スポンサードリンク
全長170mmのMini-ITX完全対応ショート基板モデルで、販売価格がRTX 3060グラフィックボードの国内最安値クラスな「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB(型番:NE63060S19K9-190AF)」をレビューします。
NVIDIA Ampere世代のミドルクラスGeForce RTX 3060が、前世代同クラスのRTX 2060や1ランク上のRTX 2070や同等性能マイナーアップデートモデルRTX 2060 SUPERをどの程度上回るのか、実ゲームベンチマークでグラフィック性能を徹底比較します。
製品公式ページ:https://www.palit.com/palit/vgapro.php?id=4098&lang=jp
Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB レビュー目次
1.Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBの外観
2.Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBの分解
3.Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBの検証機材・GPU概要
4.Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBのゲーム性能
5.Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBの温度・消費電力・ファンノイズ
6.Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBのレビューまとめ
Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBの外観
早速、Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBを開封していきます。キャラメルボックス型の外スリーブから取り出した茶色段ボールの内パッケージを開くと、スポンジスペーサー&静電防止ビニールという一般的な梱包でグラフィックボード本体が鎮座していました。
「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」のグラフィックボード本体を見ていきます。
「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」のGPUクーラーの外装は黒色のプラスチック製ですが、表面がカーボン調に処理されており、意外と安っぽさは感じません。
グラフィックボード側面の「GEFORCE RTX」と「Pali」のテキストロゴシールが貼られていますが、こちらも光の当たり具合でカーボン調の背景が浮かび上がります。
「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」は全長170mmでRTX 3060グラフィックボードの中でも最小クラスのサイズです。
「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」はMini-ITXサイズのマザーボードに装着しても右端がマザーボードの外に出ることがなく、文句なしにMini-ITX完全対応です。キューブ型PCケースなどグラフィックボード設置スペースの奥行が短いコンパクトPCケースにも楽々設置できます。
「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」はショート基板かつPCIEブラケットと同じ高さなので補助電源含めてPCケースとの干渉の心配はありません。GPUクーラー外装は15mmほどPCIEブラケットからはみ出る背の高いデザインではあるものの、PCIE補助電源のクリアランスで十分にカバーできる程度です。
「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」のGPUクーラーには100mm径の冷却ファンが1基だけ搭載されています。
「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」の厚みは2スロット占有です。
Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBはリファレンスの動作クロックよりも高い数値で動作するメーカーによるファクトリーOCが施されたOCモデルですが、補助電源数はリファレンスと同じく8PIN×1です。
Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBのビデオ出力はHDMI2.1×1、DisplayPort1.4×3の計4基が実装されています。
Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBはショート基板なので基板の反りを防止する必要はありませんが、基板の背面保護や放熱の補助の役割を果たすバックプレートは非搭載です。
なおグラフィックボードの重量はZOTAC GAMING GeForce RTX 3060 AMP White Editionが796g、Palit GeForce RTX 3060 Ti Dualが610gに対して、Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBは473gとなっており、RTX 3060グラフィックボードとしてはコンパクトなサイズのとおり軽量です。
Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBの分解
Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBを分解してGPUクーラーやグラフィックボード基板についてチェックしていきます。なお今回は自己責任で(もしくはレビュー用サンプル貸出先の協力のもと特別に許可を頂いて)分解を行っています。GPUクーラーの取り外し(分解行為)は、EVGAやZOTACを除く多くのメーカーではグラフィックボードの正規保証の対象外になる行為です。今回はレビューのために分解していますが、繰り返しますが保証対象外になるので基本的には非推奨の行為なのでご注意下さい。
Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBのGPUクーラーは基板裏面のコア周辺4カ所のネジ4つで固定されていました。
4カ所のネジを外すとGPUクーラーは容易に取り外しができます。
「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」にはPalit独自設計のオリジナル基板が採用されています。
GeForce RTX 3060のGPUコアにはGA106-300-A1が使用されていました。RTX 3060のVRAMは上位モデルのRTX 3070/3060Tiと同じくGDDR6ですが、今回入手した「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」にはSamsung製の16GbのGDDR6メモリチップが6枚搭載されています。
24GB容量のVRAMを搭載するRTX 3090の場合は8Gb容量のメモリチップを基板両面で12枚×2を実装していましたが、RTX 3060の場合は倍容量16Gbなので表面のみ6枚の実装です
「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」のVRM電源回路はGPUコアの左側に5フェーズが実装されています。この5フェーズは全てGPUコア向けで、VRAM向けのVRM電源は基板右端に2フェーズが実装されています。
GPUクーラー本体をチェックすると、GPUコアはアルミニウム製ベースプレートと接しており、ベースプレートには3本の銅製ヒートパイプがろう付けされ、アルミニウム製放熱フィンが2スロットスペース内いっぱいに展開されています。
GPUコアと接する部分はヒートパイプダイレクトタッチ構造ではなく、アルミニウム製ベースプレートが採用されています。GPUコア周辺のVRAMチップとVRM電源はサーマルパッドを介して同じくベースプレートに接してヒートシンク本体で直接冷却するという理想的な構造です。
安価なモデルなので仕方ないところですが、欲を言えば同社上位GPU製品のようにGPUコア部分は銅製ベースプレートを採用して欲しかったです。
GPUコアと接するベースプレートからは3本の銅製ヒートパイプが下から左右へ抜ける構造で、GPUクーラーヒートシンクの放熱フィン全体へ効率的に熱を拡散します。
アルミニウム製ベースプレートから3本の銅製ヒートパイプを介して、2スロットを占有するGPUクーラー内いっぱいにアルミ製放熱フィンが収められています。
Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBの検証機材・GPU概要
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」を検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | ||
ベンチ機1(温度・消費電力) |
ベンチ機2(ゲーム性能) |
|
OS | Windows10 Home 64bit (1909) |
|
CPU |
Intel Core i9 9900K (レビュー) Core/Cache:5.1/4.7GHz |
Intel Core i9 10900K (レビュー) Core/Cache:5.2/4.7GHz |
M/B | ASUS WS Z390 PRO (レビュー) |
ASUS ROG MAXIMUS XII EXTREME (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z Black F4-4400C19D-16GTZKK DDR4 8GB*2=16GB (レビュー) 4000MHz, 17-17-17-37-CR2 |
G.Skill Ripjaws V F4-4000C15Q-32GVK DDR4 8GB*4=32GB (レビュー) 4000MHz, 15-16-16-36-CR2 |
システム ストレージ |
Samsung 860 EVO M.2 1TB (レビュー) |
Samsung 860 PRO 256GB (レビュー) |
データ ストレージ |
Samsung 860 QVO 4TB (レビュー) | |
CPUクーラー |
Fractal Design Celsius S36(レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
|
電源 ユニット |
Corsair HX1200i (レビュー) |
|
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」のGPUクーラー側面のPalitロゴ部分にはRGB LEDイルミネーションが内蔵されています。
Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBのGPU概要
Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBに搭載されているGPU「GeForce RTX 3060」のスペックについて簡単に確認しておきます。「GeForce RTX 3060」はGA106-300コアが使用されておりCUDAコア数は3584、GPUコアクロックはベース1320MHz、ブースト1777MHzです。VRAMには15.0GbpsのGDDR6メモリを12GB容量搭載しています。典型的なグラフィックボード消費電力を示すTGPは170Wに設定されており、PCIE補助電源として8PIN×1以上を要求します。
「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」については、リファレンス仕様のブーストクロック1777MHzに対して、ブーストクロック1807MHzにファクトリーOCが施されています。パワーリミット(TGP)はリファレンス仕様と同じく170Wです。電力制限は170Wが上限でこれ以上に引き上げることはできません。
NVIDIA GeForce RTX 3060 詳細スペック比較 | ||||
