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4K/60Hz/HDRに加えてフルHD解像度で240Hzリフレッシュレートに対応するシネマ&ゲーミング向けハイエンドプロジェクター「Optoma UHD50X」をレビューします。「Optoma UHD50X」は製品仕様の通りに240Hzリフレッシュレートのゲーミングモニタとして使用できるのか、またIPS液晶やTN液晶の240Hz対応ゲーミングモニタと比較して応答速度はどうなのか徹底検証していきます。
製品公式ページ:https://www.optoma.com/us/product/uhd50x/
マニュアル:https://www.optoma.com/us/wp-content/uploads/sites/24/2020/02/Optoma-UHD50X_UM.pdf

Optoma UHD50X レビュー目次
1.Optoma UHD50Xの概要
2.Optoma UHD50Xの外観・付属品
3.Optoma UHD50XのOSD操作・設定
4.Optoma UHD50Xの画質や240Hz動作について
5.Optoma UHD50Xのレビューまとめ
Optoma UHD50Xの概要
「Optoma UHD50X」は解像度が3840×2160の4K解像度、スクリーンサイズが34.1インチから302.4インチで投影可能なプロジェクタです。投影方式にはコントラストや応答速度に優れたDLP方式が採用され、コントラスト比は通常500,000:1です。3400ルーメンの高輝度ランプを搭載し、ランプ寿命は最大15000時間です。交換用ランプの型番はBL-FP240Eです。スロー比は1.21~1.59(2.68mで100インチ)、ズーム比は最大1.3倍、レンズ角度は105度~115度です。
「Optoma UHD50X」はHDR表示に対応し、コンソールゲーム機やPCゲームで採用の多いHDR10に加えて、衛星放送などに採用されるHLGの2規格と互換性があります。

「Optoma UHD50X」のリフレッシュレートは最大解像度の4Kでは60Hzですが、フルHD解像度ではネイティブ240Hzに対応します。240Hzの高リフレッシュレートによって応答速度が高速になるのでブレや残像がなくなってクッキリとした滑らかな表示です。60FPSでは識別の難しいゲーム内遠方で動くエネミーやオブジェクトの発見などが容易になるので、オンライン対戦FPSゲームなど競技性の高いPCゲームにおいて対戦相手よりも優位に立つことができます。

「Optoma UHD50X」は入力遅延が小さいこともアピールされており、4K/60Hzで25.8ms、フルHD/240Hzでは15.7msの超低遅延を実現しており、ゲーミング用途にも最適なプロジェクタです。

「Optoma UHD50X」に搭載されたビデオ入力はHDMI2.0、HDMI1.4、VGA(9-pin D-SUB)×1の3系統です。HDMIからの音声はS/PDIFで出力可能です。電源端子として5V/1.5Aに対応したUSBポートも搭載しています。「Optoma UHD50X」の寸法は幅315mmx 奥行270mm x 高さ118mm、本体重量は3.9kgです。

Optoma UHD50Xの外観・付属品
まずは「Optoma UHD50X」を開封していきます。「Optoma UHD50X」のパッケージはシンプルな段ボール箱でした。

天面を開くと各種付属品が現れ、パルプモールド製の内蓋を取り出すと「Optoma UHD50X」のプロジェクタ本体がありました。プロジェクタ本体はパルプモールド製スペーサーとビニール袋のみの簡易な梱包です。

「Optoma UHD50X」の付属品を簡単にチェックしておくと、HDMIケーブル、ACケーブル、リモコン(電池付き)、製品仕様書が付属します。詳細なマニュアルについては冊子としては付属せずPDFファイルをダウンロードする必要があります。

「Optoma UHD50X」のビデオ入力はHDMI2.0とHDMI1.4などがありますが、HDMIケーブルが1本のみ付属しています。
HDMIケーブルを個別に購入するのであれば「エレコム Premium HDMIケーブル スリムタイプ DH-HDP14ESBKシリーズ」がおすすめです。いずれも標準で付属するケーブルよりもケーブル径が細くて取り回しが良いので管理人も個人的に使用しており、おすすめのケーブルです。
エレコム PREMIUM HDMIケーブル スリムタイプ 1.0m
エレコム PREMIUM HDMIケーブル スリムタイプ 1.5m
エレコム PREMIUM HDMIケーブル スリムタイプ 2.0m
エレコム
今回管理人は「Optoma UHD50X」を北米Amazonから輸入したので、ACケーブルはアース付き3PINでした。ACアダプタ側の端子は、俗にいうPC電源ユニットなどでも使用される3PIN端子なので汎用品のACケーブルを購入すれば国内でも問題なく使用できます。

