G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX


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AMD Ryzen対応DDR4メモリ「G.Skill FLARE X」シリーズからXMP3200MHzに対応した高選別OCメモリである「G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX」を購入したのでレビューします。AMD Ryzen環境はInfinity Fabricというチップ内外のインターコネクトの動作がメモリ周波数に同期しており、メモリ周波数のオーバークロックで総合的な性能が大きく変化するため、OCプロファイルによるメモリ周波数のOCに対応したF4-3200C14D-16GFXは最高のRyzen環境構築にとって非常に強力な武器になります。

製品公式ページ:https://gskill.com/en/product/f4-3200c14d-16gfx
国内代理店:http://www.mustardseed.co.jp/products/gskill/f4-3200c14d-16gfx.html
Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX_p1


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---【注意】--------------------------
メモリOCで有名なXMPプロファイルは「インテル エクストリーム・メモリー・プロファイル」の略称でありIntelの策定した規格なので、AMD Ryzen環境において”XMPでOCする”等の表現をするのは厳密には正しくありません。ただしXMPプロファイルに収録されたメモリ周波数とタイミングの設定値からAMD Ryzen環境に合わせたメモリOCプロファイルを自動生成する機能として、「ASUS D.O.C.P」や「MSI A-XMP」などが各社マザーボードのBIOS上に機能として用意されているので、AMD Ryzen環境においてもXMPプロファイルを流用したメモリOCを当記事中では便宜上細かいことを気にせずに”XMPを使用したOC”などXMPとして表記します。
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G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX レビュー目次


1.G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFXの外観
2.メモリOC検証機材、メモリOCの基本と手順
3.G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFXのXMP OCを試す
4.G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFXのレビューまとめ



G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFXの外観

まず最初にG.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX DDR4メモリの外観をチェックしていきます。
プラスチップ製の簡素なパッケージを開けると8GB×2のモデルなの2枚のメモリが入っています。
G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX review_07695
メモリヒートシンクは光沢とまではいきませんが艶のあるブラックです。
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ヒートシンクは2枚のアルミ板を両面から重ねた簡単な構造になっています。
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メモリヒートシンクのデザインについては個人の好みにもよると思いますが、「G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX」は同社のIntelプラットフォーム向けOCメモリであるG.Skill TridentZやCorsair社のハイエンドOCメモリであるDominator Platinumに比べると垢抜けない感じが否めません。とはいえカラーリングは艶のあるブラックなのでだいたいのマザーボードと組み合わせることができると思います。
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メモリヒートシンクを含めたメモリの背の高さを比較してみると、「G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX」はG.Skill TridentZやCorsair Dominator Platinumよりは背が低いという具合になっていました。G.Skill TridentZより放熱フィンの分で2,3mmほど背が低いようです。
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メモリOC検証機材、メモリOCの基本と手順

ここからはメモリのオーバークロックを行いますが、その前に検証機材の紹介と、メモリOCの基本・手順についての説明を行います。

G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX DDR4メモリのメモリOCを行う環境としては、ASRock Fatal1ty X370 Professional GamingなどRyzen CPUに対応する8種類のAM4マザーボードで構成されているベンチ機を使用しました。
テストベンチ機の構成
CPU AMD Ryzen 7 1800X (レビュー
CPUクーラー Corsair H110i
レビュー
メインメモリ G.Skill FLARE X
8GB×2=16GB
型番:
F4-3200C14D-16GFX
マザーボード
【ASUS】
ROG CROSSHAIR VI HERO (レビュー
ROG STRIX B350-F GAMING (レビュー
【ASRock】
Fatal1ty X370 Professional Gaming(レビュー
AB350M Pro4 (レビュー
【GIGABYTE】
Aorus GA-AX370-Gaming K7 (レビュー
【MSI】
X370 XPOWER GAMING TITANIUM (レビュー
X370 GAMING PRO CARBON (レビュー
【BIOSTAR】
X370GTN (レビュー
ビデオカード ASUS ROG STRIX GeForce GTX 1080 Ti
レビュー
システムストレージ
CFD SATA SSD 120GB
OS Windows10 64bit Home
電源ユニット Corsair RM650i (レビュー

