HyperX FURY RGB DDR4


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KingstonのゲーミングブランドHyperXよりリリースされたアドレッサブルLEDイルミネーションを搭載するメインストリーム向けDDR4メモリ「HyperX FURY RGB DDR4」シリーズから、Intel XMP2.0による3200MHzのメモリOCに対応する8GB*2=16GBのメモリキット「HyperX FURY RGB DDR4 HX432C16FB3AK2/16」のサンプル機をメーカーよりご提供いただけたのでレビューしていきます。
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OCプロファイルによるメモリOCに対応したメモリキットでは、複数のキットを組み合わせた時の正常動作はメーカーから確認されていないので、使用する容量と枚数が揃った1パッケージを使用することが推奨されていますが、今回は8GB*2=16GBのメモリキットを2つ提供いただいたので、2つのメモリキットを組み合わせ、8GB*4=32GBとして正常に動作し、メモリOCも安定するのか検証していきます。
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製品公式ページ:https://www.hyperxgaming.com/jp/memory/fury-ddr4-rgb
データシート:https://www.kingston.com/dataSheets/HX432C16FB3AK2_16.pdf







HyperX FURY RGB DDR4 レビュー目次


1.HyperX FURY RGB DDR4の外観
2.HyperX FURY RGB DDR4のLEDイルミネーション

3.メモリOC検証機材、メモリOCの基本と手順
4.HyperX FURY RGB DDR4のメモリOCを試す
5.HyperX FURY RGB DDR4のレビューまとめ



---【注意】--------------------------
メモリOCで有名なXMPプロファイルは「インテル エクストリーム・メモリー・プロファイル」の略称でありIntelの策定した規格なので、AMD Ryzen/Ryzen Threadripper環境において”XMPでOCする”等の表現をするのは厳密には正しくありません。ただしXMPプロファイルに収録されたメモリ周波数とタイミングの設定値からAMD Ryzen環境に合わせたメモリOCプロファイルを自動生成する機能として、「ASUS D.O.C.P」や「MSI A-XMP」などが各社マザーボードのBIOS上に機能として用意されているので、AMD製CPU環境においてもXMPプロファイルを流用したメモリOCを当記事中では便宜上細かいことを気にせずに”XMPを使用したOC”などXMPとして表記します。
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HyperX FURY RGB DDR4の外観

まず最初に「HyperX FURY RGB DDR4」の外観をチェックしていきます。
「HyperX Predator RGB DDR4」などゲーミングブランドHyperXのメモリはこれまでブラック&レッドのパッケージに梱包されていましたが、「HyperX FURY RGB DDR4」ではブリスターパックの簡易梱包に変わっています。「HyperX FURY RGB DDR4 HX432C16FB3AK2/16」は8GB*2=16GBの2枚組メモリキットなので、ブリスターパックに2枚のメモリが収められています。
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「HyperX FURY RGB DDR4」には、艶のあるブラックカラーで機械装甲のようなデザインのアルミニウム製ヒートシンクが装着されています。
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「HyperX FURY RGB DDR4」を真上から見るとLEDイルミネーションの発光を拡散する半透明ディフューザーがあり、その中央左寄りにはHyperXのブランドロゴが描かれています。
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同じくHyperXブランドのLEDイルミネーション搭載メモリ「HyperX Predator RGB」と比較すると、デザイン面では「HyperX FURY RGB DDR4」のほうがシンプルです。またメモリヒートシンクの厚みが小さいので、冷却性能は「HyperX Predator RGB」のほうが高く、メインストリーム向け製品と、高クロックOCに対応するハイエンド向け製品とで差別化も確認できます。
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「HyperX FURY RGB DDR4」をHyperX Predator RGBやHyperX Fury無印版(旧)と比較してみると、「HyperX FURY RGB DDR4」のメモリの背の高さは41.24mmなので、全高42.2mmのHyperX Predator RGBにかなり近い高さです。「HyperX FURY RGB DDR4」は”FURY”の名前を冠していますが、旧モデルと違ってロープロファイルではないので注意してください。
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HyperX FURY DDR4には、無印の旧モデル、無印の2019年新モデル、そして「HyperX FURY RGB DDR4」の3種類があり、「HyperX FURY RGB DDR4」と同時期に無印の2019年新モデルが発売されています。旧モデルと同じくロープロファイルな「HyperX FURY DDR4 (New)」と、LEDイルミネーションを搭載し背の高い「HyperX FURY RGB DDR4」が併売されているのは分かりづらいので、どちらかをFURY以外の名称にして欲しかったところです。
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「HyperX FURY RGB DDR4」や比較対象のメモリを実際にマザーボードメモリスロットに装着して高さを比較するとこんな感じになります。
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「HyperX FURY RGB DDR4」の4枚組モデル(今回の検証では2枚組を2セット)をCPUソケット右側にメモリスロットが4基あるマザーボードに取り付けるとこんな感じになります。
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HyperX FURY RGB DDR4のLEDイルミネーション

