Club3D CAC-1335


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HDMI2.1ビデオ出力の4K/60Hz/HDR 10bit RGBや4K/120Hzの映像をDisplayPort1.4に変換できるアクティブ式変換アダプタ「Club3D CAC-1335」をレビューします。
「Club3D CAC-1335」をPlayStation 5と組み合わせることでHDMI2.1非対応のゲーミングモニタでも、DisplayPort経由で4K/60Hz/HDR 10bit RGBや4K/120Hzの映像を表示できるのか試してみました。

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製品公式ページ:https://www.club-3d.com/en/detail/2609/




Club3D CAC-1335の概要

まずは「Club3D CAC-1335」の概要を紹介していきます。
「Club3D CAC-1335」の内容品は変換アダプタ本体と、給電用のMicroUSBケーブルです。
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「Club3D CAC-1335」の変換アダプタ本体はHDMI2.1ビデオ出力の映像をDisplayPort1.4に変換します。ケーブル長はコネクタを含めて26cm程度です。
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「Club3D CAC-1335」はアクティブ式変換アダプタなので動作には電源が必要です。映像ソース側にMicroUSB端子が実装されており付属のMicroUSBケーブルによって給電します。公式仕様として接続するUSBポートは5V/1.5Aに対応していることが推奨されています。
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「Club3D CAC-1335」はHDMI2.1ビデオ出力機器の4K/120Hzや8K/30Hzの映像をDisplayPort1.4に変換できます。
Club3D CAC-1335_feature
「Club3D CAC-1335」を中継した場合、具体的に出力機器からはどのように認識されるのか、HDMI2.1ビデオ出力に対応したPCから確認してみたところ、HDMI2.1のフルスペック48GBpsに対して、32Gbpsで動作していました。DisplayPort1.4 HBR3の32.4Gbpsという帯域に合わせてあるようです。
ただし視覚損失のない圧縮機能DSC(Display stream compression)や、可変リフレッシュレート同期機能には対応していません。
Club3D CAC-1335_HDMI2.1-spec
「Club3D CAC-1335」をPCで使用する人は少ないと思いますが、注意点としてブラックレベルを限定に切り替えないと色味がおかしくなる可能性があります。NVIDIA環境の場合はNVIDIAコントロールパネルから、出力ダイナミックレンジを限定に変更します。
上記のダイナミックレンジ設定にさえ注意すれば、「Club3D CAC-1335」を中継することで4K/60Hz/HDR 10bit RGBのモニタとして問題なく使用できます。
Club3D CAC-1335_Black-Level

また「Club3D CAC-1335」は4K/120Hz対応ではあるものの、カラーフォーマットが『YUV422 8bit』にしか対応していません。(少なくとも当サイトの検証ではフルRGBでの正常動作は確認できず)
GeForce RTX 3090(Driver:516.94)においてNVIDIAコントロールパネルからは8bit RGBに指定できましたが、実際の表示はYUV422 8bitで解像度が圧縮されていました。
Club3D CAC-1335_120Hz-YUV
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また4K/120HzでHDR表示にすると色が薄くなってしまうので、4K/120Hz/HDRにも実質的に非対応です。
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「Club3D CAC-1335」を介してモニタに接続した場合に表示遅延が発生するか、フォトセンサーを使用した特殊な測定機器PC Gaming Latency Testerで検証してみました。PC Gaming Latency Testerは当サイトのレビュー用に特注した機器なので、詳細についてはこちらの記事を参照してください。


HDRの有効化も含めて4パターンで測定しましたが、INNOCN 27M2Uで検証してみたところ、「Club3D CAC-1335」とDisplayPort直結の間に優位な遅延の差は確認できませんでした。
相性の悪いモニタと組み合わせると上手く同期できず、1フレーム分(60Hzなら16ms程度)の遅延が発生する場合がありますが、「Club3D CAC-1335」によるアクティブ変換自体で数msを超えるような遅延が発生することはないようです。
Club3D CAC-1335_latency



Club3D CAC-1335の用途は?