GPU名 | RTX 3060 |
RTX 3060 Ti | RTX 2060 SUPER |
RTX 2070 SUPER |
GPUダイ | GA106-300 | GA104-200 | TU106-400 | TU106-410 |
製造プロセス | Samsung 8nm |
Samsung 8nm | 12nm FinFET | 12nm FinFET |
CUDAコア数 | 3584 |
4864 | 2176 | 2560 |
TMU/ROP | -/- | -/- | 136/48 | 184/64 |
ベースクロック | 1320MHz | 1410MHz | 1470MHz | 1605MHz |
ブーストクロック |
1777MHz | 1665MHz | 1650MHz | 1770MHz |
メモリ | 12GB GDDR6 |
8GB GDDR6 | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR6 |
バス幅 | 192-bit | 256-bit | 256-bit | 256-bit |
メモリクロック | 3750 MHz | 3500 MHz | 3500 MHz | 3500 MHz |
有効メモリクロック | 15000 MHz | 14000 MHz | 14000 MHz | 14000 MHz |
メモリ帯域 | 360 GB/s | 448 GB/s | 448 GB/s | 448 GB/s |
PCIEレーン | PCIE4.0x16 | PCIE4.0x16 | PCIE3.0x16 | PCIE3.0x16 |
TGP(TDP) | 170W |
200W | 175W | 215W |
補助電源 |
8PIN×1~ | 8PIN×1~ | 8PIN | 8PIN+6PIN~ |
対応ビデオ出力 |
DP1.4 HDMI2.1 |
DP1.4 HDMI2.1 |
DP1.4 HDMI2.0 USB Type-C |
DP1.4 HDMI2.0 USB Type-C |
登場時期 |
21年2月下旬 |
20年12月2日 | 19年7月 | 18年7月 |
価格 | 329ドル~ | 399ドル~ | 399ドル~ | 499ドル~ |
今回レビューするGeForce RTX 3060をはじめとして、GeForce RTX 30シリーズに採用されるAmpereアーキテクチャにおいて、前世代Turingと比較してスペック上のCUDAコア数が2倍に激増していることについて簡単に説明しておきます。
まず純粋に事実として、複数のCUDAコアからなるCUDAコア群のストリーミングマルチプロセッサ(Streaming Multiprocessors:SMs)の『FP32スループットがTuring世代と比較してAmpereでは2倍に向上』しています。これは間違いありません。
一度、前世代Turingを振り返ると、TuringアーキテクチャではFP32とINT32を同時に実行できる(データパスが独立に用意されている)ことがアーキテクチャとしての新しい特徴でした。Turingでは1基のSMにFP32とINTが1:1割合で実装されていました。
Turingがこのようなアーキテクチャを採用したのは、PCゲームではFP32だけでなくINT32も実行されるから、というのが理由でしたが、同時に公表されていた統計を思い出すと、ゲームによって多少変動はあるもののFP32に対してINT32はせいぜい2:1の割合でした。
であればAmpereでは2つのデータパスのうち、INT32用のデータパス上にINT32の実行ユニットだけでなくFP32の実行ユニットも乗せれば、FP32とINT32の割合が現実に即した理想的な比率になり、省スペースに実装もできるというのは理にかなった話だと思いました。(下はSMの1/4を抜粋)
従来では『CUDAコア数 = FP32実行ユニットの数』とカウントしていたので、同じく単純にFP32実行ユニットの数をカウントするとAmpereアーキテクチャのGeForce RTX 30シリーズでは、CUDAコア数が2倍に爆増します。確かに1クロックで同時に実行できるFP32の最大数は2倍になったのですが、即ちCUDAコア数が2倍になったとカウントするのかというとやや疑問も残ります。
GTX700からRTX2000まで4世代ほどは、『CUDAコア数の増加による比例』×『コアクロックの上昇やアーキテクチャ改良による性能向上』が次世代GPUの性能指標だったので、GTX10からRTX20でCUDAコア数が2倍であれば実際の性能は2倍以上ですが、RTX20からRTX30ではCUDAコア数が2倍になっても実際の性能は2倍以下なのでどうしても違和感が残ります。
ともあれPCゲームを含め実際のアプリケーションではINT32も使用されるので、実性能を見るとGeForce RTX 30シリーズはCUDAコア数に比例して単純に2倍の性能にはならず、INT32/FP32混合データパスの使用状態に応じて、性能の伸び幅(Performance gains)が変動します。
ただFP32など一般的なシェーダーだけでなく、レイトレーシング用コアやテンサーコアも新世代へアップグレードされているので、レイトレーシング表現やDLSSに対応したPCゲームであればRTX20に対して2倍に迫る性能も発揮できるようです。
またGeForce RTX 30シリーズの諸機能について、前世代RTX 20シリーズとの大きな違いとして、8K/60FPS映像を取り扱えるHDMI2.1に対応し、それに伴ってハードウェアデコーダのNVDecが第5世代にアップデートしています。第5世代NVDecでは、8Kなど超高解像度映像に使用されるAV1コーデックのデコードに対応しています。
ゲーム実況などリアルタイム配信・録画において好評を博したNVEncについてはRTX 20シリーズと同じく第7世代が採用されています。
Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBのゲーム性能
