PlayStation5用のライセンス商品として認定を取得し、USB 10Gbps接続によって最大1050MB/sの高速転送に対応するUSBモバイルストレージ「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB Officially Licensed for PlayStation 5 Console and PC (型番:SDSSDE62P-2T00-J25)」をレビューします。
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」をPCとUSB 10Gbpsで接続することによって、写真・動画の大容量データのコピー速度はどう変わるのか徹底検証していきます。
【機材協力:SanDisk】
製品スペックや保証条件
「SanDisk Extreme ポータブルSSD for PS5」の製品スペック概要について簡単にまとめました。
製品スペックについて
「SanDisk Extreme Portable SSD Officially Licensed for PlayStation 5 Console and PC」(以下、SanDisk Extreme ポータブルSSD for PS5)はUSB 10Gbps接続に対応したUSBモバイルストレージです。
「SanDisk Extreme ポータブルSSD for PS5」は容量別で1TB、2TBの2モデルがラインナップされています。
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5」はUSB 10GbpsでPCと接続するので、最大でシーケンシャル読み出し 1050MB/sの高速アクセスを実現しています。
メーカーによる製品保証期間は5年間です。IP65の防塵性と耐水性、最高3メートルからの落下耐性といったモバイルストレージに必要な物理的耐久性も備えています。
「SanDisk Extreme ポータブルSSD for PS5」はPlayStation 5対応製品としてライセンス商品に公式認定されたポータブルSSDです。
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5」はUSB 10Gbpsに対応しているので最大帯域で、最新ゲーム機のPlayStation 5やXbox Series X|Sの外付けストレージとして使用できます。
ネイティブ対応タイトルの起動には非対応なものの、内蔵ストレージが満杯になった時にネイティブ対応タイトルのコピーインストール用バックアップ先として使用でき、後方互換タイトルであればインストール・起動も可能、スクリーンショットやビデオクリップの出力にも使用できるので、最新ゲーム機用の外付けストレージとしても最適な製品です。
なお、内蔵ストレージとしてHDDを搭載する旧型ゲーム機のPlayStation 4やXbox One Xの場合はゲームインストール先として使用できるだけでなく、ロード時間の短縮も期待できます。


