G-GEAR CSE850S GGP


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50%負荷時に90%以上の優れた変換効率を証明する80PLUS Gold認証を取得する電源容量850Wのハイパフォーマンス電源ユニット「G-GEAR CSE850S GGP」をレビューします。
PCパーツ販売店の老舗であるツクモと世界トップクラスのPC電源メーカー CWTが共同開発し、圧倒的な高品質の証として同社ゲーミングBTO PCブランド G-GEARの名を冠したオリジナル電源ユニットG-GEAR電源の実力をGeForce RTX 30シリーズやRadeon RX 6000シリーズなど最新グラフィックボードで徹底検証していきます。



プレスリリース:https://news.tsukumo.co.jp/20210402_ggearpsu/
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G-GEAR CSE850S GGP レビュー目次


1.G-GEAR CSE850S GGPの外観や概要について
2.G-GEAR CSE850S GGPのケーブルや電源端子について
3.G-GEAR CSE850S GGPのファンノイズと電圧安定性
4.G-GEAR CSE850S GGPのレビューまとめ




【機材協力:TSUKUMO】



G-GEAR CSE850S GGPの外観や概要について

早速パッケージを開封して「G-GEAR CSE850S GGP」の外観をチェックしていきます。
「G-GEAR CSE850S GGP」は側面に仕様シールが貼られている以外に目立った装飾もなくシンプルなデザインです。
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「G-GEAR CSE850S GGP」は電源容量850Wの大容量ながら50%負荷時の変換効率90%以上を保証する80PLUS Gold認証を取得していて低発熱なので奥行きは140mmコンパクトサイズです。
電源容量850Wクラスでも最近は奥行160mm程度のモデルも増えていますが、そんな中でもATX規格電源ユニットで奥行140mmの「G-GEAR CSE850S GGP」は最小に近いサイズです、
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奥行き140mmとコンパクトな「G-GEAR CSE850S GGP」であれば、同社のBTO PC専用筐体EX-623T-A4と組み合わせた時に、フロントファンスペースが240サイズ水冷ラジエーター&ファンに対応するシャドウベイ配置でも、十分な電源ケーブルスペースを確保できます。
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電源ユニット冷却ファンの最近のトレンドは140mmサイズ冷却ファン搭載ですが、奥行きが140mmとコンパクトな「G-GEAR CSE850S GGP」には物理的に設置できないので120mmサイズ冷却ファンが採用されています。流体動圧軸受(Fluid Dynamic Bearing)が採用された長寿命・高静音性な冷却ファンです。
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「G-GEAR CSE850S GGP」はATX24PINからPCIE補助電源まで全てのケーブルが着脱可能なフルプラグイン式になっているので環境に合わせて使用するケーブルが選択できます。
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ACコンセントケーブルは国内のPC関連でよく使われる3PINタイプの端子になっています。コンセントからの電力供給を簡単にカットできるロッカー型ハードウェアスイッチが付いています。排気用の背面エアスリットもほぼ全体に及び大きく取られているので通気性も十分です。
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「G-GEAR CSE850S GGP」はシステム負荷50%の環境下において90%以上の電力変換効率を発揮することが確認済みの80PLUS Gold認証を取得、850Wという大容量な電源ユニットです。+12Vはシングルレールで70.8Aの出力に対応します。
10コア以上のウルトラメニーコアCPUへ電力供給を行うEPS電源や、TGP300W超のウルトラハイエンドGPUへ電力供給を行うPCIE補助電源では、それだけで20Aを超える出力を要求することもありますが、G-GEAR CSE850S GGPはそれらに対して安定した電力供給が可能な容量を備えています。
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G-GEAR CSE850S GGPのケーブルや電源端子について

