OBS StudioやXSplit Broadcasterといったメジャーなサードパーティ製ビデオキャプチャソフトにももちろん対応しています。
HDR映像ソースについては対応ソフトウェアからP010映像フォーマットを指定することでHDR映像そのものとして取り出すことも可能ですが、そうでなければビデオキャプチャ側のオンボード機能でSDRトーンマップもしてくれるのでマイナーなソフトウェアを使用しているユーザーにも安心です。

USB3.2 Gen1(USB3.0)接続であるところも含め、国内で発売中のメジャーどころで言うとAVerMedia Live Gamer Ultra(GC553)やElgato Game Capture HD60 X、ASUS TUF GAMING CAPTURE BOX-CU4K30とほぼ同じパススルー&録画性能となっており、USB接続ビデオキャプチャとして違和感なく使用できました。


「NEXiCONN NV501」は、Nintendo SwitchなどフルHD解像度でテレビやゲーミングモニタに出力されるゲーム映像を、4K解像度に超解像アップスケールできるアップコンバーター機能も内蔵されているところが既存のビデオキャプチャ製品との最大の違いです。
一般的な4K解像度PCモニタの多くは超解像機能を持たず、モニタ機能で全画面スケーリングすると映像がボヤけてしまい、逆に強力な高画質化機能を備えるテレビだと大きな表示遅延が発生してしまいますが(基本的にゲームではなく動画向けのアップスケール機能なので)、「NEXiCONN NV501」なら数ms以下の低遅延で、超解像処理による4K解像度のクッキリ高画質を実現できます。

TVモードの出力解像度がフルHDのNintendo Switchと相性がいいのはもちろん、720p以下のレトロゲームのアップスケールにも使用できますし、さらに標準で4K出力に対応するPlayStation 5やXbox Series Xと組み合わせた場合も出力解像度をフルHDにすれば4Kアップスケールが可能です。

6種類の設定が用意されていて当サイト推奨のゲームモード-2やビデオモード-1なら、超解像化にありがちな粒子ノイズ感も薄く、違和感のない高品質な4KやWQHDの高解像度アップスケールが可能です。
過去にHDMIアップスケーラーで期待ハズレと感じた人でも印象はかなり違うと思います。色々と比較用スクリーンショットを公開しているのでチェックしてみてください。


以上、「NEXiCONN AI Pixel-Plus CaptureX NV501」のレビューでした。
NEXiCONN AI Pixel-Plus CaptureX NV501




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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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