製品データシート/表
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5」のデータシート/スペック一覧は次の通りです。
SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 スペック一覧 | ||
---|---|---|
容量 | 型番:SDSSDE62P-1T00-J25 | 1 TB型番:SDSSDE62P-2T00-J25 | 2 TB
インターフェース | USB 10Gbps (USB3.2 Gen2) Type-C | |
メモリコントローラー | – | |
メモリー | – | |
連続読出 | 1,050 MB/s | |
連続書込 | – MB/s | |
動作温度範囲 | 0℃ ~ 45℃ | |
書込耐性* | – TB | – TB |
保証期間 | メーカー 5年 | |
外形寸法 | 縦 101mm x 横 53mm x 厚さ 9.6mm | |
重量 | 50g | |
物理耐久性能 | IP65の防塵性と耐水性 最高3メートルからの落下耐性 |
* 保証TBW:Total Byte Written
*非公表かつ不明なスペックは”-(ハイフン)”を記載しています。
USB規格の名称や転送速度について簡単にまとめておきます。
現在、最新バージョンのUSB表記では世代/バージョン/リンク数といった分かり難い記載は消え、単純に”USB 10Gbps”のように接続帯域がそのまま記載されています。
最新の名称とロゴ パッケージ / コネクタ | 帯域 / 理論実効速度 | 旧名とロゴ | 技術仕様 | |
---|---|---|---|---|
USB2.0 | 480Mbps 48MB/s | |||
USB 5Gbps | 5Gbps 500MB/s | USB3.2 Gen1 USB3.1 Gen1 USB3.0 | ||
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USB 10Gbps | 10Gbps / 1.2GB/s | USB3.2 Gen2 USB3.1 Gen2 ![]() | ||
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USB 20Gbps | 20Gbps / 2.4GB/s | USB3.2 Gen2x2![]() | ||
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USB 40Gbps | 40Gbps / 4.8GB/s | USB4 ver 1.0 USB4 Gen3x2 | ||
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USB 80Gbps | 80Gbps / 9.6GB/s | USB4 ver 2.0 USB4 Gen4x2 | ||
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USB外付けストレージの実際の転送速度は?
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USB外付けストレージについては個別製品によって実際の性能は異なるものの、2025年現在、
- USB 5Gbps : 約480MB/s
- USB 10Gbps : 約1,100MB/s
- USB 20Gbps : 約2,100MB/s
のように、USB 20Gbpsまでは帯域理論値に近い転送速度を発揮できるようになっています。
一方、ASMedia製USB4コントローラ ASM2464PDを搭載した外付けSSDやエンクロージャー(変換ケース)が2025年に発売したばかりで、今のところ、USB 40Gbps外付けストレージの実効性能は最大4.0GB/s程度です。
外観・付属品
まずは「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5」の外観や付属品について紹介していきます。
紙製パッケージを開くと透明プラスチック製スペーサーに「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5」のSSD本体とUSB Type-Cケーブルが収められています。
PS5対応を謳うポータブルSSD製品は多いですが、「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5」はPlayStation 5の公式ライセンス認証を取得している数少ないポータブルSSD製品なので、USB接続ポータブルSSD初心者にとっても一段上な安心感があります。
続いて「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5」のポータブルSSD本体をチェックしていきます。
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5」は青色の枠で囲まれた天面プレート部分はマットなプラスチック製ですが、側面から背面まで表面がラバー素材です。
トップカバーやストラップホールといった素材の違う部分と、大部分を覆うラバー製外装との接合部に分かり易い隙間もなく、密閉性の高さ、頑丈さも感じる仕上がりです。
接続インターフェース
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5」の天面ロゴから見て下側面にはUSBケーブルを接続するためのUSB Type-C端子が実装されています。
USB 10Gbpsに対応したUSB Type-Cケーブルが付属しているのでホスト側にUSB Type-C端子があれば各自でUSBケーブルを用意する必要はありません。
SanDisk Extreme ポータブルSSDの標準モデルにはUSB Type-Aの変換アダプタが付属していますが、同製品には付属しないので、PS5の背面Type-AポートやPCのUSBポートで使用したい場合は各自で、Type-Aケーブルか変換アダプタを用意する必要があります。

持ち運びの便利さ、物理的な耐久性
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5」の製品寸法は縦101mm×横53mm×厚さ9.6mmです。小型スマートフォンよりも一回り小さく、非常にコンパクトかつ薄型です。
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5」の重量は約50gです。コンパクトなサイズだけでなく重量も非常に軽く、ポケットに入れていても存在感を感じません。
外周は丸みのある縁取りになっているので、手で握った感触はソフトです。
背面から側面までラウンド状に覆う外装はラバー素材なので、手で握った時はもちろん、卓上に置いた時も滑り難くなっています。
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5」の天面SanDiskロゴから見て右上の角には、上下に貫通するように、大きいストラップホールがあります。
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5」はIP65の防滴・耐塵性能、および最高3メートルの耐落下性能を備えており、ハードな環境でも安心して持ち運ぶことができます。
SanDisk Extreme ポータブルSSDとの違い
SanDiskからはUSB 10Gbpsに対応したポータブルSSDとして「SanDisk Extreme ポータブルSSD」が発売されています。