「G-GEAR CSE850S GGP」に実装されている電源コネクタの種類やケーブル長についてチェックしていきます。

「G-GEAR CSE850S GGP」で使用するプラグインケーブルは、一般には比較的安価な製品に採用されることの多いスリーブまとめ型ケーブルと高級電源に採用されることの多い省スペースで取り回しに優れたフラットきしめん型ケーブルの2種類で構成されています。
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ちなみに電源ケーブルの種類ごとの原価そのものには大差なく、あくまで自作PC向け電源において高価なモデルと安価なモデルでどちらが採用数が多いかというざっくりとした評価です。なおTSUKUMOによると、BTO生産効率のもと選定したケーブルとのこと

電源ケーブルはプラグインコネクタ側がグレーのコネクタになっており、自作PCに不慣れな人でも間違えることなく電源ケーブルを着脱できます。
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TSUKUMOゲーミングBTO PC G-GEARで電源ユニットに「G-GEAR CSE850S GGP」を選択した場合、未使用のプラグインケーブルは専用のナイロンバックに収納されて付属します。
BTO PC購入後、電源ユニットを市販品に交換することなく、PCIE補助電源が多く必要なグラフィックボードの換装や、SSD・HDDの増設に対応が可能です。
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「G-GEAR CSE850S GGP」で使用可能な電源ケーブルの長さやコネクタ数の一覧は次のテーブルのようになっています。
 「G-GEAR CSE850S GGP」のモジュラー端子/ケーブル構成
種類 コネクタ数 ケーブル
数量 x 長さ
(1本のコネクタ数)
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ATX
20/24 PIN
1  1 x 650 mm
CPU/EPS
8(4+4) PIN
2  2 x 650 mm (1)
PCIE
8(6+2) PIN
6  3 x 650 + 150 mm (2)
SATA 12  3 x 500 + 150 + 150 + 150 mm (4)
Peripheral
4
 1 x 500 + 150 + 150 + 150 mm (4)


G-GEAR CSE850S GGPの電源ケーブルについて個別にチェックしていきます。
G-GEAR CSE850S GGPのATX24PINケーブルは大型フルタワーPCケースにも対応可能な650mmのスリーブまとめ型ケーブルが採用されています。
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「G-GEAR CSE850S GGP」にはEPS電源ケーブルとして全長650mmのケーブルが2本付属します。
Intel Core-Xに対応するX299マザーボードやAMD Ryzen Threadripperに対応するTRX40マザーボードなどエンスー向け高性能マザーボードではEPS電源として8+4PINや8PIN×2を要求するものもありますが、G-GEAR CSE850S GGPではEPS電源8PIN端子は2基搭載されているので問題なく対応可能です。
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EPS電源ケーブルのEPS端子をチェックすると、いずれも8PINを構成する2つの4PINはロックピンで簡単に固定・分離できる構造です。
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なおTSUKUMO EX-623T-A4というPCケースに組み合わせた場合、EPS電源ケーブルがマザーボードトレイを縦断するように配線されてしまいます。折角、BTO PCメーカーオリジナル電源を採用しているので、リア方向のフレームを沿う形で配線できるようにプラグインケーブルの長さを最適化して欲しかったところです。
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「G-GEAR CSE850S GGP」に付属するPCIE補助電源ケーブルは、長さが650+150mmで、8PINからもう1つ8PINが分岐しています。PCIE補助電源の8PINコネクタはいずれも6+2PINに分離可能なタイプです。
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「G-GEAR CSE850S GGP」にはPCIE補助電源ケーブルとして、上記のケーブルが3本付属しており、最大で6個の8PINコネクタを使用できます。
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SATA電源ケーブルは4コネクタで全長950mm(500 + 150 + 150 + 150 mm)のケーブルが3本付属します。SATA端子は12基使用可能となっており多数のHDDストレージを搭載するようなサーバー機用の電源としても使用できます。
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4PINペリフェラル電源ケーブルは4コネクタで全長950mm(500 + 150 + 150 + 150 mm)のケーブルが1本付属します。
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G-GEAR CSE850S GGPのファンノイズと電圧安定性