「Club3D CAC-1335」は。HDMI2.1映像をDisplayPort1.4に変換できるアクティブ式の変換アダプタですが、想定される使い道は大きく2つだと思います。

HDMI2.1非対応モニタをHDMI2.1対応にする

「Club3D CAC-1335」で最も需要の大きい用途は、DisplayPort1.4を搭載しているけどHDMI2.1を非搭載なモニタをHDMI2.1対応にする、というものだと思います。

ASUS ROG Swift PG27UQ、ASUS ROG Swift PG32UQX、INNOCN M2Uのように、量子ドットやHDR1000に対応し、モニタスペックは一般的なHDMI2.1搭載ゲーミングモニタ越えなのにHDMI2.1を搭載していない、という製品があります。
そういったHDMI2.1非搭載なゲーミングモニタも「Club3D CAC-1335」を中継すれば、PlayStation 5やXbox Series Xに繋いで4K/HDR 10bit RGB表示が可能になります。
HDMI2.1対応ゲーミングモニタの発売が相次いでいる2022年現在でも、ASUS ROG Swift PG27UQやASUS ROG Swift PG32UQXに並ぶ製品はないので、「Club3D CAC-1335」で4K/60Hz/HDR 10bit RGBに対応できるのは非常に助かります。


同じようにAlienware 55 AW5520QFやLG 27GN950-Bのようにモニタスペック的には現在のHDMI2.1対応ゲーミングモニタ相当な製品をHDMI2.1対応にしたり、BenQ EW2880Uのような旧式(というほど古いわけでもありませんが)の製品を延命するのにも使用できます。





モニタのHDMI2.1ビデオ入力の数を増やす

「Club3D CAC-1335」はHDMI2.1対応機器をモニタのHDMIポート数以上に接続したい時に役立ちます。
近年発売されているHDMI2.1対応モニタでも搭載されているHDMI2.1ビデオ入力の数はせいぜい2つ程度です。
PC用ビデオ出力としてはDisplayPort1.4が現在主流なので、HDMI2.1対応モニタなら少なくとも1基はDisplayPort1.4を搭載しており、また製品によってはDP Alt Mode(DisplayPort1.4)でビデオ出力が可能なUSB Type-Cを搭載していることがあります。
「Club3D CAC-1335」やUSB Type-C変換バージョンの「Club3D CAC-1336」を使用することで、HDMI2.1ビデオ入力を増やすことができます。
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HDMI2.1のフルRGBとHDMI2.0のYUV422の違い

4K/120Hzに対応するだけでなく、4K/60Hz/HDRにおいてもHDMI2.0ではなく、「Club3D CAC-1335」を中継してHDMI2.1-DisplayPort1.4変換で表示するメリットについて紹介します。

HDMI2.0で4Kモニタに接続した場合、4K/60HzにおいてSDR表示であれば8bit RGBに対応しますが、HDR表示ではHDMI帯域速度の上限によりカラーフォーマットはYUV422になってしまいます。
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HDMIビデオ入力のバージョンがHDMI2.0であっても、4K解像度かつHDRに対応したPCモニタであれば基本的にDisplayPort1.4に対応しているので、「Club3D CAC-1335」を介してHDMI2.1を変換し、DisplayPortで接続すれば4K/60HzのHDR表示において10bit RGBで表示できます。
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「Club3D CAC-1335」は非対応ですが、ついでにDisplay stream compression (DSC)についても簡単に説明しておきます。
Display stream compression (DSC)」はもともとVESAがDisplayPort1.4とともに策定した機能ですが、HDMI2.1でも採用されています。DisplayPort1.4とHDMI2.1がサポートするバージョンはDSC 1.2aです。いずれも実装の有無はオプション扱いです。
DSCは映像データを非可逆圧縮しますが視覚的に画質を損なうことがなく、伝送データ量をおおよそ1/3程度に圧縮でき、DisplayPort1.4であればケーブル1本で4K解像度/144FPS/フルRGB 10bitの映像データの伝送が可能です。
Display stream compression (DSC)_1.2a

Cyberpunk 2077のサンプルイメージを例にフルRGB、YUV422、DSCの見え方を比較してみました。
Cyberpunk 2077

まずはRGBとYCbCr422の比較ですが、表示内容によっては(割とワーストケースですが)、下のようにYCbCr422ではボヤけてしまいます。ピンクの縦縞部分がYCbCr422によるボヤけが特にわかりやすいです。一方、DSCでは、RGBと同等の画質を得られます。
【原寸の比較画像リンク:RGB vs YCbCr422RGB vs DSC




YCbCr422では文字が色によっては滲んで見えることがありますが、DSCでは解消されてRGBと同じ表示が得られています。
【原寸の比較画像リンク:RGB vs YCbCr422RGB vs DSC






Club3D CAC-1335をPlayStation 5で試す

実際にPlayStation 5のHDMI2.1ビデオ出力に「Club3D CAC-1335」を接続して、DisplayPort1.4対応だけどHDMI2.1は非搭載なモニタに接続して、4K/60Hz/HDR/10bit RGBや4K/120HzといったHDMI2.0では対応できないビデオ表示が可能か試してみました。