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実際にメモリのオーバークロックを行う前にメモリのOCについても紹介しておきます。
今回はASRock Z270 SuperCarrierの設定項目に合わせて紹介しますが、マザーボードメーカーによってレイアウトこそ多少異なるものの、メモリOC設定の方法については基本は共通なのでここの説明を一通り読めば予備知識としては十分だと思います。プラットフォーム別でも、18年最新のIntel第8世代CoffeeLake-S CPUに対応するIntel 300シリーズマザーボードであればほぼ全ての機種で似たような設定が可能です。またIntel Skylake-X&X299マザーボード環境、AMD Ryzen&AM4マザーボード環境、AMD Ryzen Threadripper&X399マザーボード環境でもメモリOCの手順はほぼ同じです。
まず大前提としてオーバークロックはメーカー保証外の行為であり製品の破損やデータの消失もすべて自己責任となります。オーバークロック検証時は最小構成(CPU、マザーボード、メモリ、システムストレージ、グラフィックボード)以外は基本的にすべて外し、可能ならOC検証用のシステムストレージを用意するなど細心の注意を払ってください。最近のPCパーツは常識的な範囲内であればOCしても壊れることは滅多にないはずですが、データの破損は依然としてよくあることなので大切なデータは予め隔離するかバックアップをとってください。

CPUやGPUのオーバークロックと違ってメモリには負荷テストで落ちる(BSODやフリーズ)わけでもないのに、長期的に見てランダムにソフトウェアでエラーが発生するなどといったケースもあり、実用を兼ねるOCとしては比較的難易度が高いです。

最低限の安定性検証は必要なのでメモリOC時のストレステストについて、管理人は経験的にHCI memtestで200%カバーを確認後、動画のエンコードテストを30~60分で安定動作と判断しています。記事内で行ったメモリOCについては特に記載がなければ上記の検証クリアで安定動作としています。HCI Memtest
また18年に入ってから新たにリリースされた「Ram Test(レビュー)」という海外のメモリ安定性検証ソフトが軽量かつ使いやすく、1000円程の有料ソフトですがおすすめです。RAM Test
その他にも負荷テストにはPrime95やOCCTなどかなり重いストレステストを使うユーザーも多いようですが、CPUにしろメモリにしろ専用負荷ソフトを使ってOCの安定性検証をしていても落ちるときは落ちるので、ある程度のところで見切りをつけて、日頃のバックアップを心掛け、落ちた時は設定を緩めるか電圧を盛るほうが手っ取り早いというのが管理人の持論です。

メモリOCに伴うBSODやフリーズ以外の細かいトラブルについては次の記事でまとめたりコメント欄を情報交換に開放しているので活用してください。
DDR4メモリのオーバークロックで発症した不具合と解決策について
メモリのオーバークロックで発症した不具合と解決策について

CPUの倍率変更OCと違って、メモリOCの設定段階では正常にPOSTできずBIOSにすらたどり着けないケースもあり、そういった場合はCMOSクリア(BIOS設定の初期化)が必要になる場合があります。CMOSクリアの方法はオンボードやリアI/Oに実装されたスイッチを使用したり、オンボードジャンパーピンを使用したりとマザーボードによって方法が異なります。メモリOCを実践する前に予めCMOSクリアの方法をチェックしておいてください。
CMOS Clear_1CMOS Clear_2


前置きはこのあたりにして、メモリのオーバークロックに関するBIOSの設定について、Core i7 7700KなどKabyLake-S CPUに対応するZ270チップセット搭載マザーボードのASRock Z270 SuperCarrierを例に詳しく紹介していきます。
Memory OC Setting_2

メモリの性能は簡単に言うと『動作クロックが高く』『タイミングが小さい』ほど性能が高くなります。
そのためメモリOCを手動で行う手順を簡単にすると、「1.電圧を上げて動作可能なクロックを探し」、「2.そのクロックにおいて正常に動作する最小のタイミングを探る」という2つの手順を繰り返すことになります。最初のメモリタイミング設定については「16-18-18-36」とか「18-18-18-38」とか「20-20-20-40」とか、何でもいいのでてきとうに決め打ちするか、マザーボードの自動設定にお任せしてしまいます。動いたらラッキーでタイミングを小さく刻み、動かなかったらタイミングを緩めてまたチャレンジする、という具合で特定のメモリ周波数についてチェックしていきます。