G-GEAR CSE850S GGPの負荷に対する冷却ファンの動作をチェックしてみました。
G-GEAR CSE850S GGPの検証機材は次のようになっています。
テストベンチ機の構成
OS Windows10 Home 64bit

CPU

Intel Core i9 9900K(レビュー
Core/Cache:5.1/4.7GHz, 1.300V
殻割り&クマメタル化(レビュー
M/B ASUS WS Z390 PRO
レビュー
メインメモリ G.Skill Trident Z Black
F4-4400C19D-16GTZKK
DDR4 8GB*2=16GB (レビュー
4000MHz, CL17-17-17-37-CR2
システムストレージ
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB
MZ-N6E1T0B/IT (レビュー
PCケース/
ベンチ板
STREACOM BC1 (レビュー


上記のベンチ機でグラフィックボードをGeForce GTX 1650、GeForce GTX 1660 Ti、GeForce RTX 3060 Ti、GeForce RTX 3070、GeForce RTX 3080、GeForce RTX 3090、Radeon RX 6800 XT、Radeon RX 6900 XTなどに変え、もしくは電力制限等から調整を行って、特定の消費電力に対する負荷時の電源ファンのファンノイズを測定しました。測定負荷にはTime Spyグラフィックテスト1を15分以上ループさせています。

消費電力の測定にはBluetooth接続でスマホから消費電力を見られるワットチェッカー「ラトックシステム REX-BTWATTCH1」を使用して、電源ユニットの変換損を含めたシステム全体の消費電力をチェックしています。なお同ワットチェッカーでは消費電力は1秒ごとにW単位で表示されますが、平均的な数値になっており実際の瞬間最大値はさらに高い値を取っている場合があります。記事中では表示値からおおよその平均を取って表記しますが、実際には+100Wから+200Wの瞬間的な負荷が発生することがあるので注意してください。
REX-BTWATTCH1

ラトックシステムのスマホ対応ワットチェッカー第2世代を試す
ラトックシステム ワットチェッカー


電源ユニットのファンノイズはサウンドレベルメーターを利用してノイズレベルを測定・比較していきます。
電源ユニットは机の上に横置きとし、電源ユニットの吸気面と向かい合わせにして50cmほど離した位置にサウンドレベルメーターを設置しています。
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この測定方法において電源OFF時の騒音値は30dB未満です。目安として騒音値が35dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになりますが、35~38dB以下であればPCケースに入れてしまえばファンノイズが気になることはそうそうないと思います。40dB前後になると煩く感じ始め、45dBを超えるとヘッドホンをしていてもはっきり聞き取れるくらいになります。
A特性で測定しているのである程度は騒音値にも反映されていますが、同じ騒音値でも周波数(ファン回転数)が高いほど体感としては大きな音に感じやすく、また不快に感じたり感じなかったりは音の性質(細かい乱高下の有無や軸ブレ)にもよるので注意してください。
*記事中に青色の騒音計も出てきますが、ファンノイズが大きく変化する時やファンストップ時の指標、距離などを統一せずにざっくり”とても静か”と分かりやすくするため、等に使っているだけなので数値自体の比較はしないでください。

またベンチ機のCPUクーラーやグラフィックボードから出るファンノイズについては吸音材の板を使用して電源ユニット本体のファンノイズ測定への影響を下げています。電源ユニットのファンノイズを測定する瞬間は電源負荷に影響が出ないように注意した上で、グラフィックボードやCPUクーラーの冷却ファンのファン速度を下げているので、測定値33dB以上であれば、これらの影響は基本的に無視して問題ありません。
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消費電力とファンノイズの測定結果は次のようになりました。
「G-GEAR CSE850S GGP」のファンノイズについては、シングルグラフィックボード環境で一般的に消費される400Wはもちろん、TGP300W超のRTX 3080/3090を搭載した500W負荷、さらには実用上、同電源ユニットで安定動作を狙える700W前後の負荷に至るまで、ノイズレベルは32dB以下という極めて優れた静音性を発揮しました。

