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全高そのままのロープロファイルなアルミニウム製ヒートシンク搭載を搭載し、CUDIMMではなく、標準的なUDIMMながらJEDEC準拠のメモリ電圧1.100Vでネイティブ6400MHzに対応する16GB×2枚組み 32GB容量メモリキット「Team ELITE PLUS DDR5(型番:TPBD532G6400HC52DC01)」をレビューします。

レビュー目次
1.Team ELITE PLUS DDR5の外観
2.メモリOC検証機材、メモリOCの基本と手順
3.Team ELITE PLUS DDR5 6400MHzを試す
4.Team ELITE PLUS DDR5 6400MHzのレビューまとめ
製品公式ページ:https://www.teamgroupinc.com/jp/product-detail/memory/TEAMGROUP/elite-plus-u-dimm-ddr5-black
【機材協力:Team Group Japan】
Team ELITE PLUS DDR5の外観
まず最初に「Team ELITE PLUS DDR5」の外観をチェックしていきます。「Team ELITE PLUS DDR5」はブリスターパックの簡易梱包となっています。
今回レビューする型番:TPBD532G6400HC52DC01は16GB×2枚組み32GB容量のメモリキットなので、ブリスターパックに2枚のメモリが収められています。


「Team ELITE PLUS DDR5」は、アルミニウム製ヒートシンクを標準で搭載したメモリです。大半は標準搭載のヒートシンクに隠れていますが、メモリモジュールは黒色のPCB基板です。


ヒートシンクの側面には中央全体を覆うように製品ロゴシールが貼ってあります。グレーを基調にドット模様やイエローラインなどアクセントもありますが、全体的に落ち着いたデザインなので、組み込むシステムを問わずマッチしやすいと思います。

メモリヒートシンクというとOCメモリに搭載されているような、メモリ全体を覆う重厚なものをイメージしますが、「Team ELITE PLUS DDR5」のヒートシンクはシンプルにアルミニウム板かつ、ロゴシールを貼っただけの簡素なものです。
Team ELITE PLUS DDR5シリーズはDDR5メモリの定格電圧で運用することを前提とした製品なので十分な仕様です。

「Team ELITE PLUS DDR5」はヒートシンク搭載ながら、全高33mmでメモリ基板のみと同じなので、大型空冷CPUクーラーとも高い互換性があります。


「Team ELITE PLUS DDR5」を実際にマザーボードメモリスロットに装着するとこんな感じになります。近年の黒一色なハイエンドゲーミングマザーボードとも調和します。



メモリOC検証機材、メモリOCの基本と手順
「Team ELITE PLUS DDR5(型番:TPBD532G6400HC52DC01)」の定格動作やOCプロファイル/手動設定を使用したオーバークロックの検証を行う前に、検証機材の紹介と、メモリOCの基本・手順についての説明をしておきます。「Team ELITE PLUS DDR5 6400MHz」の検証を行う環境としては、Core Ultra 9 285K&Z890マザーボードで構成される検証機を用意しました。
テストベンチ機の構成 | ||
CPU |
Intel Core Ultra 9 285K (レビュー) |
- |
M/B | ASUS ROG MAXIMUS Z890 HERO (レビュー) ASRock Z890 Nova WiFi (レビュー) GIGABYTE Z890 AORUS MASTER (レビュー) MSI MEG Z890 ACE (レビュー) |
- |
CPUクーラー | Fractal Design Celsius S36 (レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
Corsair H150i PRO RGB (レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
グラフィックボード |
PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8 (レビュー) MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC ファンレス (レビュー) |
|
システム ストレージ |
Samsung SSD 990 PRO 1TB (レビュー) | |
OS | Windows 11 Home 64bit | |
電源ユニット |
Corsair HX1500i 2022 (レビュー) | |
ベンチ板 | STREACOM BC1 (レビュー) |
ベンチ機のシステムストレージには「Samsung SSD 990 PRO 1TB」を使用しています。
Samsung SSD 990 PROは、PCIE4.0対応SSDで最速クラスの性能を発揮し、なおかつ電力効率は前モデル980 PRO比で最大50%も向上しており、7GB/s超の高速アクセスでも低発熱なところも魅力な高性能SSDです。これからPCIE4.0対応プラットフォームの自作PCを組むなら、システム/データ用ストレージとして非常にオススメな製品です。
・「Samsung SSD 990 PRO 1TB」をレビュー。性能も電力効率もトップクラス!