メモリのOCでは、G.SkillやCorsairなどからOCプロファイルを収録したの選別済みOCメモリという便利なものが販売されています。XMPなどOCプロファイルによるOC対応がうたわれているOCメモリでは、上の手順によるメモリのオーバークロック、つまりOC耐性の選別をメモリメーカー側がすでに行って、その個体(メモリモジュール)について動作確認をしています。IntelプラットフォームではこういったOCプロファイルのことを「インテル エクストリーム・メモリー・プロファイル(XMP)」と呼んでいます。XMPはIntelが策定したものなので、厳密にいうとAMD環境には非対応ですが、XMPプロファイルに収録されたメモリ周波数とタイミングの設定値からAMD環境に合わせたメモリOCプロファイルを自動生成する機能として、「ASUS D.O.C.P」や「MSI A-XMP」などが各社マザーボードのBIOS上に機能として用意されており、XMPがほぼデファクトスタンダード的扱いになっているので、OCプロファイルによるメモリOCを”XMPでOCする”とまとめて表現してしまう場合もあります。
ともあれOCプロファイルによるメモリOCではメーカーが動作確認を行ったメモリモジュールでOCプロファイルを適用するだけなので、メーカーが確認済みもしくは類似の環境(主にQVLに記載のあるマザーボード)が用意できれば簡単にメモリをオーバークロックができます。


以上を念頭にBIOS(UEFI)メニューから行う具体的なメモリOCのBIOS設定を見ていきます。なおOC設定を詰めていく時はWindowsとBIOSを頻繁に行き来することになるので、BIOS(UEFI)への再起動ショートカットを作っておくと非常に便利です。BIOS(UEFI)への再起動ショートカットの作り方も別の記事で紹介しています。

ASRock Z270 SuperCarrierでは「OCツール - DRAM設定」の設定ページ内にある「設定の読み込み」で「自動(カスタム設定)」と「XMP」の2種類からメモリの動作クロックとタイミングを設定できます。メモリOC設定_2
「XMP」は上で紹介したように各メモリメーカーが一定環境で動作確認を行ったメモリのオーバークロックプロファイルがメモリに収録されており、その値が適用されて自動的にメモリ周波数とメモリタイミングがOCされます。XMPを使用しない場合は、「DRAM Frequency(メモリ周波数)」の項目とAutoにすると、DDR4メモリごとにSPDプロファイルに設定された2133MHz~2666MHzの動作周波数とタイミングによる定格動作となります。ASRock Z270 SuperCarrierなどASRock製のマザーボードでは「自動」モードが事実上のカスタム設定モードになっており、「DRAM Frequency(メモリ周波数)」でプルダウンメニューから動作周波数を選択できます。メモリOC設定_2
XMP対応OCメモリの仕様値ではメモリ周波数に加えて「16-18-18-36」のようなメモリタイミングについての表記に見え覚えのある読者も多いと思います。このワンセットになった数字はファーストタイミングもしくはプライマリタイミングとも呼ばれ、Intel/AMD環境毎やマザーボードベンダー毎に表記がやや異なるものの、前から順に「CAS Latency (tCL」)」、「RAS to CAS (tRCD)」、「RAS Precharge (tRP)」、「RAS Active Time (tRAS)」となっています。ユーザーが各自でメモリタイミングを手動設定する場合は上の4つに加えて「Reflash Cycle Time (tRFC)」と「Command Rate:1 or 2」の計6つについて設定し、残りはマザーボードの自動設定にお任せしてしまうのが、比較的簡単でおすすめな設定方法です。メモリOC設定_3
メモリのタイミングには他にも多くの項目がありますが、基本的には上の6つを適切に設定すればOKです。XMPの場合は自動的に動作確認済みのタイミングが適用されますし、マニュアル設定の場合でも設定値Auto(自動)であればマザーボード側がメモリ周波数に合わせて適当に設定を行ってくれます。
最初に書いたようにタイミングは小さい方が性能が高くなります。ただタイミングの設定は少し難しいのでXMPかAuto設定にお任せしてしまうのが手っ取り早くておすすめです。