今回レビューしている「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5」は上記製品をベースにPlayStaionライセンス認証を取得したバリエーションモデルです。
外装カラーの変更、USB Type-A変換アダプタが付属しない、暗号化ソフトの付属など、外観や付属品に若干の違いはありますが、SSDの読み書き性能や防塵・防滴の耐久性といったポータブルSSD自体のハードウェア性能は標準モデルと全く同じです。
主な違いは見た目なのでPS5と調和するホワイトを基調にしたカラーリングに拘りがなければ、容量単価重視で、SanDisk Extreme ポータブルSSDの標準モデルの方を選んでも問題はありません。
モバイルストレージの検証機材
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」の各種検証を行うテスト環境を紹介します。
テストベンチ機の詳細
PCIE4.0/5.0に対応するAMD Ryzen 9 7950X&GIGABYTE X670E AORUS MASTERなどで構成されているベンチ機を使用しました。構成の詳細は下記テーブルの通りです。
SSDテストベンチ機の構成 | ||
---|---|---|
CPU | AMD Ryzen 9 7950X | レビュー |
CPUクーラー | Fractal Design Celsius S36 | レビュー |
Noctua NF-A12x25 PWM | レビュー | |
システムメモリ | G.Skill Trident Z5 Neo F5-6000J3038F16GX2-TZ5N DDR5 16GB×2=32GB | レビュー |
マザーボード | GIGABYTE X670E AORUS MASTER | レビュー |
ビデオカード | PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8 Gaming VERTO EPIC-X RGB OC 3FAN | レビュー |
システムストレージ | Samsung SSD 990 PRO 1TB | レビュー |
OS | Windows 11 Pro 64bit 22H2 | |
電源ユニット | Corsair HX1500i 2022 | レビュー |
ベンチ板 | STREACOM BC1 | レビュー |
G.Skill Trident Z5 Neo RGB 【PR】
システムメモリの検証機材には、Ryzen 9000シリーズでも引き続きOCメモリのスイートスポットとアピールされている、メモリ周波数6000MHz/CL30の低レイテンシなメモリOCに対応した「G.Skill Trident Z5 Neo(型番:F5-6000J3038F16GX2-TZ5N)」を使用しています。
G.Skill Trident Z5 NeoシリーズはAMD EXPOのOCプロファイルに対応した製品なので、AMD Ryzen 9000/7000シリーズCPUで高性能なPCを構築するお供としてオススメのOCメモリです。
ARGB LEDイルミネーションを搭載したTrident Z5 Neo RGB、ラグジュアリーな外観のTrident Z5 Royal Neoといったバリエーションモデルもラインナップされています。

検証ストレージの設定
検証ストレージの接続場所と接続帯域
検証機材に使用しているマザーボード GIGABYTE X670E AORUS MASTERのリアI/OにはUSB 20Gbpsに対応したUSBポートがあります。
USBモバイルストレージ側の最大帯域がUSB 20Gbps以下、USB 10Gbps(旧 USB3.2 Gen2)やUSB 5Gbps(旧 USB3.0)など下方互換で対応できる製品は基本的にこのUSBポートに接続して検証しています。
オーバースペックにはなりますが、上記USBポートとモバイルストレージの接続には、USB 80Gbps対応で長さ1.2mのType-Cケーブル「Club 3D CAC-1570」を使用しています。
Club 3D製のUSB/ビデオケーブルは高品質なので、品質や通信の安定性重視でケーブル選びに迷ったら特にオススメです。
検証ストレージのフォーマットについて
Windows OS機能でモバイルストレージをexFATにフォーマットする際、アロケーションユニットサイズを指定できます。
当サイトのレビューでモバイルストレージを検証する場合、特に補足がなければ、exFAT形式、アロケーションユニットサイズは512KBに統一し、検証前に再フォーマットしています。
Windows11によるフォーマットの既定アロケーションユニットサイズはストレージ容量によって変わるのですが速度重視で2TB容量の既定サイズで統一しています。

さらに詳しく
例えば1KBサイズのテキストファイルを4つ保存する場合、アロケーションユニットサイズが4KBだと、実際には16KBの容量を使用します。アロケーションユニットサイズが512KBなら2MBです。
アロケーションユニットサイズが小さい方が物理容量を最大限使用できます。
一方、モバイルストレージで一般的なexFAT形式の場合、4KBなど小さくすると、特にランダム性の高い書き込みアクセスにおいて大幅な速度低下が発生する傾向があります。*逆に速くなるケースもあるものの、頻度も程度も小さい
Windows OSの内蔵ストレージの場合、単純なシングルボリュームならNTFS形式かつアロケーションユニットサイズ 4KBで問題ありません。*RAID0ボリュームを構築する場合は、アロケーションユニットサイズ128KB~1MBに大きくした方がCDMの連続スコアが伸びやすかったりします。
基本仕様
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」のWindowsボリューム容量、アウトボックス時のフォーマット状態など基本仕様について紹介します。
Windowsボリュームの容量
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」のexFATボリュームをWindows 11上で作成したところ、空き容量は1.81TBでした。