続いて「Optoma UHD50X」のプロジェクタ本体をチェックしていきます。
「Optoma UHD50X」の外観は白色プラスチック製で正面に映像を投射するレンズがあり世間一般のプロジェクタというイメージ通りだと思います。寸法は幅315mmx 奥行270mm x 高さ118mm、本体重量は3.9kgで軽量ではありませんが標準的なサイズ・重量です。

プロジェクタ映像の投射に関する調整機能として、レンズのリング部分を回転させるフォーカス、天面の左右レバーを移動させるズーム倍率(x1.00~x1.30)、上下の投射角度を調整するレンズシフト(105度から115度)の3種類があります。



プロジェクタ本体の天面後方にはOSD設定を操作するための各種ボタンが実装されています。

「Optoma UHD50X」に搭載されたビデオ入力はHDMI2.0、HDMI1.4、VGA(9-pin D-SUB)×1の3系統です。HDMIからの音声は背面に実装されたS/PDIF出力端子からスピーカー・DAC等へ出力可能です。スマートデバイスへの電源端子として5V/1.5Aに対応したUSBポートも搭載しています。

「Optoma UHD50X」のプロジェクタ本体の底面には3つのゴム足がありますが、ネジ式で足の高さを調整可能です。

また底面にはプロジェクタの天吊りに使用する汎用のネジ穴が3か所設けられています。

Optoma UHD50XのOSD操作・設定
「Optoma UHD50X」のOSD操作はモニタ天面に設置されている各種ボタンもしくは付属リモコンを使用します。
「Optoma UHD50X」のリモコンは赤外線による通信となっており、受光部はレンズの右上と、本体天面の操作ボタン部分の2か所にあります。

プロジェクタ本体のOSD操作ボタンとリモコンのキーアサインは次のようになっています。


リモコンのボタンにはLEDイルミネーションが内蔵されており、いずれかのボタンを押下すると全てのボタンが数秒の間、点灯します。室内照明を真っ暗にしてプロジェクタを使用する場合でも問題なくリモコンで操作できます。

「Optoma UHD50X」のOSDメニューは日本語UIに対応しています。初回起動時にUI言語の選択メニューが表示されるので、USD言語で困ることはないと思います。
台形補正(キーストン)や上下オフセット(Image Shift)といった基本的な表示設定もOSDメニューから行うことができます。

OSD表示領域は画面の9分の1程度、文字も大きいので視認性は良好です。標準設定では画面中央にOSDが表示されますが、OSD設定から表示位置は移動できます。

Optoma UHD50Xの画質や240Hz動作について
「Optoma UHD50X」の画質や最大の特徴の1つである240Hzリフレッシュレートについてチェックしていきます。まず「Optoma UHD50X」は光をスクリーンに投影するプロジェクタなので、構造上、想像がつくように視野角による色の変化はありません。(使用するスクリーンによっては角度が大きくなると暗くなることはあるかもしれませんが)
画面の明るさについては、光源ランプの明るさ(ブライト/エコ)の2段階による調整、およびBrightnessによる微調整となります。光源ランプの明るさをブライトにすると冷却ファンがそこそこ煩く感じました。エコは静かです。室内照明にも依りますがエコでも十分な明るさは得られると思います。
「Optoma UHD50X」はDLP型ですが、RGBにWを加えた4色カラーフィルターになっているからか、白色が特に明るく感じました。Brightnessで調整すると白の明るさがちょうどいい時に赤緑青が暗くなってしまいました。上手い設定がないか模索中です。

投影サイズについて公式情報では34インチから、となっていましたが、実際に試してみると、15インチ程度でも焦点は合いました。

続いて、「Optoma UHD50X」の最大特徴の1つである”240Hzリフレッシュレート”について、その意味自体は特に説明せずとも読者はご存知だと思いますが、一般的な60Hzリフレッシュレートの液晶モニタが1秒間に60回の画面更新を行うのに対して、240Hzリフレッシュレートであれば標準的な60Hzの4倍となる1秒間に240回の画面更新を行います。