なおメモリクロックもCPUコアクロック同様にBCLK(ベースクロック、FSBなどとも)に対する倍率なので、BCLKを変更することでBCLK:100MHz時の4133MHz上限から、例えばBCLK:120MHzにすると上限5000MHzに引き上げられます。ただしBCLKを使ったOCはかなり難易度が高いので基本的に100MHz固定が推奨です。
メモリOC設定_4メモリOC設定_5

DDR4メモリでメモリ周波数をOCする場合2133MHz~2933MHzあたりまでであれば、DRAM電圧は定格の1.200Vで問題なく動作することが多いですが、メモリ周波数3000MHz以上を狙う場合はDRAM電圧を1.350V以上まで昇圧する必要があります。マザーボードによってはメモリ周波数に応じて自動で設定してくれるものもありますが、手動設定のほうが確実なので予め設定しておくのがおすすめです。
メモリOC電圧_1
なおDRAM電圧を盛ると当然発熱は大きくなりますが、1.350~1.380V程度であればCPUソケット周辺に直接風の当たらない簡易水冷環境であってもOCメモリに設置されたヒートシンクによるパッシブ冷却で基本的に問題ありません。メモリ周波数4000MHz以上になると1.400V以上が要求され、OC自体も難しくなり発熱も大きくなってくるので、IntelプラットフォームのCoffeeLake-S(Z370)、KabyLake-S(Z270)、Skylake-X(X299)の環境では3200~3600MHz、AMDプラットフォームのRyzen(X470/X370)やRyzen Threadripper(X399)の環境では2933~3200MHzを狙うのが難易度的には比較的簡単なのでおすすめです。

説明の順番が前後してしまいましたが、初めてメモリのOCをする場合は、メモリ周波数やタイミングを変更する前に、HWinfoなどのモニタリングソフトを使用してBIOSで指定した電圧設定が正常に反映されているか確認しておくとメモリOCに失敗した時に原因切り分けに役立ちます。メモリOC電圧_4

Intel CPUのKabyLake-S(Core i7 7700Kなど)やBroadwell-E(Core i7 6950Xなど)でDDR4メモリの動作クロックを3000MHz以上にOCする場合はDRAM電圧だけでなく「電圧設定」の項目内にある「VCCSA」も適度に盛ってやるとメモリOCの動作が安定します。またAMD Ryzen CPU環境の場合は「SOC電圧」を昇圧します。
設定の目安としてはIntel環境の「VCCSA」なら1.200~1.250V程度、AMD環境の「SOC電圧」なら1.100~1.200V程度を狙うといいようです。一部のマザーボードではメモリ周波数で高い数値を選んだ時やXMP適用時にこれらの電圧を自動的に昇圧してくれるものもありますが、メモリのOCを行うときはメモリ電圧同様に手動で設定しておくのがおすすめです。メモリOC電圧_2

また一部のマザーボードではメモリOCに伴いPCI-E拡張デバイスの検出不可やUSB機器同士の干渉といった不具合が生じる場合があります。グラフィックボードを検出できないと画面が暗転したまま表示できなくなるので非常に困ります。この不具合が発生した場合、CoffeeLake-SやSkylake-XなどIntel環境では「VCCIO」や「PCH Core Voltage」(マザーボードメーカーごとに表記が若干異なる)を1.150~1.200V程度に盛ると安定します。
検証機材のASRock Z270 SuperCarrierでもメモリ周波数を3000MHz以上にOCすると、PCI拡張デバイスの認識に不具合が発生しましたが、「VCCIO」を適当に盛ってやることでメモリをOCしても正常に動作しました。
メモリOC電圧_3


メモリのオーバークロックの方法や基礎知識については以上となります。BIOS上のOC設定のレイアウトについてはマザーボードベンダーが決まればほぼ共通です。下記のレビュー記事一覧から自分が使っているのと同じメーカーのマザーボードのレビュー記事を探して、OC設定の章を参考にしてみてください。
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G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFXのXMP OCを試す

G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX DDR4メモリはXMPというメモリに収録されたプロファイルを使用したメモリOCに対応しているので、それを使用してAMD Ryzen環境で簡単にメモリのオーバークロックを実践してみます。