「HyperX FURY RGB DDR4」のLEDイルミネーションをチェックしていきます。
「HyperX FURY RGB DDR4」のメモリモジュール上に実装されたLEDイルミネーションは5つのアドレスに分割されており、個別にライティング制御が可能なアドレッサブルLEDイルミネーションになっています。
「HyperX FURY RGB DDR4」はソフトウェア制御を行わなくても、アドレッサブルな発光パターンでLEDイルミネーションが点灯します。標準発光パターンではCPUソケットを左、メモリスロットを右として、各メモリで下から上に7色に変化していきます。
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他社製品では標準のアドレッサブルな発光パターンは時間の経過とともに各メモリモジュール間で色の遷移のタイミングがズレてくるのですが、HyperX FURY RGB DDR4は「HyperX赤外線同期テクノロジー(HyperX’s Infrared Sync technology)」という独自機能によって、ソフトウェア制御がない状態で時間が経過しても、全てのメモリモジュールの発光タイミングが綺麗に一致します。
なおIntel X299プラットフォームやAMD X399プラットフォームのマザーボードのように、メモリスロットがCPUソケットの左右に分かれている場合は、右側だけや左側だけであれば同期がとれるのですが、左右に分かれているメモリ同士は同期がとれず、時間の経過とともに発光にズレが生じます。
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「HyperX FURY RGB DDR4」のLEDイルミネーションのライティング制御については、純正ソフトウェアのHyperX NGENUITYに加えて、ASRock Polychrome RGB Sync、ASUS AURA Sync、GIGABYTE RGB Fusion、MSI Mystic Lightなど主要4社のマザーボードで使用可能なライティング制御機能とも互換性があります。
HyperX NGENUITY 公式ページ:https://www.hyperxgaming.com/jp/ngenuity
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メモリOC検証機材、メモリOCの基本と手順

「HyperX FURY RGB DDR4」の定格動作やXMP/手動設定を使用したオーバークロックの検証を行う前に、検証機材の紹介と、メモリOCの基本・手順についての説明をしておきます。

「HyperX FURY RGB DDR4」の検証を行う環境として、Core i9 9900K&Z390マザーボードで構成されるIntel LGA1151環境とRyzen 9 3900X&X570マザーボードで構成されるAMD AM4環境の2種類の検証機を用意しました。
テストベンチ機の構成
OS Windows10 Home 64bit
CPU
Core i9 9900K
レビュー
AMD Ryzen 9 3900X
レビュー
M/B ASUS WS Z390 PRO
レビュー
MSI MEG X570 ACE
レビュー
CPUクーラー Fractal Design Celsius S36 (レビュー
Corsair H150i PRO RGB (レビュー
Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー
グラフィックボード
MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC
ファンレス (レビュー
システム
ストレージ
Samsung 860 PRO 256GB
レビュー
電源ユニット
Corsair HX1200i
レビュー
PCケース/
ベンチ板
STREACOM BC1 (レビュー