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システム 消費電力 ファンノイズ
アイドル
60 30.0
GTX 1650 / SUPER
120 30.0
GTX 1660 Ti / SUPER
200 30.4
RTX 2060/S, RX 5700 250 30.4
RTX 2070/S, RX 5700 XT 300
30.4
RTX 2080 SUPER, Radeon VII 350 30.9
RTX 2080 Ti, RX 6800 400 31.1
RTX 3080, RX 6800 XT
450 31.0
RTX 3090, RX 6900 XT 500
31.0

550 31.2

600~650
31.4

650~700
31.6


「G-GEAR CSE850S GGP」は500Wクラスの負荷をかけても、ファンレス動作と大差ないごく微小なファンノイズしか発しません。700W程度の負荷をかけてやっと、平置きの状態で耳を近づけ、注意してファンの動作に気付く程度です。Gold認証の変換効率でここまでの静音動作を実現できることにはかなり驚きました。
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ファンノイズがこれだけ小さいということはファン速度が非常に低いので、電源ユニット内部がちゃんと冷えているのか気になるところですが、背面のエアスリットから内部温度をサーモグラフィーで確認してみても、500W負荷時でホットスポットの最大温度が80度前後に収まっていました。
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高温ではあるものの破損の心配があるほどではないというのは当然として、外装の温度も40度程度なので他の部品への影響も問題なさそうです。
近年のPCケースでは電源ユニットは底面吸気からそのまま排気のチャンバー分け構造が標準であり、電源ユニットの背面や外部の温度は十分に低いので、PCケース内部で他のパーツに熱を転写する心配もありません。
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続いて「PassMark Inline PSU Tester」という電源電圧等の検証ツールを使用し、電源容量の半分を超えるような大負荷時にPCIE補助電源+12Vがどの程度安定しているのかチェックしてみました。(まだ20年10月から導入したばかりなので参考までに)
PassMark Inline PSU TesterについてはTechpowerupという海外サイトにおいてその測定値が、電力測定用の専門機器と比較してどれくらい精度があるのか検証されています。
PassMark Inline PSU Testerでは単純な電力・電圧・電流だけでなく、リプル、PSU Timings、Slew Rateなど細かい部分も計測できるのですが、内容が専門的になり過ぎ、一部測定値は専門測定機器に比べて誤差が大きい(TPUによると)という理由もあって、当サイトでの検証では測定値が信頼できそうで、なおかつ電源ユニットの性能として一般ユーザーにとっても身近かつ分かりやすい、PCIE補助電源+12Vの安定性に的を絞ってチェックしていきます。
PassMark Inline PSU Tester
「PassMark Inline PSU Tester」を使用したPCIE補助電源+12V安定性の検証方法についてはファンノイズの測定と同様に、3DMark Time Spyグラフィックテスト1のループ再生を使用して一定の電源負荷をかけ続けます。さらに電源負荷をかけたい場合はグラフィックボードを2枚にしたり、同時にCPUを使用した動画のエンコードを行ったりします。以上の方法で一定の電源負荷を10分程度かけ続け、その間にグラフィックボードに接続したPCIE補助電源の+12V電圧がどの程度安定しているのか、ログから確認します。
PassMark Inline PSU Tester_stress-test
また負荷として3DMark Time Spy グラフィックテスト1ではなく、AIDA64 System Stability Testを使用することもあり、検証に使用した負荷は文章やグラフに併記しています。AIDA64 System Stability Testを使用すると3DMark Time Spy グラフィックテスト1に比べて電力変化が小さいので、電圧変動も小さくなります。
AIDA64 Stability Test