なおXMPについてはあくまでメーカーが用意する検証環境における”動作確認済み”の選別品であって、ユーザー個別の動作環境に対する”動作保証ではない”ので注意してください。マザーボードやCPUとの相性によってはXMPプロファイル通りに動作しない場合もあります。メーカーの製品公式ページでは型番ごとにQVL(Qualified Vendor's List)として組み合わせ使用が推奨されるマザーボードもリストアップされているのでOCメモリの購入前にはそちらも合わせて参考にしてください。
Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX_p2

G.SkillのOCメモリにはBIOSからマニュアルもしくはXMPでOCして故障したとしても焼損・破損がなければ無期限に新品と交換可能という非常に手厚い保証があるのでメモリのオーバークロックを安心して行えます。
G.SKILLオーバークロックメモリモジュール保証規定------------------
弊社の保証シールが貼られたG.SKILLオーバークロック メモリーモジュール製品の保証は、永久新品交換保証です。製品仕様に合致する適切な使用にもかかわらず、製品に故障等が発生した際には、原則として製品お預かりによる新品交換で対応をさせていただきます。なお、弊社の保証を受けられる際は購入店様と購入日の確定が可能な書類(レシート・納品書等)等のコピーが必要となりますので、大切に保管をしていただくようお願いします。

この保証は、マザーボードBIOS(UEFI)でメモリー動作設定を変更したこと(Intel XMPプロファイルの適用、動作クロック・タイミングや駆動電圧の変更など)に起因する故障で、かつ、製品に焼損・破損等がみられない場合も保証対象となります。
--(http://www.mustardseed.co.jp/support/warranty_gskill.html)--------



前置きはこの辺りにして、XMPを使用したOCを実践してみます。
AMD Ryzen CPUに対応したAM4マザーボードはASUS、ASRock、GIGABYTE、MSI、BIOSTARの5社からリリースされていますが、いずれのメーカーもメモリに収録されたXMPプロファイルによるメモリのオーバークロック機能を用意しています。(一部のマザーボードは非対応の可能性あり)
Ryzen XMP_ASUS
Ryzen XMP_ASRock
Ryzen XMP_GIGABYTE
Ryzen XMP_MSI
Ryzen XMP_Biostar


今回はこれらのXMPによる簡単なメモリのオーバークロック機能を使用して、メモリの相性問題が比較的大きいAMD Ryzen環境でメモリ周波数を3200MHzにOCしてみました。その結果、「G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX」は5社8種のAM4マザーボード全てでXMPによる3200MHzへのメモリ周波数のオーバークロックに成功しました。高選別OCメモリということでメモリタイミングも14-14-14-14-34というかなりシビアな動作を実現しています。

・ASUS ROG CROSSHAIR VI HERO (レビュー
G.Skill FLARE X_XMP3200_ASUS_C6H_1

・ASUS ROG STRIX B350-F GAMING (レビュー
G.Skill FLARE X_XMP3200_ASUS_STRIX_B350

・ASRock Fatal1ty X370 Professional Gaming(レビュー
G.Skill FLARE X_XMP3200_ASRock_PG_1

・ASRock AB350M Pro4 (レビュー
G.Skill FLARE X_XMP3200_ASRock_AB350M_1

・GIGABYTE Aorus GA-AX370-Gaming K7 (レビュー
G.Skill FLARE X_XMP3200_GIGABYTE_K7

・MSI X370 XPOWER GAMING TITANIUM (レビュー
G.Skill FLARE X_XMP3200_MSI_Titanium_1

・MSI X370 GAMING PRO CARBON (レビュー
G.Skill FLARE X_XMP3200_MSI_Carbon_1

・BIOSTAR X370GTN (レビュー
G.Skill FLARE X_XMP3200_Biostar_X370GTN_1


上記の検証機材のうちASUS ROG CROSSHAIR VI HEROを使用して簡単にメモリOC前後の性能比較を行いました。
まずは比較対象としてメモリのオーバークロックをしていない状態でCinebenchのベンチマーク測定を行いました。特に設定を行わない定格の状態では2400MHzで動作して、ベンチマークスコアは1746でした。
G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX_OC_test_1
XMPを使用して簡単にメモリ周波数を3200MHzへOCしたところ、ベンチマークスコアは1771に伸びました。
G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX_OC_test_2


