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NVIDIA GeForce GTX 10XXシリーズのナンバリング最上位となるGTX 1080 TiのオリファンモデルとしてCOLORFULから発売された、グラフィックカードのステータス情報を表示可能なカラーLCDパネル「iGame Status Monitor」をGPUクーラー側面に搭載し、ブースト1733MHzの高OCチューニングが施された「COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OC」のサンプル機を国内正規代理店リンクスインターナショナル様よりお借りできたのでレビューします。

国内では知名度の低いCOLORFUL社、管理人もリンクスインターナショナルが国内代理店になるまで中国のメーカーというくらいの情報しか知りませんでしたが、中国国内においてグラフィックボードのシェアは1位、世界的にも4位の販売台数を誇るようです。日本国内では中国メーカーと聞くと敬遠するユーザーも少なくないかもしれませんが、GTX 1080 Tiグラフィックボードだけで10枚近くレビューしてきた管理人が、COLORFUL社製のグラフィックボードは信頼に足る製品なのか徹底的にチェックしていきます。
プレスリリース:https://www.links.co.jp/2017/08/post-367/
製品公式ページ:https://www.links.co.jp/item/igame-gtx1080ti-vulcan-x-oc/

COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OC
COLORFUL
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COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OC レビュー目次
1.COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCの外観
2.COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCの分解
3.COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCの検証機材
4.COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCのゲーム性能
5.COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCの温度・消費電力
6.COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCのレビューまとめ
COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCの外観
早速、COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCを開封していきます。
キャラメルボックス型の外パッケージを開くと黒色のうちパッケージが出てきます。内パッケージを開くとマニュアルとドライバCDが収められており、その下にはスポンジスペーサー&エアクッション付き静電防止ビニールという一般的な梱包でグラフィックボード本体が鎮座していました。

スポンジスペーサーの右下にはベロア布の小さい袋が収められています。

袋の中には十徳ナイフ的な工具とハンドドライバーと手袋が入っていました。



梱包や付属品のチェックは簡単に済ませて、グラフィックボード本体を見ていきます。

GPUクーラーの外装はプラスチックのフレームに幾何学的な模様が描かれた鋭角的なデザインになっています。シンプルとかスタイリッシュとかそういったデザインではありませんが、少年心(厨二的な感性)をくすぐるデザインで、好きな人は滅法たまらない感じの外観だと思います。

「COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OC」はGPUクーラー側面にグラフィックカードのステータス情報を表示可能なカラーLCDパネル「iGame Status Monitor」を搭載しているところが最大の特徴です。


COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCには3連冷却ファンを搭載するGPUクーラーが採用されていますが中央は80mm径で、左右が90mm径という径が異なる2種類の冷却ファンが搭載されています。

COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCの全長は300mmを超えており、製品スペックでボードサイズは 長さ305 mm×高さ130 mm×幅58 mmとなっています。

COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCは基板とGPUクーラーがPCIブラケットから30mmほどはみ出しているのでPCケースとの干渉は十分に注意してください。PCケースとの干渉ではグラフィックボードの背の高さは長さに比べて見落としやすいポイントです。

COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCは冷却性能を上げるために大型放熱フィンを採用したヒートシンクが搭載されており、3スロット占有のGPUクーラーが採用されています。


GTX 10XXシリーズの上位モデルではVRM電源部分の発熱が話題になることも多いですが、COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCではGPUクーラー本体のヒートシンクとは別にVRM電源に接するミドルプレートが設置されています。ミドルプレートとヒートシンク本体の間にもサーマルパッドが貼られていました。この部分の冷却についても動作検証ではしっかりチェックしていきたいところです。

補助電源の端子数はリファレンスとなるGTX 1080 Ti Founders Editionの8PIN+6PINから増量されて8PIN*2になっており、リファレンスよりも大幅にOCされたCOLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCに安定した電力供給が可能です。

補助電源端子の設置については、PCIブラケットよりも背の高い基板の他社製品の中には補助電源の端子およびケーブルとPCケースとの干渉を回避するため、補助電源端子部分だけ基板を引っ込ませる構造を採用しているものもあり、COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCでも採用して欲しいです。