「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」の性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には「GeForce RTX 2070 SUPER Founders Edition」、「Radeon RX 5700 XT」、「GeForce RTX 2060 SUPER Founders Edition」、「GeForce RTX 2060 Founders Edition」を使用しています。「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkで現在主流なDirectX11のベンチマーク「FireStrike」による比較になります。
FireStrike | Extreme | Ultra | |
RTX 3060 Palit StormX OC |
21970 | 10337 | 5054 |
RTX 2070 SUPER FE |
26161 | 12475 | 6097 |
RX 5700 XT | 27300 | 12947 | 6553 |
RTX 2060 SUPER FE | 23027 | 10889 | 5357 |
RTX 2060 FE | 19909 | 9244 | 4377 |
「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkのDirectX12ベンチマーク「TimeSpy」、およびレイトレーシング対応ベンチマーク「Port Royal」による性能比較となります。
TimeSpy | Extreme | Port Royal |
|
RTX 3060 Palit StormX OC |
8755 | 4126 | 5105 |
RTX 2070 SUPER FE | 10232 | 4788 | 6095 |
RX 5700 XT | 9362 | 4189 | - |
RTX 2060 SUPER FE | 8895 | 4198 | 5133 |
RTX 2060 FE | 7617 | 3544 | 4308 |
「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」を含めた各グラフィックボードについて、近年普及しつつあるHTC VIVE Cosmos、Oculus Quest 2/Rift S、Valve IndexなどVR HMDを使用したVRゲームに関する性能を測定する最新ベンチマーク「VRMark」による性能比較となります。
Orange Room |
Cyan Room |
Blue Room |
|
RTX 3060 Palit StormX OC |
11861 | 9190 | 2604 |
RTX 2070 SUPER FE | 15010 | 9861 | 3316 |
RX 5700 XT |
13796 | 9289 | 2546 |
RTX 2060 SUPER FE | 12978 | 8377 | 2749 |
RTX 2060 FE |
11814 | 7883 | 2448 |
続いて2021年最新のPCゲームを実際に用いたベンチマークになります。同一のグラフィック設定で同一のシーンについてフルHD(1920×1080)とWQHD(2560×1440)の2種類の解像度で平均FPSを比較しました。
ベンチマーク測定を行ったゲームタイトルは、Anthem(ウルトラ設定プリセット)、Assassin's Creed Odyssey(最高設定プリセット)、Battlefield V(最高設定プリセット, DirectX12)、CONTROL(高設定プリセット, DirectX12, AMD製GPUはDirectX11)、DEATH STRANDING(最高設定プリセット, TAA)、The Division 2(ウルトラ設定プリセット, DirectX11)、Final Fantasy XV(最高設定プリセット, NVIDIA GameWorksはVXAOを除き有効)、Gears 5(最高設定プリセット)、Ghost Recon Breakpoint(ウルトラ設定プリセット)、Horizon Zero Dawn(最高画質設定プリセット)、Marvel's Avengers(最高設定プリセット, TAA)、Metro Exodus(エクストリーム設定プリセット, DirectX12)、MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット, DirectX12)、Shadow of the Tomb Raider(最高設定プリセット, TAA, DirectX12)、Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)以上の15タイトルです。
Anthem(ウルトラ設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Assassin's Creed Odyssey(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Battlefield V(最高設定プリセット, DirectX12)に関する「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
CONTROL(高設定プリセット, DirectX12, AMD製GPUはDirectX11)に関する「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
DEATH STRANDING(最高設定プリセット, TAA)に関する「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