なおCrystalDiskInfo(ver 9.7.2)では「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」のS.M.A.R.T.情報を確認できず、そもそも同ドライブを認識できませんでした。
WD DashboardでもS.M.A.R.T.情報の確認には非対応と表示されますし、S.M.A.R.T.情報を使用する他ソフトも正常に動作しなかったりでした。
SanDisk Extreme ポータブルSSDの初期ロットだとWD SN550EなどUSB変換元のNVMe M.2 SSD情報が表示されたようですが、For PS5モデルで特有、もしくは最新ロットで変更が加えられているようです。
アウトボックス時のフォーマット状態と添付ファイル
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」は最初からexFATにフォーマット済みです。初期状態でアロケーションユニットサイズは1MBでした。

「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5」はアウトボックス状態でフォーマット済みとなっており、ボリュームの中にはセキュリティソフトのインストーラーが入っていました。
再配布のDLリンク用紙等は付属品になく、公式ページでも案内が見つからないので、必要な人はバックアップ前に誤って削除しないように注意してください。

SLCキャッシュについて
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」のSLCキャッシュ構造について検証しました。
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」はSLCキャッシュを超過すると書き込み速度が低下します。
加えて、25GB容量のSLCキャッシュのうち20GB程度は動的に確保される領域ですがフォーマット直後にしか使用できなず、空き容量に依らず使用できるSLCキャッシュは5GB弱だけです。

さらに約5GBは空き容量に依らず使用できるものの、使用済みSLCキャッシュの開放が遅いので常時使用できるわけではありません。容量が小さいのに10分~20分程度放置しても開放されず、開放されるトリガーもよく分かりません。
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」はTLC型NAND採用SSDなので、速度低下はありますが、SLCキャッシュ超過後の書き込み速度は650MB/sで安定しています。
SLCキャッシュ容量が小さく、使用済みSLCキャッシュの開放も遅い(条件も不明)ので、実用シーンにおいてSLCキャッシュの書き込み性能は全く当てにできませんが、

とはいえ書き込み性能がメチャクチャ優れた製品というわけでもないので、数百GBの大容量データを頻繁に扱うのであれば、書き込み性能についても2000MB/s超で公称値が記載されている上位モデル SanDisk Extreme Pro ポータブルSSDを選ぶのがオススメです。
ベンチマークソフトで検証
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」の基本的な性能をベンチマークソフトで検証しました。
ストレージベンチマークを代表する1つ、CrystalDiskMarkで「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」の性能を検証しました。
CrystalDiskMarkのバージョンは8.0.4、設定はデータサイズ 1GiB、プロファイル +Mixです。
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」のCrystalDiskMarkベンチマークスコアは連続読み出し 1050MB/s、連続書き込み 1000MB/sです。
Intel/AMD環境の違いや接続するUSBポートでも若干差は出ますが、USB 10GbpsのUSB接続帯域として理想的な性能を発揮するモバイルストレージです。

ただし、前章のSLCキャッシュに関する節でも説明した通り、「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」のSLCキャッシュは容量が小さく当てになりません。
SLCキャッシュ内の書き込み速度はUSB 10Gbpsとして理想的な1000MB/sですが、実用的には超過時の650MB/s程度になります。

以下、各種比較対象モバイルストレージのCrystalDiskMark8 ベンチマークスコアです。
データコピー性能を検証
外付けストレージの性能評価で最重要項目となるデータコピーにおける読み出し・書き込み性能を実際の写真・動画データを使用して検証しました。
検証にはフルサイズミラーレス一眼カメラの写真・動画データを想定して、10GBの動画ファイルが5つ入った約50GBの動画フォルダ、10MB~20MBの画像ファイル 2,000枚弱が入った約30GBの写真フォルダの2種類を使用しています。