PCI-E端子、各種ビデオ出力、SLI端子には保護カバーが装着されています。

COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCのビデオ出力はHDMI2.0×2、DisplayPort1.4×2、DVI-Dの5基が実装されています。リファレンスではDP/HDMIの実装数が3/1ですがCOLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCではHDMIが2基になっており、HDMI2.0接続が主流な4Kテレビと接続したままHTC ViveやOculus Riftが使用可能なのでVR HMD&4Kテレビ環境なユーザーにも最適なビデオ出力構成です。ただしDPの数が減っているのでG-Syncモニター3基のサラウンドには非対応なので注意してください。

COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCにはマットブラックの塗装でGPUクーラー外装同様に鋭角的な幾何学模様のオリジナルイラストのプリントされたアルミニウム製バックプレートが装着されています。基板とバックプレートの間にサーマルパッドが貼られているので放熱プレートとしての役割も果たされています。

バックプレートの右端にはiGameブランドロゴのエンブレムが埋め込まれており、LEDイルミネーション機能も備わっています。

グラフィックボードの重量はGTX 1080 Ti Founders Editionが1000g、ASUS ROG STRIX GTX 1080 Tiが1200gですが、COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCは1600gを超える大重量になっています。バックプレート等で基板の反りは防止されていますが、PCI-Eスロットへの負荷を考えるとVGAサポートステイなどで垂れ下がりを防止したほうがいいかもしれません。



GTX 1080 TiのリファレンスモデルであるFounders Editionとサイズを比較すると、全長267mmで比較的大きいFounders EditionもCOLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCの前ではミドル帯グラフィックボードに見えてしまうサイズ感になっています。同じくGTX 1080 Tiオリファンモデルで先日レビューしたROG STRIX GTX 1080 Tiと比較しても、COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCの圧倒的な大きさが伝わります。



COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCの分解
COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCの外観の基本的なチェックも完了したので、GPUクーラーを分解してみます。(記事内容の都合で前後していますが各種検証後に分解を行っています)なお今回はレビュー用サンプル貸出先の協力のもと特別に許可を頂いて分解を行っております。GPUクーラーの取り外し(分解行為)はグラフィックボードの正規保証の対象外になる行為です。今回はレビューのために分解しておりますが、繰り返しますが保証対象外になるので基本的には非推奨の行為なのでご注意下さい。
GPUクーラーは基板裏面のコア周辺4カ所とVRM電源付近2か所のネジ6つで固定されていました。

6か所のネジを外すとGPUクーラーは容易に取り外しができます。

COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCはGTX 1080 TiグラフィックボードなのでGPUコアには「GP102-350-A1」が使用されています。またVRAMチップとして11GbpsのGDDR5XはMicro製のものが使用されていました。

VRM電源部分を確認すると補強とVRM電源周りの冷却を兼ねたミドルプレートが装着されていました。

ミドルプレートとグラフィックボード基板はMOS-FET部分のサーマルパッド経由で接触しています。

VRM電源部分のヒートシンクを外すと18+2フェーズの特盛VRM電源の全貌が確認できます。グラフィックボード基板にこれでもか!とぎっしり詰め込まれたVRM電源を見ると胸が熱くなりますね。

バックプレートについてはGTX 1080 Tiグラフィックボードの上位モデルでも単純な補強や装飾目的で冷却に寄与していないものも少なくありませんが、COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCではGPUコア裏やVRM電源裏にサーマルパッドが貼られており、放熱版としての役割も果たしています。サーマルパッドがない部分にはショート防止のフィルムが貼られている配慮もありがたいです。

GPUクーラー本体はアルミニウム製ベースプレートから6本のヒートパイプが伸び、アルミ製放熱フィンへ効率的な熱拡散が可能な構造になっています。放熱フィンの厚みも3スロットめいっぱいのサイズになっています。

GPUコアとの接触も鏡面磨き上げでこそないもののヒートパイプのダイレクトタッチではなくアルミニウム製ベースコアが採用されており消費電力が250W以上になるGTX 1080 TiのGPUコアでも冷やしきれるポテンシャルがあります。GPUダイと接触するベースプレートは銅製が定番ですがCOLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCでは素材にアルミニウムが採用されていました。VRAMチップもサーマルパッド経由でアルミニウム製ベースコアに接触しており一括で冷却する構造です。

VRM電源については、MOS-FETはミドルプレート経由でさらにサーマルパッドを挟んでGPUクーラーヒートシンク本体と接する構造になっていますが、インダクタとはサーマルパッド経由でヒートシンク本体が直接に接しているのでVRM電源の冷却も問題なさそうです。