1秒間に240回の画面更新を行う240Hzリフレッシュレートの物理的なメリットとしては、単純に秒間コマ数が増えるので映像がより滑らかになります。上の章で詳しく検証したようにリフレッシュレートが上がると応答速度も上がって細部がクッキリとしたシャープな映像に見えやすくなり、加えて画面更新間隔が短くなるので表示遅延が小さくなり、一般的な60Hz環境よりもスピーディーなプレイで他者を圧倒しやすくなります。
オンライン対戦FPSなど競技性の高いゲームにおいて240Hzリフレッシュレートのモニタを使用した時の実用的なアドバンテージとして、ゲーム内視線を左右に振った時の視認性が上がるという例は直感的にもわかりやすいメリットですが、その他にもゲーム内遠方に存在して動いているエネミーやオブジェクトの視認性が上がるというメリットも存在します。
下の比較動画では4分割して映像を並べていますが、右下以外の3つは右下画面の緑枠部分を拡大するよう接写して、「SONY DSC-RX100M5」の16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影したものになっています。リフレッシュレート別で左上は60Hz、右上は120Hz、左下は240Hzとなっていますが、赤枠で囲った建物の出入り口付近で左方向に移動する敵の動きはリフレッシュレートが上がるほど視認しやすくなるのがわかると思います。
またハイリフレッシュレートなゲーミングモニタでは表示遅延も小さくなります。
画面表示を基準にして、クロスヘア中央にターゲットをエイムしてから撃ち始めた場合、240Hzのほうが60Hzより先に着弾します。ターゲットが逃げる場合は50ms程度の差で撃ち漏らす場合もあります。
技術云々ではなく、単純に、クロスヘア中央にエイムするという同じタイミングで撃ちあっていたら、リフレッシュレートが高いモニタを使っている方が勝ちます。加えて操作と画面表示の繰り返し応答も早いので、当然、リフレッシュレートが高い方がエイムもスムーズになります。
NVIDIA公式からもハイリフレッシュレートなゲーミングモニタとハイフレームレートに対応可能な高性能グラフィックボードを使用するメリットについて紹介する「動画が公開されています。
なお「Optoma UHD50X」でフルHD解像度/240FPSを狙うには、元から軽めのPCゲームや画質設定を下げた最新PCゲームであってもグラフィックボードのGPU性能がそれなりに要求されます。液晶モニタに「Optoma UHD50X」を使用するのであれば2019年最新のハイエンドGPUであるNVIDIA GeForce RTX 2080 SUPERやNVIDIA GeForce RTX 2080 Tiがおすすめです。
・GeForce RTX 20XX/GTX 16XXシリーズのレビュー記事一覧へ

「Optoma UHD50X」ではNVIDIA GeForce RTX20/GTX16シリーズやAMD Radeon VII/RX Vega/5XXシリーズなど最新グラフィックボードのHDMI2.0ビデオ出力に接続することによって、モニタリフレッシュレートを120Hzや240Hzに設定できます。
「Optoma UHD50X」を240Hzなどのハイリフレッシュレートで使用するには、「Enhanced Gaming」というOSD設定をON、「UltraDetail」をOFFにする必要があります。
Enhanced GamingをOFFのままでもPCからは240Hzで認識されますが、実際の画面リフレッシュは60Hzのままになります。加えて「映像設定 - UltraDetail」が標準設定ではONになっているので、UltraDetailをOFFにしてください。これが有効になっていると、240Hz動作時にフレームスキップ(スタッター)が発生してしまいます。

Enhanced Gamingを有効にすると、イメージシフトや台形補正など一部の表示設定がグレーアウトして設定できなくなります。プロジェクタの設置位置や角度にも大きく影響するので注意が必要です。

Windows上でモニタリフレッシュレートの設定は、NVIDIA製GPUの場合はNVIDIAコントロールパネルから、AMD製GPUの場合はWindowsのディスプレイ設定から行います。