INNOCN 27M2Uは量子ドットかつ384分割フルアレイ型ローカルディミング対応の4K/60Hzモニタですが、HDMI2.1を搭載していません。
「Club3D CAC-1335」を介してINNOCN 27M2UとPlayStation 5を接続したところ、4K/60Hz/HDR 10bit RGBで表示が可能でした。
Club3D CAC-1335_INNOCN 27M2U

LG 27GN950-BはDisplayPort1.4 DSCで4K/120Hz/HDR 10bit RGB/VRRに対応したゲーミングモニタですが、HDMI2.1を搭載していません。
「Club3D CAC-1335」を介してLG 27GN950-BとPlayStation 5を接続したところ、4K/60Hz/HDR 10bit RGBで表示が可能でした。なお120Hzには非対応でした。
Club3D CAC-1335_LG 27GN950-B

Acer Predator X27はG-Syncモジュール搭載、DisplayHDR1000かつ384分割フルアレイ型ローカルディミング対応でDisplayPort1.4(DSC非対応)の4K/120Hzゲーミングモニタですが、HDMI2.1を搭載していません。
「Club3D CAC-1335」を介してAcer Predator X27をPlayStation 5を接続したところ、4K/60Hz/HDR 10bit RGBで表示が可能でした。なお120Hzには非対応でした。
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Alienware 55 AW5520QFはDisplayPort1.4 DSCで4K/120Hz/HDR 10bit RGB/VRRに対応した有機ELゲーミングモニタですが、HDMI2.1を搭載していません。
「Club3D CAC-1335」を介してAlienware 55 AW5520QFとPlayStation 5を接続したところ、4K/60Hz/HDR 10bit RGBで表示が可能でした。
また120Hzについても4K/120Hz/SDR 8bit YUV422で表示できました。HDRでも120Hz対応と表示されていますが、HDRでは色が薄くなってしまいます。
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ASUS TUF Gaming VG28UQL1AはDisplayPort1.4 DSCで4K/120Hz/HDR 10bit RGB/VRRに対応したゲーミングモニタですが、標準でHDMI2.1も搭載しています。
「Club3D CAC-1335」を介してASUS TUF Gaming VG28UQL1AとPlayStation 5を接続したところ、4K/60Hz/HDR 10bit RGBで表示が可能でした。
また120HzについてもSDRであればPlayStation 5の上限スペックである4K/120Hz/SDR 8bit YUV422で表示できました。
Club3D CAC-1335_ASUS TUF Gaming VG28UQL1A

SONY INZONE M9はDisplayPort1.4 DSCで4K/120Hz/HDR 10bit RGB/VRRに対応したゲーミングモニタですが、標準でHDMI2.1も搭載しています。
「Club3D CAC-1335」を介してSONY INZONE M9とPlayStation 5を接続したところ、4K/60Hz/HDR 10bit RGBで表示が可能でした。
また120HzについてもSDRであればPlayStation 5の上限スペックである4K/120Hz/SDR 8bit YUV422で表示できました。
Club3D CAC-1335_SONY INZONE M9



Club3D CAC-1335のレビューまとめ

「Club3D CAC-1335」の最大の魅力は、PlayStation 5と組み合わせることでHDMI2.1非対応のゲーミングモニタでも、DisplayPort1.4ビデオ入力経由で4K/60Hz/HDR 10bit RGBで表示できるところだと思います。
DisplayPort1.4には対応しているけど、HDMI2.1は非搭載、というHDR対応4Kモニタは少なくありません。
少し古めのモニタの延命にも有効ですが、INNOCN 27M2UやASUS ROG Swift PG27UQのようにHDR表示性能なら最新のHDMI2.1搭載ゲーミングモニタ以上なのにHDMI2.1に対応していないモニタとの組み合わせで、特に力を発揮する製品だと思います。

一方で「Club3D CAC-1335」のHDMI2.1スペックについては帯域32GbpsでDSC非対応なので、一応、公式仕様の通り4K/120Hzに対応しているものの、色域がYUV422 8bitに制限され、4K/120HzではHDR表示は実質非対応となっています。

「Club3D CAC-1335」は4K/60Hz/HDR 10bit RGBに対応させるアクティブ式変換アダプタとしてはオススメですが、4K/120Hzを目的にするのはあまりオススメできない、というのが正直な感想です。

以上、「Club3D CAC-1335」のレビューでした。
Club3D CAC-1335


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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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