The Division 2(ウルトラ設定プリセット, DirectX11)に関する「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorksはVXAOを除き有効)に関する「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Gears 5(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Ghost Recon Breakpoint(ウルトラ設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Horizon Zero Dawn(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Marvel's Avengers(最高画質設定プリセット, TAA)に関する「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Metro Exodus(エクストリーム設定プリセット, DirectX12)に関する「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット, DirectX12)に関する「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Shadow of the Tomb Raider(最高設定プリセット, TAA, DirectX12)に関する「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBなど5種類のGPUについて実ゲーム性能の比率の平均を出してみたところ、Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBは、前世代同クラスのGeForce RTX 2060と比較して平均で20%程度、マイナーアップデートのRTX 2060 SUPERや上位ナンバリングの初期モデルRTX 2070と比較しても上回るという性能向上を果たしています。
またVRAM容量が2倍の12GBへ増量されているので、GPU性能的には十分でもVRAMが不足するようなベストケースでは(今回のベンチマークではMiddle-Earth: Shadow of War)、GeForce RTX 2060を30%も上回る性能を発揮します。
GeForce RTX 3060については、良く言えば堅実に性能は向上しているものの、上位モデルのRTX 3060 TiやRTX 3070と比べると前世代比でのインパクトは薄く、やはりモバイル向けGeForce RX 3060のついでという感じです。
また2020年末に発売された新型コンソールゲーム機PlayStation 5のGPU性能がシェーダー数等のスペック概算でちょうどRTX 3060くらいなので、PCゲーミング用にデスクトップPCを構築するのであれば、RTX 3060 Ti以上のGPUを選択したい、というのが正直なところです。
Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBの温度・消費電力・ファンノイズ
Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBの負荷時のGPU温度やファンノイズや消費電力についてチェックしていきます。「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」のGPU温度とファンノイズの検証負荷としては約20分間に渡たり連続してGPUに100%近い負荷をかける3DMark TimeSpy Stress Testを使用しています。
Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBのテスト終盤におけるGPU温度は最大69度、ファン回転数も1600RPM程度に収まっており、良い塩梅だと思います。
GPU温度を見ての通りGPUクーラーの冷却性能は余裕があるので、標準設定でファンノイズが気になる場合はファン速度を手動設定で下げても問題ありません。一例として1300RPMの固定速度にしてもGPU温度は79度以下に収まりました。
「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」はアイドル時にファンが停止するセミファンレス機能に対応しており、GPU温度55度前後が始動閾値、GPU温度40度前後が停止閾値でヒステリシスも採用されています。製品によっては回転数が上下してふらつくことの多い始動や停止の直前も、閾値を跨いだ瞬間にピタッと切り替わります。
GPUコアクロックについては「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」の仕様値ではブーストクロック1807MHzとなっていましたが、負荷テスト中の実動平均は1894MHzでした。
実はAMD、NVIDIAともに最新GPUでは実動コアクロックはGPUコア個体毎に異なる内部設定のV-Fカーブが支配的になっており、加えて負荷中のGPU温度も大きく影響します。ファクトリーOCが施されたオリファンモデルの公式仕様値として公表されているブーストクロックはOC耐性選別の1つの指標にはなると思いますが、実動コアクロックの優劣においてあまりあてになりません。
GeForce RTX 3060のようにTGPが200Wを大きく下回ると、下記のような参考環境のミドルタワーPCではベンチ板測定とあまり差が出ないので、PCケース組み込み時の検証については割愛しています。
TGPが200Wを超える上位GPUでは、実用条件に近い冷却性能の検証として、実際にPCケースへグラフィックボードを組み込み、Time Spy Extreme グラフィックテスト1を1時間に渡ってループさせてGPU温度やファン回転数がどうなるかを確認します。
検証機材のPCケースには「Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t」を使用しています。CPUクーラーは120サイズ簡易水冷でラジエーターを天面前方に設置、またPCケースのフロントに吸気ファンとして3基とリアに排気ファンとして1基の140mm角ケースファンをそれぞれ設置し、ファン回転数は1000RPMに固定しています。
PCケースのエアフローファンには空冷ヒートシンク、水冷ラジエーター、PCケースエアフローの全ての用途で一般的な140mmサイズファンを上回る性能を発揮する「Thermaltake TOUGHFAN 14」を使用しています。140mmサイズファン選びに迷ったらこれを買っておけば問題ない、高性能かつ高静音性なファンです。
・「Thermaltake TOUGHFAN 14」をレビュー。最強140mmファンの登場か!?
Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBを含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。
検証機材はベンチ台の上に平置きにしているので、サウンドレベルメーターをスタンドで垂直上方向に50cm程度離して騒音値を測定しています。
この測定方法において電源OFF時の騒音値は30dB未満です。目安として騒音値が35dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになりますが、35~38dB以下であればPCケースに入れてしまえばファンノイズが気になることはそうそうないと思います。40dB前後になるとベンチ台上で煩く感じ始め、45dBを超えるとヘッドホンをしていてもはっきり聞き取れるくらいになります。
A特性で測定しているのである程度は騒音値にも反映されていますが、同じ騒音値でも周波数(ファン回転数)が高いほど体感としては大きな音に感じやすく、また不快に感じたり感じなかったりは音の性質(細かい乱高下の有無や軸ブレ)にもよるので注意してください。
ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。
「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」のファンノイズは、1600RPMというファン回転数に対してノイズレベルは約38dBとなりました。ファンブレードの形状や放熱フィンの密度などクーラー設計が影響してファン速度の割にはやや高めのノイズレベルを示しており、ベンチ板に平置きした状態だとファンノイズをはっきりと聞き取れますが、38dB以下であればまだPCケースに入れてしまえば煩く感じることはないレベルに収まります。
また温度検証の通り、「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」のGPUクーラーは冷却性能的に多少の余力があります。環境にも依りますがGPU温度80度以下を上限にファン速度を1300~1400RPM程度まで下げると、ノイズレベルも32~34dB以下まで下がります。静音性重視で運用したい人は純正アプリやMSI AfterBurnerなどでファン速度を手動設定して下げてみてください。
Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
測定負荷には上で行った温度検証と同様に3DMark TimeSpy ストレステストを使用しています。テスト全体から1秒間隔でモニタリングを行い、平均値を”消費電力”、最大値を”瞬間的な最大電源負荷”とします。なお電源ユニットに対する実際の最大瞬間負荷は測定値より50~100W上回る場合があるので、電源ユニットの電源容量選択の参考にする場合は注意してください。
消費電力の測定は電源ユニット「Corsair HX1200i」のCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの入力ではなく変換ロスを差し引いたシステムへの出力電力をチェックしています。また電力測定の際は上記の主電源ユニットに加えて、CPUへの電力供給を行うEPS端子へ接続するために別の副電源ユニットを使用しています。
この方法であれば、CPU(後述のiGPUも)に負荷をかけても、CPUによる消費電力の変動はメイン電源ユニットCorsair HX 1200iの測定値には影響しません。しかしながら、測定値にはまだATX24PIN経由で供給されるマザーボードやDDR4メモリの電力が含まれるので、iGPUを使用した時の3DMark TimeSpy ストレステスト中の消費電力と最大電源負荷を同様に測定し、各種グラフィックボード使用時と差分を取る形でグラフィックボード単体の消費電力と最大電源負荷を算出します。
Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBの消費電力は171W、最大瞬間負荷は209Wでした。Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GBのTDP(パワーターゲット)は170Wに設定されており、概ね仕様値通りの消費電力になっていると思います。
「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」がグラフィック性能で20%近く上回る前世代同ナンバリングのRTX 2060よりも僅かに消費電力は増加しているものの、RTX 2060 SUPERやRTX 2070よりは低消費電力となっています。
”ちゃんと静かに冷やせるなら性能重視で消費電力は大きくても許容する”というRTX30シリーズ仕様決定の思想と、Ampereアーキテクチャの省電力性能の高さの両方を感じさせる結果です。
TGPが300Wを超過するRTX 3080など上位モデルと違ってTGP170Wというのは従来のアッパーミドル相当な数値であり、RTX 2060比で消費電力は増えているものの補助電源数は同じくPCIE 8PIN×1からで共通しているので、既存環境において電源や冷却を気にせずにアップグレードできるところもRTX 3060の魅力だと思います。
Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB レビューまとめ
最後に「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 最新高画質ゲームのフルHD/最高画質や、e-Sports系ゲームのフルHD/144Hz+に最適
- 前世代同クラスRTX 2060を実ゲームで20%程度上回るグラフィック性能
- RTX 2060 SUPERやRTX 2070と実ゲームで同等以上のグラフィック性能
- 329ドルからとRTX 30シリーズの中では手を伸ばしやすい価格