システムメモリについては必要な容量(現在のゲーミングデスクトップPCなら16~32GBあれば十分)さえ満たせば、OCによる性能の向上はCPUやGPUのOCに比べると実感しにくい部類である、というのがAMD Ryzen CPU登場以前は通説でした。
そのため管理人も一口にOCメモリと言っても性能向上を狙うよりはオシャレなヒートシンク目当てに自作PCの装飾的な感覚で購入するのが個人的にはオススメな買い方だと思っていました。
Intel XMPに対応したOCメモリがあるとはいえ、当時はいまいち安定性が良くないというか、マザーボードとの相性問題が厳しかったのも一因です。今のようにOCプロファイルを当てて一発安定ではなく、各自でOC設定の微調整が必要で、メモリOCの知識を求められました。
その評価が変わり始めたのはAMD Ryzen/Threadripper CPUの登場以降です。
初期のRyzen環境では『Infinity FabricというCPU内外のコンポーネントを相互接続するインターコネクトの動作周波数がメモリ周波数に同期する』という構造上、メモリ周波数がエンコードや3Dゲームを含めた総合的なパフォーマンスに大きく影響することからOCメモリが重要視されました。
性能に影響が大きいと分かるとCPU/マザーボード/メモリの各メーカーが最適化を進めたので、1,2年もするとOCプロファイルを当てればDDR4の3200MHz/C16、3600MHz/C18のような定番設定が一発で動くようになり、メモリOCのハードルがグンと下がりました。
Ryzen 3000/5000シリーズ以降、IF周波数はメモリ周波数/メモコン周波数と非同期設定が可能になったものの、それでも高周波数で1:1同期させた方が低遅延、高性能になるので3600MHz/C16のようなDDR4メモリが性能を追求するなら最適であり、最新のRyzen 7000シリーズでは6000MHz/CL30のDDR5メモリが高性能のスイートスポットとしてAMD公式からもアピールされています。
またIntel環境においても144FPS~360FPSのハイフレームレートなPCゲーミングではCPUボトルネックの緩和にメモリ周波数のOCが効いてきます。
下の記事はCPUのゲーム性能比較がメインの内容ですが、OCメモリのゲーム性能についても検証しています。
Core i9 14900K&RTX 4090の環境において、定格5600MHzのDDR5メモリと7200MHz OCのDDR5メモリでゲーム性能にどれくらい差が出るのか、最新18タイトルの実ゲームベンチマークで比較しているので参考にしてみてください。

Team ELITE PLUS DDR5 6400MHzを試す
「Team ELITE PLUS DDR5 6400MHz」をIntel Core Ultra 200S&Z890マザーボードの検証機材にセットアップして動作検証を行っていきます。定格電圧1.100Vでメモリ周波数6400MHz/メモリタイミングCL52に対応する16GB容量メモリモジュール×2枚組みのメモリキット「Team ELITE PLUS DDR5 6400MHz(型番:TPBD532G6400HC52DC01)」については、SK Hynix製DDR5メモリモジュールが採用されていました。

(製品型番およびスペックはそのままでも、メモリモジュールについてはロットやバージョンで変更される可能性があります。)
Intelの最新メインストリーム向けCPUであるCore Ultra 200Sシリーズは定格(1Rankのメモリ2枚の場合)のメモリ周波数が6400MHzなので、「Team ELITE PLUS DDR5 6400MHz」を装着するだけで、JECEC準拠の6400MHz/CL52で動作します。メモリ電圧も定格の1.100Vのままです。


なお、「Team ELITE PLUS DDR5」に収録されているSPDプロファイル自体はJEDECの規格に準拠した6400MHzのスペックですが、Intel Core Ultra 200SシリーズCPUのメモリサポートとして6400MHzに定格で対応するのはCUDIMMだけです。
「Team ELITE PLUS DDR5 6400MHz」はUDIMMなので、Intel Core Ultra 200SシリーズCPUに組み込んだ時の扱いは定格ではなく、厳密に言うとOCになります。

一方で、「Team ELITE PLUS DDR5 6400MHz」には、Intel XMP3.0やAMD EXPOに対応したOCプロファイルは収録されていません。

定格1.100Vで6400MHzに対応するJEDECに準拠な仕様が魅力の製品ではあるのですが、CPU&MB側の定格メモリ周波数が5200MHzや5600MHzなど6400MHzよりも低い場合、定格設定が優先されて6400MHzのメモリ設定が適用されないことがあります。
また2枚組みでは6400MHzが定格でも、4枚組みにすると定格のメモリ周波数が下がるCPU&MB環境もあるというか、そういう環境が多く、同メモリキットを後から買い足して4枚構成にした時に手軽にメモリ周波数を盛ることができません。
CLなどメモリタイミングを詰めたOCスペックではなく、シンプルにJEDEC準拠の5600MHz~6400MHzでいいので、同じ内容をOCプロファイルとして収録しておいてくれると、そういうケースで希望のSPDスペックを簡単に適用できて便利なのですが。
前置きはこの辺りにして「Team ELITE PLUS DDR5 6400MHz」の動作検証を進めていきます。
Intelの最新メインストリーム向けCPUであるCore Ultra 200Sシリーズの最上位24コア32スレッドモデル Core Ultra 9 285KとZ890マザーボードの環境で「Team ELITE PLUS DDR5 6400MHz」の動作を確認してみました。
ASUS ROG MAXIMUS Z890 HEROの環境(BIOS:1501)において、「Team ELITE PLUS DDR5 CP2K24G60C48U5」を使用すると、設定なしでもJEDEC準拠のメモリ周波数6400MHz/CL52で動作しました。
JEDEC準拠の定格動作なので当然と言えば当然ですが、メモリストレステストも問題なくクリアしています。