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ベンチ機のシステムストレージにはSamsung製MLCタイプ64層V-NANDのメモリチップを採用する18年最速のプロフェッショナル向け2.5インチSATA SSD「Samsung SSD 860 PRO 256GB」を使用しています。Samsung SSD 860 PROシリーズは容量単価が高価ではあるものの、システムストレージに最適な256GBや512GBモデルは製品価格としては手を伸ばしやすい範囲に収まっており、Intel Core-XやAMD Ryzen TRのようなハイエンドデスクトップ環境はもちろん、メインストリーム向けでもハイパフォーマンスな環境を目指すのであれば、システムストレージ用に一押しのSSDです。
「Samsung SSD 860 PRO 256GB」をレビュー
Samsung SSD 860 PRO 256GB



実際にメモリのオーバークロックを行う前にメモリのOCについても紹介しておきます。



メモリのオーバークロックの方法や基礎知識については以上となります。BIOS上のOC設定のレイアウトについてはマザーボードベンダーが決まればほぼ共通です。下記のレビュー記事一覧から自分が使っているのと同じメーカーのマザーボードのレビュー記事を探して、OC設定の章を参考にしてみてください。
Intel第9世代CPU対応300シリーズマザーボードのレビュー記事一覧へ
Intel Core-X対応X299マザーボードのレビュー記事一覧
第3世代Ryzen対応AM4マザーボードのレビュー記事一覧
X399チップセット搭載Socket TR4マザーボードのレビュー記事一覧へ
Intel Z390



HyperX FURY RGB DDR4のメモリOCを試す

「HyperX FURY RGB DDR4 HX432C16FB3AK2/16」を2セット使用し、Intel第9世代CPU&Z390マザーボードや第3世代Ryzen&X570マザーボードの検証機材にセットアップして、メモリオーバークロックの動作検証を行っていきます。

「HyperX FURY RGB DDR4 HX432C16FB3AK2/16」はXMPプロファイルによるメモリ周波数3200MHz/メモリタイミングCL16のオーバークロックに対応する8GB*2=16GBメモリキットです。なおOCプロファイル(XMP)についてはあくまでメーカーによる”動作確認済み”の選別品であって”動作保証ではない”ので注意してください。
「HyperX FURY RGB DDR4 HX432C16FB3AK2/16」のサンプル機については、Hynix J-Dieのメモリモジュールが採用されていました。(製品型番およびスペックはそのままでも、メモリモジュールについてはロットやバージョンで変更される可能性があります。)
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前置きはこの辺りにして「HyperX FURY RGB DDR4 HX432C16FB3AK2/16」を2セット使用し、メモリOCを実践していきます。
まずはIntelのメインストリーム向けCPUである第9世代Core-Sの8コア16スレッドモデルCore i9 9900KとZ390マザーボードの環境で「HyperX FURY RGB DDR4 HX432C16FB3AK2/16」のOCプロファイルによるOCを実践してみました。Z390マザーボードにはASUS WS Z390 PROを使用しています。
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BIOSから行うOC設定として、特にひねりもなく「HyperX FURY RGB DDR4 HX432C16FB3AK2/16」に収録されたOCプロファイルを適用しました。
Intelのメインストリーム環境かつメモリ周波数3200MHz程度なので、OCプロファイルを適用するだけで、メモリ周波数3200MHz&メモリタイミング16-18-18-36-CR2で正常に動作しました。
HyperX FURY RGB DDR4 HX432C16FB3AK2-16_Intel-Z390_XMP
手動OCでさらにメモリ周波数を3600MHzに上げてみたところ、POSTはクリアしてBIOSまでは表示されるのですが、Windows OSの起動中にBSODが発生してしまい、メモリ周波数と主要タイミングのみのカジュアル設定では安定動作させることはできませんでした。「HyperX FURY RGB DDR4 HX432C16FB3AK2/16」はOCer向けのハイエンド製品ではなくメインストリーム向け製品なのでOCプロファイル以上のOCの伸びしろはあまりないようです。
HyperX FURY RGB DDR4 HX432C16FB3AK2-16_Intel-Z390_3600MHz