コピー検証の具体的な手順
コピー検証の具体的な手順を説明します。
- 検証ストレージをフォーマットして十分に放置
- 最初に検証ストレージへのコピー書き込みを行う
- 各テストデータの書き込み後、毎回、10分間のインターバルを置く
- 全てのテストデータを書き込んだら、コピー相手のSSDをフォーマット
- 同様に10分間のインターバルを置いてから、コピー読み出しを行う
空き容量依存のSLCキャッシュ容量やSLCキャッシュ開放速度といったSLCキャッシュ構造は製品によって異なります。
実用シーンでは容量の使用状況によって書き込み性能は今回の検証結果と変わる可能性があります。
コピー相手のSSDについて
データのコピーにおいては当然ですが、元データのあるストレージの読み出し性能とコピー先の書き込み性能の両方が重要になります。
検証ストレージのコピー相手、書き込み先/読み出し元となるストレージが必要なので、コピー相手にはPCIE5.0x4接続に対応したCrucial T700 2TBを使用しています。

コピー相手のSSDは独立したCPU直結PCIE5.0x4レーンに接続されているので、PCIE接続帯域がコピー速度のボトルネックになることはありません。
コピー相手SSDのCrucial T700 2TBは十分にSLCキャッシュ容量が大きく、開放も速いので読み出し、モバイルストレージ相手のコピー検証において、読み書き共にボトルネックになることはありません。
動画フォルダのコピー(10GB×5)
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」で50GBの動画フォルダのコピー速度を検証しました。
動画ファイルは1つ1つのファイルがGB単位の大容量なので実際のコピーではCrystalDiskMarkベンチマークでいうと連続読み出し・連続書き込み性能が重要になります。
動画フォルダのコピー読み出しにおいて、「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」によるコピー時間は60秒ほど、読み出し速度は856MB/s程度です。。

動画フォルダのコピー書き込みにおいて、「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」によるコピー時間は83秒ほど、書き込み速度は625MB/s程度です。一部がSLCキャッシュに収まっているので、使用済みデータがある状態だと、500~600MB/s程度に速度は落ちます。
USB 10Gbpsのモバイルストレージとして理想的な性能ではありませんが、SLCキャッシュで説明した通り、500~600MB/s程度の書き込み速度を安定して発揮できるので、実用的には決して悪くない性能です。

写真フォルダのコピー(30GB, Files:2K)
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」で30GBの写真フォルダのコピー速度を検証しました。
画像ファイル1つ1つは先の動画ファイル1つに比べると大幅に小さいですが、高解像度なミラーレス1眼カメラで撮影したJPEG撮って出し画像の場合、1枚が10~20MB程度なのでやはりCrystalDiskMarkベンチマークでいうと連続読み出し・連続書き込み性能が重要になります。
写真フォルダのコピー読み出しにおいて、「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」によるコピー時間は37秒ほど、読み出し速度は833MB/s程度です。
ファイル数が多いもののほぼシーケンシャル読み出し的なアクセスなので、先の動画フォルダの読み出しコピー同様にUSB 10Gbps対応SSDとして理想的な性能です。

写真フォルダのコピー書き込みにおいて、「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」によるコピー時間は60秒ほど、書き込み速度は513MB/s程度です。
やはり読み出しに比べるとスケーリングは鈍るのと、USB 10Gbps接続で理想的というわけではありませんが、500~600MB/s程度の書き込み速度を安定して発揮できます。

PS5接続時の速度性能を検証
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」をPlayStaion 5 ProのUSB外付けストレージにして、PS5ネイティブ対応タイトルのインストール速度やビデオクリップのバックアップ速度を比較検証しました。

「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」はUSB 10Gbps対応かつ容量2TBのモバイルストレージなので、PS5のUSB拡張ストレージやUSBドライブとして使用できます。