ASRock Z890 Nova WiFi(BIOS:2.20 AS015)の環境でも、16GB×2枚組み32GBで6400MHz/CL52の定格設定が安定動作しました。


GIGABYTE Z890 AORUS MASTER(BIOS:F16c)の環境でも、16GB×2枚組み32GBで6400MHz/CL52の定格設定が安定動作しました。


MSI MEG Z890 ACE(BIOS:1A52)の環境でも、16GB×2枚組み32GBで6400MHz/CL52の定格設定が安定動作しました。


Team ELITE PLUS DDR5 6400MHzのレビューまとめ
最後に「Team ELITE PLUS DDR5(型番:TPBD532G6400HC52DC01)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- シンプルなヒートシンク付き、黒色基板のDDR5メモリ
- ヒートシンク付きながら、全高そのままのロープロファイル
大型空冷CPUクーラーとも互換性が高い - JEDEC準拠の6400MHz/1.100V動作なSPDプロファイルを収録
- Intel Core Ultra 200S環境で6400MHz/1.100Vが正常動作
- 16GB×2枚組み32GB容量のDDR5メモリで税込み1.4万円ほどと安価
- JEDECと同じスペックのIntel XMP3.0やAMD EXPOのOCプロファイルを収録していない
- ヒートシンクは定格動作では必要十分だが、昇圧OCには物足りない
- Core Ultra 200S環境では厳密に言うとOC扱い
「Team ELITE PLUS DDR5 6400MHz」はJEDEC準拠のメモリ周波数6400MHz、メモリ電圧1.100VのSPDプロファイルを収録しており、定格6400MHzに対応するInte Core Ultra 200SシリーズCPUの検証環境では装着するだけでその設定が動作し、メモリストレステストも難なくクリアできました。
定格6400MHzに対応するIntel Core Ultra 200SシリーズCPU環境は6400MHz動作に対して、公式仕様ではクロックドライバーを搭載する新規格 CUDIMMを指定しているので、UDIMMの「Team ELITE PLUS DDR5 6400MHz」を組み合わせた場合、厳密に言うとOC扱いになります。
厳密にはOC扱いですが主要4社のMB環境で正常動作を確認できています。現状、高価なOCメモリ以外で定格6400MHzのCUDIMM DDR5メモリの入手手段が限られているので、コスト、性能、信頼性の3つにおいてバランスの良い選択肢だと思います。
「Team ELITE PLUS DDR5 6400MHz」はこれからCore Ultra 9 285KやCore Ultra 7 265KでPCを組む人にはオススメの高コスパなDDR5メモリです。
個人的に惜しく感じたのは、Intel XMP3.0やAMD EXPOに対応したメモリ設定プロファイル(OCプロファイル)が収録されていなかったところです。
CPU&MB的にOCになるとしても、メモリスペック的にはJEDEC準拠で6400MHzや6000MHzが問題なく動作するメモリなので、定格が5600MHzや5200MHzである一方、性能のスイートスポットとしてはAMD公式からも6000MHzが推奨されているRyzen 9000/7000シリーズへの組み込みを考えると、JEDECスペックままでいいのでメモリ設定プロファイルを収録しておいて欲しかったところです。
4枚組みにした時にメモリ周波数が下がる環境とかでも便利なので。
Team ELITE PLUS DDR5シリーズは定格スペックのメモリキットですが、CPUクーラーなど他の部品との互換性を損なわないロープロファイルなヒートシンクを搭載しています。
定格メモリ電圧の1.100Vならメモリヒートシンクは必須ではありませんが、気持ち的に何となく座りが悪いとか、見た目的にヒートシンク搭載が良い、という人もいると思います。他にも信頼性の高い定格メモリが良いけど、同時にヒートシンクも欲しいとか。そういう層に刺さる製品だと思います。
以上、「Team ELITE PLUS DDR5 6400MHz」のレビューでした。

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全高そのままのロープロなヒートシンク搭載を搭載する「Team ELITE PLUS DDR5(TPBD532G6400HC52DC01)」をレビュー。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) March 16, 2025
UDIMMながらJEDEC準拠のメモリ電圧1.100Vでネイティブ6400MHzに対応するメモリキットをCore Ultra 200S環境で徹底検証https://t.co/oPIvoKGMD9 pic.twitter.com/JdieMvXXPx
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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