続いてAMDのメインストリーム向けCPUである第3世代Ryzenの12コア24スレッドモデルRyzen 9 3900XとX570マザーボードを組み合わせた環境で「HyperX FURY RGB DDR4 HX432C16FB3AK2/16」のOCプロファイルによるOCを実践してみました。X570マザーボードにはMSI MEG X570 ACEを使用しています。
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BIOSから行うOC設定については特にひねりもなく「HyperX FURY RGB DDR4 HX432C16FB3AK2/16」に収録されたOCプロファイルを適用しています。
第3世代Ryzen環境は初期のRyzen環境とは異なり、メモリ周波数3600MHzくらいまでであればIntelのメインストリーム環境と同等のメモリ互換性があるので、「HyperX FURY RGB DDR4 HX432C16FB3AK2/16」のOCプロファイルを適用するだけで、メモリ周波数3200MHz&メモリタイミング16-18-18-36-CR1で正常に動作しました。
HyperX FURY RGB DDR4 HX432C16FB3AK2-16_AMD X570_XMP



HyperX FURY RGB DDR4のレビューまとめ

最後にアドレッサブルLEDイルミネーション搭載DDR4メモリ「HyperX FURY RGB DDR4(型番:HX429C15PB3AK4/32)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • 5分割(アドレス)のアドレッサブルLEDイルミネーション搭載
  • HyperX赤外線同期テクノロジーによって隣接するメモリは発光が自動で同期する
  • ASRock、ASUS、GIGABYTE、MSIのマザーボードによるライティング制御機能に対応
  • 簡単にメモリのオーバークロックが可能なIntel XMP 2.0に対応
  • Intel第9世代Core-S環境で8GB*4=32GBが3200MHz/CL16が正常動作
  • AMD第3世代Ryzen環境で8GB*4=32GBが3200MHz/CL16が正常動作
悪いところor注意点
  • HyperX赤外線同期テクノロジーによる同期はCPUソケットを挟むと機能しない

「HyperX FURY RGB DDR4 HX432C16FB3AK2/16」のレビュー用サンプルによる検証ではメーカー動作確認済みのOCプロファイルを使用することによって、Intel第9世代Core-S&Z390マザーボード環境や第3世代Ryzen&X570マザーボード環境においてデュアルチャンネル4枚刺し32GB容量で、メモリ周波数3200MHz&メモリタイミング16-18-18-36のオーバークロックがOCプロファイルによって手軽に行え、安定動作が確認できました。

メモリについては必要な容量(現在のゲーミングデスクトップPCなら16~32GBあれば十分)さえ満たせば、OCによる性能の向上はCPUやGPUのOCに比べると実感しにくい部類である、というのがIntel環境における通説でした。そのため管理人も一口にOCメモリと言っても性能向上を狙うよりはオシャレなヒートシンク目当てに自作PCの装飾的な感覚で購入するのが個人的にはオススメな買い方だと思っていました。
しかしながらAMD RyzenおよびAMD Ryzen Threadripper環境では、『Infinity FabricというCPU内外のコンポーネントを相互接続するインターコネクトの動作周波数がメモリ周波数に同期する』という構造上、メモリ周波数がエンコードや3Dゲームを含めた総合的なパフォーマンスに大きく影響することが知られています。

5分割アドレッサブルLEDイルミネーションで色鮮やかにライトアップすることができる「HyperX FURY RGB DDR4」はPCをオシャレに装飾したいユーザーにとって非常に魅力的な製品です。
七色に変化する発光パターンを標準動作にしているLEDイルミネーション搭載メモリは数多く存在するものの、いずれも時間経過とともに各メモリの発光カラーや変化にズレが生じますが、HyperX FURY RGB DDR4は「HyperX赤外線同期テクノロジー(HyperX’s Infrared Sync technology)」という独自機能によって、ソフトウェア制御がない状態で時間が経過しても、全てのメモリモジュールの発光タイミングが綺麗に一致します。ソフトウェアを使わずそのまま導入しても綺麗にライトアップできるので、LEDイルミネーション搭載メモリの入門機としてはおすすめメモリだと思います。
なおライティング制御についてはASRock Polychlome RGB Sync、ASUS AURA Sync、GIGABYTE RGB Fusion、MSI Mystic Lightなどマザーボードのライティング制御機能に対応しています。

以上、「HyperX FURY RGB DDR4」のレビューでした。
HyperX FURY RGB DDR4




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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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