「G-GEAR CSE850S GGP」に対して3DMarkで500W程度の電源負荷をかけ続けた時に、グラフィックボードへ接続したPCIE補助電源の+12V電圧の挙動は次のグラフのようになりました。連続変化ではありませんが観測された最大値と最小値の変動幅は4.3%程度でした。
G-GEAR CSE850S GGP_Voltage-Stability_PCIE+12V_500W
「G-GEAR CSE850S GGP」に対して3DMarkに加えてx264エンコードで650W~700W程度の電源負荷をかけ続けた時に、グラフィックボードへ接続したPCIE補助電源の+12V電圧の挙動は次のグラフのようになりました。連続変化ではありませんが観測された最大値と最小値の変動幅は3.7%程度でした。
G-GEAR CSE850S GGP_Voltage-Stability_PCIE+12V_700W



G-GEAR CSE850S GGPのレビューまとめ

最後に「G-GEAR CSE850S GGP」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • 電源容量850W、80PLUS Gold認証取得のハイパフォーマンス電源ユニット
  • ATX電源としては最小クラスな奥行140mmのコンパクトサイズ
  • +12Vはシングルレールで最大70.8Aに対応
  • 実用的な負荷全域に対してノイズレベルは32dB以下
  • BTO PCでは未使用のプラグインケーブルも付属
  • 税込み1.7万円程で単品販売あり、保証期間は5年
悪いところor注意点
  • ATX24PINやPCIEなど主要な電源ケーブルがリボンケーブルではなくスリーブまとめ型
  • CWT製Gold認証750W電源ユニットからのアップグレード費用は+1万円程

「G-GEAR CSE850S GGP」は電源容量850Wの大容量、50%負荷時に90%以上の高い変換効率を証明する80Plus Gold認証取得、+12V出力はシングルレール70Aとなっており、GeForce RTX 3090/3080やRadeon RX 6900/6800 XTなどTGP300W超級グラフィックボードにも余裕で対応できます。
仮にBTO PCをオーダーする時のグラフィックボードがGeForce RTX 3060 TiやRadeon RX 6700 XTのようなTGP200Wクラスであっても、「G-GEAR CSE850S GGP」を選択しておけば、将来的なグラフィックボードのアップグレードにおいて電源スペックが不足する心配がないので、長い目で見れば良い選択になるはずです。

冷却ファンの静音性についても「G-GEAR CSE850S GGP」は、一般的なシングルグラフィックボード環境における400W程度から、TDP300W超な最新ハイエンドGPU環境における500W程度、さらには実用的な上限となる700W程度まで負荷全域においてノイズレベル32dB以下という極めて優れた性能を発揮しました。

ベンチ台に平置きしていても近づいて注意深く聞いてみないとファンの動作を確認できないレベルの非常に小さいファンノイズしか発しません。

「G-GEAR CSE850S GGP」はATXサイズ電源ユニットとしては最小クラスな奥行140mmであるところも魅力です。同社の最新BTO PC用筐体EX-623T-A4にはPSUシュラウド内で電源ユニットとスペースを共有するストレージシャドウベイがありますが、奥行きコンパクトな「G-GEAR CSE850S GGP」であれば、フロントスペースが水冷ラジエーター&ファンに対応するシャドウベイの後方寄りオフセット配置でも、電源ケーブルを配線するのに十分なスペースを確保できます。
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欲を言うならATX24PINやPCIEといった主要電源ケーブルはスリーブまとめ型ではなく、スリムで取り回しの良いリボンケーブルにして欲しかったところ。ただ、逆に電源ケーブルくらいしか弱点が見当たりません。

ちなみに同じOEM元のCWT製Gold認証750W電源ユニットを標準構成にするG-GEARゲーミングBTO PCにおいて、電源ユニットを「G-GEAR CSE850S GGP」にアップグレードする費用は+1万円程でした。性能・品質共に自作PC向けパーツと遜色ないだけあって、アップグレード費用も市販パーツ並みです。
+4000~5000円くらいであれば「将来を見越して電源だけ良いものにしようか」と選びやすくなると思うので、TSUKUMOにはもう一声期待したいところです。
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以上、「G-GEAR CSE850S GGP」のレビューでした。
G-GEAR CSE850S GGP





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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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