また国内最大手かつ大人気のMMO RPG「ファイナルファンタジーXIV 紅蓮のリベレーター」はGPUやCPUの序列に下剋上が発生するレベルでメモリの動作クロックが重要になってくるという珍しいゲームです。DDR4メモリの自動設定周波数となる2400MHzと今回行ったXMPによる3200MHzではベンチマークスコアに1500以上の差が出ます。
G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX_OC_test_3G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX_OC_test_4
単純なベンチマークスコアだけでなく、実際のベンチマークにおけるフレームレート推移比較するとボトルネックが大幅に改善されているのが一目瞭然でわかります。
G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX_OC_test_5


「ファイナルファンタジーXIV 紅蓮のリベレーター」のメモリOCに関連するパフォーマンスについては「G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX」を使用して次の記事で詳細に検証しています。
FF14 紅蓮のリベレーターで絶対に60FPSを切らないためのメモリOCを徹底解説!
FF14 紅蓮のリベレーターで絶対に60FPSを切らないためのメモリOCを徹底解説!
最新高画質PCゲームに関してRyzen環境でメモリOCによってパフォーマンスがどの程度向上するかについては下の記事で検証しています。
Ryzen 7はメモリOCでゲーム性能が上がる、ただしおみくじ。
AMD Ryzen 7のゲーム性能



また「G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX」を2セット使用して8GB*4=32GBをASUS ROG CROSSHAIR VI HEROに装着してみました。
G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX review_07697
XMPでそのまま動作というのは流石に無理でしたが、タイミングを緩めると4枚組でも3200MHzで無事に動作しました。
32GB,3200MHz




G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFXのレビューまとめ

最後にAMD Ryzen環境に対応したXMP3200MHzのOCメモリ「G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • M/B各社が用意するXMP OCプロファイルを流用したメモリOC機能に対応
  • 8種のマザーボードにおいてRyzen環境で3200MHz動作を確認
  • 焼損・破損がなければメモリOCで故障しても無期限に新品と交換可能な保証 (http://www.mustardseed.co.jp/support/warranty_gskill.html)
悪いところor注意点
  • 8GB×2=16GBで2.8~3.0万円と容量単価ではかなり高価

「G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX」ではXMPプロファイルを使用してメーカー・チップセット
の異なる8種類のマザーボードを使用したAMD Ryzen環境において3200MHzのオーバークロックが手軽に行えて正常に動作しました。


メモリについては必要な容量(現在のゲーミングデスクトップPCなら16~32GBあれば十分)さえ満たせば、OCによる性能の向上はCPUやGPUのOCに比べると実感しにくい部類である、というのがIntel環境における通説でした。
しかしながらAMD Ryzen環境ではInfinity Fabricというチップ内外のインターコネクトの構造上、メモリ周波数がエンコードや3Dゲームを含めた総合的なパフォーマンスに大きく影響することが知られています。AMD公式からも『今後のBIOS(マイクロコードAGESA)アップデートでXMP3200MHzのメモリであれば3200MHzで動作することを目標にしている』とのインタビュー(ソース)もあり、AMD Ryzenでハイパフォーマンスな環境構築を目指すのであれば是非ともメモリの3200MHz動作を狙いたいところです。

実入りが大きい分、AMD Ryzen環境ではメモリの相性問題が厳しく、そんな中でM/Bベンダー各社が用意するXMPを流用したメモリOC機能で容易に3200MHzを達成可能な「G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX」はハイパフォーマンスなRyzen環境を構築する上で非常に強力な武器となります。
Intelプラットフォーム向けのXMP3200MHzのOCメモリと容量単価で比較すると割高という事実はありますが、一部マザーボードではAGESA 1.0.0.6でメモリ相性問題が緩和されているとはいえ、動作するかどうか確実性の低いお御籤になるよりも、ほぼ確実にRyzen環境で3200MHzを達成できる「G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX」は価格相応の価値が十分あると思います。


以上、「G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX」のレビューでした。
G.Skill FLARE X F4-3200C14D-16GFX review_07677


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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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