3スロットを占有するGPUクーラーの極厚なアルミ製放熱フィンの迫力も圧巻です。


COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCの検証機材
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCを検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | ||
ベンチ機1![]() |
ベンチ機2![]() |
|
OS | Windows10 64bit Home | |
CPU |
Core i7 7700K Core/Cache:5.0/4.8GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
Core i7 7700K (レビュー) |
M/B | ASRock Z270 SuperCarrier (レビュー)(BIOS:1, 2) |
ASUS ROG MAXIMUS IX FORMULA (レビュー) |
メインメモリ | Corsair Dominator Platinum Special Edition DDR4 8GB*4=32GB (レビュー) |
G.Skill TridentZ DDR4 8GB*4=32GB |
システムストレージ |
Crucial MX300 SATA M.2 SSD 1TBCT1050MX300SSD4 | Intel SSD 540シリーズ SATA M.2 SSD 240GB |
電源ユニット |
Corsair RM650i (レビュー) |
Corsair HX1200i (レビュー) |
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t (レビュー) NZXT Aer F 140 3基(レビュー) |

COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCのGPUクーラーは3スロット占有なので、検証機材のASRock Z270 SuperCarrierでは3スロット目に位置するx16スロットは使用不可能になっています。グラフィックボードを設置した位置の下位2段のPCI-Eスロットは使用できなくなるので注意してください。

電源を入れるとGPUクーラーに備え付けられたLEDイルミネーションが点灯します。COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCではGPUクーラー外装の隙間にLEDイルミネーションが設置されていました。

GPUクーラー正面の外周フレームだけでなく、バックプレートのCOLORFUL iGameロゴエンブレムにもLEDイルミネーションが埋め込まれています。

COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCはビデオ出力の隣に設置された「ONE-KEY OC」という物理スイッチによってBIOSの切り替えが可能になっています。

「ONE-KEY OC」が押下された状態では非OCモードとなりブーストクロック1582MHzでリファレンスと同じ動作クロックとなります。一方で「ONE-KEY OC」が非押下された状態ではOCモードとなりブーストクロックが1734MHzに自動でオーバークロックされます。


「COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OC」では各種モニタリングやOC・ファンコン設定が可能な「iGameZone」とLCDパネルの表示設定が可能な「iGame LCD Controller」という2つのソフトウェアが付属のドライバCDに収録されています。
Colorfulの公式サイトへ国内からはアクセスし難いのでソフトウェアの最新版をユーザーが入手できないところが少々難点です。この辺りは国内代理店のリンクスインターナショナルが自社サーバーでソフトウェアの最新版を公開するなど対応を検討して欲しいところ。
各種モニタリングやOC・ファンコン設定が可能な専用アプリ「iGameZone」は次のようなウィンドウになっています。ウィンドウ左のスライダーでコアクロック、パワーターゲット、ファン回転数の設定が可能です。

モニタリンググラフ部分の右にある「LED Zone」というボタンをクリックすると、LEDイルミネーションの発光カラー&パターンの設定ウィンドウが開きます。

選択可能な発光パターンとしてはGPU温度に依存する「State Display」、指定した発光カラーで点灯し続ける「Bright」、1~7個の発光カラーで順番に明滅をする「Breath」、1~7個の発光カラーで順番に点滅する「Cycle」の4種類が用意されています。「Breath」と「Cycle」では複数の発光カラーを選択できますが、カラーをクリックすると白い枠に囲まれ、この白い枠で囲まれた色について、スライダーで指定される遷移時間で明滅or点滅で発光カラーが変化していきます。





「COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OC」はGPUクーラー側面にGPUのステータス情報を表示可能なカラーLCDパネル「iGame Status Monitor」を搭載されています。専用アプリが起動していない状態では下のようにGPUの型番が表示されるだけになっています。

LCDモニターについて設定可能な専用アプリ「iGame LCD Controller」は次のようになっています。設定内容は簡単で表示内容の切り替えを一定時間のインターバルにするか、ホットキーによる切り替えにするかが主な機能です。ウィンドウ下の緑色スイッチをOFFにするとLCDモニターの表示もOFFにできます。