PS5ゲームのコピーインストール速度
ラチェット&クランク パラレル・トラブル(約34GB)のインストール速度を検証しました。
1Gbpsの光回線(フレッツ光&OCNプロバイダ、IPoE対応)、10Gbpsの光回線(eo光 10ギガ)、連続読み書き2GB/sのUSB外付けSSDと性能を比較しています。
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」からの読み出し速度は189MB/s程度となっており、USB拡張ストレージからのインストール速度としては理想的です。*PS5システム側の都合で、連続1GB/s以上を発揮する高性能モバイルストレージでもこれ以上は速くなりません。
オンラインダウンロードについて補足
今回、1Gbpsの光回線にはユーザーの多いフレッツ光&OCNプロバイダ(IPoE対応)を使用しています。
1Gbpsの光回線は現実には実行速度が200~300Mbps程度なので、インストール速度は28MB/s程度になります。インターネット回線が空いている状態でもせいぜい40MB/sですし、逆に21時~23時など回線が混む時間帯では28MB/sを割り込むこともあります。
10Gbpsの光回線にはeo光 10ギガを使用しています。
PSストアサーバーは1ユーザー当たりのダウンロード帯域が100MB/s程度を上限に制限されているようなので、10Gbpsに対応した光回線でもPS5ゲームのダウンロード速度は最大100MB/s程度です。
時間帯の影響もあって実効速度は80MB/s程度になると思います。

PS5ゲームのバックアップ速度
ラチェット&クランク パラレル・トラブル(約34GB)のバックアップ速度を検証しました。
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」への書き込み速度は192MB/s程度となっており、PS5からUSB拡張ストレージへのバックアップ速度としては理想的です。*PS5システム側の都合で、連続1GB/s以上を発揮する高性能モバイルストレージでもこれ以上は速くなりません。

ビデオクリップのバックアップ速度
PS5で録画した4K解像度ビデオクリップ(約22GB)のバックアップ速度を検証しました。
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」への書き込み速度は102MB/s程度となっており、PS5からUSBドライブへのビデオクリップ バックアップ速度としては理想的です。*PS5システム側の都合で、連続1GB/s以上を発揮する高性能モバイルストレージでもこれ以上は速くなりません。

レビューまとめ
最後に「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」を検証してみた結果のまとめです。
- PlayStation対応のライセンス認証を取得
- PlayStaion 5と調和するホワイトのカラーリング
- USB 10Gbpsで理想的な、連続読み出し速度 1050MB/s
- 全領域で500~600MB/s程度の書き込み速度を安定して発揮
- 101mm×53mmのコンパクトサイズかつ、50g程度と非常に軽量
- 外部電源不要なUSB端子からのバスパワー駆動
- PS5やXbox X/Sの外付けストレージとして使用可能
- メーカー正規保証期間は5年間
- SLCキャッシュ容量は実質的に5GB以下しかない
- SLCキャッシュの開放も遅く、開放トリガーも不明
- USBフラッシュメモリと比べるとサイズは大きい
- USB Type-Aポートと接続するには別途、変換アダプタ等が必要
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5」はNVMe SSD相当の内部SSDを高速規格USB 10Gbpsに変換するタイプのUSB外付けSSDです。
基礎的なベンチマークでは読み出しで1050MB/s程度というUSB 10Gbps対応モバイルストレージとしては理想的なアクセススピードを発揮し、実際のファイルコピーでも帯域通りの高速な転送が可能でした。
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5」はSLCキャッシュ容量が小さく、USB 10Gbpsで理想的な書き込み性能は発揮できませんが、全領域で500~600MB/s程度の書き込み速度を安定して発揮できます。
コピーにかかる所要時間がハッキリしているので、書き込み速度が用途に適うなら、USB 10Gbps接続のモバイルストレージとして決して悪くない性能だと思います。
「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5」はPS5やXbox X/Sの拡張ストレージとしても使用できます。
PS5におけるゲームインストールデータのバックアップや、プレイ動画(ビデオクリップ)の保存・移動程度の用途であれば、USB 10Gbps対応の同製品は理想的な性能を発揮できます。PS5用USB接続SSDとして必要十分な製品です。

以上、「SanDisk Extreme ポータブルSSD For PS5 2TB」のレビューでした。
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