- RTX 3060オリファンモデルの中でも最安値クラスの安価な製品
- RTX30シリーズでは数少ない全長170mm、Mini-ITX完全互換なコンパクトサイズ
- TGP170WのRTX 3060をしっかりと冷せる高品質なGPUクーラー
- 全長200mm超デュアルファンなモデルに比べると静音性は低くなる
GeForce RTX 3060は、前世代同クラスのGeForce RTX 2060と比較して平均で20%程度、マイナーアップデートのRTX 2060 SUPERや上位ナンバリングの初期モデルRTX 2070と比較しても上回るという性能向上を果たしています。
またVRAM容量が2倍の12GBへ増量されているので、GPU性能的には十分でもVRAMが不足するようなベストケースでは(今回のベンチマークではMiddle-Earth: Shadow of War)、GeForce RTX 2060を30%も上回る性能を発揮します。
具体的な性能としては、2020年以降の最新高画質PCゲームを最高画質でフルHD/60FPSで安定してプレイでき、レイトレーシング表現についてもNVIDIA独自の超解像技術DLSSを併用することでフルHD/60FPSをキープできます。近年流行りのバトルロイヤルやe-Sports系で比較的軽量なPCゲームであればフルHD/144Hz+でプレイすることもでき、フルHD解像度のPCゲーミングに最適かつ高コストパフォーマンスなモデルです。
GeForce RTX 3060については、良く言えば堅実に性能は向上しているものの、上位モデルのRTX 3060 TiやRTX 3070と比べると前世代比でのインパクトは薄く、やはり『モバイル向けGeForce RX 3060のついで』もしくは『GPUの超品薄状況下における間に合わせ(それでもRTX 3060 Ti比で割高感はありますが)』という印象の強い製品です。
2020年末に発売された新型コンソールゲーム機PlayStation 5のGPU性能がシェーダー数等のスペック概算でちょうどRTX 3060くらいなので、PCゲーミング用にデスクトップPCを構築するのであれば(キーボード&マウス対応等PCゲーミングならではの魅力は他にありますが)、RTX 3060 Ti以上のGPUを選択したい、というのが正直なところです。
買えるならRTX 3060 Tiのほうがオススメというのが本音ですが、GeForce RTX 3060搭載BTO PCは上述の通り、2年前に発売された前世代同クラスのRTX 2060よりも20%以上高速であり、当時のRTX 2060搭載BTO PC(2019年2月時点)と当サイト推奨構成で比較して、2万円程度も安価に購入でき、2021年初頭のGPU品薄状況下において入手性が高いので、将来的なGPUアップグレードを想定した上で間に合わせ的に購入するゲーミングBTO PCとしては、検討する価値もあるのかなと思います。
「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」については、従来のアッパーミドル相当TGP170Wな高性能ミドルクラスGPUであるRTX 3060を搭載しながら、全長170mmでMini-ITXに完全対応となるショート基板モデルであるところが最大の魅力です。
GPUクーラーについても高品質な設計ですが、欲を言えば銅製ベースプレート採用かつ、ヒートパイプの本数も+1本で計4本ならもっと冷えたのではないかと思います。あとバックプレートもあれば。
全長170mmのコンパクトサイズに収めるためGPUクーラーはシングルファン搭載で冷却性能に限界があり、一般的なRTX 3060オリファンモデルと比較すると静音性では劣りますが、PCケース内に組み込んでしまえばファンノイズが気にならない程度の実用に足る静音性は確保できているので、奥行きの小さいキューブ型PCケースなど、コンパクトPCに組み込む高性能グラフィックボードとしてはおすすめな製品です。
以上、「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」のレビューでした。
記事が参考になったと思ったら、ツイートの共有(リツイートやいいね)をお願いします。
全長170mmのMini-ITX完全対応ショートサイズかつ、RTX 3060の国内最安値クラスな「Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB」をレビュー。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) March 4, 2021
RTX 2060 SUPERやRTX 2070と実ゲーム性能をベンチマークで徹底比較。https://t.co/0WF0kS5P3b pic.twitter.com/sD4J0LHLgH
・RTX 3060搭載のおすすめゲーミングBTO PCを徹底比較!
関連記事
・GeForce RTX 30シリーズのレビュー記事一覧へ・Radeon RX 6000シリーズのレビュー記事一覧へ
・おすすめグラボまとめ。予算・性能別で比較。各社AIBモデルの選び方
・グラフィックボードのレビュー記事一覧へ
・予算と性能で選ぶオススメのゲーミングモニタを解説
・PCモニタ・ディスプレイのレビュー記事一覧へ
・RTX 3060搭載のおすすめゲーミングBTO PCを徹底比較!
・RTX 3060 Ti搭載のおすすめゲーミングBTO PCを徹底比較!
・RTX 3070搭載のおすすめゲーミングBTO PCを徹底比較!
・RTX 3080搭載のおすすめゲーミングBTO PCを徹底比較!
・RTX 3090搭載のおすすめBTO PCを徹底比較! 【TITAN RTX更新に最適】
・おすすめBTO PCまとめ。予算・性能別で比較。カスタマイズ指南も
・【できる!個人輸入】米尼でおすすめなEVGA製グラボのまとめ
(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
スポンサードリンク