以上のように設定すると、「Optoma UHD50X」でフルHD/240Hzが正常に表示できます。

「Optoma UHD50X」を240Hzリフレッシュレートで動作させた時の応答速度ですが、液晶では比べものにならないくらいに超高速です。スクショかと疑うレベルでクッキリと撮影できました。(DLP型なので1フレームだけを撮影可能かつ、複数色が合成できるように、1/320秒のシャッタースピードで撮影しています)

現状で応答速度が最速な240Hz対応TN液晶モニタ「ZOWIE XL2746S」を1/1000秒で撮影したベストな瞬間でもこんな感じです。

240Hz対応モニタのTN液晶モニタ「ZOWIE XL2746S」とIPS液晶モニタ「ASUS TUF Gaming VG279QM」を比較対象にして、「Optoma UHD50X」の応答速度をチェックしてみました。下の動画は960FPS(16倍速)スーパースローモーション動画を25倍速でスロー表示した様子です。
まず「Optoma UHD50X」はDLP型プロジェクタなので、240Hzつまり4ms程度の1フレームが4色のカラーフィルタで分割されているのが見て取れます。青→赤→白→緑の順番でカラーフィルタが切り替わるようです。1フレームを4分割した2番目の赤色の時点ですでに前のフレームは一切写っていません。
120Hzになりますが、「Optoma UHD50X」と有機ELの「Alienware 55 AW5520QF」を比較した様子が次のようになっています。
元が960FPSスーパースローモーションなのでこの2つを比較するには分解能的に怪しくなってくるのですが(後日、5760FPSのスーパースローモーションでも検証予定)、有機ELのAW5520QFよりも「Optoma UHD50X」のほうが高速にフレームが切り替わっているように見えます。
ちなみに「Optoma UHD50X」はEnhanced Gamingモードにおいて、カラーフィルタの動作は240Hzに固定されているようで、120Hz表示にするとDMD(Digital Micromirror Device)は120Hz更新ですが、1フレームでカラーフィルタは2回更新されます。
Optoma UHD50Xのレビューまとめ
最後に「Optoma UHD50X」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 最大4K解像度、最大画面サイズ300インチに対応するプロジェクタ
- プロジェクタとしては世界初のフルHD/240Hzに対応
- 240Hz動作時は最小16msの低レイテンシ
- ビデオ入力はHDMI2.0、HDMI1.4、VGAの計3系統
- HDMI2.0は4K/60FPSやフルHD/240Hzに対応
- 3400ルーメンの高輝度ランプを搭載
- HDR表示に対応し、HDR10とHLGの2規格と互換
- 2.6~3.1mで100インチの投影が可能
- 240Hz対応のEnhanced Gamingでは台形補正や上下オフセットなどが利用できない
- VRR同期に非対応(プロジェクタの構造的には対応の可否はどうなんだろうか?)
- 北米価格1600ドルと非常に高価
- 2020年7月現在、国内では未発売
「Optoma UHD50X」は240Hzの超高速リフレッシュレートに対応する世界初のゲーミングプロジェクタです。超高速リフレッシュレートによるゲーミング用途だけでなく、ネイティブ解像度で4K解像度に対応し60HzのHDR表示も可能なので、ホームシネマ用のハイエンドプロジェクタとしても余裕で通用します。
240Hzに対応したTN液晶やIPS液晶のゲーミングモニタを余裕で上回る超高速応答を実現しているので、PUBGやCS:GOやOverWatchやApex Legendsといったオンライン対戦FPSゲームでを大画面でプレイしたいユーザーにもオススメです。
なお「Optoma UHD50X」は2020年7月現在、国内では発売されていないので、北米Amazon等から個人輸入するしか入手方法がありません。国内でも早期の発売に期待したいところです。
以上、「Optoma UHD50X」のレビューでした。

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Optoma UHD50X レビュー
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) July 22, 2020
良い
✅4K解像度、最大画面サイズ300インチ(2.6mで100インチ)
✅世界初のフルHD/240Hzに対応
✅3400ルーメンの高輝度ランプ
✅HDR10やHLGに対応
悪いor注意
⛔240Hz対応Enhanced Gamingモードでは台形補正などが利用できないhttps://t.co/MfmFEtS7gw
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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