LCDモニターの表示内容については、GPU温度、GPUコアクロック、メモリ使用率、ファン回転数の4つのみです。




「iGame LCD Controller」についてはインストール後に手動で「管理者として実行」の設定を行わないと設定の適用時にエラーが出るので注意してください。

COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCのゲーム性能
COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCの性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には「GTX 1080 Ti Founders Edition」、「EVGA GTX 1080 SC2 Gaming iCX」、「EVGA GTX 1070 SC Gaming ACX3.0」を使用しています。


まずFFXIV 紅蓮のリベレーター ベンチマークのフルHD・最高品質のスコアは同検証環境で19000程度となりました。4K解像度・最高品質でも非常に快適の水準となる7000を超えるのでGTX 1080 TiであればFFXIV 紅蓮 リベレーターに余裕で対応可能なグラフィック性能があります。

なおFF14ベンチではスコアが1万を超えたあたりからFPSが上がりすぎてCPUベンチの傾向が強くなりグラフィックボードの性能比較ベンチとしてはあまり使えなくなってくるので注意してください。FFXIV 紅蓮のリベレーターに最適なグラフィックボードやCPUなどPCスペックについては次の記事でも紹介しています。
・FFXIV 紅蓮のリベレーターにおすすめなグラボやPCは?

3DMarkで現在主流なDirectX11のベンチマーク「FireStrike」による比較になります。
![]() |
|||
FireStrike | Extreme | Ultra | |
GTX 1080 Ti COLORFUL VX | 29340 | 14513 | 7294 |
GTX 1080 Ti FE | 28097 | 13622 | 6697 |
GTX 1080 11Gbps OC | 22833 | 10880 | 5467 |
GTX 1070 OC | 18292 | 8599 | 4262 |
3DMarkの最新DirectX12ベンチマーク「TimeSpy」による性能比較となります。
![]() |
|||
TimeSpy | Asyncなし | 性能伸び率 | |
GTX 1080 Ti COLORFUL VX | 10276 | 9528 | 108% |
GTX 1080 Ti FE | 9497 | 8865 | 107% |
GTX 1080 11Gbps OC | 7678 | 7296 | 105% |
GTX 1070 OC | 5968 | 5735 | 104% |
続いて実ゲームを用いたベンチマークになります。解像度はフルHD、WQHD、4K(3840*2160)の3種類について行っており、同一のグラフィック設定で同一のシーンについて平均FPSを比較しました。
ベンチマーク測定を行ったタイトルは、Assassin's Creed Syndicate(グラフィック設定)、Battlefield 1(最高設定プリセット)、The Division(グラフィック設定)、For Honor(超高設定プリセット)、Ghost Recon Wildlands(グラフィック設定)、Mirrors Edge Catalyst(ハイパー設定プリセット)、Rise of the Tomb Raider(グラフィック設定)、Titanfall 2(グラフィック設定)、WatchDogs_2(最高設定プリセット)、The Witcher3(グラフィック設定)、Gears of War 4(最高設定プリセット)以上の11タイトルです。
Assassin's Creed Syndicate(グラフィック設定)のベンチマーク結果です。

Battlefield 1(最高設定プリセット)のベンチマーク結果です。

The Division(グラフィック設定)のベンチマーク結果です。

For Honor(超高設定プリセット)のベンチマーク結果です。

Ghost Recon Wildlands(グラフィック設定)のベンチマーク結果です。

Mirrors Edge Catalyst(ハイパー設定プリセット)のベンチマーク結果です。

Rise of the Tomb Raider(グラフィック設定)のベンチマーク結果です。

Titanfall 2(グラフィック設定)のベンチマーク結果です。

WatchDogs_2(最高設定プリセット)のベンチマーク結果です。

The Witcher3(グラフィック設定)のベンチマーク結果です。

Gears of War 4(最高設定プリセット)のベンチマーク結果です。

COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OC、GTX 1080 Ti Founders Edition、GTX 1080 11Gbps OC、GTX 1070 OCの4種類について実ゲーム性能の比率の平均を出したところ、GTX 1080 TiはGTX 1080よりも25%以上高速という結果になりました。FPSが上がりすぎてCPUボトルネックの影響が出始めるフルHDに対して、60FPS前後に近づいていく超高解像度でより高いパフォーマンスを発揮できます。

COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCの温度・消費電力
COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCoの負荷時のGPU温度とファンノイズを検証しました。温度とファンノイズの検証負荷としてはFireStrike Extreme ストレステスト、比較対象にはGTX 1080 Ti Founders Editionを使用しています。
COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCではストレステスト中のGPUコア温度は最大70度、ファン回転数も1700RPM未満となっており、GTX 1080 Tiの高OCオリファンモデルとしては良好な結果だと思います。非OCモードではコアクロックがリファレンスのFounders Edition相当になるのでGPU温度はさらに最大67度まで下がり、ファン回転数も1400RPM程度に収まります。

COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCはアイドル時に冷却ファンが停止するセミファンレス機能に対応しています。GPUに負荷がかかると60度付近でファンが動作を開始し、48度前後で停止とヒステリシス機能も備えています。負荷から停止までの時間が2分ほどと若干長めです。ファンの立ち上がりと停止では若干乱れがありますが実用上の問題はないと思います。
COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCはGTX 1080 Tiグラフィックボードの中でも屈指のOCチューニングと選別が施されています。デフォルトでコアクロックが1734MHzにオーバークロックされており3スロット占有の大型GPUクーラーを搭載しているので大幅OCで増加している消費電力も余裕で御し切って、サーマルスロットリングによるコアクロックの熱ダレとも無縁な安定感で実働コアクロックは平均1960MHzをマークしています。

またベンチ機2のPCケースにCOLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCを組み込んでFire Strike Extreme グラフィックテスト1を1時間に渡ってループさせて実用の冷却性能を確認してみました。

検証機材のPCケースには「Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t」を使用しており、ケースファンにはNZXT製のエアフロー重視でPCケースの吸気・排気ファンに最適なケースファン「NZXT Aer F 140」をPCケースのフロントに吸気ファンとして2基、リアに排気ファンとして1基設置してファン回転数1000RPM固定で運用しています。


PCケースに入れて長時間負荷をかけても最大温度は76度で、コアロックの平均値は1950MHzでした。内排気ファンということもありPCケースの吸排気を最適化しないと冷却効率が下がるのでフロント2/リア1で140mmファンを設置していますがファン回転数は2172RPM程度まで上がりました。PCケース内とはいえファンノイズはやや聞こえました。

また実働ストレステスト中の0分, 10分, 20分…について30秒間の平均FPSの推移をチェックしました。長時間の負荷においてもスタートから99%の性能を維持しておりリファレンスと比較すると熱ダレによる性能低下は圧倒的に小さくなっています。

1時間のストレステスト終盤にスマホで使用できるサーモグラフィカメラ「FLIR ONE」を使用してゲーム負荷時のグラフィックボード上の各所の温度をチェックしました。
GTX 10XXシリーズの上位モデルではVRM電源部分の温度がかなり高くなりがちですが、COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCでは最も熱い部分で90度前半で収まっていました。高温ではありますが比較的安心できるレベルには収まっていると思います。


COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCを含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。ノイズレベルの測定には「サンワダイレクト 400-TST901A」を使用しています。

電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも不快に感じたり感じなかったりと音の性質にもよるので注意してください。
ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。
COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCのファンノイズは43.2dBとなっており、ASUS ROG STRIXやGIGABYTE AORUS EXなど国内でも主要なメーカーの主力製品と比較しても遜色ない静穏性を発揮しています。またリファレンス相当のコアクロックで動作する非OCモードでは37.9dBとなり最高クラスの静穏性でした。

COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
測定には電源ユニット「Corsair RM650i」のCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの出力ではなく変換ロスを差し引いた純粋な検証システム全体への入力電力をチェックしています。また測定負荷にFireStrike Extreme ストレステストを使用して、”平均値を消費電力”、”最大値を瞬間的な最大電源負荷”としました。測定結果は次のようになっています。

同検証環境に置いてCOLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCの消費電力は359Wとなり、リファレンスモデルのGTX 1080 Ti Founders Editionよりも37Wほど高い消費電力となりました。OCモードではコアクロックが平均1950MHz程度に張り付くので、このコアクロックを考えると比較的低めの消費電力になっており、低電圧で回る石が選別されていることが伺えます。OCモードでの瞬間最大負荷は418Wでした。非OCモードではコアクロックがリファレンスと同じになるので消費電力もリファレンスとほぼ一致しています。
COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OC レビューまとめ
最後にGTX 10XXシリーズ最上位GTX 1080 Tiのオリファンモデル「COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OC」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- ブーストクロック1734MHzでGTX 1080 Tiの中でも屈指のOCチューニング
- 最新高画質PCゲームをUWQHDなどの超高解像度で快適にプレイ可能なグラフィック性能
- GTX 1080のOCモデルよりも30%程度高速
- アルミ製ベース&3スロット占有大型GPUクーラーはGTX 1080 Tiを70度前後で運用可能
- ミドルプレート&ヒートシンク本体がVRM電源に接する冷却構造
- ビデオ出力にHDMI端子を2基搭載
- 物理スイッチで非OCモードへ簡単に切り替えが可能
- 非OCモードはリファレンス相当の動作になるので静穏性が上がる
- GPUクーラーとバックプレートに操作可能なLEDイルミネーション搭載
- デフォルトのパワーリミットが高いのでFounders Editionより40Wほど消費電力が大きい
- PCI-Eスロットを3スロット占有する
- DisplayPortは2基なのでG-Syncモニタの3面サラウンドには非対応
- 9月4日現在、11万円程と非常に高価
GTX 10XXシリーズ最上位モデルとなる「GeForce GTX 1080 Ti」のオリジナルファン搭載OCモデル「COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OC」は昨年5月末にNew Kingとして鳴り物入りで登場したGTX 1080よりも30%程度高速です。昨年8月には前世代TITAN X Maxwellよりも50%以上高速というバケモノGPUとして登場したTITAN X Pascalを僅差で上回るという圧倒的な性能を誇っており、1200ドルのTITAN X Pascalに対して699ドルという圧倒的な安価さも兼ね備えたGTX 1080 Tiは究極のハイエンドグラフィックボードと言っても過言ではない製品です。

COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCはGTX 1080 Tiグラフィックボードの中でも屈指のOCチューニングと選別が施されています。デフォルトでGPUコアのブーストクロックが1734MHzにOCされており、3スロット占有の大型GPUクーラーを搭載しているので大幅OCで増加している消費電力も余裕で御し切って、サーマルスロットリングによるコアクロックの熱ダレとも無縁な安定感です。物理スイッチによって非OCモードへ簡単に切り替えることもできるのでリファレンス相当のグラフィック性能で静穏性を重視した使用も可能になっています。

COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCは高OCチューニングの代償として消費電力がGTX 1080 Tiのリファレンスよりも40Wほど大きくなっていますが、3スロット占有大型GPUクーラーの抜群な冷却性能でPCケースに入れた長時間ストレステストでもGPU温度は75度程度に留まり、熱ダレとは無縁な安定性を発揮しています。
またGTX 10XXシリーズの上位モデルではVRM電源部分の発熱が話題に上ることも多いですが、COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCではGPUクーラーヒートシンク直接接触に加えてミドルプレート経由とバックプレートの3方向から冷却する理想的な構造になっており、VRM電源部分の温度は90度前半程度に収まっているので比較的安心して使用できると思います。
COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCはGTX 1080 Tiグラフィックボードで一般的なビデオ出力構成のHDMI1基ではなく、HDMI2.0を2基を実装しているので4KテレビとVR HMDを両方使用するユーザーにとっては嬉しい構成になっています。代わりにDPを必須とするG-Syncモニタの3面サラウンドには非対応なので注意してください。
COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCの付加価値的な機能のLCDパネル「iGame Status Monitor」については表示できる項目がGPU温度、GPUコアクロック、メモリ使用率、ファン回転数の4種類だけで表示内容については基本的にカスタマイズもできないので、機能的に過度な期待は禁物かと思います。個人的にはGPU温度表示固定が一番便利な気がします。

COLORFUL社は日本国内ではあまり馴染みがなく、中国メーカーということで若干敬遠してしまう国内ユーザーも少なくないかもしれませんが、GPUベンダーの実力をチェックする上で重要になるOCチューニングの安定性やGPUクーラーの品質を徹底的に検証してみたところ、COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCについては当サイトでレビュー記事を公開しているASUS ROG STRIXやGIGABYTE AORUS EXなど国内で主要なメーカーの上位モデルと比較して遜色ない高性能なグラフィックボードでした。
COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCは日本国内でも高級・高品質なブランド帯製品として戦っている実力を十分に備えた製品なので予算が許すのであればおすすめなグラフィックボードです。
以上、COLORFUL iGame GTX1080Ti Vulcan X OCのレビューでした。

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